Fukupulio's Page

Blog
2020年11月


ホーム
ブログ

写真
旅の写真
  You Tube 
世界史Print
リンク

 
神 戸・お店
六 甲山とその周辺
時 事
集団的自衛権考
砂川事件判決
国旗・国歌訴訟
ギ ルガメッシュ叙事詩考






2020年11月30日
「植村記者と朝日新聞の捏造が事実として確定したという事ですね」19日安倍晋三FB
 森友や加計で政治を私物化し公文書を改竄させ桜で有権者を供応、国会答弁は虚偽を連発し参院選で買収資金を供与したどの口がいうのか。

「元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀重い口開く
日中戦争や第二次大戦の際,「女子挺(てい)身隊」の名で戦場に連行され,日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」のうち,一人がソウル 市内に生存していることがわかり,「韓国挺身隊問題対策協議会」(尹貞玉・共同代表,十六団体約三十万人)が聞き取り作業を始めた。同協議会は十日,女性 の話を録音したテープを朝日新聞記者に公開した。テープの中で女性は「思い出すと今でも身の毛がよだつ」と語っている。体験をひた隠しにしてきた彼女らの 重い口が,戦後半世紀近くたって,やっと開き始めた。
尹代表らによると,この女性は六十八歳で,ソウル市内に一人で住んでいる。(中略)女性の話によると,中国東北部で生まれ,十七歳の時,だまされて慰安婦 にされた。二,三百人の部隊がいる中国南部の慰安所に連れて行かれた。慰安所は民家を使っていた。五人の朝鮮人女性がおり,一人に一室が与えられた。女性 は「春子」(仮名)と日本名を付けられた。
一番年上の女性が日本語を話し,将校の相手をしていた。残りの四人が一般の兵士二,三百人を受け持ち,毎日三,四人の相手をさせられたという。「監禁され て,逃げ出したいという思いしかなかった。相手が来ないように思いつづけた」という。また週に一回は軍医の検診があった。数ヶ月働かされたが,逃げること ができ,戦後になってソウルへ戻った。結婚したが夫や子供も亡くなり,現在は生活保護を受けながら,暮らしている
― 植村隆,朝日新聞大阪版 27 面 1991 年 8 月 11 日」
「Q2:なぜ、植村氏による朝日新聞1991年8月11日付けの署名記事は「捏造」といわれているのですか?
A: 植村氏は、女子挺身隊と慰安婦は無関係であることを知りながら、金学順さんについて、公権力による動員を意味する、「女子挺身隊」の名で戦場に連行された「朝鮮人従軍慰安婦」の生存者である、と報道したからです。」(櫻井よしこオフィシャルサイト)https://yoshiko-sakurai.jp/2020/03/05/8536
「戦前、女子挺身隊の美名のもとに従軍慰安婦として戦地で日本軍将兵たちに凌辱されたソウルに住む韓国人女性、、、金学順さん」(北海道新聞1991年8月15日社会面記事)
「太平洋戦争中、朝鮮人女性が『女子挺身隊』の名でかり出され、従軍慰安婦として前線に送られた。その数は二十万人ともいわれているが、実態は明らかではない」(読売新聞1991年8月26日朝刊)
「金さんは17歳の時、日本軍に強制的に連行され、中国の前線で、軍人の相手をする慰安婦として働かされた」(1991年12月7日産経新聞)
「十四歳以上の女性が挺身隊などの名で朝鮮半島から連行され、従軍慰安婦に。その数は二十万人ともいい、終戦後、戦場に置き去りにされた」(毎日新聞1991年12月13日朝刊)
「戦時中、『挺身隊』の名目で強制連行された朝鮮人の従軍慰安婦は十万とも二十万人ともいわれる」(読売新聞1992年1月16日朝刊)
 1991年初めて朝鮮人日本軍慰安婦だったと名乗り出た金学順さんについての朝日新聞植村記者による記事への、当事者に取材することもなく植村氏に取材 もないまま評論家櫻井よしこによる2014年からの雑誌や自身のブログでの執拗な「記事は捏造」キャンペーによって数多くの脅迫と誹謗中傷を受け、植村氏 の神戸松蔭大学教授への採用が見送られたりその娘さんの写真がネットに晒され「自殺するまで追い込むしかない」「必ず殺す」などの匿名の恫喝が繰り返され た被害に対する名誉毀損損害賠償訴訟。
 2018年11月の札幌地裁判決(岡山忠広裁判長)は、櫻井論文の「意図的な虚偽報道」との見出しや「継父による人身売買を隠して慰安婦とは何の関係も ない女子挺身隊の名で日本軍に戦場に強制連行されたという事実と異なる記事をあえて執筆した」「事実を隠して捏造記事を書いたのは、継母(韓国太平洋戦争 犠牲者遺族会常任理事)の訴訟を支援する目的」「こんな人物に、はたして学生を教える資格があるのか」などの表現について、「継父によって人身売買され慰 安婦にさせられた」との主張が真実とは言えないと認め(判決44ページ)、植村氏に対する名誉毀損も認定しながら、「その摘示されている事実又は意見ない し論評の前提とされている事実は、真実であると証明されているか、事実の重要な部分を真実と信ずるについて相当の理由がある」として、名誉毀損の「違法性 は阻却され、又は故意若しくは過失は否定されるというべきである」と訴えを全て棄却した。https://drive.google.com/.../1PMh8mvssp3Phw6WooFMwIA.../view
 「女子挺身隊の名で」「女子挺身隊の美名のもと」「日本軍に強制的に連行され」「十四歳以上の女性が挺身隊などの名で」「『挺身隊』の名目で強制連行さ れた朝鮮人の従軍慰安婦」などの表記は、90年代の国内における報道で一般的であり、植村氏の記事に固有のものではない。また91年8月11日の段階で植 村氏はこの女性が13歳の頃養父のいた「検番」(キーセン=韓国の芸妓養成所)に入ったことを把握しておらず、またそれを知ってからも「キーセン」が日本 で誤って売春業と見做されかねないことから記事に書かなかった。この記事の執筆もこの女性の録音テープの存在を知った朝日のソウル支局長からの依頼で執筆 しており、訴訟支援とは関係がない。
 数ある報道の中で唯一朝日と植村氏個人を根拠脆弱なまま「捏造記事」と狙い撃ちで誹謗するこの櫻井の「論文」なるものは、明らかな事実誤認とそれに基づ く意図的かつ重大な「名誉毀損」でしかない。しかし、この札幌一審判決は、櫻井を擁護したいために例えば植村記事の「連行」との表記に関する櫻井の「捏 造」との批判に対する事実の摘示において、「「だまされた」と「連行」は両立しない」(判決44ページ)「「戦場に連行され」は意思に反して連れて行かれ たを意味し、だまされて連れて行かれたとの意味を読み取ることはできない」(判決54ページ)などと、現在の旧日本軍慰安婦制度など性暴力に関する国際的 な知見からしてあまりにも非常識でお粗末な論理破綻の要点を重ねて、無理矢理に棄却へとつなげる代物だ。岡山忠広裁判長は法務官僚出身で同じ札幌地裁で 2019年4月安保法制違憲国家賠償請求訴訟を「平和的生存権は法律上保護された具体的権利ではない」「自らの信条や信念と反する立法等によって精神的苦 痛を受けたとしても受忍されなければならない」「安保法の違憲性を判断するまでもない」などとして強引な指揮のもと棄却している。http://anpoiken.jp/2019/04/22/seimei0422-2/
 札幌高裁そして最高裁もこの判決の論理破綻を何ら見抜くこともなく維持し原告敗訴を確定したもので、この国の司法の退廃ぶりが際立つ。体調不良を理由に 辞職したが過去に向き合うこともできず相変わらず個人攻撃を続ける元首相に責任を取らせることも含めて、この国をもっとまともなものにする責任がわたした ちにある。

《従軍慰安婦報道に関する名誉毀損訴訟を巡り、安倍晋三前首相が会員制交流サイト(SNS)に事実と異なる投稿をしたとして、削除要求の内容証明を送りつ けられる騒動が起きている。訴訟は、従軍慰安婦に関する記事を「捏造(ねつぞう)」と決めつけられたとして、朝日新聞元記者の植村隆氏(62)がジャーナ リストの桜井よしこ氏(75)らに損害賠償を求め、札幌地裁に2015年に提訴。一、二審は請求を棄却し、最高裁が今月18日に上告を退けて原告敗訴が確 定した。(共同通信=新崎盛吾)
 安倍前首相は自身のフェイスブックに20日、植村氏の敗訴確定を報じた産経新聞の記事を添えて「植村記者と朝日新聞の捏造が事実として確定したという事 ですね」と投稿した。しかし、確定判決は植村氏に対する名誉毀損を認めた上で「植村氏が事実と異なる記事を執筆したと(桜井氏が)信じたのには相当な理由 がある」とした内容。植村氏も「法廷では桜井氏自身が事実誤認を認め、捏造でなかったことも裁判で明らかになった」と話している。
 植村氏は1991年8月、韓国で元慰安婦として名乗り出た女性の記事を朝日新聞に掲載した。桜井氏らはこの記事について「『女子挺身隊の名で戦場に連 行』という本人が述べていない経歴を加えた」「親に人身売買された経緯を書かなかった」ことなどを根拠に、新聞や雑誌で「捏造」と指摘していた。
 ▽「娘を殺す」と脅迫状
 事態はその後、2014年1月30日発売の「週刊文春」が掲載した「“慰安婦捏造”朝日新聞記者がお嬢様女子大教授に」との見出しの記事をきっかけに、 大きく動き出す。朝日新聞を退職予定だった植村氏の再就職をやゆした記事だったが、内定先の大学に抗議や嫌がらせの電話とメールが殺到し、再就職は破談 に。非常勤講師を務める札幌の大学には、爆破予告などの脅迫状が相次いで届いた。
 さらに文春が同年8月6日発売の号に「慰安婦火付け役 朝日新聞記者はお嬢様女子大クビで北の大地へ」との続報を掲載したことで、バッシングはさらにエスカレートした。
 植村氏の娘の実名や高校名、顔写真などがネット上にさらされ「(娘を)必ず殺す」と書かれた脅迫状が届き、警察が身辺警護に動いた時期もあった。植村氏 は、家族や勤務先の大学を巻き込んだバッシングを止めるため、桜井氏らを札幌地裁に、同様の主張をしていた西岡力・東京基督教大教授(当時)と文芸春秋を 東京地裁に、それぞれ提訴した。
 ▽辞任後、初めての感想投稿
 安倍前首相のフェイスブックのフォロワーは60万人余り。9月16日の首相辞任後、靖国神社参拝など自身の行動を計5回発信していたが、記事の感想を投 稿したのは初めて。19日にツイッターで産経新聞の電子版記事をリツイート(転載)した後、同じ記事をフェイスブックで引用紹介。翌日に自らの投稿にコメ ントする形で「植村記者と朝日新聞の捏造が事実として確定したという事ですね」と書き込んだ。
 植村氏の弁護団によると、削除要求の内容証明は24日に送付し、1週間以内に投稿を削除するよう求めている。
 意図的に事実をゆがめる「捏造」という表現は、単なる間違いを意味する「誤報」とは異なり、記者にとって死刑判決に相当する重い意味を持つ。東京の訴訟 も、一、二審は請求を棄却したが「論文や記事は、植村氏の社会的評価を低下させる名誉毀損に該当する」と認定。その上で「(捏造との指摘は)意見や論評の 域を脱したものではない」として、西岡氏らを免責する判断を示している。
 東京訴訟に対する最高裁の判断も近く示されるとみられるが、安倍前首相が削除要求にどのように対応するのかにも、注目が集まっている。》


月別表示
次年 2020年
前年
1月
2月 3月 4月
5月 6月 7月 8月
9月 10月 11月 12月





2020年11月28日
・27日午後6時半すぎ感染が拡大している札幌市と大阪市から出発する旅行について利用を控えるよう呼びかけ。
「ノモンハン事件」→「クルーズ船対応」
「ぜいたくは敵だ」→「自粛要請 不要不急」
「ぜいたく征伐」→「自粛警察」
「欲しがりません勝つまでは」→「新しい生活様式」
「国民総決起」→「手洗い マスク ステイホーム」
「国連脱退 国体明徴」→「PCR検査抑制」
「学徒出陣 女子挺身隊」→「全国一斉休校」
「戦時徴用工」→「技能実習生」
「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」→「雨ガッパ イソジン アベノマスク」
「兵隊さんありがとう」→「医療従事者に感謝を」
「鬼畜米英」→「夜の街 飲食業」
「興亜の聖戦」→「三密回避」
「国体護持」→「五輪実施」
「大東亜共栄圏」→「自由で開かれたインド太平洋」
「東亜新秩序」→「ポストコロナ時代」
「捲土重来を期す」→「経済はV字回復」
「本土決戦 地上戦」→「医療逼迫 医療崩壊」
「大日本は神国なり」→「日本モデルの力」
「連戦連勝」→「日本すごい」
「大本営発表」→「公文書改竄」
「敗北」ではなく「転進」→「基準」ではなく「目安」
「滝川事件」→「6名任命拒否」
「竹槍訓練・バケツリレー」→「いつでもマスク」
「進め一億火の玉だ」→「Go to キャンペーン」
「インパール作戦」→「Go to トラベル ブレーキなし」
「撃ちてし止まむ」→「マスク会食」
「吹け神風」→「ワクチン開発」
「耐え難きを耐え」→「ウィズコロナ」
「一億総懺悔」→「責任を取れば良いというものではない」
「ご聖断降る」→「安倍辞任 ハンコ廃止 札幌大阪除外」
 国内外の課題を外交と政策で解決するのではなく、いたずらに大袈裟かつ空疎なスローガンを掲げて全国民と世界の人々を巻き込み対外戦争と破局に突き進ん だ70数年前と似た、大幅な検査拡充による感染者保護という対応に背を向けて、後手後手で行当りばったりでただ国民に責任を負わせるだけの、この国政府の コロナ対策の諸相。
 今回も秋の三連休を過ぎた遅すぎる判断で、しかも最も感染が拡大している東京は除外しないという杜撰さ。ひたすら憲法と法律を歪めて政治を私物化し、そ の隠蔽のために官僚を支配し検察にまで介入し続け、国の事業で地元有権者の供応と政治資金収支報告書不記載という違法行為を繰り返す政権に、この国の未来 を託す所以は全くない。

《菅総理は27日午後6時半すぎ、政府の対策本部で観光支援策=GoToトラベルについて、感染が拡大している札幌市と大阪市から出発する旅行について利用を控えるよう呼びかけました。
 「GoToトラベルについて、分科会からの提言を踏まえて、到着分の一時停止を決定している札幌市・大阪市について出発分についても利用を控えるよう直ちに呼びかけることとします」(菅首相)ーーー



2020年11月26日
有馬二日目は朝から晴れ。瑞宝園で末期の紅葉を鑑賞し坂の下にできたカフェのデッキでトマト、ビールとサンドでお昼のあと康貴の日帰りで熱めの金泉に浸か る。この時期の乾燥肌と免疫系?に抜群の効能。温泉駅近くの亀の尾不動と滝を見て神戸電鉄で三宮経由して帰宅。兵庫は今日感染確認過去最多184人と。
 


2020年11月25日
朝下の道を校外活動か小学生が楽しげに歩いていた。
京都はやめて今日は久しぶりに六甲ケーブル山上駅からテラスまで歩き、またアヒージョと地ビールのあと数年ぶりにロープウェイで有馬に降る。
降り場から初めて鼓ヶ滝を訪ね、二段の滝と落葉を見て温泉街に降りて瑞宝園を経て宿に着く。露天に浸かり夕刻街に降りて金の湯近くの店で夕食を食べ坂道を宿まで戻る。さすがに夜は寒い。


2020年11月23日
「即座に収監されても驚かない。意見の異なる者への攻撃が続くなか、我々が生まれた街の自由を守るため、抗議の場は監獄に移る」黄之鋒氏

 香港で民主化運動を続けてきた黄之鋒氏や周庭氏ら3人を、香港の裁判所が昨年6月「逃亡犯条例」改正案に反対するため警察本部を包囲するデモに参加し、デモ参加者を扇動した罪で有罪との判断を下し即日収監したと伝える記事。
 記事にあるように黄氏らは逃亡犯条例反対デモによって警察が若者らを拘束したことに抗議し釈放を求めてデモを呼びかけ、デモは無許可であっても数万に及 ぶ市民が自主的に参加し、同条例案は市民の賛意が得られず撤回されており、その責任はデモを許可しなかったことを含め香港政府当局にありデモを呼びかけた 若者たちにあるのではない。
 「一国二制度」のもとで香港に約束された高度な自治と市民的自由を求める黄氏らの運動は、人類の歴史においても「中英共同声明」(1984)そして「香港基本法」(1990)に照らしても極めて正当な行為である。
 市民に対して暴力を行使し実弾を発砲して重傷を負わせた警察官やその最高責任者としての林鄭月娥行政長官らの責任こそきちんと問われるべきだ。この若者たちの収監は香港のそして中国の未来を暗くするだけ。

《香港の西九竜裁判所は23日、民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏や周庭(アグネス・チョウ)氏ら3人に対し、昨年6月に「逃亡犯条例」改正案 に反対するため警察本部を包囲するデモに参加し、デモ参加者を扇動した罪で有罪との判断を下し、即日収監した。具体的な刑期は12月2日に示される。
「日本オタク」周庭氏の戦略眼 いじめ経験から活動家へ
 3人が罪に問われているのは、湾仔の警察本部を数万人で包囲したデモについて。黄氏は23日朝、裁判が始まる前に記者団に対し、「デモを組織し、無許可 のデモに参加したことを認める」と話した。黄氏らは逃亡犯条例反対デモによって警察が若者らを拘束したことに抗議し、釈放を求め、約16時間にわたって警 察本部を取り囲んだ。
 香港メディアによると、未許可のデモに参加するよう他人を扇動した罪が認められれば、刑期は最高5年になる可能性がある。黄氏は同日朝、「即座に収監さ れても驚かない。意見の異なる者への攻撃が続くなか、我々が生まれた街の自由を守るため、抗議の場は監獄に移る」と話した。
 周氏が収監されるのは初めてという。(奥寺淳)》



2020年11月23日
・「桜を見る会」の前日夜に開催された懇親会会場のホテル側が作成した領収書には去年までの5年間にかかった懇親会の費用のうち安倍前総理大臣側が少なくとも800万円以上を負担したことを示す内容が記されている。
・会場となった2つのホテルは、懇親会の費用の総額などが記された明細書を安倍前総理大臣の事務所側に宛てて作成していて、去年までの5年間の費用の総額は合わせて2000万円を超える。
・この総額から参加者から集めた会費分などを差し引いた少なくとも800万円以上については安倍前総理大臣側が負担したことを示す領収書が作成されていた。
・東京地検特捜部もこうした経緯を把握し、安倍前総理大臣の公設第1秘書らから任意で事情を聴くなどして確認を進めている。

 総理主催行事「桜を見る会」前日の安倍後援会主催による懇親会参加費の安倍事務所による一部補填は、有権者への寄付行為を禁じた公職選挙法に違反し、こ の支出を収支報告書に記載しない場合は政治資金規正法違反ともなる。今年1月国会で安倍前首相は、契約は参加者とホテル側が行い個々の参加者に領収書が発 行されて後援会はホテル側から領収書を受け取っていない、収支報告書に記載すべき「主催の後援会の収支は一切無い」と繰り返し説明してきた。
https://digital.asahi.com/articles/ASN106HX0N10UTFK01N.html
 これも首相にあるまじき明白な虚偽答弁ということになる。
「特捜部は立件の可否を判断するため、前首相への事情聴取も検討している模様」と毎日の記事。
https://mainichi.jp/articles/20201123/k00/00m/040/210000c
 これらの疑惑について東京地検特捜部が厳正な捜査を尽くし立件することが急務だが、同時にこの前首相本人を国会に証人喚問してその首相としての答弁を真 摯に質すことが主権者である国民の代表としての国会の役割だ。これはこの人物に関わる疑惑の一つにすぎず、森友学園への国有地廉売や公文書改竄への関与そ して河井夫妻への1億5000万円の選挙=買収資金提供など違法性が問われる件は他に山ほどある。その一合目が見えてきたということか。

《「桜を見る会」の前日夜に開催された懇親会をめぐる問題で、会場のホテル側が作成した領収書には去年までの5年間にかかった懇親会の費用のうち安倍前総 理大臣側が少なくとも800万円以上を負担したことを示す内容が記されていることが、複数の関係者への取材で新たに分かりました。
東京地検特捜部もこうした経緯を把握し、安倍前総理大臣の公設第1秘書らから任意で事情を聴くなどして確認を進めているものとみられます。
「桜を見る会」の前日夜に開かれた安倍前総理大臣の後援会主催の懇親会は、7年前の平成25年から去年まで都内のホテルで毎年開かれ、会費5000円で支 援者らが参加していましたが、野党側が国会で「安倍事務所が費用を補填(ほてん)していたのではないか」などと追及し、全国の弁護士らからは政治資金規正 法違反などの疑いでの告発状が提出されています。
明細書に“5年間の費用総額 2000万円超”記載
複数の関係者によりますと会場となった2つのホテルは、懇親会の費用の総額などが記された明細書を安倍前総理大臣の事務所側に宛てて作成していて、去年までの5年間の費用の総額は合わせて2000万円を超えることが記されているということです。
“安倍前首相側 800万円以上負担”示す内容 ホテル側領収書にーーー



2020年11月23日
日記がわりに。
コロナ感染拡大で日本医師会会長が「我慢の三連休を」と呼びかけたが、当方リタイアしてからだいたい週末と連休は近場で。土曜六甲カトリック教会前も落葉が進むなか久しぶりにcalmoでカルモピザ。三宮に出るとテラス席はまだあり、大丸で小ぶりの皮剥見つけて帰宅。
昨日は引き籠り、今日はやはり落葉が進む神大を抜けてil ventoでじゃがいものビアンカを頂き阪急で春日野道経由、なぎさの湯。露天を堪能して阪神御影で食材買ってバスで帰宅。流石に夕暮れは寒い。
        


2020年11月20日
「感染がどうなるかっていうのは、本当に神のみぞ知る……。これはいつも、(政府の分科会会長の)尾身先生も言われています」西村康稔・経済再生相19日夜記者会見
「皆さん、『静かなマスク会食』をぜひお願いしたい」菅義偉首相19日記者団に
https://www.tokyo-np.co.jp/article/69438
「(GoToトラベル事業を)国が推進することで、国民が完全に緩んでいる」日本医師会中川俊男会長19日
https://mainichi.jp/articles/20201119/k00/00m/010/231000c
「状況は厳しくなりつつある。みんなこのままいくと危ないぞという危機感があった。今までのままでは(感染を)コントロールできない」19日「アドバイザリーボード」後、新型コロナ感染症対策分科会尾身茂会長
https://mainichi.jp/articles/20201120/k00/00m/040/059000c...
「酸素吸入が必要な人が入院する場所が無くなる瀬戸際だ。医療従事者はこんなに必死に対応しているのに、政府は何の対策もしてくれないのかと思っている」北海道医療関係者
https://digital.asahi.com/articles/ASNCM7SMDNCMULBJ00C.html

 今年初め感染拡大初期に政府専門家部会での「たかがコロナ」「インフルと変わらない」との「専門家」の発言を真に受けて検査体制拡充も海外からの渡航制 限も見送った結果、第一波感染拡大を招いた過去から学ぶことなく、「専門家」のぼやきに過ぎないことばを取り上げてみずからの無策を正当化するコロナ担当 相と、かつての大戦下における竹槍訓練とおなじ気休めの「対策」を口にするこの国の首相。
 「いや、総理ちがいます。飲食時のマスク着用などザルですよ。もう一度言います。そんなもんザルです」高山義浩氏(沖縄県立中部病院感染症内科・地域ケア科副部長)https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=3422619544458195&id=100001305489071
 19日全国の新規感染確認者はこれまで最高の2373人。少なくともこの間感染確認者最大数を更新し続けている地域での「go to トラベル」や「go to イート」事業は中止し、旅行飲食業への直接支援とともに感染拡大地域の検査と医療体制拡充に政府として総力を挙げて取り組むべきだ。そして担当相と首相を 交代させることが喫緊の課題だろう。

《「感染がどうなるかっていうのは、本当に神のみぞ知る……」。政府で新型コロナウイルス対策を担う西村康稔・経済再生相は19日夜の記者会見で、今後の 感染者数の動向をめぐり、こう語った。「これはいつも、(政府の分科会会長の)尾身(茂)先生も言われています」と付け加えながら。
 全国の新規感染者数が2日続けて2千人超と過去最多を更新するなか、西村氏は「予測をすることは極めて難しい。これは専門家のみなさんと話しても、なかなか正確な見通しっていうのはできないわけでありまして」と語った。
 「2、3日で倍増していく爆発的な感染にはまだ至ってはいない」との見方は示したものの、現状の対策の効果も政府として見通せていないことを半ば認めた形だ。
 一方、感染拡大を防ぐため、感染者が多数見つかっている地域で集中してPCR検査などを行う考えを改めて強調。「一時的に陽性者は増えても、二次感染、三次感染は防げる」と指摘し、「楽観できませんが、少しでも下がって安定してくればいいと思っている」と語った。
 感染拡大に危機感が広がるなか、専門家の言葉を借りるかたちをとって「神のみぞ知る」と語った西村氏。最近の会見では「国民や地方の首長ら任せ」のような発言もしている。
 北海道を中心に感染者が急増していた13日、政府の旅行支援策「Go To トラベル」の活用を国民に促すかを問われると、西村氏は「それを使って旅行 されるかは国民の皆さんの判断だ」。初めて新規感染者が2千人を超えた18日には、「Go To トラベル」をめぐり、「それぞれの都道府県に聞いている が、制限をするという意向は聞いていない」と述べた。(山本知弘)》



2020年11月19日
「戦前の体制は、国家の方針について国民が幅広く議論し、決めていくという仕組みづくりが不十分でした。明治の元勲、伊藤博文や山県有朋らは、自分たちの 仲間だけで日本を導くことができると過信していました。自由民権運動は『富国強兵路線を妨げる』とみなし、自由な議論や民意が反映されにくい国家の仕組み をつくった。それは結局、日中戦争や太平洋戦争で国民に多くの犠牲を強い、敗戦により国家の破滅をもたらしました」
「大日本帝国憲法には大権、つまり天皇の権限として文武官を任免することが規定されています。帝大教授も身分としては文官ですが、それまでは教授人事は学 内で決められ、総長も選挙で選んでいました。天皇による任免は形式的だったわけですが、選挙には弊害がある、とする荒木は、『教授は官吏たることを自覚せ よ』と主張し、天皇大権を持ち出して政府による人事介入を正当化しました」
「学術会議は自主的に会員を選び、それに基づいて首相が形式的に任命してきました。ところが菅首相は、自らの任命権を振りかざして介入してきた。帝大騒動とよく似ています」
「私がいつも学生に教えるのは、『物事を疑ってかかれ』ということです。歴史学ならば、史料をうのみにしない。どういう背景で文書が書かれ、証言がなされ たのか。そうした史料批判が、歴史学では大切です。当然、現実の政治や社会についても同じです。うのみにせず、多面的に考える。それこそ、学者がすべきこ とです」
「政府が政策を決める際、専門家を集めた審議会をつくり、答申を得るというやり方がよく行われています。委員は往々にして、政府の方針に強く反対しない人 たちが選ばれ、異論はあまり出ません。しかし学術会議は、政府から独立して選ばれた、広範囲にわたる多様な専門家集団です。まさに俯瞰(ふかん)的、総合 的な観点から政府や社会に提言していく。政府お手盛りの審議会にはできない、セカンドオピニオンを示すのです。政府の意を忖度(そんたく)するようになっ てしまえば、存在意義がありません。その結果、政府が間違いを犯せば、損をするのはわれわれです」
「(加藤官房長官の「直ちに学問の自由の侵害にはつながらない」は)全く違います。学術会議の会員を選ぶ基準は、優れた研究と業績です。首相が任命を拒否 したということは、これを否定したということになります。それが通れば、国立大学の人事や予算、税金で賄われる科学研究費(科研費)助成事業も、時の政権 の意向に左右され、研究に必要な立場や資金が、学術的な基準以外で決められることになってしまう。まさに憲法23条が保障する、学問の自由の侵害です。今 回の件を黙認することは、こうした事態への第一歩となりかねません」
「戦前も滝川事件や天皇機関説などについて、『しょせん学者の問題だ』と思った国民は少なくありませんでした。しかし、気づいたときには、異論が言えない 社会になっていました。今、ここで政権のやり方を許してしまえば、政治の介入を広げる大義名分を与えてしまいかねません」
「安倍政権の頃から、選挙で勝ったから何をしてもいいと言わんばかりに、少数派の意見や異論を無視する風潮が高まっているのを感じます。『税金を使うのだ から政府の言うことを聞くのは当然だ』という意見はネット上に多く、一部の国会議員も扇動しています。この点で戦前の弾圧と似ていると思えます。『国のた めに』ということと、『ときの政権のために』というのは同じことではありません。政権に批判的な意見が、長い目で見て世の中を良くすることもあります。こ れが『国のために』という本来の意味です」

 菅首相による6名の研究者の学術会議任命拒否に対する、その1人加藤陽子東大教授の二年後輩にあたる日本近現代史研究の古川隆久日大教授のインタビュー記事。
 戦前の滝川事件、天皇機関説事件、帝大騒動など政権による学術への介入が自由な研究や議論を抑圧してこの国を破滅に導いた経緯が端的に指摘されている。
 菅首相らが理由に掲げる憲法第十五条「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」は、彼らの都合よく直ちに首相によるあらゆる公務員の恣意的な「任命」やその「拒否」に結びつかない。
 ここで触れられた大日本帝国憲法第10条ですら、「天皇ハ行政各部ノ官制及文武官ノ俸給ヲ定メ及文武官ヲ任免ス但シ此ノ憲法又ハ他ノ法律ニ特例ヲ掲ケタ ルモノハ各々其ノ条項ニ依ル」と、「憲法又ハ他ノ法律ニ特例」を掲げおり、これは現憲法下でも同様で日本学術会議法が「首相による任命は形式的なもの」と の説明のうえで改正(立法)された以上、首相に一部の会員を恣意的に任命拒否する権限はまったくない。
 戦前は一部の軍人や政治家が主権者とされた天皇の権限を詐称し、今回は主権者である国民の権限を詐称して、恣意的な学術への介入を図るその悪質さはいずれも極まりない。
「安倍政権の頃から、選挙で勝ったから何をしてもいいと言わんばかりに、少数派の意見や異論を無視する風潮が高まっている」ことに危機感を抱くのはまっと うな研究者の証であり、異議を唱えることはむしろ責務ですらある。自由で闊達な研究と議論の衰退はその社会をただ衰退させる。既に政治と官僚組織そして国 会や司法の機能も教育研究の水準も、この国は衰退し続けている。政権による学術会議の支配はその衰退とゆがみを完成させるだけ。

《菅義偉首相による日本学術会議会員の任命拒否問題に対し、撤回を求めるネット署名を中心となって呼びかけたのは、日本近現代史を研究する歴史家だった。 戦前に学問や表現の自由を弾圧し、戦争に突き進んで破滅した国家の歴史を研究してきた立場から、見えてくるものは何か。日本大学教授の古川隆久さん (58)に聞いた。
 1962年生まれ。日本大学教授。日本近現代史専攻。著書に「大正天皇」「昭和天皇」「建国神話の社会史」「昭和史」などがある。
 ――菅首相に学術会議の会員候補6人の任命拒否撤回を求める署名は、10日間で14万3691筆が集まり、内閣府に提出されました。署名活動に取り組んだきっかけは、何だったのですか。
 「拒否された6人に大学、大学院のゼミで2年上の加藤陽子・東京大学教授が含まれていたことがきっかけです。敬愛する加藤さんは実証的な歴史家で、福田 康夫政権で公文書管理に関する有識者会議のメンバーも務めました。『そんな人がなぜ』と驚き、すぐに何かしなければと思いました。ネット署名活動の経験が ある同僚にアドバイスしてもらい、私と同期で、加藤さんの同僚の鈴木淳・東大教授とともに抗議の声を上げたのです」
 ――古川さんは、日米安保体制について「冷戦下、自由な社会を維持するには、あの選択しかなかった」と評価するなど、政治的には現実主義の立場ですね。これまで、世の中にモノ申す行動に関わったことはありましたか。
 「かつて勤めた大学で、改組に反対し声明に名を連ねたり、2年前に日大アメフト部のタックル問題が起きたとき、教職員組合の抗議の署名活動に参加したり した程度です。私は学術会議の会員でも連携会員でもなく、つい最近、会議主催のシンポジウムに聴衆として参加したぐらいです。しかし、今回の問題は学術会 議にとどまらず、学問に対する政治の露骨な介入であり、黙っているわけにはいかないと思いました」ーーー



2020年11月17日
 雲ひとつない快晴。火曜は摩耶ケーブルは定休、山麓駅横から上野道を上り虹の駅前、摩耶花壇などの展望台と仁王門をすぎて階段を登り尾根道から1時間半で掬星台にいたる。
 流石にほぼハイカーだけで静か。コープで購入した弁当を食べ、午後は天狗道を小さなアップダウンを繰り返し80分ほどで布引ハーブ園。こちらはやはり紅 葉狩りで混んでいてコーヒーいただいて降る。途中展望も良い場所でハンモックが置かれていてまた小休止。流れの細い布引の滝を経て新神戸駅下からバスで阪 急六甲を経由して4時過ぎ帰宅。11月とは思えない暖かさ。兵庫は今日感染者100人を超えたとか。


2020年11月16日
〈2012年12月の第2次安倍政権発足以降、退官する最高裁判事らの後任人事で、首相官邸への説明方法が変わった。「なんで1人しか持ってこないのか。 2人持ってくるように」。官邸事務方トップの杉田和博官房副長官が、最高裁の人事担当者に求めた。最高裁は以降、2人の後任候補を官邸へ事前に届けるよう になった。2人のうち片方に丸印が付いていたのは、最高裁として優先順位を伝える意図があった。しかし、当時の官房長官、菅義偉首相は突き返した。「これ (丸印の方)を選べと言っているのか。今までの内閣がなぜこんなことを許してきたのか分からない」〉
〈それ以前は、最高裁が推薦した1人の候補をそのまま内閣が認めるのが「慣例」だった。憲法79条で最高裁判事は「内閣でこれを任命する」と記されるが、 司法の独立の観点から時の政治に流されない人選を行い、政権側も表立っての露骨な介入は避けてきた。しかし菅氏は周辺に「最高裁などが持ってくる人事を、 そのまま認めるだけなのはおかしい」と漏らしていた〉

 すでに2017年1月安部内閣は弁護士出身の大橋正春最高裁判事の後任に同じく弁護士出身者を任命したが、この判事は慣例であった日本弁護士連合会が最 高裁を通じて示した推薦リストには入っていなかった。理由は、日弁連が安倍政権の進める特定秘密保護法や安全保障関連法への反対声明を出していたから。
https://digital.asahi.com/art.../ASK2V4R25K2VUTFK003.html...
 自分の政策に反対する国民を「こんな人たち」と言って敵視する狭量極まる首相と官房長官ら前政権の本質が、最高裁判事の日弁連推薦弁護士の排除から今回 の菅首相による同じ理由での6名の研究者の学術会議排除まで繋がっている。そこにあるのは、森友・加計、桜など政治の違法な私物化と公文書改ざんや廃棄、 財務省幹部や検事長ら官僚の人事権による歪んだ支配を、行政のそとで独立が担保されるべき司法や学術研究への人事介入と支配にまで拡大させようとする良識 も矜持も決定的に欠けた戦後保守政治の末期的・断末魔のような醜態でしかない。
 買収罪や収賄罪で逮捕された河井前法相や秋元内閣府ir担当副大臣らを任命した責任を一切取らないものたちが、学術会員6名の任命拒否を「国民に責任が 負えない」などと言い繕うのは悪質きわまる冗談でしかない。揃いも揃って既得権益のように人事権に固執して記者会見も国会答弁も官僚に作らせた答弁書をた だ棒読みするだけの、不勉強な首相にまともな政治はできない。

《日本学術会議の新会員候補6人を任命拒否した菅政権。独立性の高い行政機関に人事権が委ねられていた慣例を、官邸主導に転換させる手法は安倍政権から継承されていた。強引とも言える官邸主導人事の狙いはどこにあり、弊害はないのか。【青木純、竹地広憲、立野将弘】
前政権「複数人示せ」
 2012年12月の第2次安倍政権発足以降、退官する最高裁判事らの後任人事で、首相官邸への説明方法が変わった。「なんで1人しか持ってこないのか。2人持ってくるように」。官邸事務方トップの杉田和博官房副長官が、最高裁の人事担当者に求めた。
 最高裁は以降、2人の後任候補を官邸へ事前に届けるようになった。2人のうち片方に丸印が付いていたのは、最高裁として優先順位を伝える意図があった。 しかし、当時の官房長官、菅義偉首相は突き返した。「これ(丸印の方)を選べと言っているのか。今までの内閣がなぜこんなことを許してきたのか分からな い」
 それ以前は、最高裁が推薦した1人の候補をそのまま内閣が認めるのが「慣例」だった。憲法79条で最高裁判事は「内閣でこれを任命する」と記されるが、 司法の独立の観点から時の政治に流されない人選を行い、政権側も表立っての露骨な介入は避けてきた。しかし菅氏は周辺に「最高裁などが持ってくる人事を、 そのまま認めるだけなのはおかしい」と漏らしていた。ーーー



2020年11月14日
日記がわりに。
 このところ兵庫も他府県もコロナ感染拡大と気温低下だが好天が続く。11日は久しぶりにバスで北野の麓に出て、一宮神社を経てmont dorでミックスピザのあとクアハウスの硼酸と重曹の湯につかる。翌日これも久しぶりにアシスト車で途中石屋川沿いの2年ほど工事が続いた公園と綱敷天満 神社をへて阪神御影まで降り、食材買って帰宅。公園は幼時らの格好の遊び場に。
 今日は雲ひとつない快晴。街の木々も紅葉に染まるなかハーバーランドの神戸ビールの店のテラスでアヒージョを食べて雑貨店で調理用タワシを購入しドック沿いを三宮まで戻り、食材買って帰宅。夕方対岸の低い山並みも見える。
     


2020年11月11日
〈中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は11日、香港政府が立法会(議会)議員の資格を剥奪することを可能にする「決定」を採択。香港政府 は決定に従い即日、民主派議員4人の資格を取り消した。選挙で選ばれた議員を香港政府が司法手続きも経ずに失職させられる制度で、中国が香港の三権分立を 名実ともに否定し、議会の独立を揺るがす重大な動きに出たことになる〉
〈決定は、中国による香港への主権行使を否定したり、外部勢力の干渉に関わったりするなど、香港特別行政区への「忠誠」を定めた香港基本法を逸脱する行為があれば、香港政府の判断で立法会議員の資格を剥奪できるとしている〉
〈中国の習近平国家主席は「愛国者による香港統治」を掲げており、党や政府の方針に反する人物を統治機構から排除する方針が一層鮮明になったと言える。議 会制度について、習氏は過去の演説で「我々は西側の『三権分立』の道は決して歩まない」と明言。全人代の役割について「法的手順を通じ、党の主張を国家の 意思とし、党の推薦する人物を国家・政府機関の指導者とする」機構であると、中国独自の統治システムを正当化してきた〉

 国民主権、三権分立、司法の独立、法の支配という民主主義の本質をいずれも足蹴にする、独裁に固執し人権を侵害して憚らない硬直した一党独裁の中国政府と香港政府による香港民主派議員の資格取り消し決定。
 これは立法会議員の資格取り消しは唯一第79条により「禁固1ヶ月以上の判決を受け、さらに立法会に出席した議員の3分の2以上の賛成」により立法会議 長が宣告するとした香港基本法を逸脱し、「香港特別行政区は高度の自治権を共有する」(共同声明三、(2) 基本法第12条)「香港特別行政区は立法権を 享有する」(基本法第17条)「香港特別行政区は行政管理権、立法権、独立した司法権と終審権を享有する」(共同声明三、(3))などと香港独自の行政、 立法、司法権を保障し、さらにその「一国二制度」を50年間保障するとした中英共同声明(1984)と香港基本法(1997)に根底から違反する国際法的 にも違法極まる行為でしかない。この取り消し措置は、基本法の「第77条 香港特別行政区立法会議員が立法会会議上で行う発言は法律の追求を受けない」の 規定にも明確にかつ重大に違反している。
https://hkmn.jp/香港基本法%E3%80%80日本語完訳/
https://worldjpn.grips.ac.jp/.../docs/19841219.D1J.html
 この既に定められた法律や国際的な約束を反故にし、「法的手順を通じ、党の主張を国家の意思とし、党の推薦する人物を国家・政府機関の指導者とする」た めに自らに反対するものを排除するという民主主義にまったく反する中国の手法は、日本で菅自公政権が行った学術会議会員6名の任命拒否という学術会議の翼 賛体制化と本質は同じものだ。菅政権のやり方を放置すればこの国がどこへ向かうかは、この中国と香港の状況が示している。このような恣意的・権威主義的な 一党独裁や民主主義国においても政権による政治と人事の私物化は、人権、自由、国民主権という人類が求める普遍的価値に対する大いなる障害でしかない。
https://mainichi.jp/articles/20201111/k00/00m/030/289000c

《中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は11日、香港政府が立法会(議会)議員の資格を剥奪することを可能にする「決定」を採択した。国営 新華社通信が伝えた。香港政府は決定に従い即日、民主派議員4人の資格を取り消した。選挙で選ばれた議員を香港政府が司法手続きも経ずに失職させられる制 度で、中国が香港の三権分立を名実ともに否定し、議会の独立を揺るがす重大な動きに出たことになる。
中央・香港政府の意に反する幅広い言動で議員資格が取り消される恐れ
 決定は、中国による香港への主権行使を否定したり、外部勢力の干渉に関わったりするなど、香港特別行政区への「忠誠」を定めた香港基本法を逸脱する行為があれば、香港政府の判断で立法会議員の資格を剥奪できるとしている。
 4人の失職前、立法会(定数70、欠員8)の構成は現職62人のうち親中派が41人。民主派議員は4人の失職を受けて記者会見し、抗議するため一斉辞職すると表明した。
 失職した4人は、9月に予定されていた次期立法会選挙で出馬禁止処分を受けており、「決定」はこれを理由に議員資格を認めない判断を下した。この選挙は 新型コロナウイルス対策で1年間延期になり、全人代常務委は8月の会議で、4人を含む現職全員の任期の延長を認めていた。
 今回の「決定」は、香港政府トップの林鄭月娥(りんていげつが)行政長官の要請で審議された。資格剥奪の基準には「その他の国家の安全に危害を与える行為など」とあいまいな部分があり、中央や香港政府の意に反する幅広い言動を理由に、議員資格が取り消される恐れがある。



2020年11月 9日
「赤い州か青い州かではなく、ひとつのアメリカ合衆国として見ます。人々の信頼を得られるよう、全力を尽くします。激しいことばのやりとりはやめて、お互 いを見つめ、お互いの話に耳を傾けましょう。前に進むためには、相手を敵視するのをやめなければなりません。私たちは敵ではなく、みなアメリカ人なので す」バイデン前副大統領7日演説   https://www3.nhk.or.jp/.../20201108/k10012700821000.html

 米国で熾烈な選挙戦を史上最高得票数で制した候補の、自陣営および対抗した陣営の国民にひとしく呼びかけた言葉。民主主義という政治システムの本質と奥深さが端的なフレーズで語られている。
 他方7年8ヶ月法を軽視し政治を私物化し続けた内閣を継承したこの国の首相は、法で政府からの独立が謳われた学術会議会員の任命に際し、憲法や法律に乖 離した前内閣の安全保障関連法や特定秘密保護法など特定の政策に反対した研究者らを「反政府」というレッテルを貼り「敵」として排除する。学術研究がただ 政府に追随するだけとなってどのような破局をこの国にもたらしたかは75年前を辿れば明らかだ。今回の任命拒否はこの国の学術研究を歪めて衰退させ、民主 主義のシステムと理念をも破壊する暴挙に他ならない。恥を知るなら、即時6名を任命するか内閣が退くかするしかない。

《首相官邸が日本学術会議の会員任命拒否問題で、会員候補6人が安全保障政策などを巡る政府方針への反対運動を先導する事態を懸念し、任命を見送る判断を していたことが7日、分かった。安全保障関連法や特定秘密保護法に対する過去の言動を問題視した可能性がある。複数の政府関係者が明らかにした。
 菅義偉首相は国会審議で6人の任命拒否に関し「個々の人事のプロセスについては答えを差し控える」と繰り返し答弁。拒否理由は今回の問題の核心部分と なっていた。日本学術会議法は会議の独立性をうたっており、政治による恣意的な人事介入に当たるとして、政府への批判がさらに強まる可能性がある。
 任命を拒否されたのは松宮孝明立命館大教授や小沢隆一東京慈恵医大教授、加藤陽子東京大教授ら6人。官邸はこの6人が政府の重点政策に強い反対を打ち出 し、国会を含む公の場で積極的に発言していたと判断。今後も同様の主張を続け、学術会議内でも反対運動を主導しかねないとして「公務員としては適任ではな い」と考えたという。
 松宮氏は2017年に参院法務委員会に参考人として出席し、共謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法を「戦後最悪の治安立法となる」と非難した。小沢氏は15年、中央公聴会で安保法の廃案を主張していた。
 首相は国会審議で、安保法などに反対したのが任命拒否の理由ではないと主張。一方、会員に選ばれれば特別職の国家公務員となるため「広い視野に立ったバランスの取れた活動」が必要だと説明していた。
 学術会議の推薦通りに任命された99人の中にも政府の法案を批判した学者はいたが、反対署名への参加など「個人としての限定的な意見表明」にとどまったとして問題はないと判断した。
 首相は4日の衆院予算委員会で、会員任命の在り方に関し、加藤勝信官房長官や杉田和博官房副長官に懸念を伝達し、6人を除外することについて杉田氏から報告を受けたと答弁した。》



2020年11月 8日
日記がわりに。
 先月から好天が続く。29日久方ぶりに徒歩で御影山手から石屋川支流沿いを下り、深田池を見て阪神御影で食材買って帰りはバスで帰宅。30日夕暮時東の 空に満月。31日はカボチャの日、栄町通のK's Kitchinで椎茸のピザを食べハーバーランドを周り阪急地下で久しぶりにカワハギ見つけて帰る。
 1日も元町に出てnomadikaのテラスでお昼を頂き旧居留地を巡ると閉店した婦人服店横のカフェも店を閉めていた。4日岡本の旧笹部邸の桜守公園で紅葉のベンチで弁当のあとうはらの湯に浸かって帰宅。このところ近場の温泉で過ごしている。
 昨日は雨混じりの曇天、紅葉の神大を通りil ventoでバンビーニを食べ駅前で食材買って運動がてら神大構内を歩いて帰宅。
 ここ数日米国大統領戦で帰趨を決めると思えたジョージア州に因んで、Jacinthaの一曲目Georgia On My Mindを含むアルバムHere's To Benを繰り返し家で聞いていたのだが、今朝ネバダとペンシルベニアでバイデンが勝利して当選が決まったと知る。まあいいか。
 今日は快晴、三宮からこれも久しぶりに北野界隈を歩き、mont doleは満席でさらに上の異人館そばのイタリアンのテラスでお昼。旧アメリカ領事館跡のミュージウムカフェは改装で2年ほど休館とか。新婚カップルさん を見て三宮に下り春日野道からのルートで海岸に出てなぎさの湯。日曜も意外と空いている。六甲道で食材買って4時過ぎに帰宅。夕暮れ時は肌寒い。
          



2020年11月 8日
〈論文引用数などを基に算出する英教育誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの「世界大学ランキング」(2021年版)によれば、日本トップの東大(世 界36位)、2位の京大(同54位)をはじめ、世界のベスト500にランクインした日本の上位10校のうち、6校が菅首相が言及した「旧帝大」である(他 の4校も筑波大、東京工業大、東京医科歯科大、産業医科大で、現在・過去に会員が選ばれている)。世界的に見て「日本で最も優れている」と評価される大学 から、「優れた研究または業績がある会員をもって組織」(日本学術会議法第11条)する日本学術会議の会員がより多く選ばれるのは、「偏っている」のでは なく、「当たり前」なのではなかろうか〉
「そもそも私は『偏っている』などとは思いませんが、これらの旧帝大系から会員が多く選ばれるのは、菅首相たち自民党の教育政策の当然の結果です。そこを 問題視するのは、自分たちの政策を否定することになるのですが…小泉純一郎政権時代の05年に中央教育審議会が『我が国の高等教育の将来像』という答申を 出して以降、国は大学を事実上、選別する政策を始めたのです。一部の大学に資金を集め、そこで『ランキングに入る大学を作れ』と言っているのですから、そ こから学術会議の会員に選ばれるような優秀な研究者が多く出てくるのは当たり前です。つまり学術会議が会員構成を『偏らせている』のではなく、国の大学政 策を反映した当然の結果、と見るべきです。菅さんは私大の会員の少なさを問題にしていますが、早稲田・慶応以外は、私のところを含め、研究環境がそれほど 整っているわけではない。もし『偏り』があって、これをなくしたいというのであれば、政府が、それぞれの大学の研究環境を同じ条件にする努力をして、その 上で日本学術会議法や会員選出のルールなどで、あらかじめ私大出身者の割合などを決めておけばいい。つまり『偏り』などは、任命拒否の理由にはなりませ ん。つまり菅首相の説明はどれも破綻しているんです。菅政権や自民党は学術会議の『あり方』などに論点を拡散して焦点をぼやかそうとしていますが、問題の 肝は『なぜあの6人だったか』ということに尽きます。6人とも、安倍政権の政策を批判してきた人たちです。ここを離れてはいけません」日大小野雅章教授
〈菅首相は前出のNHKの番組などで「国民に理解をされる、そうした学術会議になることが大事」と繰り返し述べている。共同通信の10月17、18日の世 論調査では、任命拒否の菅首相の説明について、「不十分」との回答が72・7%に上った。まず菅首相自身が、国民に理解される説明をするのが筋ではない か〉

 選挙での自らの敗北を素直に認めず「選挙が盗まれた」などと根拠のないデマを垂れ流す海の向こうの経済・軍事大国を自称する国の大統領に負けず、法に違 反する学術会議任命拒否の理由づけに「一部の大学に偏っている」などとまるで説得力のない支離滅裂な説明を続けるこの国の首相に対する真っ当な批判。
 小泉内閣以来歴代政権が旧帝大などに研究資金を優先する政策を続けた結果、「優れた研究」が一部大学等に偏っており、もしそれを是正したいなら政府が等 しく大学などに研究環境を整備すれば良い。トランプは選挙の公正、大統領の発言の真実性など米国の民主主義を根底から破壊してきたが、今回の大統領選でど うにか米国は立ち止まった。この国の政権も森友・加計、桜、検事長人事介入など政治と官僚の私物化や公文書偽造と選挙買収など民主主義を大きく毀損してき たが、今回は学術研究を自らに批判的な研究者を排除して私物化しようとしている。あまりに不勉強で見識に欠ける政治リーダーはかの国でもこの国でも退場さ せねばならない。

《日本学術会議の任命拒否問題で、またも菅義偉首相が不思議なことを言い出した。焦点の拒否の理由について、今度は「大学に偏りがあるから」との説明を始 めたのだ。これはホントか? 実は、「『偏り』があるなら、それは自民党の教育政策が原因だ」との指摘もあるのだが……。【吉井理記/統合デジタル取材セ ンター】
旧帝大の「既得権」?
 菅首相の「新説」を振り返っておこう。
 これまでも拒否の理由の説明を求められてきた菅首相、「総合的、俯瞰(ふかん)的な活動を確保するため」とよく分からない説明を繰り返してきたが、現在 の会員構成について10月26日に「結果的に一部の大学に偏っている」(出演したNHKの番組)と述べたのを皮切りに、「いわゆる旧帝国大学といわれる七 つの国立大学(東京大、京都大、大阪大、東北大、名古屋大、九州大、北海道大)に所属する会員が45%を占めている。それ以外の173の国公立大学は合わ せて17%。615ある私立大学は24%にとどまっている」(同30日の参院本会議)などと、大学の「偏り」を問題視する発言を繰り返すようになった。と うとう「既得権」(11月5日の参院予算委員会など)という言葉まで使って非難を始めたのである。
 その政治的意図は不明だが、これは「偏っている」と言えるのか? 事実を確認しよう。
記者会見で「正確なデータに基づいた議論を」と訴える日本学術会議の梶田隆章会長=東京都港区の日本学術会議で2020年10月29日午後4時32分、手塚耕一郎撮影
 日本学術会議が公表している現在(第25期)の会員名簿を調べてみると、204人の会員は、大学や高専、国などの研究機関、民間企業など84の団体に所属するか、あるいは「非常勤講師」などを務めている。
 このうち大学は56校あり、複数会員が選ばれた大学は、多い順に@東大34人A京大16人B大阪大14人C慶応大10人D東北大9人E早稲田大8人F九 州大7人G名古屋大6人H北海道大5人I筑波大4人J広島大、千葉大、一橋大、明治大各3人N神戸大、北里大、横浜国立大、東京都立大、東京医科歯科大、 愛媛大、関西学院大各2人――の21校だった。このほか1人が選ばれた大学は35校ある。これは現会員に限った数字で、過去に選ばれた大学を含めればもっ と多い。
 数字だけを見てみれば、なるほど、菅首相の言う通り「旧帝大」の多さが目を引く。これは不自然なことなのか?
 論文引用数などを基に算出する英教育誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの「世界大学ランキング」(2021年版)によれば、日本トップの東大(世 界36位)、2位の京大(同54位)をはじめ、世界のベスト500にランクインした日本の上位10校のうち、6校が菅首相が言及した「旧帝大」である(他 の4校も筑波大、東京工業大、東京医科歯科大、産業医科大で、現在・過去に会員が選ばれている)。
 世界的に見て「日本で最も優れている」と評価される大学から、「優れた研究または業績がある会員をもって組織」(日本学術会議法第11条)する日本学術会議の会員がより多く選ばれるのは、「偏っている」のではなく、「当たり前」なのではなかろうか。ーーー



2020年11月 6日
辻元委員
「加藤陽子さんは17年間、小泉内閣から菅内閣まで歴代内閣の政府の委員会や懇談会、例えば内閣府「独立行政法人評価委員会」など8つの委員を務めてこら れた。安倍政権、菅官房長官の時も内閣府「公文書管理委員会」の委員に任命している、そして菅内閣の今も「国立公文書館の機能、施設のあり方等に関する調 査検討会議」委員を勤めて頂いている。こういう加藤さんは政府がずーっと世話になってきてその業績を評価して政府の委員に任命していた。そうした事実を総 理はご存知だったか?」
首相
「内閣でお願いするということを私は承知していなかった」
辻元委員
「こういうことも承知せず、杉田氏から言われて外しとこうと外したのか?加藤さんのように一方で政府が委員として力を借りて、一方で独立性の強い学術会議 の推薦は外してしまう。同じ人物を一方では政府が力を借りて、一方では拒否。任命拒否の根拠は破綻していると思わないか?如何ですか」
首相
「個々人の任命の理由については、政府の機関に所属する公務員の任命であり、通常の公務員の任命と同様に、その理由については、人事に関わることですから控えたいと思います」
辻元委員
「非常に見識の高い歴史学者として、私どもは歴史学者の見識をお借りしている。加藤氏のような歴史学者の答申によって国文学研究資料館が設置されたり、国 立公文書館も学術会議の「公文書散逸に向けて」と言う勧告が元になっている。日本は初めて国立公文書館を作った。諸外国、あったんです、日本は遅れてたん です。学術会議が、それに勧告を出して、よしやろうと言うことで、国際基準に合ったものを作ろうとなったわけです。こういう歴史、総理、御存知でした か?」
首相
「そういう経緯の中で、公文書管理館ですか、(「国立公文書館」の声)、私は承知しておりませんでした」
辻元委員
「なんにも知らないんじゃないですか。学術会議が今までどんなことをやってきたか。原子力基本法も学術会議の声明によって日本の原子力平和利用についての 方針が作られた。新しい国立公文書館もその力を借りている。その人(加藤氏)を外しているんですよ。外した本人は政府のそんな役職をしていたなんて知らな かったとか、学術会議がそんな仕事をしているとは知りませんでした?任命権者として失格じゃないですか?総理、いかがですか」
首相
「それは私でなくて皆さんが考えること」
志位委員
「6人を任命すると、学術会議の総合的・俯瞰的活動に支障をきたすという認識なのか」
首相
「二千人の連絡(まま)会員とつながりのある限られた方々の中から選ばれており、閉鎖的、既得権のようになっていると言われても仕方がないように思う」
志位委員
「私の聞いたことにまったく答えていない。「閉鎖的で既得権益」これは酷い答弁だと思う。新会員は、会員・新会員の推薦だけでなく、協力学術研究団体の情 報提供をもとに選考されており、『閉鎖的』というのは事実に反する。『既得権益』というのも、給与ゼロで、研究・教育の時間を削って科学の成果を社会に還 元しようと頑張っている科学者に対し、敬意を欠いた失礼な発言だ。何より任命拒否と別問題の論点のすり替えだ。6人を任命すると、学術会議の総合的・俯瞰 的活動に支障をきたすという認識なのか」
首相
「政府の機関に所属する公務員の任命であり、人事に関するお答えは差し控える」
志位委員
「任命拒否の理由を聞いたのではない。6人を任命すると総合的・俯瞰的に支障が出るのかと聞いた。それに対して答えられない。つまり総合的・俯瞰的活動確 保というのは任命拒否の理由になり得ないと言うことだ。私が聞いたのは個々の方の任命拒否の理由ではない。総理が「多様性が大事」とかを念頭に判断したと 言いながら、その結果がことごとく矛盾しているのではないかと聞いた。矛盾していないか?」
首相
「さっき申し上げたように、特定の大学に偏っているのではないでしょうか。さらにこの新しい会員を選ぶにあたって90万人も会員がいるにもかかわらずーー」
志位委員
「まったく説明になっていない。私立大学が少ないと言いながらなぜ削ったのか説明になっていない。もう一度聞く。6人の中の三人は私立大学の研究者。あな たは私立大学が少ないとおっしゃったが、なぜ私立大学から三名を削ったのか、説明してください。これ矛盾していると思いませんか。私立大の研究者の比重を 下げたのはあなたではないか」
首相
「さっきも申し上げたが、全体としてみればそうなっているのではないでしょうか」
志位委員
「まったく説明になっていない。私立大学が少ないと言いながらなぜ削ったのか説明になっていない。もう一度聞く。総理はバランスが大事だと言った。ならば なぜ、任命拒否された6人の全てが人文社会科学系の研究者なのか。人文社会科学系は六人が欠員という違法状態が作られている。梶田会長は運営や活動の著し い制約となっていると訴えておられる。バランスと言いながらみずから違法状態を作り出して、バランスを壊しているのは総理ではないか」
首相
「政府の機関に所属する公務員の任命であり、お答えは差し控える」
志位委員
「私が聞いたのは個々の方の任命拒否の理由ではない。総理が「一部の大学に偏っている」とか「若手が少ない」とか「私立大学が少ない」とか、「多様性が大 事」とかそれを念頭に判断したと言いながら、その結果がことごとく矛盾しているのではないか、矛盾していないか?それに対して一切説明があなたはできな い。つまり総理が任命拒否の理由としてあげたことはどれもこれも皆虚偽だ。言えば言うほど支離滅裂になっている。あまりに見苦しい態度」

 昨日の衆院予算委員会、辻元委員と志位委員の質疑。
 小泉~安倍そして菅政権で内閣府などの各種委員を依頼してきた加藤陽子氏ら6名の学術会議任命拒否の出鱈目ぶりが、学術会議の貢献も委員としての活動も知らずその拒否を決めたこの国の首相の答弁の支離滅裂さとともに顕になっている。
 このものたちが無神経に口にする「国民に任命の責任を負えない」は、こうした政治を私物化する首相ら政治家とそれを補佐して無意味な答弁書らしきものを 作成したり質問に代わって答える官僚たちだろう。海の向こうでは「You're Fired! = お前はクビだ!」が得意な大統領自身がいまクビになるようだが、こちらでもこれらの輩はまとめて霞ヶ関から荷物をまとめて去らせる時だろう。
https://twitter.com/wanpakuten/status/1323953224403939329
https://twitter.com/wanpakuten/status/1323962864525221889



2020年11月 2日 
「8月の全国の自殺者数が1849人で前年同月と比べ、246人増えたと警察庁が発表して、男は60人増えて1199人だけど、女性は186人も増えて 650人になった。要因としてはコロナによる雇い止めや景気悪化があると思うけど、もっと深い感じを受けるんです。若い人、女性の自殺が増えている。貧乏 で仕事がないだけじゃなく、生きること自体が報われない感覚がまん延しているんじゃないかと思って。死が近いなと思う。特に若い女性たちにとって死が身近 になっているのではないか」
「元々人間って不健全なものでも楽しむ権利があるわけでしょ。それが違ってきていると思うんです。社会の潔癖化というのかな。それと相まって貧困が自己責 任のように語られる。この言葉が僕は大嫌いだけど、菅さんがいきなり『自助』を前面に押し出したでしょ。自助がダメなら公助、共助とね。前の政権から表明 している新自由主義と言えばあたかも良いように聞こえるじゃない。世界全体で、貧困も病気も自己責任という考えがまん延しているからね。公助、社会的救済 という話が消え、貧困など自己責任だと」
「菅さんってのはパンケーキだか何だかが好きだっていうね。可愛いおじさん? でも俺から見ると彼は昔の特高(戦中の特別高等警察)の仕事をしてると思う んだよね。日本学術会議の人選で容赦なく6人を外すっていうのがそうでしょ。前代の安倍さんもそうだけど、菅さんの場合は機密という意味のインテリジェン スはあっても、総合的な知性という意味でのインテリジェンスがないと思うんです。だから、この人は好かんな、怖いなというイメージがあります。黙っていな い気がするんです。僕なんか平気でいろんなことを言うけど、彼の場合、本気になってやってきそうな怖さがありますね」
「菅さんっていうのはやっぱり公安顔、特高顔なんだよね。昔の映画に出てくる特高はああいう顔ですよ。で、執念深い。今まで(の首相が)踏み越えなかったところを踏み越える気がする。総合的な品格に裏付けされたインテリジェンスを持っていない人間の怖さだね」

 この国の現状に対する作家、辺見庸氏のインタビューから。
 派遣会社経営者が大学教授の資格で審議会委員そして総務相となり、職業安定法と労働者派遣法を形骸化する「規制緩和」をすすめて働くものの不安定化と貧 困化の引き換えにみずからの資産を築くこの国の政治経済の20年。日本の最低賃金はOECD29カ国中25位、ひとり親世帯の貧困率は50.8%で33カ 国中ワースト1。
https://toyokeizai.net/articles/-/363475?page=3
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00522/
 コロナはそうして追い詰められたひとびとを経済的にも精神的にも破局の淵に立たせているが、地方出身で「地方優遇打破」を唱えていた人物がその総務副大 臣として規制緩和に深く関与して格差拡大を進め、今度は「自助、共助、公助」を掲げて首相になる。2代続く自民党政権の首相とその取り巻きには、「総合 的・俯瞰的」などという言葉は発するが政治に携わるものに必須な基本的知性が感じられない。とくにこの「苦労人」「地方出身」を自称する新首相は内閣人事 局や内閣情報局を束ねる経歴からもその容貌は「特高顏」と、まさに怖いもの無しの作家にして可能な指摘。
 大阪では時間と労力の無駄でしかない「都構想」なるものが否定され、海の向こうでも虚言と下劣極まる揶揄の大統領がその地位を去ることになるこれから、そろそろこの国の政権もまっとうな資質とビジョンを持った政治家に担われるべき時だろう。

《2年前にお会いしたときは「老人のテロ」をテーマに小説を書こうとしていた。進捗(しんちょく)を聞くと「コロナでなかなか難しいね」と言う。「やっぱ りコロナが、物語性を奪うというか、壊しちゃうっていうか。物語る力がやられる感じがしてね。パッションが起きなくなっている」
 疫病の騒ぎが、人の情操に影響を与えるのか。「そう。だからコロナを取り込んだような良い小説は出ないと思うよ」。あくまでも作家、辺見庸さん(76)の直感である。でも、なぜか、詩だけは書いているそうだ。
 洋食店で席に着くとメモを取り出し、自殺の話を始めた。
 「僕はマンションの上の方に住んでいて、ベランダから駅のホームがよく見えるんです。最近、飛び込み自殺があって、実際に見たわけじゃないけど、結構 ショックでね。通いのヘルパーさんも心痛めてて。そしたら、8月の全国の自殺者数が1849人(9月10日の速報値)で前年同月と比べ、246人増えたと 警察庁が発表して、男は60人増えて1199人だけど、女性は186人も増えて650人になった」
 数字に目を落としながら「年間自殺者が3万4000人台(2003年)という時代もあり、全体としては減ってはいるんだけど」と断り、こう続けた。「要 因としてはコロナによる雇い止めや景気悪化があると思うけど、もっと深い感じを受けるんです。若い人、女性の自殺が増えている。貧乏で仕事がないだけじゃ なく、生きること自体が報われない感覚がまん延しているんじゃないかと思って」
 社会の変化の兆しが一番弱い層に表れるということなのか。
 辺見さんは体が不自由なため、多くの時間を部屋で過ごし、ベランダからの風景、ネットを通し社会の変化を感じている。
 「死が近いなと思う。特に若い女性たちにとって死が身近になっているのではないか」。男女間の職位、賃金の格差が際だってひどい日本。「コロナ下で、行 動の変容、自粛があるけど、そういう時の日本はどこの国とも違っているよね。政府が権力を発動する前に、人々が自粛しちゃう。下々の方が率先して自粛警察 になるのも、昔から変わらない。僕はそこに薄気味の悪さを感じ、それが人を絶望させている面もあると思う」
 辺見さんは英国の社会学者、ジョック・ヤング氏が使う言葉「排除型社会」を口にした。「以前は弱者も貧者も抱え込む『包摂型』だったのが、今は『排除型 社会』になりつつある。つまり、若い人たちが死を選ぶのも、自分が社会から排除されてるっていう意識があるからではないかという気がします」
ーーー



2020年11月 1日  
・日本学術会議が、「管理」、「監督」ではなく、内閣総理大臣の「所轄」(日本学術会議法第 1 条 2 項)とされている理由は、日本学術会議は、内閣府に置かれる内部部局等と異なり、「特別の機関」(内閣府設置法第 40 条第3 項)であって、かつ、「科学者の内外に対する代表機関」(日本学術会議法第2 条)である性格に照らして、とくに政府からの独立性(日本学術会議法第 3条)及びそれを担保するための自律性が保障されるべきものであるからである。
したがって、日本学術会議法第 7 条第 2 項及び第 17 条によって、内閣総理大臣の人事に係る監督権は大幅に制約されるのであって、学術会議の推薦した候補者をすべて任命するという意味において、その任命権は形式的なものでなければならない。
・かりに政権の意に沿わぬ科学者・研究者を日本学術会議の会員に任命しないようなことがあれば、それは、民主主義社会において必要とされる科学的で合理的な意思形成の基盤を損ないかねないものとなる。
今回の菅内閣総理大臣の任命行為は、任命されなかった 6 人の研究者の名誉を傷つけ、推薦をした日本学術会議の活動を大きく阻害するだけでなく、学問の自由の侵害においては科学者・研究者全体に対する挑戦であ り、ひいては民主主義を危うくしかねないものである。(民主主義科学者協会法律部会第 25 期理事会)
http://minka-japan.sakura.ne.jp/.../e2924bfbbdbab1b6ab381...
・1984年の日本学術会議法改正直後に出された「日本学術会議憲章」では、同会議は「地球環境と人類社会の調和ある平和的な発展に貢献することを、社会 から負託されている」として、その義務と責任を果たすために、「公共政策と社会制度の在り方に関する社会の選択に寄与する」ような勧告や見解の提示(同憲 章第3項)、あるいは「次世代の研究者の育成および女性研究者の参画を促進」(同憲章第4項)する活動をおこなうものとされています。
この「憲章」の趣旨にのっとり、日本学術会議は、ジェンダー問題に関して2020年9月にも以下の三つの提言を発出するなど極めて活発に提言を行ってきました。
・日本学術会議に対するこのたびの政府の人事介入は、政府による政策・制度の不備、不作為を指摘する活動を鈍らせ、戦後多くの努力のもとに培ってきた民主 主義と人権尊重という価値観を否定する危険性をはらむものです。また、その結果として、社会的少数者の置かれた環境や社会的状況の改善が、一層困難となる ことも懸念されます。(日本女性学会第21期幹事会)
https://joseigakkai-jp.org/appeal/1569/...
・今回の任命拒否の対象が、政治・社会等の課題を発見し未来に向かって提言することを一つの使命とする人文・社会科学に携わる研究者であったことは、政権 の一部にある、人文・社会科学を軽視しその存在意義を認めない傾向――――例えば、2015 年 6 月 8 日の下村博文文科相(当時)が国立大学法人に対して行った通知(「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」)にも通底する――――を助長する ことにつながる。万一、こうした動きに「忖度して」人文・社会科学を学ぼうとする方々が少なくなれば、日本の学問・研究は萎縮していくことになるであろ う。
・私たち歴史研究者は、学術会議の「答申」により文部省史料館(のちに国立史料館、現在の国文学研究資料館)が設立され、また学術会議の「公文書散逸防止 にむけて」(勧告)が国立公文書館の設立につながったことを知っている。そして、現在に至るまで、学術会議が、毎年さまざま提言・報告を出すことにより、 学術の基盤を整備するために尽力してきたことを知っている。
歴史資料・文化財の保全や公文書管理は、現在まさに急務となっており、その充実に学術会議が果たすべき役割はきわめて大きく、政府や社会へのさらなる働きかけを期待するものである。(日本歴史学協会の声明)
http://www.nichirekikyo.com/statement/statement20201018.pdf
・私たちが最も問題とするのは、《説明がない》ことである。憲法 63 条は「答弁または説明のため出席を求められた時は、国会に出席しなければならない」と義務付けている。この趣旨について政府は「首相らには答弁し、説明す る義務がある」(1975 年の内閣法制局長官)と見解を示している。しかし、菅首相は官房長官時代から記者会見で「指摘はまったくあたらない」と木で鼻を括った答弁を繰り返して憲 法を無視してきた。
・ソルジェニーツィンの『収容所群島』にはまさに何の《説明もなしに》逮捕され、強制収容所に連行される日常が記録されている。逮捕するのは決まって深夜 である。深夜に訪れることで逮捕者を恐怖させる効果を狙ってのことだが、また同時に、近隣住民が翌朝、隣人が忽然といなくなったことを知って恐懼するよう 仕向けるためでもある。これが不安をかき立て、恐怖を蔓延させる。いつ自分が逮捕されるか人々は戦々恐々とし怯えるようになる。これによって国民は心理的 に権力によって完全に支配される。つまり、《説明しない》ことこそが権力の行使であり、国民を無力化させる手法なのである。こうして国民は恐怖と不安から 権力に従うようになる。なかには権力に忖度し、取り入る者が出て来る。こうした事例からも民主主義がいかに「説明すること」にかかっているかが判る。説明 と情報公開が民主主義を支える命であり、それを破壊する手段は《説明しないこと》、《情報を秘匿する》ことなのである。(イタリア学会による声明)
http://studiit.jp/.../%E5%A3%B0%E6%98%8E%E6%96%87%EF%BC...

 菅政権の日本学術会議新会員任命拒否に10月末の時点で500を超える学会などの反対の意見表明があり、その全てに目を通し主だったものを紹介する津田大介氏の論壇時評から。
 私も幾つかを読み、安部前首相や現首相らこの国の与党政治家の論理破綻した日頃の言動とはかけ離れた、筋道だった論理と選び抜かれた言葉による多様かつ明快な言説に学ぶことが多い。
 とくにイタリア学会の「無言の暴力を用いて他者を従わせるのが権力である」との指摘に肯首する。
 安部・菅首相など現在の政権与党の主たる政治家らがともに極めて不勉強で論理的思考に不慣れであり、みずからの言葉で他者つまり国民を説得する技量に著 しく欠けるという点を捉えるなら、政治と官僚を私物化し公文書を作らず改ざんさえするその手法と官僚が作る原稿を読み上げるだけで「説明しない」ことの本 質は、ただみずからの違法行為の正当性を「説明できない」ということなのだが、多数の官僚や一部メディアはそれに追随して歪んだ政治がこの国を著しく衰退 させるだけ。
 もんだいは、津田氏が言う「彼ら(研究者)がどこまで「譲らない」「妥協しない」を貫けるか」だけではなく、わたしたち市民が政権によるこのような学術研究への不当な介入をどこまで「許さない」を貫けるか、にこそかかっている。

《日本学術会議の新会員任命拒否騒動は発覚から1カ月が経過した今も収まる気配がない。「安全保障関連法に反対する学者の会」の調べによると、10月28 日現在、約500の学協会がこの件に対する抗議声明を発表している。今回論壇時評を書くにあたり、そのすべてに目を通した。切迫感を持つ強度の高い言葉の 塊に「論壇」の理想的な姿を見た。
 例えば日本科学史学会会長声明(〈1〉)では、科学史の観点で政治と科学者の独立性を巡る綱引きを知ることができる。
 日本思想史学会総務委員会の声明(〈2〉)には日本学術会議法第7条の「推薦に基づいて」という規定の恣意(しい)的運用が国立大学法人の学長らの任命に拡大する懸念とその萎縮効果が明解に書かれていた。
 民主主義科学者協会法律部会の声明(〈3〉)は、菅義偉首相が述べた「総合的、俯瞰(ふかん)的観点」という拒否理由を詳細に検討している。そもそもこ の表現は2003年の総合科学技術会議による意見具申が初出。同文書内の「総合的、俯瞰的な活動」という記載は学術会議“全体”のあり方を意味するもので あって、個々の会員の選考要件として提案されたものではなかった。あまつさえ、この意見具申を踏まえた04年の改正日本学術会議法ではこの文言が入らな かった。すなわち「総合的、俯瞰的観点」が法定外の選考要件となり、これを勘案して任命拒否を行うことは違法になる。実にわかりやすい。
 日本女性学会(〈4〉)と女性労働問題研究会(〈5〉)の声明は、任命拒否がひいては、女性を含む社会的少数者の置かれた環境や社会的状況の改善を困難 にすることを指摘している。ハンガリーやポーランドなど旧東側の権威主義政権がジェンダー研究や女性の権利への攻撃を強めている現状を踏まえればこのこと は自明であろう。日本環境教育学会会長声明(〈6〉)も、持続可能な社会の実現に支障を与えると懸念した。この問題は政治と学問の対立ばかり注目される が、人権やSDGsに関わる話なのだ。ーーー


                                                                                                                                                                
  
     





























Copyright © 2014 fukupulio.org All Rights Reserved.