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2013年3月


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 ギ ルガメッシュ叙事詩考
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2013 年 3月25日   修了式 離任の言葉
3月25日修了式。多部制のため従来3回あった修了式を(管理職)業務軽減ーーこういうことには熱心だーーのため午後と夕方の2回に。午前の部で退職の辞 としてギルガメッシュ叙事詩と大震災、歴史認識問題に関連して「過去に学びながら未来を新しい方法で築いていって欲しい」と話す。
社会科室で世界史の授業を受けていた生徒たちから花束。また校長室に呼ばれ、卒業式の件。都から「校長が指導せよ」と連絡された、で終り。組合分会、執行 部も申し入れをしてくれたよう。
その後職員への挨拶。卒業式で生徒に頂いた花束が離任する日銀総裁の退庁時の花束より大きかったことを「私たちの日々の仕事は日銀総裁の仕事より重要だ」 と自慢。夕方の部ではアメリカ先住民に仮託し「多様性を大事に」と。
夜帰宅しようとするとバド部の生徒から呼び出され早稲田のサイゼリアで夕食。皆よく食べる。春の都大会、夏の全国大会での再会を約す。

 離 任の言葉                                       
本校で3年間世界史を担当しましたが、60歳となり定年で退職します。この3年間で経験した人生で一番の出来事は、君たちも同じかもしれませんが、2年前 の3・11東日本大震災と福島第一原子力発電所事故です。授業でも触れましたが、人類最古の文明とされるメソポタミアにおけるシュメール人の都市国家ウル ク第一王朝の5代目の王、紀元前2700年ころのギルガメッシュについての叙事詩があります。このギルガメッシュ叙事詩はシュメール語、アッカド語、バビ ロニア語、ヒッタイト語、アッシリア語で粘度版に記録され続けてきたものですが、この物語の白眉、中心的なテーマになっているのが古代メソポタミアを襲っ た大洪水です。ギルガメッシュは様々な冒険譚の最後に洪水で滅んだ都市シュルッパクで唯一方舟を作り生き延びて神となったウトナピシュティムを訪ね、大洪 水の有様を聞きます。じつはわたしは不勉強な教員でこの叙事詩をきちんと読んだのは3年前本校の一人の生徒が総合学習でこの叙事詩をテーマとして取り上 げ、私も付き合いで読んだのです。その後東日本大震災があり、その津波の映像をみてあらためてこの叙事詩を読みかえすと、この大洪水に「大地は壷のように 破壊された」とか、洪水が退く過程で「大洋は静まった」のように地震、津波の要素があることに気づきました。さらに、シュメールの神々は大洪水で人々が粘 土に返ってしまったことを嘆き、愛の女神イシュタルはラピスラズリという宝石を掲げ、「私はこれらの日々をけっして忘れない」と誓います。この叙事詩は大 規模自然災害への警鐘という意味もこめて、その後の様々な民族の文化に千年以上も継承されていったと思われます。
さらに時代は千年ほど下りますが、アムル人によるバビロン第一王朝の紀元前1700年頃の六代目の王ハンムラビによるハンムラビ法典があります、こちらの 方が有名ですね。その玄武岩に刻まれた282条の条文のなかに、「もし津波が農地を襲い、収穫がなかったとき、その農民に負債があれば、その年その返済は 猶予される」という規定があります。 このように人類は有史以来大規模自然災害に対する社会的な備えを築こうとして来たとも言えるのですね。
また、昨年は日中関係、日韓関係におおきな問題がおこり、いまもそれらは解決していません。現在日本の安倍首相は「未来志向」ということを述べています。 悪くはないとおもいます。ただ、おとなりの韓国の初の女性大統領である朴大統領は「過去を直視してこその未来」というように釘を刺しています。その言葉は 第二次大戦後40年を記念し、ナチスの暴力、犯罪をドイツ国民に戒めるために当時西ドイツ大統領だったワイツゼッカーが述べた言葉、「過去に目を閉ざす者 は未来に対しても盲目となる」という言葉をふまえたものです。戦前戦中のドイツと日本に幾らか違いもあるかもしれません。また戦後70年近く経過して、私 もですが君たち戦後生まれの日本人に直接戦前、戦中の責任はありません。ただ、歴史は個人をこえてその社会や集団に問われるという側面もあると思われま す。
70年前といわず、わずか2年前の大震災についても、私もですが日々の記憶から失われつつあ り、とくに福島原発事故については「なかったこと」にする動き すら現在生じているように思われます。

先ほど「未来」という言葉を使いましたが、ワイツゼッカーさんは現在92歳で存命ですが、日 本の首相も韓国の大統領も、そして私も50代後半から60代で あり、私たち中高年にはそれほど「未来」はありません。未来があるのは言うまでもなく、若い君たち生徒諸君です。現在様々な問題が日本と世界にあります が、なかには大変難しい問題もありますが、どうか過去から学んで新しい未来を築いていってほしいと思います。また、近い未来というか来年再来年の近未来に ついても、本校を卒業し進学でも就職でも自らの進路を切り開いていってください。
私が在職した学校は4部制でしたので、昼の終業式の後、夜の終業式もあり、つぎのように述べました。
世界史と4部4組の担任とバド部顧問をしていました。最後にお詫びしたいのですが、世界史の 授業で自分はジョニー・デップに似ているとずっと言ってきまし たが、決して大それた意図はありません。彼はアメリカ先住民であるチェロキー族の血を受け継いでおり、アメリカ大陸の先住民は2万年前までにベーリング海 峡が陸橋だったときにユーラシアからアメリカへ渡った人々の子孫であり、つまり私たちと同じアジアンであると言いたかった訳なのです。
ところで19世紀半ばチェロキー族はチェロキーネーションという国家を形成し、ジョン・ロスという首長、選挙で選ばれた首長がいたのですが、このジョン・ ロスにはチェロキーの血は8分の1しかありませんでした。彼の曾おばあさんがチェロキーの娘でスコットランド系の男性と結婚し、その娘がまたスコットラン ド系の男性と結婚、その子のひとりがまたスコットランド系の男性と結婚して生まれた子の一人がジョン・ロスでした。 
この家族がユニークなのは、生まれてきた子供たちにチェロキーの言語や文化、習慣とスコットランドの言語、文化、習慣をひとしく教えて育てたということで す。その結果、ジョン・ロスはチェロキー族の首長となり、かれらと運命をともにすることになります。19世紀半ばチェロキー族は東部ジョージア州から中西 部オクラホマへの強制移住、いわゆる「涙の道」を強いられるのです。こういうことを授業では扱ったのですが、きちんと伝えられたでしょうか?
ところでこのジョン・ロスの家族のあり方は19世紀のアメリカ合衆国以上に現在の日本、世界でより大切なモデルを示していると思います。自己の言語、歴 史、文化とともに相手の言語、歴史、文化にも深い理解がもてるということほど、いま重要なことはありません。そして日常の中で多様性を学べるという本校の 君たち生徒の状況や、教職員もけっこう多様だという特色も本校ならではです。是非これからも多様性のなかで様々なことを学び、卒業していってください。
 
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2013 年 3月22日
本日新宿山吹高校卒業式。担当クラスからは5人が卒業。情報科4部会では卒業生がいる私は式場で証書授与の介添え係の案だったが、「校長決定」なるもので 今年もエントランスでの受け付けとされる。役割分担の受付を式開始後20分で終え例年のように式場に入ろうとしたが、副校長が入り口に待機し、「座席が無 い人は入れません」と。去年までは入れたよと押し問答。一人一人に卒業証書を渡すこれまでのやり方を今年は代表者に一括で渡す、とする校長の意向は教職員 の反対で撤回させていた。普通科の授与が終わり、情報科クラスの生徒の証書授与まで20分ほど入り口のなかで見る。式後社会科室で卒業生と最後のお別れ。 その後校長室に呼ばれ「職務命令違反で都教委に報告する」と。今年は昨年異動した教職員や産休中の教職員も式場から排除した。馬鹿げた、愚かな所業をこち らから抗議して校長室を出る。
「被処分者の会」
http://www7a.biglobe.ne.jp/~hishobunshanokai/
事務局の近藤さんに事態を報告。「異動・産休中の職員まで式場から排除する学校は少ないが、都は10.23通達に関わる最高裁判決後の不起立の増加を抑圧 することに躍起になっており、最悪来週木曜の教育委員会で処分決定も」とのこと。
その後社会科室にバド部の生徒たちがきて、退職記念の大きな花束を渡された。


 


2013 年 3月16日
3月16日、恵比寿駅近くのメキシコ料理店、「サムの店」で長尾さんと飲み会。オーナー、サム・モレノさんは以前農芸の行事で長尾企画によるカズ・メヒコ こと長尾さんとのライブ演奏で、てっきりメキシコのひとと思えた方。長尾さんもサンブレラ冠り熱唱。










                                                                                                                                                                
  
     





























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