Fukupulio's Page

Blog
2021年 5月


ホーム
ブログ

写真
旅の写真
  You Tube 
世界史Print
リンク

 
神 戸・お店
六 甲山とその周辺
時 事
集団的自衛権考
砂川事件判決
国旗・国歌訴訟
ギ ルガメッシュ叙事詩考






2021年 5月31日
日記がわりに。
23日は花の小鉢を買いに都賀側沿いをアシスト車でコーナンに下り帰路灘温泉に浸かって帰宅。
例年よりかなり早く梅雨入りし雨天続きの5月最後にようやく「五月晴れ」、29日は二週ぶりに三宮に出て元町nomadikaテラスでノンアルとサーモンでお昼のあとそこだけ開いているデパ地下でパック寿司買い帰宅。紫陽花が咲き始めた。
昨日も晴れて神大を抜けてil ventoでカッペリーニとモレッティーのノンアルを頂き駅前で食材買い、今までは歩いていたが暑さのために久しぶりにバスで帰宅。
レコードはあるが手軽にとCDでエラアンドルイを購入。嗄れ声がやはりいい。今日は巣篭もり。
兵庫と神戸の感染確認者は29日に97人と37人で今日31日 休み明けで29人と16人。

月別表示
次年 2021年
前年
1月
2月 3月 4月
5月 6月 7月 8月
9月 10月 11月 12月





2021年 5月27日
「香港政府トップの行政長官や立法会(議会)議員の選挙の事前審査で『非愛国的』とされると、立候補することができなくなります。香港基本法は普通選挙を 目指すと規定していますが、その道は閉ざされました。1997年に香港が英国から返還されたとき、中国が約束した『一国二制度』のもとでの高度な自治は、 まやかしだったと言わざるを得ません」
「祖国や故郷を愛する自然な気持ちではなく、中国共産党とその支配体制を愛するということです。まさにそれは、香港の政治から民主派を排除するために設け られた規定です。ただ、どんな体制でも権力側は、愛国心を押しつけたがります。日本でも政府、自民党が『愛国心教育』を強調してきたことを思い起こしま す」
「香港大学大学院で教育学を学び、日本の放送局のアルバイトをしながら返還を見守りました。こんな形で中国に主権を返していいのかと英国側に訴えた香港の 政治家もいて、悲観論は根強くありました。でも私は楽観的でした。香港が英国の植民地支配から解放され、現地の人々が自らの政治制度をつくっていく。一 方、中国は香港を『世界への窓』と位置づけ、経済を発展させ、政治体制もオープンにしていくと。見方が甘かったと言われればその通りです」
「警察が若者たちを激しく抑え込む場面をテレビで見ていました。青春を過ごした場所が戦場と化したことに衝撃を受け、迷いながらも香港へ飛びました。昔の 友人たちは、街頭だけでなくSNSも監視される息苦しさを口にし、この地で子どもたちを育てることへの不安を訴えました。人権問題を研究する私自身、中国 での調査で怖さを感じたことがあるので、気持ちは痛いほど分かります」
「周さんは2014年、民主的な選挙を求めた雨傘運動のリーダーでした。日本語がうまく、日本のアイドルが大好きで、東京での講演の後は、お好み焼きやスイーツを一緒に食べにいきました」
「昨年11月、東大大学院で公共政策を学ぶために来日した前立法会議員の区諾軒(アウノックヒン)さんも今年1月初め、裁判があるからと家族を残していた 香港に帰ると、国安法違反の容疑で逮捕されました。民主派が実施した立法会議員選挙の予備選をめぐり国家政権の転覆を企てた疑いで。区さんにとって日本で の2カ月弱はつかの間の自由でしたーーー身近にいた私は、彼が香港に帰らずに済む方法を探るべきではなかったか。悔いる気持ちもあります」
「公安条例違反で禁錮刑の判決を受けた周さんは泣いていたそうです。全く納得がいかないのでしょう。周さんは取材やシンポジウムでは日本語で答え、ユー チューブで香港の現状を訴えました。そんなごく当たり前の自己表現でさえ、国安法によって外国勢力と結託した犯罪とされる可能性もあるのです」
「中国共産党の地位は絶対不可侵であり、その権力を法でしばる『法の支配』という考え方はありません。共産党による統治を安定させるために、法は人々を支配する道具となるのです」
「授業中に留学生から『私、こんなこと言っても大丈夫ですか』と尋ねられることがあります。留学生の中国の実家に警察が来ることがあり、日本での出版活動 やSNSの発信が原因とみられます。研究内容が中国共産党や政府への批判と受け取られないかと、留学生たちは神経を使わざるを得ません。帰国して就職しよ うと考えている人は、なおさらです」
「日本の民主主義を心配しています。人々は政治や社会の問題に驚くほど無関心。あるいは無関心を装っているのかもしれません。政治家や官僚の不祥事が次か ら次に起きても、抗議デモや政権交代を求める投票行動にはつながりません。それどころか、政治に関わると自らに不利益になる、という変な雰囲気も広がって います」
「教育の責任は大きいと思います。18歳以上に選挙権が認められ、高校では主権者教育がされるようになりました。しかし、模擬投票のような当たり障りのな いことだけです。沖縄の基地問題のように意見が分かれる争点を授業で取り上げることは、避ける傾向にあります。教員たちが過度に中立性を求められているの です。これでは物事を様々な角度から見る目が養われず、考える力、行動する力のある人間が育ちません」
「昨年5月のオンラインセミナーで、国安法の施行におびえながら周さんが語ったことが忘れられません。『私たちは命をかけて闘っています。将来には不安し かありません。来年、私は生きているでしょうか。人権、民主主義、自由を空気のように思っていてよいのでしょうか。なくなると分かるのです。その価値が』 と。日本では立候補も投票も自由なのに、なぜ投票に行かないのかというのが、周さんの疑問でした」
「日中の大学生の討論会に立ち会うことがあります。少数民族問題で中国側は、選ばれた代表らしく政府の宣伝どおり、弾圧を否定します。共産党政権は少数民 族発展のために資金を投入し優遇していると。それに対して日本側は、あまり反論しません。言論の自由や人権の価値をもっと前面に出して反論してほしいので すが、あまりに当たり前のことで実感できないのかもしれません。振り返れば私自身、そうした大切な価値を深く考えるようになったのは、不屈の精神で自由を 守ろうとする中国や香港の友人と付き合うようになってからでした。今は周さんら捕らえられた人たちの言葉をかみしめつつ、無事を祈っています」
「国安法」施行後の香港でその違反容疑で逮捕・勾留され「国家転覆罪」などで起訴さる若者たちと交流し、署名運動なども行ってきた東京大学阿古智子教授の貴重なインタビュー記事。
 3月30日全国人民代表大会常務委員会は「香港基本法」付属文書を修正し、香港立法会議員選挙で立候補者が香港政府に忠誠を尽くすかどうか、新設する 「資格審査委員会」が事前審査するとした。習近平指導部は「愛国者による香港統治」を掲げ、香港政府の林鄭月娥行政長官も同じ言葉を鸚鵡のように繰り返 す。
https://digital.asahi.com/art.../ASP2L64WYP2LUHBI00W.html...
https://www.yomiuri.co.jp/world/20210330-OYT1T50227/
 まさに阿古教授が指摘するように、この「愛国」はただ中国共産党とその支配体制を愛することでしかないが、2006年安倍政権による教育基本法「改正」 以来自民党や文科省が進めてきた「愛国心教育」も、多様性や異論、異なる意見を排除し国民を一定の見解に統制しようとする点で本質は同じ。自国の歴史ある いは現在の負の側面を見ないようにすることは、いっとき経済は発展しても長い目で見れば政治、社会や文化の停滞や混乱を招くものでしかない。
 自由と人権そして民主主義が今まさに失われようとしている香港の若者たちの切実な声と、自国の歴史も含めそうした問題をあまり取り上げないこの国の授業 を経た日本の若者たちの政治離れという落差。これは、香港やチベット、ウイグルなどへの抑圧に関して口が重いこの国の政府の姿勢にも通じる大きな課題だろ う。ミャンマー、パレスチナも含め市民の自由と人権そして生命すら奪われる危機は、この国とそこに住む私たちにとって人ごとではない。

《中国・習近平(シーチンピン)政権による香港への支配が強まっている。「高度な自治」が骨抜きにされ、民主派の政治参加の道は事実上閉ざされた。香港で 何が起きているのか、香港の危機から何を学んだらいいのか。中国や香港で、体制に異議を申し立てる人々に長く寄り添ってきた東京大学教授の阿古智子さんに 尋ねた。
 ――中国共産党の主導で香港の選挙制度が変わりました。
 「香港政府トップの行政長官や立法会(議会)議員の選挙の事前審査で『非愛国的』とされると、立候補することができなくなります。香港基本法は普通選挙 を目指すと規定していますが、その道は閉ざされました。1997年に香港が英国から返還されたとき、中国が約束した『一国二制度』のもとでの高度な自治 は、まやかしだったと言わざるを得ません」
 ――そこでいう「愛国」とはどういう意味ですか。
 「祖国や故郷を愛する自然な気持ちではなく、中国共産党とその支配体制を愛するということです。まさにそれは、香港の政治から民主派を排除するために設 けられた規定です。ただ、どんな体制でも権力側は、愛国心を押しつけたがります。日本でも政府、自民党が『愛国心教育』を強調してきたことを思い起こしま す」
 阿古智子さんは、香港の民主活動家の周庭さんを東京に招いて講演会を開くなど、親交を深めていました。記事の後半では、禁錮刑の判決を受ける前に周さんが語っていたことなどを通じ、日本の現状を語ってもらいました。
 ――返還時は留学生だったのですね。
 「香港大学大学院で教育学を学び、日本の放送局のアルバイトをしながら返還を見守りました。こんな形で中国に主権を返していいのかと英国側に訴えた香港 の政治家もいて、悲観論は根強くありました。でも私は楽観的でした。香港が英国の植民地支配から解放され、現地の人々が自らの政治制度をつくっていく。一 方、中国は香港を『世界への窓』と位置づけ、経済を発展させ、政治体制もオープンにしていくと。見方が甘かったと言われればその通りです」
 ――情勢が緊迫する中、一昨年末、香港を再訪したそうですが。
 「警察が若者たちを激しく抑え込む場面をテレビで見ていました。青春を過ごした場所が戦場と化したことに衝撃を受け、迷いながらも香港へ飛びました。昔 の友人たちは、街頭だけでなくSNSも監視される息苦しさを口にし、この地で子どもたちを育てることへの不安を訴えました。人権問題を研究する私自身、中 国での調査で怖さを感じたことがあるので、気持ちは痛いほど分かります」
 ――香港の民主活動家、周庭(アグネス・チョウ)さんを招き、東大などで講演会を開きましたね。周さんは今、公安条例違反で実刑判決を受け、香港国家安全維持法(国安法)違反の容疑でも取り調べられました。
 「周さんは2014年、民主的な選挙を求めた雨傘運動のリーダーでした。日本語がうまく、日本のアイドルが大好きで、東京での講演の後は、お好み焼きやスイーツを一緒に食べにいきました」
 「昨年11月、東大大学院で公共政策を学ぶために来日した前立法会議員の区諾軒(アウノックヒン)さんも今年1月初め、裁判があるからと家族を残してい た香港に帰ると、国安法違反の容疑で逮捕されました。民主派が実施した立法会議員選挙の予備選をめぐり国家政権の転覆を企てた疑いで。区さんにとって日本 での2カ月弱はつかの間の自由でした。香港では、いつ警察に踏み込まれるかと不安の中で生活していましたから。国安法の施行前は、平和的に民主化を訴えた 人たちが拘束されるなんて想像できませんでした。区さんは、ほかにも違法集会を扇動したなどとして禁錮刑の判決を受けています。身近にいた私は、彼が香港 に帰らずに済む方法を探るべきではなかったか。悔いる気持ちもあります」ーーー





2021年 5月25日
「(コロナで)6000人死んでいると言うけれど日本でね、これ大した話じゃない」高橋洋一内閣官房参与2月激論!クロスファイア
「この程度の『さざ波』 。これで五輪中止とかいうと笑笑」同5月9日Twitter
「日本の緊急事態宣言といっても、欧米から見れば『屁みたいな』ものではないのかな」同24日Twitter
「菅総理大臣に対し『迷惑をかけて申し訳ない』というおわびと内閣官房参与を辞したいという連絡があり、辞職したという経緯だ」加藤官房長官24日午後
「本人が『大変申し訳ない訂正をしたい』とおわびを申し上げている。そうした中で『これ以上、ご迷惑をおかけすることはできない』ということで辞職した。 大変反省をしていた。みずから辞職するということであった。不適切な発言ということを本人が取り消し謝罪をしているので、そういう中で『責任を感じ』とい うこ とであった」菅首相24日

 『迷惑をかけて申し訳ない』『大変申し訳ない訂正をしたい』『責任を感じ』などと詫びたのは首相にでありコロナ感染による死者とその家族そして国民には 何も語らない内閣官房参与と、窃盗と懲戒解雇という前歴のほかはまともな研究業績もないにもかかわらずこの人物を首相に直接助言する非常勤公務員にみずか ら任命し一連の不適切極まる発言を放置してきた首相自身の責任・任命責任はまるでないかのような他人事の首相。どちらも不見識・無責任極まりない。まとめ て辞職すべし。

《政府は、高橋洋一・内閣官房参与が24日付けで退職したと発表しました。高橋氏は、みずからのツイッターに新型コロナウイルスの国内の感染者数を「さざ 波」、緊急事態宣言を「屁みたいなもの」などと投稿したあと改めていて、加藤官房長官は本人から辞職の申し出があったと説明しました。
政府は、嘉悦大学教授で去年10月から菅内閣で経済・財政政策を担当している高橋洋一・内閣官房参与が24日付けで退職したと発表しました。
高橋氏は今月9日、みずからのツイッターに各国の新型コロナウイルスの感染者数のグラフとともに「日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと 笑笑」と投稿したほか、今月21日にも「日本の緊急事態宣言といっても、欧米から見れば、戒厳令でもなく『屁みたいな』ものでないのかな。『屁みたいな』 とは日本の行動制限の弱さとの意味」などと投稿し、その後いずれも内容を改めていました。
加藤官房長官は午後の記者会見で「菅総理大臣に対し『迷惑をかけて申し訳ない』というおわびと内閣官房参与を辞したいという連絡があり、辞職したという経緯だ」と述べ、本人から辞職の申し出があったと説明しました。
そのうえで政権への影響を問われたのに対し「対外的な発信は個人の資格で行われているわけで基本的に内容を含め本人が責任を持って対応することだ」と述べました。
菅首相「『これ以上迷惑をおかけすることはできない』と辞職」
菅総理大臣は東京都内で記者団に対し「本人が『大変申し訳ない訂正をしたい』とおわびを申し上げている。そうした中で『これ以上、ご迷惑をおかけすることはできない』ということで辞職した。大変反省をしていた」と述べました。
そのうえで記者団が「直接、退職すると聞いたのか」と質問したのに対し「みずから辞職するということであった。不適切な発言ということを本人が取り消し謝罪をしているので、そういう中で『責任を感じ』ということであった」と述べました。ーーー



2021年 5月24日
「感染対策を講じることで宣言下であってもなくても安全安心な大会が実施される」「宣言下でもテスト大会が最悪の事態を想定した上で成功している。答えはイエスだ」国際オリンピック委員会(IOC)ジョン・コーツ副会長21日調整委員会後記者会見
「(五輪実現のため)われわれは犠牲を払わなければならない」国際オリンピック委員会(IOC)バッハ会長22日国際ホッケー連盟のオンライン総会  https://digital.asahi.com/articles/ASP5S33D6P5SUTQP005.html
 昨年東京大会の1年延期を決めた時より日本でも世界でもワクチン接種が進む一部を除いて変異株により感染者と死者が拡大する地域が多い現在、「本大会参 加者の安全が理由の如何を問わず深刻に脅かされると信じるに足る合理的な根拠がある場合」とIOC開催都市契約66条が規定する大会中止は、昨年から続く 世界の新型コロナパンデミック下のオリンピック・パラリンピック開催による開催国と参加国双方の選手その他の関係者および開催国・参加国市民への感染拡大 と重症化・死亡のリスクなどを考えれば、当然の決定であるだろう。
 宣言下の「テスト大会」とは、
5/1バレー女子日本代表と中国代表との国際試合
5/1~6五輪最終予選とテスト大会を兼ね46の国と地域から225人、日本選手13人が参加した水泳飛び込みのワールドカップ(W杯)
5/5 海外4カ国6選手と日本代表のうち男女4選手ら約90人が参加した札幌の五輪マラソンテスト大会
5/8「フェアリージャパン」など団体の国内8チームが参加の新体操テスト大会
5/9ガトリンら海外選手9人を含む約420名が参加した陸上テスト大会
5/14有明アーバンスポーツパークで2つの種目に男女20人の国内選手が参加したスケートボードテスト大会
5/16青海アーバンスポーツパークで男子代表候補選手ら計24人が6チームに分かれて参加して行われた3人制バスケットボールテスト大会
5/17有明アーバンスポーツパークで日本代表の中村輪夢選手と大池水杜選手は参加せず男女9人ずつ合計18人が参加したBMXフリースタイル・パークテスト大会
5/17~21陸自朝霞訓練場で更衣室もないまま国内165選手が参加した射撃テスト大会
https://mainichi.jp/articles/20210501/k00/00m/050/247000c
https://president.jp/articles/-/45922?page=1
https://digital.asahi.com/articles/ASP596KL6P59UTIL001.html
https://www3.nhk.or.jp/.../20210508/k10013019601000.html
https://news.yahoo.co.jp/.../66b7efdfe1620d5f9792bdfc9676...
https://www3.nhk.or.jp/.../20210514/k10013030911000.html
https://www.nikkansports.com/.../news/202105160000831.html
https://news.yahoo.co.jp/.../214fb861e25a807d8602210a87fb...
https://news.yahoo.co.jp/.../e2b05cdd9f6bd7ac35a982d36084...
 これらに参加した選手は計1000人ほど、海外から参加した選手はW杯飛び込みの225人とバレーの中国代表の他はマラソン6人、陸上9人だけ。これら すべては屋外も含め無観客で、雨のためにBMXフリースタイルと3人制バスケは決勝戦が中止となっている。選手は外部との接触を禁ずる「バブル方式」を 採用し入国時に検査で陽性が判明した飛び込みのコーチ1名を除いて期間中の検査で陽性者はいなかったというが、スポーツ庁の資料によれば東京オリンピック は17日間33競技339種目、選手上限数は11090名、パラリンピックは13日間22競技540種目で選手上限数は4400名としている。宣言期間中 の9つのテスト大会はそれぞれ1日から数日の試合であり五輪本大会とは規模も期間も比べ物にはならない。さらにIOCやスポンサー企業、報道機関など大会 関係者を当初予定の18万人から7万8000人に圧縮してもなお膨大な人数が世界中から来日することに変わりはない。
https://news.yahoo.co.jp/.../cade9aea00923322b018955bfe62...
https://www.mext.go.jp/.../afi.../2019/05/16/1416831_005.pdf
 北海道は札幌マラソン終了後、新型コロナウイルス感染拡大中の札幌市を対象に「まん延防止等重点措置」の適用を国に要請することを決定したが、8日ほど 過ぎた13日北海道内では新規感染者712人(札幌市499人)の過去最高数を記録し、16日緊急事態宣言が適応されることとなった。これを100倍ほ どの規模で東京を中心に30日間に渡って行うなら、今でも一日のPCR検査数が最大1万5千件ほどでしかない東京都で選手らに一日6万件の検査予定などを 含め、「安全安心」「万全な感染対策」などまさに絵に描いた餅に過ぎない。これまでもイギリス株やインド株などが航空検疫で見逃されて国内で感染が広がっ て医療にも繋がらない重症患者と死者をもたらしてきたのであり、五輪イベントの強行が世界から変異株を国内にもたらし各国に持ち返させるビックイベントに なる可能性は決して少なくない。一体その責任は誰が取るのか。
https://www3.nhk.or.jp/.../20210513/k10013028311000.html
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/.../number-of-tested/
《国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ副会長は21日、東京オリンピック・パラリンピックを緊急事態宣言下でも開催する考えを示した。大会 の準備状況を監督するため、3日間の日程で開催された調整委員会後の記者会見で、「感染対策を講じることで宣言下であってもなくても安全安心な大会が実施 される」と述べた。
 コーツ氏は開催可能と考える根拠として、緊急事態宣言下の今月、東京都内で海外選手を招いて飛び込みや陸上競技などの大会が開催された事実を挙げた。「感染対策を講じることで宣言下であってもなくても安全安心な大会が実施される」と強調した。
 専門家らで構成する政府の基本的対処方針分科会の舘田一博東邦大教授は21日、報道陣に個人的な見解として「東京で緊急事態宣言が出されている状況で五輪ができるとは思わないし、やってはいけないというのがみんなのコンセンサス」と述べた。
 この発言の受け止め方を問われ、コーツ氏は世界保健機関(WHO)からのアドバイスやIOCが組織委とまとめた感染防止対策「プレーブック(規則集)」 に触れ、開催は可能とした。会見に出席した大会組織委員会の橋本聖子会長も続けて「医学・科学の知見を結集して安全安心な大会を開催する。医療に支障をき たすと厳しいので徹底的に策を講じる」と訴えた。ーーー




2021年 5月21日
「学校は、グローバル経済を支える人材という「商品」を作り出す工場と化している。そこでは、子どもたちは、テストの点によって選別される「競争」に晒 (さら)される。そして、教職員は、子どもの成長にかかわる教育の本質に根ざした働きができず、喜びのない何のためかわからないような仕事に追われ、疲弊 していく。さらには、やりがいや使命感を奪われ、働くことへの意欲さえ失いつつある」
「今、価値の転換を図らなければ、教育の世界に未来はないのではないかとの思いが胸をよぎる。持続可能な学校にするために、本当に大切なことだけを行う必 要がある。特別な事業は要らない。学校の規模や状況に応じて均等に予算と人を分配すればよい。特別なことをやめれば、評価のための評価や、効果検証のため の報告書やアンケートも必要なくなるはずだ。全国学力・学習状況調査も学力経年調査もその結果を分析した膨大な資料も要らない。それぞれの子どもたちが自 ら「学び」に向かうためにどのような支援をすればいいかは、毎日、一緒に学習していればわかる話である」
「現在の「運営に関する計画」も、学校協議会も手続き的なことに時間と労力がかかるばかりで、学校教育をよりよくしていくために、大きな効果をもたらすも のではない。地域や保護者と共に教育を進めていくもっとよりよい形があるはずだ。目標管理シートによる人事評価制度も、教職員のやる気を喚起し、教育を活 性化するものとしては機能していない」
「また、コロナ禍により前倒しになったGIGAスクール構想に伴う一人一台端末の配備についても、通信環境の整備等十分に練られることないまま場当たり的 な計画で進められており、学校現場では今後の進展に危惧していた。3回目の緊急事態宣言発出に伴って、大阪市長が全小中学校でオンライン授業を行うとした ことを発端に、そのお粗末な状況が露呈したわけだが、その結果、学校現場は混乱を極め、何より保護者や児童生徒に大きな負担がかかっている。結局、子ども の安全・安心も学ぶ権利もどちらも保障されない状況をつくり出していることに、胸をかきむしられる思いである」
「つまり、本当に子どもの幸せな成長を願って、子どもの人権を尊重し「最善の利益」を考えた社会ではないことが、コロナ禍になってはっきりと可視化されて きたと言えるのではないだろうか。社会の課題のしわ寄せが、どんどん子どもや学校に襲いかかっている。虐待も不登校もいじめも増えるばかりである。10代 の自殺も増えており、コロナ禍の現在、中高生の女子の自殺は急増している。これほどまでに、子どもたちを生き辛(づら)くさせているものは、何であるの か。私たち大人は、そのことに真剣に向き合わなければならない。グローバル化により激変する予測困難な社会を生き抜く力をつけなければならないと言うが、 そんな社会自体が間違っているのではないのか。過度な競争を強いて、競争に打ち勝った者だけが「がんばった人間」として評価される、そんな理不尽な社会で あっていいのか。誰もが幸せに生きる権利を持っており、社会は自由で公正・公平でなければならないはずだ」
市立木川南小学校久保敬校長の松井一郎市長、教育行政への「提言書」(5月17日)から
https://digital.asahi.com/art.../ASP5N6KWMP5NPTIL00R.html...
「テレビで(現場への意見聴取をせずトップダウンで「オンライン学習が基本」と決めたことについて松井市長の発言を聞いて)僕らが知ることは、どうなんだろう?と思う。プロセスが『これは民主主義なのかな』って。大げさに言うたらそんな風に思います」
「37年間大阪で教員として育ち、本当に思っていることを黙ったままでいいのかなと。お世話になった先生方や保護者、担任をした子どもを裏切ってしまう感じがした。今まで黙ってきた自分はどうなんやろうっていうのを、自分自身に問いかけた」久保敬(たかし)校長
「校長だけども、(社会の)現場がわかってないというかね、社会人として外に出てきたことあるんかな。今の時代、子どもたちはすごいスピード感で競争する 社会の中で生き抜いていかなければならない。民間の会社であろうと、必ず評価のシステムがある。先生として、それは耐えられないと言うなら、仕事を変えた ほうがいい。言いたいことは言ってもいい。(市教委の教育振興基本計画の)ルールに従えないなら、組織を出るべきだと思う」20日松井一郎市長

 3回目の緊急事態宣言発出に伴い松井市長がトップダウンで全市立小中学校のオンライン授業を行うとした大阪市。実際は生徒や教職員に準備期間もなく何よ り市教委側の準備不足で回線の容量が足りずに接続が切れ続け、小学校の場合で一日40分間だけ、さらにほぼ週1日だけしか実施できない状況だったと報じら れている。結局大阪市は17日今月24日から通常授業に戻すと表明した。
https://news.yahoo.co.jp/.../maeyatsuy.../20210514-00237736/
https://mainichi.jp/articles/20210517/k00/00m/040/300000c
 小学低学年を含めた児童・生徒にいきなりタブレット端末で家庭のネット回線状況の確認も市教委側の容量確保もなしにオンライン化という、無責任極まる施作。
 この大阪市立木川南小学校久保敬校長の、優れた教育理念と生徒・教職員そして保護者ら学校現場の思いとを踏まえた筋の通った批判・提言に対して、医療も 教育もまったく「現場」を知らない松井市長の混乱を引き起こしたことの責任の自覚もなくただ相手を誹謗し、「仕事を変え」「組織を出る」などと退職を強い るだけのなんとも拙劣かつ非道極まる対応。防衛省の予約システムの大きな不備を指摘した報道に対する前首相の「愉快犯」ツイートと同じくこの国の政治に携 わる者らのどうしようもない劣化が止まらない。
 18日大阪府の累計死者数は2014人となり都道府県で初めて2000人を超え全国最多。イソジンや雨合羽など無為無策で検査数も病床確保数も全国最低ライン、岩波書店「科学」2021年5月号の慶応大濱岡豊教授投稿論文でコロナ対策評価全国ワースト1の大阪。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021051800757&g=soc
https://blogos.com/article/536854/
 「仕事を変え」「組織を出る」べきはまさにこの市長と知事だろう。この児童への思いと理念と気概に満ちた教育者に市長や教委が此の期に及んで不当な処遇をすることがないよう隣県からでも見守りたい。

《大阪市立小学校の校長が、市の教育行政への「提言書」を松井一郎市長(57)に実名で送った。今回の緊急事態宣言中、市立小中学校の学習を「自宅オンラ インが基本」と決めた判断について「学校現場は混乱を極めた」と訴える内容。全国学力調査や教員評価制度などにも触れ、子どもが過度な競争に晒(さら)さ れ教師は疲弊していると訴えた。松井市長は20日、報道陣に「子どもの命を守ることを最優先にコロナ対応の手段としてオンラインを活用した」と反論した。 (宮崎亮、加藤あず佐)
 現職の校長が実名で市長を批判するのは異例だ。提言書の筆者は大阪市淀川区の市立木川南(きかわみなみ)小学校(児童数140人)の久保敬(たかし)校長(59)。17日朝、松井市長宛てに封書で郵送し、山本晋次・市教育長にも同じ内容を送った。
 提言は、オンライン学習を基本とした松井市長の判断を「子どもの安全・安心も学ぶ権利もどちらも保障されない状況をつくり出している」と批判している。久保校長自身はSNSに投稿していないが、内容を聞いた知人が本人の許可を得て投稿し、広がっている。
 松井市長がこの判断を報道陣に表明したのは、府内で新型コロナウイルスの感染者が増えていた4月19日。これを受け市教育委員会は市立小では3限または 4限から給食までを「登校時間」と決めた。家庭の要望がある場合、それ以外の時間も児童生徒を校内で預かることも求めた。今月17日、松井市長は宣言下で 子どもが重症化した例がないとして、24日に通常授業を再開すると発表した。
 一方で小中学校の現場は、オンライン学習への対応や児童ごとに異なる登校時間の把握に追われた。保護者にも不安が広がっていた。久保校長の提言は「通信 環境の整備など十分に練られること(が)ないまま場当たり的な計画で進められ」「保護者や児童生徒に大きな負担がかかっている」と書いた。ーーー



2021年 5月20日
「国民の多くが疑義を感じているのに、国際オリンピック委員会も日本政府も大会組織委も声を聞く気がない。平和構築の基本は対話であり、それを拒否する五輪に意義はない」JOC山口香理事

 極めて正論。
 4月21日「ぼったくり男爵」バッハIOC会長は緊急事態宣言について「五輪とは関係がない」と言いながら5月10日、17日からの自身の来日を延期。 もう一人の「ぼったくり」コーツIOC調整委員長は今日も「歴史の中で逆境を克服し、忍耐力を発揮してきた日本の人たちのおかげで、この難しい環境下でも オリンピックが開催できるということを決して忘れてはならない」などと誉め殺しで来月15日の来日と五輪開催に固執している。
https://www3.nhk.or.jp/.../20210520/k10013041461000.html
 感染防止に成功したとされた台湾ですら先月から国際便操縦士と入国者による新規株で感染が拡大し19日の感染確認267人、緊急事態宣言下にある東京で も1日の感染者が千人前後と高止まりし岡山や広島そして沖縄、北海道など全国でも新規株による感染が拡大し重症者が入院も治療も受けられず放置され高齢者 へのワクチン接種すら滞る現状で、選手団1万5000人と大会関係者ら9万人を迎えて「安心・安全」の五輪など開催できるわけがない。国際医療福祉大学病 院予防医学センターの一石英一郎教授が言うように「平和の祭典のはずの東京五輪が、“変異ウイルスの災典”になりかねない」 
https://www3.nhk.or.jp/.../20210519/k10013040091000.html
https://news.yahoo.co.jp/.../64ca56b2cc3d004c0fe005a4ab9c...
 山口理事の「やめることすらできない状況に追い込まれている」はいまのIOCの姿勢だけを見ればその通りだが、IOC、組織委そして東京都や日本政府に もコロナ禍に苦闘する開催国や世界の市民の危ぶむ声を無視する術も胆力も実はない。もし強行すれば、参加できないもしくは辞退する国が続出し、東京に集ま る10万人の選手や関係者らの行動監視と検査、感染確認、隔離、出場停止や偽陽性への対応という混乱といびつな国威発揚の場となり、感染した市民には治療 の機会もないという修羅場にしかならないだろう。小さくても声を上げ続けることが大事。

《日本オリンピック委員会(JOC)の山口香理事(56)が19日、東京都内で共同通信のインタビューに応じ、開催に否定的な世論が強い東京五輪について 「国民の多くが疑義を感じているのに、国際オリンピック委員会も日本政府も大会組織委も声を聞く気がない。平和構築の基本は対話であり、それを拒否する五 輪に意義はない」と厳しい意見を展開した。
 柔道の元世界女王でもある山口氏はこれまでもコロナ禍で大会を開催する理由の説明や議論が不足していることに批判的な姿勢を取ってきた。開催可否の判断については「もう時機を逸した。やめることすらできない状況に追い込まれている」と憂慮した。(共同)》




2021年 5月20日
「今回、朝日新聞出版AERAドット及び毎日新聞の記者が不正な手段により予約を実施した行為は、本来のワクチン接種を希望する65歳以上の方の接種機会を奪い、貴重なワクチンそのものが無駄になりかねない極めて悪質な行為です。
両社には防衛省から厳重に抗議いたします。不正な手段でのワクチン接種の予約は、本当に希望する方の機会を喪失し、ワクチンが無駄になりかねないと同時 に、この国難ともいうべき状況で懸命に対応にあたる部隊の士気を下げ、現場の混乱を招くことにも繋がります」18日岸信夫ツイッター
https://twitter.com/KishiNobuo/status/1394440062125805572
「朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯と言える。防衛省の抗議に両社がどう答えるか注目」18日安倍晋三ツイッター
https://twitter.com/AbeShinzo/status/1394572582058217478
「一部の報道で、65歳以上でない方が面白半分に予約を取って65歳以上の方の予約を邪魔し、それを誇っているかのような行動があったので、自衛隊から抗議が出されたと承知している」18日河野太郎ワクチン担当相
https://www.sankei.com/.../news/210518/plt2105180008-n1.html
「システムの欠陥を指摘したメディアに『早い段階で気付かせてくれてありがとう』と言うのが本来の姿だ。意味不明な対応をしている」18日立憲民主党枝野幸男代表
https://www.tokyo-np.co.jp/article/105091
「(支出に)関与していない」17日二階自民党幹事長
「当時の選対委員長(の甘利氏)が(河井氏の選挙区だった)広島を担当していた」同林幹雄幹事長代理
「(1億5000万円の支出には)1ミリも関与していない。1ミクロンもかかわっていない。事件後の新聞報道を見て初めて知った」18日甘利明税制調査会長
「根掘り葉掘り党内部のことまで踏み込まないで」同林幹雄幹事長代理
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210518-OYT1T50314/

 前首相が地元事務所を挙げて応援し広島参院選の空前の買収事件につなかった、税金による政党助成金から1億5000万円という破格の選挙資金を拠出した 疑惑について党幹事長も選対本部長も一切責任を認めない政党と、防衛省大規模接種予約システムの不備を指摘した報道について見当違いの「抗議」をするその 弟の防衛相とそれに連動して報道機関を「愉快犯」呼ばわりする兄の前首相。
 自らの不備や不正の指摘を報道する側への攻撃に責任転嫁するこの兄弟に、ワクチン接種が「先進国」中最下位のこの国の落ちぶれた政治の愚かさが際立つ。 そして「面白半分に予約を取って65歳以上の方の予約を邪魔し、それを誇っているかのような行為」と語るコロナワクチンチン担当相。的外れも甚だしく、こ う言うものにコロナワクチンのまともな調達や配布ができるのか危ぶまれるだけ。
 自衛隊によるワクチン接種の予約システムの不備について指摘した17・18日AERA dot. と毎日の記事。
https://dot.asahi.com/dot/2021051700045.html
https://mainichi.jp/articles/20210518/ddm/041/040/122000c
 これらは架空の「市区町村コード」と接種券番号さらに65歳以下の生年月日の入力で予約可能であり、さらに同一の入力で何度でも予約できるという防衛省による予約システムの驚くべく不備を指摘している。
 両記事とも記者は予約を取り消したとしており、不正な予約が正当なワクチン接種を侵害したとはいえない。AERAは「予約が始まった直後、「ワクチン予 約に大変な欠陥が見つかった。システムのセキュリティが機能していない」(防衛省関係者)という情報が飛び込んできた」と記しており、発端は防衛省内から の通報だ。
 でたらめな数字の入力でも予約が成立するのはワクチンを無駄にする根本的な欠陥であり、それを指摘する記事には大きな公益性がある。岸防衛相も18日の 会見で「今回のシステムはさまざまなご指摘をいただいており、修正は当初からやっておけばよかったところもある。修正できる範囲でしっかり対応したい」と 述べており、正しい「市区町村コード」や65歳以上の年齢設定はシステム創設当初からできるものだ。それを怠っていた防衛省などの責任は重い。
 自殺するものまで出した森・加計疑惑や違法接待の桜そして広島参院選の不正など自らに関わる問題をなんら説明しようとしない者による報道機関「妨害愉快犯」呼ばわりほど無責任で「極めて悪質な行為」はない。こういう輩はこの国の政治からまとめて退場させるべき。




2021年 5月16日日記がわりに。
GW兵庫・神戸は緊急事態宣言下。快晴の3日運動を兼ねてミニベロで王子公園から布引川沿いを降ってメリケンパークに行き店のテラス席でお昼をいただく。 突堤の先を見てデパ地下を訪ねるが土日は休業、なぎさの湯を訪ねるとここも宣言期間休業中。海岸沿いを戻り水道筋の灘温泉に行くとここは銭湯の仕切りで営 業中、湯に浸かって六甲側沿いを帰宅。
9日はpiza trackのパンチェッタマルゲリータでお昼。美味。分科会尾身会長は抗原検査キット800万個を配布の「積極的検査戦略」だそうだが、あのトランプさえ 昨年9月検査キット1億5000万個を1億個は学校再開の支援に、5000万個は高齢者施設などの高リスク層向けに配布しているのだが。三周遅れ。
https://www.reuters.com/.../health-coronavirus-usa...
岡山県はGW前に蔓延防止措置を国に相談したが「自助努力」を求められ、感染爆発で結局今日16日から緊急事態宣言に。まったく国の対策は後手後手で破綻 している。14日アシスト車で石屋川、弓弦羽神社を経て岡本のGreen fieldテラスでお昼のあと営業再開したうはらの湯に浸かり石屋川沿いを登って帰宅。
昨日は三週間ぶりに電車に乗り栄町通のピザ店に行くと土日は休業中でメリケンパーク入り口のテラス席のあるHajiで昼食。帰りに阪急地下を除くとウマヅ ラハギあり。今日は朝から雨だが11時には弱まり、il ventoでピザをいただき駅前で食材買って神大構内を歩いて帰宅。この国でワクチンは遅いが、今日近畿も早くも梅雨入りとか。
     


2021年 5月13日
「個人情報保護より行政機関や民間企業によるデータ利活用を重視する考え方が度を越しており、個人情報のあり方について十分に議論されないまま成立したのは残念だ」
「特に個別の法ではなく、担当者の「相当の理由」という極めて低いハードルで目的外利用を認めたのは大きい。個人が行政機関に預けた情報を、本人が想定し ていない場面で担当者が事実上、自由に名寄せ・結合できる。担当者は、原則「匿名化」されることで個人情報ではなくなるという理屈を拡大し、データ利活用 を進めていくだろう」
「国と地方の個人情報保護ルールを「国に合わせる」のも、さまざまな問題を生む。これは自治体の基準をより緩やかにして、住民の個人情報、しかも思想信条 といった極めてセンシティブなものも含め集めることができるということだ。そして、自治体が集めた情報はそのまま国が吸い上げることになる」
「推進役としてデジタル庁を設置し、首相と内閣情報調査室に全国民の個人情報を集約できる仕組みとなる。個人情報保護委員会は行政機関に立ち入り検査でき ないなどチェック機能が弱い。政府が個人情報を思うがままに収集・保有・活用できるということは国家による集中管理の強化そのものであり、監視社会化につ ながる危険性が高まる」
「また、これまでも一般的な情報漏えい対策として、分散管理、保護義務の徹底、取扱者の限定などが行われてきたが、今回の法改正は分散管理を集中管理の方 向により強めるものだ。より膨大な個人情報が政府に集約され、マイナンバーにひもづけることで、その漏えいリスクや深刻度は大きく上がる」
「今、ヨーロッパを中心に、行政が保有する情報の分散化が大きなテーマになりつつある。デジタル化された情報をまとめるのは危険というのが世界の常識だか らだ。日本がまったく逆の道を歩もうとしているのは完全に時代遅れだ。間違いなく情報は漏れるのに、日本の場合は「漏れた場合どうする」ではなく、「絶対 に漏らさない」で思考停止してしまう」
「今回の法案審議では、個人情報を加工して民間で利活用する取り組みを巡って、防衛省が国を相手取った米軍や自衛隊の基地関連訴訟の原告団名簿を、全国 30の国立大学が授業料免除者名簿を、それぞれ外部に提供しようとしていたことが明らかになった。防衛省の訴訟の原告団名簿は、憲法上の要請で絶対公開で きないセンシティブ情報で、本来は収集すること自体がアウトだ。大学の授業料免除者名簿は、よりセンシティブに近いプライバシー情報といえる。いずれも、 本人が特に公開を望まない情報で、提供リストに載せること事態が問題だ。百歩譲っても、商用で提供対象にしたことを本人に伝えないといけない」
「政府は個人が特定されないよう情報を加工するとしているが、現在のAI(人工知能)の能力なら特定は可能だ。匿名加工すれば分からないというのは幻想に 過ぎない。今後は本人同意なき利活用を止めるため、個人が自分の情報を管理する「自己情報コントロール権」を明示するなど、同意原則の明確化と本人情報の 追跡の徹底が図られる法内容にすることが最低限必要だ」

 昨日成立したデジタル改革関連法についての専修大学山田健太教授のインタビュー記事。西欧で進む情報の分散化に背を向けた政府による個人情報の一元管理という世界から三周遅れのこの関連法の根深い問題性が的確に指摘されている。
 TBS山口元記者のレイプ事件の際、山口が取材する新潮側に誤って送ったメールは「北村さま、週刊新潮より質問状が来ました。◎◎の件です」だが、この 北村とは当時の北村滋内閣情報官であり当時内閣情報室を統括するのは警察庁出身で元内閣調査室長の杉田和博官房副長官。この内調は安倍政権の加計問題を 巡って、「行政が歪められた」と公然と官邸を批判した文科省の前川喜平元事務次官のスキャンダル捜しに動員されたとも言われる。この二人は昨年9月発足の 菅政権でも官僚トップの官房副長官と外交・安全保障政策の司令塔である国家安全保障局(NSS)局長に再任されている。
https://www.dailyshincho.jp/article/2017/07140800/?all=1...
https://bunshun.jp/articles/-/13627
 今回設置予定のデジタル庁は首相と内閣情報調査室に全国民の様々なプライバシーと個人情報を集約できる仕組みを作るが、この10年の安倍・菅政権を見ればそれがどれほど危険なものか明らかだろう。
 既に防衛省や国立大学が米軍横田基地(東京都福生市など)をめぐる訴訟の原告団(基地周辺の住民約1100人)や航空自衛隊小松基地(石川県小松市)に 関する原告の名前、生年月日、年齢、職業、本籍、陳述書の提出の有無、損害賠償金額やその内訳などを記録した情報や全国30の国立大学の授業料免除者名簿 を2017年から行政機関が保有する一定の「個人情報ファイル」として民間事業者に提供しようとしていたことが判明している。横田基地原告団・弁護団は3 月この資料を直ちに削除することを防衛省に申し入れ、国会で「極めて機密性の高い文書であることは明らか。非識別加工がされていても、個人が識別されるこ とも危惧される。国民への監視、市民活動の萎縮につながる重大な事案」と田村智子議員(共産党)が4月14日参院本会議で追及している。
https://www.jcp.or.jp/.../2021-04-16/2021041601_03_1.html
https://digital.asahi.com/articles/ASP4G7F6TP4GUTIL03L.html
 国会で菅首相は「今年度は除く方針」と答えたが、それで済む話ではない。防衛省など行政機関が、自らに訴訟を提起した原告の個人情報を断りもなく外部に 提供するとは、国に対して訴訟を起こすという主権者の当然の権利を重大に侵害する行為に他ならない。授業料免除者名簿も、個人名を秘匿してもAIなどでさ まざまな情報と突き合わせれば特定は可能だろう。それを前提にして提供する極めて悪質な行為ではないか。
 山田教授は4月の朝日「デジタル法案 最初の3原則が骨抜きに」の記事で、昨年末に閣議決定された「デジタル社会を形成するための基本原則」の「公平・ 倫理」の項目に「「個人が自分の情報を主体的にコントロールできるようにする」と明記されていたが、今回の法案には権利として盛り込まれていない。逆に本 人同意なしの第三者提供や匿名加工情報の提供が拡大する可能性が含まれている」、「現状は情報公開をおろそかにしている側面が強く、公文書の改ざんや隠蔽 や廃棄が起きている。新型コロナウイルス対策のアプリの契約も不透明だ。「オープン・透明」の原則とはかけ離れている」と指摘している。
https://digital.asahi.com/articles/ASP4N71N9P4MUTFK005.html
 3月の衆院内閣委で松尾明弘議員(立憲民主)は東京都国立市や福岡県春日市などが自分の情報を管理する権利「自己情報コントロール権」を規定していることを指摘し法案に盛り込むよう求めたが、政府側は「概念が明確でなく適切でない」と答弁し拒否している。
https://mainichi.jp/articles/20210512/k00/00m/010/318000c
 こうした政府の姿勢についてNPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は4月7日の記事で次のように指摘している。
「社会的身分のほか、思想信条、病歴、犯歴、犯罪被害などの「センシティブ情報」と呼ばれる要配慮個人情報の収集についてです。センシティブ情報は、偏見 や差別感情を持たれやすい個人情報のため、多くの地方自治体は収集を原則禁止にしています。このセンシティブ情報についても、国のルールでは収集に関して 制限はありません。これも今回の改正によって、自治体でも原則収集禁止でなくなります。これも、国が自治体並みに合わせてくれればいいんですが、逆なんで す」
「長期的に見た場合、影響は大きいとみています。自治体の場合は、住民と窓口で面と向かって対応する現場があり、個人の人格や尊厳に関わる情報も扱うこと もあるわけで、だからこそ個人情報保護について、国よりも厳しい規律、原則があったわけです。そこが国並みになってしまうわけですから、将来的に大きな禍 根が残るんじゃないかと危惧しています。本来ならば、多くの国民が理解できるようになった状態で、法改正しないといけない。個人情報保護の観点について は、しっかり社会的な合意形成を図らないといけないはずで、議論が拙速すぎると思います」
https://mainichi.jp/articles/20210406/k00/00m/010/002000c
 コロナ禍のなか60を超える法を束ねて短期間に粗雑な審議で成立させたデジタル関連法。自らの都合で公文書を破棄、改竄、隠蔽する政権が市民のさまざまな個人情報を適切に管理するとはとても思えない。
 成立した法で規定された個人情報保護委員会は民間に対しては立ち入り検査や「命令」ができるが、行政機関に対しては強制力のない「勧告」しかできない。 行政などによる個人情報の収集と提供を監督し個人情報を保護する組織を独立させて権限を強化し、市民が自分の情報をコントロールする権利を明記するなど、 必要な法改正を行うことが必要だ。

《デジタル庁創設や個人情報保護法改正を盛り込んだデジタル改革関連法が12日、成立した。個人情報保護法制に詳しい専修大学の山田健太・文学部ジャーナリズム学科教授(言論法)に今回の法改正の問題点を聞いた。【聞き手・大場伸也】
集約化、国のルールに合わせ
 今回の法改正は、政府による個人情報の集約化を進めるのが大きな狙いだ。行政機関、民間、独立行政法人の三つに分かれていた個人情報保護法制を一つに し、自治体ごとに異なる個人情報保護条例などのルールを国に合わせる。個人情報保護より行政機関や民間企業によるデータ利活用を重視する考え方が度を越し ており、個人情報のあり方について十分に議論されないまま成立したのは残念だ。
 特に個別の法ではなく、担当者の「相当の理由」という極めて低いハードルで目的外利用を認めたのは大きい。個人が行政機関に預けた情報を、本人が想定し ていない場面で担当者が事実上、自由に名寄せ・結合できる。担当者は、原則「匿名化」されることで個人情報ではなくなるという理屈を拡大し、データ利活用 を進めていくだろう。
 国と地方の個人情報保護ルールを「国に合わせる」のも、さまざまな問題を生む。これは自治体の基準をより緩やかにして、住民の個人情報、しかも思想信条 といった極めてセンシティブなものも含め集めることができるということだ。そして、自治体が集めた情報はそのまま国が吸い上げることになる。ーーー




2021年 5月12日
「私たちが限界と言ったらいけない……そんな思いでなんとか踏ん張っていますが、正直言ってしんどいですよ。できることならもう辞めたい。疲れた……。通 常の3倍、4倍の業務量なので、日勤も遅くまで残業したり、16時間にも及ぶ夜勤は普通、仮眠を2時間ほど取れるのですが、それも取れていません。17時 に入って、入院対応や急変対応しているうちに気がつけば午前0時になっているとか、酷い日は午前3時、4時になっているなんてこともざらです。一度も休憩 せず、飲み食いもせず、忙しすぎてトイレに行くのさえ忘れることも。もう滅茶苦茶な状況です」大阪府内の病院の救急科で日夜、重症者対応に追われる看護 師・Aさん
「毎日、毎日、不安の中で働いていて、感情のコントロールができなくなってしまっている。定時にはもちろん帰れません。時間外勤務が増え、基本的には朝8 時45分から夕方5時半までの勤務ですが、5月に入り重症者が増えてからは8時半とか9時になることも。師長も、深夜24時くらいまで残って対応していま す。コロナの重症患者の方に加えて、一般の重症患者も見ているので、そうした患者さんの退院調整やマネジメントもある。師長にはそこに職員の感情面のフォ ローも重なって相当な負荷がかかっています。とにかくマンパワーが足りません。加えて、4月は新人が入ってきている。新人教育をしながら、慣れないコロナ 患者さんも診なければいけないんです」
「実際のところ、みんな、いつ辞めよう、いつ辞めようと思いながら、自分が辞めると益々周りが大変になるから言い出せなくて、辞められずにズルズル来てい るような状況です。自分たちも伝染るんじゃないかという不安感はあります。特に第4波以降は急変する患者さんが増えており、今まで以上の緊張感を強いられ る。これまで1年以上頑張ってきましたが、終わりが見えないどころかさらに追い打ちをかけられている状況です。急変の割合が第3波の比じゃないのに加え て、感染力がすごく高い。ちょっとした間違いで自分も感染するんじゃないかという不安は常に消えません。若手もベテランも何とか気を張っていますが、 ちょっとしたことで泣いてしまう看護師も多い。患者さんの命ももちろん大切ですが、一緒に働いている仲間をどうしたら守れるのか、悩みながら日々を過ごし ています」
「家庭内感染が増加していて、家族も陽性や濃厚接触者という場合が多く、家族に会えないまま亡くなられていった患者さんが数多くいます。人生の最期に、私 達だけが見送る状況です。ご家族の気持ちを思うと、『本当にこれでよかったんだろうか』と。ご家族が陽性や濃厚接触者でなければ、うちの病院では感染対策 をきちっと取ってもらった上で、本当に数分ですが、最期のお別れをしてもらえるよう努力しています。『会わなかったら絶対後悔する』という気持ちが私達の 中にあるので」
「(遺品整理でハーモニカを見つけて)ああ、この人、ハーモニカを吹く人だったんだって。患者さんのことを何も知らず、何の関わりもできないままだった。 この人のことを『人』としてちゃんと診れていないと愕然としました。コロナの場合、こちらもフル装備で、マスクをして、ゴーグルをして、表情も見えませ ん。看護師として当たり前のケアもできないのは本当につらい」
「私達も驚くのですが、10代の子でも感染している状況です。小・中学生でも感染し、症状が出ている。それなのに、『慣れ』が人の流動を止めない。大阪の 人口100万人あたりの死者数はインドより多いと報道されています。重症化の速度は速く、発熱外来を予約して自分で歩いて来た方が、病院に到着した頃には 低酸素ですぐにでも挿管が必要な状況になってしまっている。ものすごく怖い」大阪市内の民間病院で働く看護師・Bさん
「第4波では家庭内感染が増えていて、家族が濃厚接触者だったりすると、病院まで来てもらうこともできない。本来、お亡くなりになられたら看護師の方で体 をきれいにさせてもらい、身支度をしてご家族にも面会をしてもらうんですが、今は極力、亡くなった後も曝露のリスクがあるのでご家族は体には触れないよう 徹底しています。納体袋に患者さんを入れ、棺に入れるところまで看護師がするんです。ストレッチャーと棺をお預かりして看護師がベッドから移し替える。霊 安室に移動してからご家族に対面してもらうんですが、お顔を見ることも、触れることもできない。いままでの看取りとまったく状況が違います」
「第3波までは入院患者は高齢者が中心でしたが、今は若くなっている。40〜50代が中心になっています。30代が複数いた時もありますし、30代の重症化もあります」
「感染者が減って、病棟全体で陽性の患者さんがはじめて0になったことが3月頭にあったんです。でも、それも2週間くらいで、あっという間に増えだした。 専門家の方々が指摘されていますが、解除を前倒しした後、他の地域に比べて感染が急拡大したのは否めません。本当ならPCRの検査数をもっと拡大するべき だったと思います。例えば高齢者施設では、多くのクラスターがスタッフから持ち込まれています。結果論ですが、スタッフのPCR検査が徹底されていれば多 くのクラスターは防げたんじゃないかと思います。吉村(洋文)府知事はイソジンとか、ワクチン開発とか、たいそうなことをぶち上げる前に、もっと地道にで きたことがあったんじゃないかなって思います」
「本当に職場への往復と日用品の買い物くらいで、電車に乗るのもはばかられるような状態が続いています。外出は、もう1年くらい控えています。つらいで す。この4月からはさらに厳しくなって、同居者以外とは一切会わないで下さいと病院からは言われています」大阪府堺市にある総合病院の看護師・Cさん

 変異株による感染爆発で急増し重症化する感染者を受け入れて、感染の危険や辞めたいとの思いを封じ同居者以外との接触も絶って日夜看護に当たり、「医療 現場の危機感を、少しでも多くの人に共有してほしくて」という思いで取材に応じた3人の大阪の看護師の方々の切実な言葉を伝える文春記事。
 大阪だけでなく兵庫や全国でも変異株による感染は拡大し、家庭内感染と高齢者施設でのクラスターが後を絶たない。Cさんが指摘するように、3月の宣言前 倒し解除のとき高齢者施設でのPCRまたは抗原検査を米国並みに週一回ほどに徹底して拡充していれば、感染拡大はある程度防げただろう。
 しかしイソジン知事や、〈日本はこの程度の「さざ波」。これで五輪中止とかいうと笑笑〉の内閣官房参与を従える首相らには、感染爆発と医療崩壊を真剣に食い止める気概も政策もない。
 文春は同じ昨日、日本医師会の中川俊男会長が発起人となり「厚生労働政務官在任中には新型コロナウイルス対策本部の本部長代理として先頭に立って国難に 対峙し、現在は参議院厚生労働委員会理事、自民党青年局長代理」(案内状)である自民党の自見英子参院議員の政治資金パーティーに4月20日参加していた ことを報じている。
https://bunshun.jp/articles/-/45400
 国内でワクチンんはほとんど浸透せず多くの市民が感染の不安とともに自粛や営業休止を強いられるなか、日本医師会会長と新型コロナウイルス対策本部の本 部長代理だった前厚労政務官の医師免許を持つ議員が、9日から「まん延防止等重点措置」対象となった東京で、会食なしとはいえ政治資金パーティーを行うと いう危機感の欠如。
 この記事は中川氏が4月7日の定例会見で『国民が新型コロナに慣れてしまい、自粛という我慢は限界にある。国民の中に危機感、緊張感を呼び戻さなければならない』と述べていたことにも触れている。
「国民の中に危機感、緊張感」を呼び戻す前に、危機感も当事者意識も欠落した医師会会長や前新型コロナウイルス対策本部本部長代理の議員そして首相を含め この国の政治の中枢を刷新する以外、現場で苦闘する医療従事者や様々な制約の中に取り残された国民の願いに応える道はない。

《新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増え続ける大阪府。累計死亡者が1700人を超え、今なお入院もできず、自宅やホテルでもがき苦しむ重症者が数多 く存在する。5月上旬の7日間の大阪府の死者数は人口100万人あたり22.6人。インドの同16.5人を上回っている。その最前線に立つ看護師たちの本 音とは――。
 大阪府内の病院の救急科で日夜、重症者対応に追われる看護師・Aさんが現状を吐露する。
「私たちが限界と言ったらいけない……そんな思いでなんとか踏ん張っていますが、正直言ってしんどいですよ。できることならもう辞めたい。疲れた……。通 常の3倍、4倍の業務量なので、日勤も遅くまで残業したり、16時間にも及ぶ夜勤は普通、仮眠を2時間ほど取れるのですが、それも取れていません。17時 に入って、入院対応や急変対応しているうちに気がつけば午前0時になっているとか、酷い日は午前3時、4時になっているなんてこともざらです。一度も休憩 せず、飲み食いもせず、忙しすぎてトイレに行くのさえ忘れることも。もう滅茶苦茶な状況です」ーーー



2021年 5月11日
「大阪、兵庫の変異株は、解除当時は出ていなかった」4月13日
「あぜんとした。総理は『強い危機感を持っております』と答弁した。この強い危機感ってなんだったんのか。言葉に中身が伴っていないと言わざるを得ない」立憲民主党枝野幸男代表
→「解除の条件とは具体的な指標や専門家の意見を踏まえて、判断を行って解除した。当時、ステージ3をはるかに下まわっていたことも事実じゃないでしょうか」
「(亡くなった人には)一人ひとりに人生があり、家族・友人との営みがあった。(高齢者施設や重症でも入院できずにコロナ感染が原因で亡くなった患者と家族らについて)語りかけてください」同
→「療養中に亡くなられた方、自宅待機で亡くなられたみなさんには心からご冥福をお祈りを申し上げる次第です」
「それだけですか?」同
「国際オリンピック委員会(IOC)の判断や意見に左右されることなく、命と暮らしを守る観点から政府が独立して(五輪開催の可否を)判断すべきだ」同
→「各国選手へのワクチンの無償提供を実現した。選手や大会関係者と一般国民が交わらないようにする。選手は毎日検査を行う。こうした厳格な感染対策を行うこととしている。国民の命と健康を守り、安全安心な大会が実現できるように、全力を尽くすことが私の責務だ」
「総理に危機感が感じられないなかで外出しないでくださいとお願いしても、国民に応じていただけないのは当たり前じゃないですか。総理がその覚悟と気概をお示しになれないなら、潔く身を引かれるべきだ」同
「菅首相の頭の中は五輪ファーストでコロナ対策、ワクチン接種、事業者への対策が二の次になってしまっているのではないか。ステージ3、ステージ4でも五輪を開催するのか」立憲民主党山井和則議員
→「大変失礼だ。ファーストではないと明言する。まず現在の感染拡大を食い止めることが大事だ。開催にあたっては、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じて、安心して参加できるようにし、国民の命と健康を守るのが責務だ」
「だから五輪ファースト、五輪ありきと言われるんじゃないか」同
「神戸や大阪の高齢者施設でクラスターが発生している。ほとんどの入所者の入院先が決まらないまま施設内で亡くなった。必要な重症病床を確保することが政 府に求められている。ぜひ関西、大阪に行って(現場の)声を聞いてもらえないか」共産党の清水忠史議員(比例近畿ブロック)
→「現場の声というのは常に大事にしながら進めるのが政府の役割だ。私は大阪の現場の責任者からも電話で話しながら現状について指示している」
「外国の観客は入ってこない。収益が吹っ飛ぶ。最後は国民の税負担が生じる可能性もある」国民民主党玉木雄一郎代表
→「観客数については、国内感染の状況も踏まえ、スポーツイベントなどの人数上限に準じることを基本として6月に判断することになっている。運営方針、収入支出を含め、大会運営の主体である組織委員会で様々な想定をしながら準備を進めている」
「医療提供態勢、財源調達や資金不足の観点からも五輪は開催できるのか。国際オリンピック委員会(IOC)に国民の税負担や命を委ねるわけにはいかない」同
「(新型コロナの感染状況が深刻化している状況の中で東京五輪・パラリンピック)大会を本当にやるのか」立憲民主党蓮舫代表代行
→「開催にあたって、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じ、安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく。これが開催にあたっての政府の基本的な考え方だ」
「首相として、大会の中止を言う権限はないのか」同
→「開催にあたってーーー基本的な考え方だ」
「この危機的な状況をバッハ会長に相談するとも言えないのか」同
→「開催にあたってーーー基本的な考え方だ」
「国民の命を守る最高責任者として、総理は大会をやらないという判断は下せないのか」同
→「先ほど来申し上げている通りだ」
「(選手への無償のワクチン接種提供など)選手をなぜ優先するのか、優先すべきは国民じゃないのか」同
→「選手と一般国民が交わらないようにするということを申し上げている。行動範囲を原則として宿泊施設および競技会場などに限定し、一般の日本人との接触 を厳に回避するため、それぞれの場所での動線分離を徹底して移動方法を原則専用車両に限定するなど厳格な行動監理を実施する」審議中断
「国民が五輪指定病院に搬送された場合、選手が同時に搬送された場合、どちらが優先されるのか」同
→「選手と一般国民が交わらないようにするーーー厳格な行動監理を実施する」
「(内閣官房参与高橋洋一・嘉悦大教授のツイッターについて)治療を受けられずに亡くなる方がいる中、こうした認識の方が政策決定に関与していることは大問題だ」共産党山添拓議員
→「高橋さん個人の主張について、私から答弁することは控えるべきだろう」
→「(海外の主要紙に東京五輪の中止を求める論調があることに)海外でそういう論調があるようだが、外国人の方の観客は入場不可とか、そういう考えがまだまだ伝わっていないんじゃないかなと思う」
「(感染症対策分科会から)移動では感染しないという提言もいただいていた」12月11日(ネット配信番組「ニコニコ生放送」)
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/goto-suga-2
→「前回の緊急事態宣言と比べても、人出が少なくなっており、人流の減少という所期の目的は達成できたと考える」5月7日会見
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/59802.html

「移動では感染しないという提言もいただいていた」「大阪、兵庫の変異株は、解除当時は出ていなかった」などと平然と虚偽の発言を続ける人物がこの国の政治の中枢に居座る不幸。
 10日の衆院・参院質疑のこの人物の答弁は、見苦しい言い訳と「失礼だ」と感情をむき出しに逆ギレするか、答えをはぐらかして官僚らが作成した答弁文書 をただひたすら繰り返し読むか。まともな会話が成り立っていない。この日首相は立民の二人の議員の質問に対し計12回同じ答弁を繰り返したと毎日は報じて いる。
https://mainichi.jp/articles/20210510/k00/00m/010/216000c
 五輪に関しても、感染状況が深刻化しステージ3、ステージ4でも開催するのか、この危機的な状況をバッハ会長に相談するとも言えないのか、選手と国民のどちらを優先するのか、何も答えない。 
〈日本はこの程度の「さざ波」。これで五輪中止とかいうと笑笑〉
 この人物が非常勤の国家公務員である内閣官房参与に任命した者の、国民の生命も世界のパンデミックも意に介さない醜悪なツイートは、首相自身と内閣のむ しろ根本的な姿勢の表現だろう。この者たちを政権から放逐しない限り、感染拡大からの脱却もワクチン接種の迅速化も経済の回復も、ましてや五輪もこの国で 実現はしない。

《菅義偉首相が10日、衆院と参院の予算委員会の集中審議に出席しました。東京都など4都府県に出している新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言の延長と 対象地域の拡大をめぐる是非や解除の判断、ワクチン接種態勢などについて、野党の追及や質問にどう答えたのでしょうか。タイムラインで詳報します。
09:55
枝野氏追及に首相「専門家に失礼」 宣言の基準巡り
 立憲民主党の枝野幸男代表は、2回目の緊急事態宣言を3月までに解除した判断をめぐって、菅首相の政治責任を追及した。
 菅首相が4月13日に「大阪、兵庫の変異株は、解除当時は出ていなかった」と国会で答弁していたことに対し、「あぜんとした。(解除を説明する議院運営 委員会で変異株の拡大を指摘され)総理は『強い危機感を持っております』と答弁した。この強い危機感ってなんだったんのか。言葉に中身が伴っていないと言 わざるを得ない」と批判。「3月の時点で大阪、兵庫の変異株についてスルーしたのか」とただした。
 菅首相は「解除の条件とは具体的な指標や専門家の意見を踏まえて、判断を行って解除した。当時、ステージ3をはるかに下まわっていたことも事実じゃないでしょうか」と応じた。
 それに対し、枝野氏は「緊急事態宣言をどういう基準で出すのか、解除するのか、そうした基準を作っていく、全体的な知見を持ってる専門家は残念ながらいない。専門家の知見を踏まえて総合的に判断する責任は政治にある」と改めて指摘した。
 菅首相が「それは専門家の皆さんに失礼じゃないでしょうか」と述べると、議場がどよめいた。菅首相は「政府の方針を決めるときには、分科会の専門家から のご理解を頂く中で、政府としては判断をいたします。判断の責任は全部私がありますけども、途中経過については、客観的な手続きを取って行ってることはぜ ひご理解をいただきたい」と述べた。ーーー



2021年 5月10日
昨年3・4月と現在(5/8付け)のこの国の100万人あたり7日間の感染者数と死者累計数比較。昨年と比べても一度延期した五輪を開催できる状況ではまったくない。
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/index.html...
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/
 


2021年 5月10日
〈日本はこの程度の「さざ波」。これで五輪中止とかいうと笑笑〉高橋洋一内閣官房参与2021,5,9Twitter
https://twitter.com/YoichiTaka.../status/1391207118502383621
「6000人死んでると言うけど、たいした話じゃない」「世界レベルから見ればさざ波」「ほとんど数字の誤差の範囲、世界から見ると」

 元財務官僚で東洋大在職中に窃盗容疑で書類送検され免職となったが、昨年9月発足の菅政権で内閣官房参与となり、この5月4日にも公邸で首相と会談した人物のコロナ感染による死者と五輪中止を求める市民を「笑笑」と嘲る劣悪極まるツイート。
https://www.j-cast.com/2009/04/23040070.html?p=all
 昨年3月24日前首相とIOCバッハ会長の電話会談で東京五輪の一年程度の延期が合意され、30日IOC臨時理事会で21年7月23日開幕への延期が決 定している。この翌々日4月1日コロナによる日本国内の死者累計は69名、過去7日間の人口100万人あたり感染者は8名に対して、5月8日現在の死者 10846名 過去7日間の人口100万人あたり感染者は287名。昨年より圧倒的に悪化している。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/index.html...
 感染力を増した変異株による感染増または高止まりのこの傾向は昨年的確な感染防護策を講じて感染者と死者を押さえ込んだ台湾やニュージーランドなどとワ クチン摂取が浸透する一部の国を除いて世界共通で、1週間100万人あたりの新規感染者数でアルゼンチン、トルコ、ブラジル、インド、イタリア、ドイツ、 米国などは日本より多く、日本より低いのは英国、南アフリカ、インドネシア、韓国、オーストラリアなど一部でしかない。いま日本も世界も昨年の延期決定時 より遥かにコロナパンデミックに苦しんでいて、昨年延期した行事を今年はできるという根拠はまったくない。
 コロナ感染に関わる日本と世界の感染者と死亡者の数値すら冷静に分析することもできず、コロナに感染し苦闘の末に死に至る人々やその家族への同情もな く、多くの重症者が入院もできず国内で1万人を超える死者を「さざなみ」「笑笑」とするこの人物を内閣官房参与とする菅首相に真っ当な感染対策などできる わけがない。前川氏がいうように、国会に呼んで首相とともに問い質し、罷免させるべきだろう。

《国民の命と健康を軽視しているとしか思えないおざなりコロナ政策を連発している菅政権だが、その人命軽視ぶりを証明するようなとんでもないツイートを内閣官房参与がおこなっている。
 内閣官房参与を務める高橋洋一氏が、昨日5月9日ツイッターで、国別の100万人あたりのコロナ感染者数を示すグラフの画像とともに、こうツイートしたのだ。
〈日本はこの程度の「さざ波」。これで五輪中止とかいうと笑笑〉
 グラフは、インド、カナダ、ドイツ、イタリア、アメリカ、日本、イギリスを比較したもので、たしかにその比較では、日本は低水準で推移している。
 しかし、周知のとおり、日本でもすでにコロナによる死者は1万人を超えている。しかも、現在大阪では医療崩壊状態で、多くの人が適切な治療を受けられ ず、毎日のように数十人の死者が出ている。にもかかわらず「この程度のさざ波」などと評し、あげく「笑笑」と結び笑いネタのように扱うとは。言っておく が、高橋氏は菅政権の内閣官房参与だけでなく、大阪市の特別顧問も務めていた。
 人数の多寡にかかわらず、そもそも死者が出ている問題について「この程度のさざ波」とか「笑笑」とか平気で言えるのは、高橋氏が人命そのものを軽視しているからにほかならない。
 それに高橋氏のこのツイートは倫理的な問題だけでなく、現実認識としても誤っているだろう。このグラフにはない、ニュージーランド、オーストラリア、台 湾などと比べれば、人口あたりの死者数は日本のほうが断然多い。また、このグラフの右端を見れば、日本の感染者数はイギリスを上回っている。ワクチン接種 が進む欧米各国が低下傾向に入っているのに対して、ワクチン接種が遅れ変異株が猛威をふるっている日本では、これからまだ感染者数も死者数も増加していく 途上にある可能性が高いのだ。



2021年 5月 8日
「政府の専門家会議の資料に人口100万人あたりの死者数のデータがあるのですが、大阪は19・6人(5月5日時点、以下同)。インドの15・5人、メキ シコの16・2人、米国の14・5人より上回っており、惨状というほかありません。兵庫県も9・0人、愛媛県11・2人、和歌山県7・6人など関西は高 く、東京は1・4人と意外にも低い水準です」(厚生労働省関係者)
「死亡した高齢者の多くは入院先が決まらず、待機中に施設内で死亡しています。報道されるまで施設、行政は状況を公表せず、まるで姨捨山のような扱いで す。政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は感染者数より医療体制を重視して見ています。大阪の重症病床使用率は99%と公表していますが、外 形的な数字です。実際は重症患者412人に対し、重症患者用365床を大幅に上回っています。入院待機待ちの人数が約1万5千人と医療崩壊に歯止めがかか りません。大阪の吉村洋文知事が菅義偉首相に忖度し、緊急事態宣言の要請が遅れたことも響いています」(政府関係者) 
「うちは病院系列の高齢者ホームですが、コロナ感染者が出ても病床が逼迫し、入院できないので、老人ホームを病院代わりに使用しています。病院から先生や 看護師に来てもらって治療し急きょ、ハンガーをホームセンターで買ってきて点滴をブラ下げたこともありました。防護服や手袋をして職員は検温やパルスオキ シメーターを使って病状を点検するなどとんでもないことになっています。発症した高齢者の1人は入院できたが、もう1人は発熱、肺炎、中等症に近い容態だ が、入院できていません。往診してもらっている先生も『これは異常な状況。治療を老人ホームでやるなんて』とあきれていました」(大阪府内の老人ホーム職 員)

 3度目の緊急事態宣言から2週間が過ぎた昨日7日の新型コロナによる死者は大阪50人、兵庫39人、全国148人といずれも過去最多。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-all/
 記事にもあるが、過去1週間の人口100万人当たりの死者数で大阪19・6人は7日に22・6人で、インド19・1、米国14・6を上回る。
https://web.sapmed.ac.jp/.../coronavirus/japan_death.html...
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/death.html
 この状況を「惨状というほかありません」「報道されるまで施設、行政は状況を公表せず、まるで姨捨山のような扱いです」とあえて指摘するこの記事の厚 労、政府関係者。感染防護や医療は全て現場に丸投げし、みずからは大阪市長らとともにイソジンや雨がっぱ、都構想と「大阪モデル」「Go to事業」そして東京五輪などに固執し、検査体制や病床数そしてワクチン接種にはっぱをかけるだけというこの国の首相と知事らの責任は極めて重い。

《東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に発令中の緊急事態宣言を5月末まで延長することなどが決まったが、関西圏の医療崩壊が止まらない。
 大阪府は5月7日、新型コロナウイルスの新規感染者が1005人、死亡者は50人と発表。最多を更新した。
 兵庫の新規感染者は493人、京都が146人、奈良が98人、滋賀が49人、和歌山が19人で、死亡者は兵庫39人、奈良4人、滋賀3人が確認された。
「政府の専門家会議の資料に人口100万人あたりの死者数のデータがあるのですが、大阪は19・6人(5月5日時点、以下同)。インドの15・5人、メキ シコの16・2人、米国の14・5人より上回っており、惨状というほかありません。兵庫県も9・0人、愛媛県11・2人、和歌山県7・6人など関西は高 く、東京は1・4人と意外にも低い水準です」(厚生労働省関係者)
 AERAdot.が入手したデータによると、人口100万人あたりの新規死亡者数の都道府県別のデータ(5月5日現在)は以下の通り。
【都道府県】 
順位  都道府県 人数 
1   大阪府  19.6
2   愛媛県  11.2
3   徳島県  11.0
4   兵庫県  9.0
5  和歌山県  7.6
6   石川県  6.2
7   奈良県  5.3
8   岡山県  4.8
9   北海道  4.6
10  三重県   3.9
 〜〜〜〜〜〜〜〜
22   東京都   1.4
 全国の平均は3・3人で、東京は1・4人で22位と関西圏が上位を占める。
 関西圏の医療崩壊は緊急事態宣言が延長された今も進行しているという。高齢者施設でクラスターが相次いでも入院先が決まらず、院内で待機中の高齢者が相次いで死亡するなど連日、大騒ぎになっている。
 大阪府門真市の高齢者施設で4月中旬以降、入所者と職員の計61人が新型コロナウイルスに感染するクラスターが発生し、入所者13人が死亡。神戸市市長 田区の介護老人保健施設でも4月中旬以降、入所者97人、職員36人の計133人が感染する大規模クラスターが発生。入所者25人が死亡した。ーーー





2021年 5月 8日
・4月14日に90歳以上の入所者1人が新型コロナウイルスに感染していることが判明。
・5月7日までに入所者97人、職員36人の合わせて133人の感染が確認された。このうち、入所者25人が症状が悪化して死亡。医療機関に入院したのは2人だけ。
・施設には4月16日の時点で認知症の患者など133人が入所していて、およそ7割の入所者が感染した。職員は121人で3割の職員が感染。
・神戸市は、集団感染が確認されてから20日以上公表していなかったことについて「一定期間に多くの患者が発生し、確認や健康管理で業務がひっ迫して公表が遅れた」と説明。

 大阪門真市の老人ホームでも、入所者定員44人のうち40人と職員合わせて61人が感染し入所者13人が死亡、うち8人は入院先が決まらないまま亡くなった。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14896336.html...
 昨春北イタリアなど欧米でおきた高齢者施設での感染爆発による夥しい犠牲が今兵庫と大阪で繰り返されている。神戸市保健副局長は「認知症の入所者は、マスクを着けてもらえないことも」とするが、コロナは入所者が持ち込んだわけではない。
 重症化しやすくしかも看護・介護職員と入所する人が密接な関わりにならざるを得ない高齢者・介護施設の感染防護について、昨年10月からその職員と入所 者の月一回の定期PCR検査を世田谷区が始め、神戸市も政令指定都市では初めて高齢者施設職員への月一回の定期検査を11月から始め、大阪府も今年2月か ら高齢者施設従事者への月2回の定期検査を開始している。
https://www.city.setagaya.lg.jp/.../005/006/d00184143.html
https://www.city.kobe.lg.jp/a73576/press/716239173010.html
http://www.pref.osaka.lg.jp/.../osakak.../shisetu_kensa.html
 厚労省は昨年11月19日と12月25日「高齢者施設等への重点的な検査の徹底について(要請)」と「高齢者施設等への検査の再徹底等について(要 請)」を各自治体に出したが、その内容は「高齢者施設等の入所者又は介護従事者等で発熱等の症状を呈する者については、必ず検査を実施すること」「陽性者 が発生した高齢者施設等での入所者・従事者全員への原則検査や、クラスターが複数発生している地域における高齢者施設、医療機関等への積極的な検査」であ り「無症状者」を見逃し検査の頻度や範囲も必ずしも明確ではない。
https://www.mhlw.go.jp/content/000696766.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/000713157.pdf
 高齢者へのワクチン摂取もようやく始まったばかりで、高齢者等の施設の職員と入所者に対する月に一度の定期検査では現在主流となった新型コロナの英国型 に対しては残念ながら十分な効果がないということ。4月28日IOC、IPC、東京大会組織委員会、東京都と政府は選手やコーチなど1万5000人に入国 後、原則として毎日PCR検査を行うと決めたが、そのようなリソースはいまスポーツではなく命に直接結び付くところにこそ使われるべきだろう。
https://this.kiji.is/760078257046568960?c=39546741839462401

《神戸市は、市内の介護老人保健施設で4月中旬から7日までに、入所者と職員、合わせて133人が新型コロナウイルスに感染し、このうち入所者25人が死亡したと発表しました。
神戸市によりますと、長田区の介護老人保健施設「サニーヒル」で、4月14日に90歳以上の入所者1人が新型コロナウイルスに感染していることが判明しました。
その後、ウイルス検査を行ったところ、感染が次々に確認され、7日までに入所者97人、職員36人の合わせて133人の感染が確認されました。このうち、入所者25人が症状が悪化して死亡したということです。
神戸市によりますと、市内の病床数がひっ迫しているため、感染した入所者は原則、施設内で療養していて、亡くなった25人のうち、医療機関に入院したのは 2人だけだったということです。施設には3人の医師や、16人の看護師が常駐していたほか、4月下旬からは厚生労働省の医療チームが派遣され、酸素の投与 や投薬治療を行っていました。
神戸市は「入院できるのがベストだが、市内の医療提供体制が危機的な状況だったため、施設に医療機関の側面もあると判断し、療養をしてもらった」としています。
施設には、4月16日の時点で認知症の患者など133人が入所していて、およそ7割の入所者が感染したことになります。
神戸市健康局の熊谷保徳副局長は記者会見で「認知症の入所者は、マスクを着けるように言っても着けてもらえないことも多かった。非常に大きなクラスターとなり、25人が亡くなったことは重く受け止め、ショックを受けている」と述べました。
一方、集団感染が確認されてから20日以上公表していなかったことについて「一定期間に多くの患者が発生し、確認や健康管理で業務がひっ迫して公表が遅れた」と説明し、謝罪しました。》



2021年 5月 6日
「「結論からいうと、二つの条件が満たされれば、私権の制限は可能です。@規制の目的が自由の制限を正当化できるほど重要で、A規制の方法が合理的かつ、必要不可欠であれば、法律に根拠のある規制は合憲とされます」
「むしろ『感染症対策なのだから、どんな制約でも我慢しろ』という論理は通用しないことを意味しています。その感染症を抑制することが社会にとってどれほ どの重要性を持つのか、そして制約の内容、すなわち手段が科学的・法的根拠に照らして適切なのかという視点が重要です。そして法的根拠も伴わなければなり ません」
「言い換えれば、自由を制約する政策には、こうした法律の正しい解釈に基づいた細かな検討こそが必要です。ですが、この1年以上にわたるコロナ禍でこうした意識が今の政府には決定的に欠けていることが明らかになりました」
「自由と補償をめぐる議論が繰り返されてきましたが、憲法上の問題という意味では、法の支配や政府の国民への説明責任といった、日本の統治機構の憲法原則が危機にさらされていることがより深刻だと考えています」
「思い返すと、昨年2月に当時の安倍晋三首相が法的根拠もないまま、全国一斉休校宣言をしました。当時は新型コロナウイルスには新型インフルエンザ特別措置法は適用できませんでしたから、法の外からの『要請』でした」
「翌月にはこの特措法を適用できるよう法改正をしました。この法律では、市中感染が広がっている状況では、緊急事態宣言は継続する、となっていた。これだと新型コロナの場合、宣言は解除できない。ですがそうなりませんでした」
「そして昨年4月の緊急事態宣言の理由として、医療体制の崩壊が語られました。これも法律に書かれていない。何となく数字が下がってきたので解除し、増えると宣言を出す。一貫して法的根拠という視点が軽視されてきました」
「政府が法の解釈や整合性などを気にしなくなってしまったことのマイナス面がわかりやすく示されてしまった。コロナ禍によってと言うよりも、もう少し長い タイムスパンで起きてきました。2015年の安保法制時の憲法解釈の変更、そして最近では日本学術会議の問題でも従来の法解釈をないがしろにしてきた」
「法文言の正しい解釈を尊重しながら、必要な目標設定をしてそれを国民に向けて説明する。こうした統治や民主主義の根幹を揺るがすことに慣れてしまっているように見える。国民の命や暮らしをおびやかす形で、露呈したのがコロナ禍といえます」
――行政に権力が集中していなかったから感染症対策で後手に回って、東京などでは3度の緊急事態宣言を出さないといけなくなった、ではなくて……。
「その反対でしたね。法の支配や説明責任を軽んじてきたから、様々な法改正や宣言の意味を国民と共有できていない。権力があるだけでは、統治機構はきちん と機能しない。実際に法を超えて、権力行使して実現したのが、首相による『一斉休校』とマスクの配布だったことを思い出すと、いかに憲法に基づいた法の支 配が重要かがわかります」
「自由と補償の前提、統治のあり方の問題です。自由と補償の議論は重要なんですが、むしろそうした議論ばかりになってしまうと、それが今の危機を見失うごまかしの手段になってしまうことを懸念しています」木村草太東京都立大学教授

 安倍・菅自公政権の一連の新型コロナ対応を、法的根拠を欠き法解釈を逸脱した場当たり的なものの連鎖とし、その要因に2015年安保法制時や昨年からの 学術会議任命拒否に見られる憲法と法律の恣意的な解釈変更を容認する立憲主義と統治の憲法原則の際立った軽視にあるとする指摘。
 付け加えると、昨年7月下旬から開始された「Go To トラベル事業」は4月7日閣議決定に「感染症の拡大が収束し、国民の不安が払拭された後」に実施するとしていたが昨秋の感染拡大後も停止せず、11月24 日大阪市・札幌市が一時停止、さらに12月14日にようやく12月28日からの全国停止が決まり、年末年始の感染爆発につながった。自らの閣議決定すら守 ろうとしないのが、現在のこの国の政権だ。
 東京新聞は木村草太東京都立大学教授が2018年憲法記念日の鎌倉市の講演会で実行委員会が決定した招聘を市側が「事業実施に当たっては行政の中立性を損なわない内容が前提」と拒否したことを報じている。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/101258
 憲法99条によって首相をはじめとする公務員として「この憲法を尊重し擁護する義務」を課せられた自治体が、改憲を主張する首相の言動を諌めるならまだ しも、むしろ護憲の立場で知られる同教授を「政治的中立」を理由に拒否するなど、全く常軌を逸している。中央政府が憲法や法律を蔑ろにする姿勢は地方公務 員にも害悪を撒き散らしている。憲法や法律を的確に解釈し説明責任を果たす政治が何より必要だ。

《いま、日本の統治機構の憲法原則が脅かされている――。憲法学者の木村草太さん(東京都立大学教授)は言う。長引くコロナ禍で、移動や営業の自由が制限 される生活が続き、十分な補償がない「制約」には、反発の声が繰り返し上がる。そんななか、統治のあり方にこそ、日本社会の危機の本質がある、という指摘 だ。どういう意味なのかを聞いた。
必要なのは正しい解釈に基づく検討
 ――東京や大阪、京都、兵庫で緊急事態宣言が出されています。「感染拡大を抑えるため」「人の流れを止めるため」という理由です。結果、移動や営業の自由に制約がかかっている。そもそもこの状況は、日本国憲法が保障する自由の侵害には当たらないのでしょうか。
 「結論からいうと、二つの条件が満たされれば、私権の制限は可能です。@規制の目的が自由の制限を正当化できるほど重要で、A規制の方法が合理的かつ、 必要不可欠であれば、法律に根拠のある規制は合憲とされます。コロナ禍に当てはめれば、毒性の強い感染症のまん延を防ぐという『目的』の重要度は高い。感 染症の専門家が合理的で必要だと考え、かつ法律に即した『手段』であれば、自由の制約は正当化され得るということになります。日本に限らず、欧米など立憲 的憲法を持つ国々では、このような論理でコロナ禍における自由の制約がなされてきました」
 ――意外にハードルが低いように聞こえます。
 「いや、違います。むしろ『感染症対策なのだから、どんな制約でも我慢しろ』という論理は通用しないことを意味しています。その感染症を抑制することが 社会にとってどれほどの重要性を持つのか、そして制約の内容、すなわち手段が科学的・法的根拠に照らして適切なのかという視点が重要です。そして法的根拠 も伴わなければなりません。米国では、制約の度合いが適切な範囲を超えているから違憲だ、という判決も出ています」ーーー



2021年 5月 4日
「現行憲法も制定から70年余り経過し、時代にそぐわない部分、不足している部分は改正していくべきではないか」「(国民投票法改正案を)憲法改正議論を進める最初の一歩として、成立を目指さなければならない」憲法記念日の3日菅義偉首相
「みっともない憲法ですよ、はっきり言って」2012年12月安倍晋三・自民党総裁(ネット番組で)
第九十九条
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

 3日の憲法記念日に際して、憲法条文によって明示的に「この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とされたこの国の首相が改憲を主張する集会に改憲を呼びかけるメッセージを発して、その日本国憲法と立憲主義を粗雑に否定するという暴挙。
 憲法に違反する組織を創設してそれが憲法に違反するという批判の声に、では憲法を変えようとし、さらには後手後手のコロナ対応の不手際については私権制 限に抑制的な憲法の責任とする御都合主義。感染者の病床すら逼迫し自宅で亡くなる市民が続出するこのコロナ対応の重大な時期に改憲論議を進める危機感の欠 如。
 こういうもの達を政権の場から除くことがこの国の主権者たる国民の喫緊の政治課題だろう。

《菅義偉首相は憲法記念日の3日、改憲派の集会に自民党総裁としてビデオメッセージを寄せた。新型コロナウイルスの感染拡大に触れ、大災害などの時に内閣 が国民の権利を一時的に制限する「緊急事態条項」に関し、「極めて重く大切な課題」と語った。その上で、同条項や、憲法9条への自衛隊明記を含む自民党 「改憲4項目」の実現をめざす考えを示した。
 この集会には安倍晋三氏も首相当時にメッセージを寄せており、菅首相も同じ形をとった。首相は「現行憲法も制定から70年余り経過し、時代にそぐわない部分、不足している部分は改正していくべきではないか」と述べた。
 続けて「新型コロナ対応で緊急事態への備えに関心が高まっている」とし、「大地震等の緊急時に国民の命と安全を守るため、国家や国民がどのような役割を果たすか、憲法にどう位置づけるかは極めて重く、大切な課題だ」と訴えた。
 さらに「自衛隊は大規模災害や新型コロナへの対応で国民の多くから感謝されているが、自衛隊を違憲とする声がある」とも主張。
 その上で、自民党が掲げる「自衛隊明記」「緊急事態条項創設」「参院選の合区解消」「教育無償化」の「改憲4項目」について、「自民党は、(国会の)憲法審査会で活発に議論を行っていただくため、憲法改正のたたき台を取りまとめている」と強調した。
 また、与党が6日にも衆院憲法審査会で採決をめざす、憲法改正の手続き法である国民投票法改正案に関し、「憲法改正議論を進める最初の一歩として、成立を目指さなければならない」と意欲を示した。
 菅首相は改憲について、昨年9月の就任以来、国会演説やメディアのインタビューなどで、国会での議論への期待を述べるにとどめてきた。「先頭に立って責 任を果たしていく」と訴えた安倍氏に比べ、改憲への意欲は低いとされる。先月の訪米時にも、米誌ニューズウィークのインタビューで、首相は「(改憲は)現 状では非常に難しいと認めなければならない」と話している。
 ただ、今秋までに衆院選や自民党総裁選が予定されることから、自民党の支持基盤である保守層に向けてアピールする狙いがあるとみられる。
 一方、立憲民主党の枝野幸男代表は3日、護憲派の市民団体が開いたイベントにオンラインで参加。コロナ対策を理由に「緊急事態条項」創設のための改憲を 自民党などが訴えている点について、「公共の福祉にかなう私権制限は現行憲法でも許されている」とした上で、「必要な対策が打てていないのは、根拠なく楽 観論に基づき、命や暮らしを守ることを最優先しない政策判断にある。まったく関係ない憲法のせいにしている」と批判した。
 ただ、枝野氏は、国民投票法改正案については触れなかった。同じイベントに参加した、共産党の志位和夫委員長は同法案について「憲法改定に向けた地ならしが狙いだ。採決を断固として止めよう」と訴えた。(編集委員・藤田直央、吉川真布》




2021年 5月 4日
第1条 女性は、自由なものとして生まれ、かつ、権利において男性と平等なものとして存在する。社会的差別は、共同の利益にもとづくのでなければ、設けられない。(「女性および女性市民の権利宣言」1791年、オランプ・ドゥ・グージュ、辻村みよ子東北大名誉教授訳)
第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。(ベアテ・シロタ・ゴードン草案を基にした日本国憲法第24条)
「さきほど言及した世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ報告書の第2章では、「パンデミックが経済分野の男女格差を増大させた」としてコロナとの関係を分析しています。
 そこでは(1)女性が多い職種(消費部門など)での離職の増大(2)管理職女性の減少(3)学校の閉鎖等による性別役割分業の拡大(4)職業と家庭・育児・介護との二重負担の増加などが指摘されています。
 日本国内でも、内閣府の調査や緊急提言によればコロナ禍に関連して(a)女性の就業者数減少(b)女性の非労働力人口増加(c)女性の自殺者数増加 (d)DVや性暴力の増加・深刻化(e)医療・介護・保育従事者などのエッセンシャルワーカー(EW)の処遇面や環境面の悪化、などが報告されています。
 これらは世界的な傾向であり、パンデミックが、弱い立場の女性の困難を引き起こしていることを示しています。
 日本のコロナ対策でも、突然の一斉休校・休園措置が性別役割分業を拡大させたこと、特別定額給付金が世帯主の口座に一括して振り込まれたことなど、政策担当者のジェンダー視点の欠如が露呈してしまいました」
「しかし、国連や諸外国の取り組みなどを参考に、これから日本国憲法の個人の尊重や平等原則を定着させてゆくことは不可能ではないと思います。
 そのためにも次の取り組みが不可欠です。
 1人権教育やジェンダー教育を初等教育から始め、性別役割分担意識をなくすこと(そのため教育・研究分野の男女共同参画も必要です)
 2男女共同参画政策を実現するためには、政治・経済分野の改革がとくに重要です。女性活躍推進法(2015年)や政治分野の男女共同参画推進法 (2018年)を活性化して、両立支援・候補者支援・管理職養成などを含む合憲的なポジティヴ・アクションを活用しながら急回復を図るしかないでしょう。 日本の場合はとくに地方政治の民主化(脱金権政治)と女性参画の強化が必要です。
 3私的生活における不平等をなくすための民法改正も急務です。国連女性差別撤廃委員会2018年12月17日の勧告の通り、選択的夫婦別姓制導入を早急 に実現し、男女や性的マイノリティーを含め、日本国憲法が重視する個人が尊重され、家族が個人の幸福追求の場となるような社会を築いてゆかなければなりま せん。
 GGIが極めて低い日本に生きる私たちの課題は重く、一人一人がそれぞれの持ち場で、人権と平等を確立するために力を尽くすことが求められます。
 施行後75年が近づいても、今はまだ、日本国憲法の実現が「道半ば」なのですから」辻村みよ子東北大名誉教授

 コロナ禍が提示した日本と世界の人権上の課題について、女性の人権問題を世界史的な視点から追求してきた辻村みよ子東北大名誉教授にインタビューした大変優れた記事。
 1789年フランス人権宣言(「人および市民の権利宣言」)の「Droits de l'Homme et du Citoyen」は「男性と男性市民の権利」でしかないと喝破し「女性および女性市民の権利宣言」を起草したオランプ・ドゥ・グージュ。同じ時アカデミー フランセーズ会員でフランス革命に参画し1793年ジロンド憲法草案を起草したコンドルセは「女性の市民権の承認について」(1790)において女性の市 民権・参政権を認めることを主張している。
 「女性は、処刑台にのぼる権利をもつのだから、同時に女性は、演壇にのぼる権利をもたなければならない」と記したグージュはしかし1793年ジャコバン 独裁下で穏健共和派または立憲君主制派としてルイ16世の処刑に反対したことなどで断頭台に消え、コンドルセも94年恐怖政治に反対して逮捕され獄中で自 殺した。
 フランス革命前の旧体制下ですら一部の女性は選挙権を有し、1789年召集された三部会は第一身分、第二身分そして第三身分のいずれの代表選出にも女性 が参加していた。しかし革命時の選挙制度はすべて女性を排除し、革命後に成立したナポレオン民法典は女性に参政権を認めないだけではなく213条「夫に従 う義務」を課し、217条で夫の同意なしに財産譲渡や処分の自由を認めず、裁判所への出廷も出来ないなどと定め革命前より後退し、フランスで女性の参政権 が実現するのは第二次大戦後である。
「フランス革命期における女性の権利」(辻村)
https://www.seijo-law.jp/pdf_slr/SLR-017-059.pdf
http://www.ritsumei.ac.jp/.../law/lex/17-2/012nakamura.pdf
 我が国でも江戸期の「女子に三従あり」は明治以後あまり変わらず、敗戦による新憲法制定でGHQの民間人要員として活動したベアテ・シロタ・ゴードン (1923~2012)の草案を基に、個人の尊重(13条)、性差別の禁止(14条)、個人の尊厳と両性の本質的平等(24条)と米国憲法より積極的に人 権と両性の平等を明確に定め、46年4月総選挙で女性参政権が実現した。これは戦勝国による「押しつけ」などではなく、明治初期の「男女平等ニ就キテノ 事」(1879年)植木枝盛や平塚らいてう「新婦人協会」などそして世界の婦人参政権運動の長く険しい取り組みの所産だ。
 それから70年あまり、「女性は話が長い。組織委の女性理事は弁えておられる」などと元首相・前東京五輪組織委会長が述べる、辻村名誉教授が指摘する 「政策担当者のジェンダー視点の欠如が露呈」するこの国の現状。コロナ禍においても人命と経済を天秤にかけた後手後手の対応と、その不手際を法制度のせい にして、市民の自由を制限するための緊急事態条項創出など憲法をどう変えるかより、男女同権や生存権・教育権保障など憲法規定をどう実現するかがまさにこ の国と世界の課題だろう。

《東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗前会長の女性蔑視発言は、日本社会が抱える「ジェンダー不平等」の現実を象徴していた。個人の尊重 (13条)、性差別の禁止(14条)、男女の本質的平等(24条)を掲げた日本国憲法が施行されて74年を迎えるが、理念の実現は道半ばに過ぎない。近代 以降、国内外のジェンダー平等の歩みはどう展開してきたのか。課題は何か。憲法・ジェンダー法が専門の辻村みよ子・東北大名誉教授に話を聞いた。
 ――女性の権利獲得の運動はいつから始まったのでしょうか。
 女性の権利の歴史(注1)をみる場合いつから始めるか問題ですが、成文法ができた後についてみれば、紀元前15世紀以降のアッシリア法やヒッタイト法では、女性は子を生む財産とみなされ、婚姻自体がその財産を夫婦の父親たちの間でやりとりする手段でした。
 ローマ時代に家父長制が強化され、中世のゲルマン慣習法でも、婚姻は娘に対する父親の支配権を夫が買い取るものという考えが支配していました。
 古代・中世でも女性の地位改善を求める動きがないわけではありませんでしたが、政治的・社会的権力を男性が独占していた時代に、抑圧された女性たちが声を上げ、解放運動を起こすことは困難でした。
ギロチンで処刑
 しかし、フランス革命を機に女性解放と権利の実現を要求する思想や運動が生まれます。その初期を代表する一人が、オランプ・ドゥ・グージュです。
 ――グージュとはどんな人なのですか。
 旧体制を打破したフランス革命の基本原理を宣言したのが1789年の「人および市民の権利宣言」(フランス人権宣言)ですが、これを真っ先に批判したこ とで有名です。劇作家として活動していたグージュは、宣言がいう「人(homme)=オム」とは「男性(homme)=オム」に過ぎず、女性 「(femme)=ファム」が入っていないことを見抜きます。
 当時の女性たちは(貴族や寡婦などを除き)無権利状態に置かれ、権利を無視されていたわけですから。革命から2年後の1791年、人権宣言を模し、「女性および女性市民の権利宣言」を執筆します。
 宣言第1条前段は「女性は自由なものとして生まれ、かつ、権利において男性と平等なものとして生存する」と記し、第2条で「あらゆる政治的結合の目的」として保障される諸権利(自由・所有・安全・圧政に対する抵抗)を「男性と女性の自然的権利」と明記しました。
 「女性は、処刑台にのぼる権利をもつのだから、同時に女性は、演壇にのぼる権利をもたなければならない」「思想及び意見の自由な伝達は、女性の最も貴重 な権利の一つである。それは、この自由が、子どもと父親の嫡出(ちゃくしゅつ)関係を確保するからである」という第10条・11条の文言は有名です。
 別の「男女の社会契約の形式」という文書でも、婚外子とその母親である女性の法的救済を要求するなど、目を見開かされます。ところが、彼女は、国民投票 で政体を決めることを宣言第16条に書き、共和制か君主制かを選ぼうと呼びかけるポスターを作ったことから、「反革命」の容疑で1793年11月、ギロチ ンで処刑されてしまいました(注2)。ーーー



2021年 5月 2日
日記がわりに。去年に続きゴールデンウイークは緊急事態宣言下。
 先週火曜快晴のなかアシスト車で下り美しいサーフボードが置かれたPiza trackでオルトラーナを買い摩耶ケーブル下駅横から10分たらず展望台まで歩く。大阪から神戸までの眼下の景色と鶯の鳴き声でお昼のあと桜道を下り灘 商店街のコーヒー店に寄って水道筋灘温泉を訪ねると珍しく臨時休業で、六甲駅近の湯に浸かり食材買って帰宅。
 昨日曇天と雨予報、神大を抜けてil ventoで前回のcalmoに続きノンアルのモレッティとリンゴジュースでバンビーニビザ、十分美味しい。駅前でバゲットと食材買い、予報と違い陽がさ しして暑いなか神大構内の広場でコンビニコーヒーで一休みしながら帰宅。今日は巣篭もり。
   


                                                                                                                                                                
  
     





























Copyright © 2014 fukupulio.org All Rights Reserved.