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2023年 5月30日
▼公金受取口座が別人の口座に紐づけられた事例は25日時点で14自治体、20件▼「マイナ保険証」では情報の誤登録が少なくとも7312件▼カード普及の「餌」として、ぶら下げた「マイナポイント」が他人に付与される被害が113件
・20年6月末時点でマイナカード普及率は17.4%。
「今回の危機をチャンスに転換し(中略)デジタル・ニューディールを重点的に進め、社会変革を一気に加速する契機としなければならない」2020年4月7日緊急事態宣言発令当日閣議決定「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」33p
「危機に迅速に対応できる強靱な社会経済構造の一環として、マイナンバーカード・マイナンバーを基盤としたデジタル社会の構築を進める」「令和4年度(22年度末)までにほとんどの住民がマイナンバーカードを保有していることを想定し、様々な手続をデジタルで行うための基盤と位置付ける等、弾力的なデジタル社会の構築の実現を図る目標」20年7月閣議決定「世界最先端デジタル国家創造宣言」101p
・22年9月末にはマイナカード49%、「ほぼ全国民に行き渡る」には程遠い。「22年度末」という目標時期が近づき、焦った政府は「禁断の手段」に打って出た。昨年10月に河野が突然、「24年秋までに現在使われている健康保険証を原則廃止し、マイナカードと一体化する」と発表。政府は申請者に最大2万円分のマイナポイントを付与するという「アメ」も用意。このキャンペーンに投じた税金は実に1兆8000億円。
・そのかいあってカード普及率は66.9%、申請率は77%(5月21日時点)に。「ほぼ全国民」に行き渡り、河野は誇らしげだが、今年2月末のポイント付与の期限間際には駆け込み申請が殺到。混雑続きで役所の窓口が混乱した結果、誤登録というミスにつながった。
・マイナンバー事業の市場規模は1兆円。甘い蜜に群がるのは、制度設計に深く関与した大企業だ。13〜15年にはNTTデータ、NEC、日立製作所、富士通、大和総研、野村総研、沖電気工業と内閣官房の検討会議「情報連携基盤技術ワーキンググループ」のメンバー企業7社だけで発注額の8割を独占。各企業には所管官庁の総務省など関係省庁の幹部官僚が再就職。
・本来は税金、社会保障、災害対策の3分野に限られていたマイナンバーの利用範囲はなし崩し的に拡大。昨年3月4日には24年度末までに運転免許証と一体化させる道路交通法改正案が閣議決定された。既往歴や服用する薬の種類、介護レベル、年金額、納税状況、銀行口座、保険証、免許証、母子手帳……情報管理はザルのまま、ありとあらゆる個人情報を1枚のカードに次々と紐づけようとしている。
「政府が国民の個人情報を一元管理するマイナンバー制度は、カード交付の『任意』が開始の条件でした。根拠法にも住民の申請により交付する旨を定めてあり、作る、作らないは国民の自由が大前提。保険証廃止で選択肢を奪う『強制』は違法です。しかも、岸田政権は今年4月から従来の保険証とマイナ保険証の自己負担額を差別化。初診料はマイナが6円、従来は18円と3倍もの差をつけましたが、『法の下の平等』に反する違憲行為でしょう。これだけ欠陥が露呈した以上、少なくともマイナ保険証の強制は白紙に戻すべきです。(ここまでして政府がマイナカード普及にガムシャラになるのは)GDP比2%の大軍拡路線にカジを切った手前、将来の大増税に備え、全国民の金融資産を把握し、徴税を強化するため」立正大名誉教授 金子勝氏(憲法)
「政府は『マイナンバー制度は外国では常識、日本は遅れている』と説明しますが、健康保険証を廃止してカード取得を強制する国はありません。米国の社会保障番号制度は、なりすまし被害が多すぎてカードに『絶対に持ち歩くな』と注意喚起が印刷されています。ドイツはナチス時代の教訓から人に共通の番号をつけるのは憲法違反。他にも漏洩防止が徹底できず、制度を廃止する国も少なくない。これだけ多岐にわたる個人情報を1枚にまとめるのは世界の非常識。ズサンな情報管理で、まず普及ありきの異常さに国民も気付くべきです」高千穂大教授 五野井郁夫氏(国際政治学)
 健康保険証を廃止してマイナカードを国民に強制するこの異常極まる政策の問題を端的に指摘する優れた記事。
 主権者たる国民の命や暮らし、権利と人格を尊重することなく見下し愚弄して、その個人情報をたった一枚のカードに集約して国が把握し管理するために、コロナ禍で苦しむ人びとに二万円の金額をばら蒔いて恥じない岸田・河野ら政治家二世・三世の愚かな首相と閣僚たち。
 行政のデジタル化が進んでいると言われるスウェーデンの個人番号制度Personal Identity Number(PIN)、デンマークの国民中央個人登録番号「Det Centrale Personregister(CPR)、韓国の住民登録番号制度などでも、国民に番号を割り当ててはいるが、例えばデンマークでCPRに登録されている項目は、名前、住所の他家族構成(既婚、15歳以上単身)など、投票に必要な個人情報、その他移転・死亡などの項目のみであって、すべての個人情報を紐付けたり健康保険証と一体化させているわけではない。韓国では2014年にクレジットカード3社からのべ1億400万人分の情報が流出し住民登録番号を収集することが原則禁止に。フランスの1978年個人情報保護法は、公的機関・非公的機関が保有する個人情報に「不正・違法な個人情報収集の禁止」「情報提供義務の有無や対象等についての通知」「本人の同意なしでの人種・政治的信条等の収集の禁止」など、厳しい制限を設けている。現在フランス政府は、「電子保険カード(Carte Vitale)」「国家身分証明カード(CNIE)」「日常生活カード(CVQ)」の3つの提供を進めている。
 コロナ禍の混乱に乗じ杜撰極まる政策で欠陥だらけのマイナカード一体化を強行するこの国の政府に何よりも足りないのは、国民に対する尊重と国民からの信頼。廃案あるのみ。
《コンビニで住民票を交付しようとしたら他人の証明書が出てきたり、別人の保険証や銀行口座と紐づいていたり。トラブル続きで、岸田政権が一斉点検に追い込まれたマイナンバーカード。
▼公金受取口座が別人の口座に紐づけられた事例は25日時点で14自治体、20件▼「マイナ保険証」では情報の誤登録が少なくとも7312件▼カード普及の「餌」として、ぶら下げた「マイナポイント」が他人に付与される被害が113件──とヒド過ぎるが、旗振り役の河野デジタル相は「デジタル庁としての感度が低かったことは、おわび申し上げないといけない」と平謝り。欠陥だらけのカード普及を見直すつもりは、さらさらない。
 次々と欠陥が露呈しているのは、普及の遅れに焦った政府が新型コロナウイルス禍に便乗、挙げ句に健康保険証との一体化を国民に強制し、普及ありきの拙速対応をゴリ押ししたためだ。
 証拠は残っている。2020年4月7日。当時の安倍政権が初めて緊急事態宣言を発令した当日、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を閣議決定した。計43ページに及ぶ文書には〈今回の危機をチャンスに転換し(中略)デジタル・ニューディールを重点的に進め、社会変革を一気に加速する契機としなければならない〉と記されている。
 さらに同年7月に閣議決定した「世界最先端デジタル国家創造宣言」では〈危機に迅速に対応できる強靱な社会経済構造の一環として、マイナンバーカード・マイナンバーを基盤としたデジタル社会の構築を進める〉とし、22年度末までに〈ほとんどの住民がマイナンバーカードを保有している〉を目標に掲げた。議論の中間整理にはデジタル社会への移行4原則の1つに〈漸進主義ではなくショックセラピー型で抜本的に移行する〉との文言まで出てくる。
 政府は「ピンチをチャンスに」を合言葉に人々の不安と混乱に乗じて、一気にカード普及を推し進めようとしたのだ。
■マイナ保険証の強制は違法行為
 そもそも16年1月にスタートしたマイナンバー制度は国民から総スカン。当時の世論調査に78%の国民が「不安を感じる」と答え、コロナ禍の20年6月末時点でも、マイナカード普及率は17.4%に過ぎなかった。
 ところが、政府のコロナ便乗が奏功したのか、翌年6月末に普及率は34.2%に上昇。さらに22年9月末には49%と国民の半数近くがマイナカードを手にしたが、「ほぼ全国民に行き渡る」には程遠い。「22年度末」という目標時期が近づき、焦った政府は「禁断の手段」に打って出た。
 昨年10月に河野が突然、「24年秋までに現在使われている健康保険証を原則廃止し、マイナカードと一体化する」と発表。今の保険証が使えなくなれば、マイナカードを作る以外に選択肢はない。事実上の強制だ。
 政府は申請者に最大2万円分のマイナポイントを付与するという「アメ」も用意。このキャンペーンに投じた税金は実に1兆8000億円で、大学授業料の無償化を実現できる額だ。岸田首相肝いりの「次元の異なる少子化対策」の財源問題がバカらしくなる。
 そのかいあってカード普及率は66.9%、申請率は77%(5月21日時点)に跳ね上がった。「ほぼ全国民」に行き渡り、河野は誇らしげだが、今年2月末のポイント付与の期限間際には駆け込み申請が殺到。混雑続きで役所の窓口が混乱した結果、誤登録というミスにつながった。
 テレビ出演時に「そうだ! マイナンバーカード取得しよう」と書かれたTシャツまで着て、河野がカード普及をあおり、現場に負担を押し付けたせいで、トラブル続出を招いたわけである。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言った。
「政府が国民の個人情報を一元管理するマイナンバー制度は、カード交付の『任意』が開始の条件でした。根拠法にも住民の申請により交付する旨を定めてあり、作る、作らないは国民の自由が大前提。保険証廃止で選択肢を奪う『強制』は違法です。しかも、岸田政権は今年4月から従来の保険証とマイナ保険証の自己負担額を差別化。初診料はマイナが6円、従来は18円と3倍もの差をつけましたが、『法の下の平等』に反する違憲行為でしょう。これだけ欠陥が露呈した以上、少なくともマイナ保険証の強制は白紙に戻すべきです」
あらゆる個人情報を1枚にまとめる世界の非常識
 国民の不安は増すばかりだが、河野は自身の公式サイトでマイナカードの安全面を強調。例えば「オンラインで利用する時にも、ICチップに入っている電子証明書を利用するので、マイナンバーは使われません」と主張するが、20年7月には他人になりすまして特別定額給付金をオンライン申請し、不正に受け取った詐欺事件が発生している。
 首相公邸で、親族一同で忘年会を催し、赤じゅうたんが敷かれた階段で組閣ごっこに興じた翔太郎秘書官以下、岸田一族は有権者を舐めているが、ウソも方便とばかりにカード普及をあおる河野も、国民を愚弄している。
 ここまでして政府がマイナカード普及にガムシャラになるのには、いくつもの理由がある。「GDP比2%の大軍拡路線にカジを切った手前、将来の大増税に備え、全国民の金融資産を把握し、徴税を強化するため」(金子勝氏=前出)というのが、そのひとつ。もうひとつは巨大利権だ。
 マイナンバー事業の市場規模は1兆円。甘い蜜に群がるのは、制度設計に深く関与した大企業だ。13〜15年にはNTTデータ、NEC、日立製作所、富士通、大和総研、野村総研、沖電気工業と内閣官房の検討会議「情報連携基盤技術ワーキンググループ」のメンバー企業7社だけで発注額の8割を独占。各企業には所管官庁の総務省など関係省庁の幹部官僚が再就職していた。
 国民にはデメリットだらけなのに、ホンの一握りの政府のお友達企業と天下り官僚だけがウハウハ。薄汚い癒着構造に加え、マイナンバー制度は財界の強い要請で導入された経緯がある。それだけ国民の個人情報パッケージは、喉から手が出るほど欲しいのだろう。
■今すぐカードは返納すべき
 おかげで本来は税金、社会保障、災害対策の3分野に限られていたマイナンバーの利用範囲はなし崩し的に拡大。昨年3月4日には24年度末までに運転免許証と一体化させる道路交通法改正案が閣議決定された。
 さらに、個人情報を何に使うかについては、国会を通さずに範囲を拡大できるようになり、「規定された事務に準ずる事務」であれば、法律を変えなくても省令だけで扱う個人情報の種類が追加可能になった。
 既往歴や服用する薬の種類、介護レベル、年金額、納税状況、銀行口座、保険証、免許証、母子手帳……情報管理はザルのまま、ありとあらゆる個人情報を1枚のカードに次々と紐づけようとしているのだ。
「政府は『マイナンバー制度は外国では常識、日本は遅れている』と説明しますが、健康保険証を廃止してカード取得を強制する国はありません。米国の社会保障番号制度は、なりすまし被害が多すぎてカードに『絶対に持ち歩くな』と注意喚起が印刷されています。ドイツはナチス時代の教訓から人に共通の番号をつけるのは憲法違反。他にも漏洩防止が徹底できず、制度を廃止する国も少なくない。これだけ多岐にわたる個人情報を1枚にまとめるのは世界の非常識。ズサンな情報管理で、まず普及ありきの異常さに国民も気付くべきです」(高千穂大教授・五野井郁夫氏=国際政治学)
 こんな危険なカードを「持ち歩きましょう」と奨励する河野は、やはり有権者をバカにしている。悪辣なカード普及に国民はいつまで唯々諾々と従うのか。カードを作ってしまった人は今からでも遅くない。役所に行って返納すべきだ。》

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2023年 5月30日
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2023年5月28日の新聞から
琉球新報web版2023年05月28日記事
陸自が実弾射撃ネット中継 島しょ防衛を想定、富士総合火力演習
しんぶん赤旗web版2023年05月28日記事 
11.7億円使い陸自演習 V22オスプレイを今年も投入 静岡・御殿場 
大金を使って実施された、島を戦場にする訓練。石垣島や宮古島の「一部が占拠され」るとき、そして、その奪還に向けてオスプレイや水陸両用車が着上陸し「一斉に射撃」を加えるとき、私たち住民は、どうなるのでしょうか?
 台湾を巡る米中の覇権争いが武力衝突に発展し、アメリカ政府の要請で日本政府が集団的自衛権を発動して参戦し、中国軍が「最前線のミサイル基地の島」を攻撃すれば、実際にこういう事態が起きかねません。それがいま、いちばん「現実的」とされている戦争のシナリオです。
東京新聞web版2023年05月27日記事 
中国空母「山東」が台湾海峡通過 軍用機33機、艦船10隻も活動 
東京新聞web版2023年05月27日記事 
香港民主派、公民党が解散 国安法締め付けで打撃
 世界中どこの国でも、覇権主義は民主主義の敵。
日本経済新聞web版2023年05月28日記事
IPEF、供給網協定で合意 脱中国依存へ米主導の連携始動 



2023年 5月29日
「適切さを欠くものであり、国民のみなさんの不信をかうようなことであるならば、誠に遺憾なことであると思っている。私から本人に対して、厳しく注意をおこなった」25日記者団に
「親族の来訪時のものであり、私も、私的な居住スペースでの食事の場に一部顔だしをし、あいさつもした。公邸内の私的な居住スペースで親族と食事する点は問題ない。しかし、公邸内には迎賓機能、執務機能を有する公的なスペースがある点で、報道にあるような行動は不適切だった。危機管理の点から今後どうあるべきかをしっかり考えなければならない。そういったことを勘案し、厳重に注意した」26日参院予算委員会集中審議
→「総理大臣公邸の公的なスペースにおける昨年の行動が、公的立場にある政務秘書官として不適切で、けじめをつけるため、交代させることとした」29日
「文春オンラインの記事中の集合写真では、翔太郎氏がまるで総理になったように正面に収まっている。公私の区別が全くついていない。いくらプライベートな集まりで気が緩んだとしても、公邸がどういう空間なのかの自覚が普通はあってしかるべきだ。官邸は公的な空間だが、公邸はそうではないと勘違いした可能性もある。岸田首相は関与していないようだが、逆に息子にやりたい放題させていて、全くコントロールがきいていなかったことになる。それも信じられない」25日 原武史・放送大教授
 25日文春が写真付きで報じた、昨年末の長男翔太郎秘書官と親族10数名による、かつては総理官邸として様々な歴史を刻んだ現総理公邸の、歴代内閣の組閣行事にも使われるその赤絨毯や階段という公的スペースにおける”組閣ひな壇""階段寝そべり"忘年会。
 「国民のみなさんの不信をかうようなことであるならば、誠に遺憾なこと」との発言からも、私的な居住スペースで顔を出し挨拶した父親が、息子や親族らがどのような振る舞いに興じていたか、知らなかったはずはないということ。
 「異次元のドラ息子」の声も上がる中、「異次元のトカゲの尻尾切り」で息子だけ更迭して済ますこの国の世襲政治家の首相。なんとかアラートで国民には危機を煽り、憲法違反の防衛予算倍増に突き進みながら、自らの危機管理能力と責任感はゼロ。更迭すべきは首相本人。
《岸田総理大臣は、長男の翔太郎秘書官について、去年、総理大臣公邸の公的なスペースで親戚と写真撮影するなど、不適切な行動をとった責任を取らせたいとして、来月1日付けで交代させることを明らかにしました。事実上の更迭となります。
翔太郎秘書官をめぐっては、去年の年末に総理大臣公邸で親戚と忘年会を開き、写真撮影をしていたことなどが先週、週刊誌で報じられ、岸田総理大臣が厳重に注意していましたが、野党側からは更迭を求める声が出るなど、批判が相次いでいました。
岸田総理大臣は29日夜、総理大臣官邸で記者団に対し、来月1日付けで翔太郎秘書官を交代させることを明らかにしました。
事実上の更迭となります。
交代の理由について、岸田総理大臣は「総理大臣公邸の公的なスペースにおける昨年の行動が、公的立場にある政務秘書官として不適切で、けじめをつけるため、交代させることとした。G7広島サミット後の地元との調整業務がひと段落したことからこのタイミングにした」と述べました。
そのうえで「当然、任命責任は私自身にあり、重く受け止めている」と述べました。
翔太郎秘書官の後任には、去年10月まで務めていた岸田事務所の山本高義氏が起用されます。ーーー




2023年 5月28日
日記がわりに。
 27日一月ぶりに花隈からALBARを訪ねてマルゲリータ。食べ終わる頃にはお客も増える。阪急地下でカワハギ見つけて帰宅。
 今日28日は定年後神戸に転居してちょうど10年、偶然4年ぶりに開催の神戸まつりの日。パレードの道一つ手前のテラスのある店でタコのトマトパスタをいただき、パレードの中央通りへ向かうと例年の数倍?のすごい混雑。
 通りは渡れず、ぐるっと回って旧居留地のジャズライブではどうにか甲南付属高校ジャズ部の、フラワーロード手前でRISTONEというボーカルユニットの演奏が聞けた。早めに切り上げて阪神春日野道を経てなぎさの湯に浸かり、食材買って4時に帰宅。明日から台風絡みの連日雨予報。
  





2023年 5月26日
「適切さを欠くものであり、国民の皆さんの不信をかうようなことであるならば、誠に遺憾なことであると思っている。私から本人に対して厳しく注意を行った。(更迭するかについて問われ)緊張感をもって対応してもらいたいと思っている」岸田25日午後
「私的な居住スペースでの食事の場に一部顔を出し、あいさつした。公的なスペースにおいて今回のような行為があったことは、首相は報道により認識した」松野博一官房長官25日記者会見
「岸田首相一族が首相公邸で大ハシャギ 「階段寝そべり」写真と翔太郎秘書官の「閣僚ひな壇」撮影」文春オンライン25日
 首相の「迎賓機能、職務機能を有する公的施設」(官房長官)である首相公邸で、年末秘書官たる息子が親族ら10人以上で「組閣ごっこ」などのどんちゃん騒ぎをして父親は顔を出したにもかかわらずそれを止めもせず、撮影された写真が流出しメディアが報じると、息子を厳重注意して済ます父親。
 知っていて見逃した、または総理公邸で夜中に息子たち親族が大勢で何をしているか知らなかったはどちらもアウト。こんな人物に一国の首相が務まるわけがない。「適切さ欠く」更迭すべきは岸田首相本人と秘書官の息子どちらもだ。
《岸田文雄首相の長男で政務秘書官の翔太郎氏や親族らが昨年末、首相公邸で「忘年会」をしたと文春オンラインが報じた問題をうけて、首相は25日午後、首相官邸で記者団に「適切さを欠くものであり、国民の皆さんの不信をかうようなことであるならば、誠に遺憾なことであると思っている。私から本人に対して厳しく注意を行った」と語った。
首相長男ら公邸で忘年会、官房長官「総理から厳しく注意」 処分なし
公邸忘年会「岸田一族のための空間か」 原武史さんが問う世襲の弊害
 政務秘書官を更迭するかについて問われたが、首相は「緊張感をもって対応してもらいたいと思っている」と話し、処分しない考えを示した。
 文春オンラインが24日に配信した記事によると、翔太郎氏が昨年12月30日に親戚ら10人以上を公邸に招き「忘年会」を開催。赤いじゅうたんが敷かれた階段で翔太郎氏が親族らと記念撮影した写真などが掲載された。
 翔太郎氏は今年1月、首相の外国訪問に同行した際、パリやロンドンで大使館の公用車を使って観光名所を巡ったり、高級百貨店で土産物を購入したりしていた。》



2023年 5月25日
日記がわりに。
 京都から帰り、録画の映画「ジュリエット」「ジャンヌ」を続けて見る。モノローグの演劇のような作りだが、なかなかの作品。 
 20日2週ぶりに地元il ventoでマリナーラ。道を下り八幡神社の境内を歩くと、なぜか沿道の樹木が枝打ちされていた。六甲道でベゴニアとポーチュラカ、食材買って帰宅。海外ニュースは広島G7で反対デモが市内をいく姿を報道していた。国内メディアはほとんど報じない。
 21日西宮北口に出て沖縄の店で島そば。ガーデンズの屋上は噴水に子ども連れで賑わう。野菜など買って帰宅。翌朝英BBCと独ZDFはサミットに参加したゼレンスキー、廃墟と化した東部バフムトでロシアのワグネルが占領を主張する映像そしてロシアメディアが伝える戦死したロシア兵墓地の様子を伝える。戦争は誰も幸せにしない。
 今日は岡本で数ヶ月ぶりにgreenfieldを訪ねテラスで野菜グラタン。本山駅前の店でサム・トフトというペインターの楽しそうな絵を見つけ購入。これも久しぶりに住吉うはらの湯に浸かり、阪神御影で食材買って帰宅。紫陽花もだんだん咲き始める。



2023年 5月24日
「あの頃は生きづらくてね。(1944年の夏休みに石垣島に帰郷し)学校に戻らなかったから、『ひきょう者』と思われていたと思う。とてもつらかった」知念淑子さん(94)
「(父親に「学問は二番、命どぅ宝だ」と諭された)父親の言葉一つで命をもらったと今でも思っている。(親戚の同年代の子は男子学徒として動員され、遺書を書いて戦死)国のために命をないがしろにするなんて、今考えれば悔やみますよ」島袋俊子さん(94)
「戦争だけは絶対にやってはいけない(呉の軍需工場に動員されている時に原爆落下、焼け出された大勢の人を見て)」喜屋武延子さん(94)
「県民を疎開させれば良い、ということではない。子どもに絶対こういう体験をさせたくない。戦争は絶対反対。基地を造らせないことです(静岡県に疎開。今、沖縄への攻撃を想定した県外疎開の計画に触れ)」玉城なぎ子さん(93)
「沖縄がまた犠牲にされたらたまらない。全国の人に私たちの声を聞いてほしい。たくさんの無残な死体を見た。もうお骨拾いはしたくない。子や孫に惨めな思いをさせるものか」翁長安子さん(93)
 21日「ひめゆり同窓会」の集いで県立第一高女と師範学校女子部の90代を超える7人の同窓生が語った言葉。
 昨年6月23日現在、沖縄戦で亡くなった国籍や出身地を問わない24万1686名(沖縄県民14万9584名)の戦没者の名が摩文仁の丘「平和の礎」に刻銘されている。
 軍人を上回る一般市民、県民の4分の一の戦没者を出した沖縄戦。中学校(今の高校)や師範学校、高等女学校の生徒らも「鉄血勤皇隊」「ひめゆり学徒隊」として動員され、沖縄師範学校女子部と県立第一高等女学校の生徒222人と引率した18人の教師からなる「ひめゆり学徒隊」240人のうち136人など1000人を超える戦死者を出した。
 かつて500年間も日本や中国も含め東アジアとの交易で平和裡に栄えた琉球国・沖縄の帰属を巡り、1880年明治政府は元米国大統領グラントの提言を受け、沖縄本島を日本領、宮古及び八重山諸島を清国(中国)領とする代わり、清に対する日本の最恵国待遇と清領内での通商権を認めるとした明治政府の「分島改約」案を閣議決定した。この明治政府の沖縄に対するまさに「植民地扱い」の姿勢は、第二次大戦における本土決戦の「捨て石」としての国内唯一の地上戦・沖縄戦による沖縄の人びとの多大な犠牲、戦後米国の施政権下に置かれ復帰後も安全保障の代償として沖縄(在日米軍基地の74%)を米国に差し出す現在につながっていることを忘れてはならない。
 いま岸田政権はロシアのウクライナ侵攻を口実に、敵基地攻撃のミサイル部隊設置を含め沖縄の島々を軍事基地化しようと目論む。それは外交によってではなく軍事力で多国間の課題を解決しようとする、まったく愚かな試みでしかない。「命どう宝」「みるく世がやゆら」この言葉を噛み締める時。
《絶対に、戦争だけはやってはいけない―。戦前の県立第一高女と師範学校女子部の同窓生らで組織する「ひめゆり同窓会」の90代を超える7人の同窓生らが21日、那覇市首里金城町の養秀同窓会館に集った。同窓生らは、沖縄戦に動員され、亡くなった学友の死に負い目を感じ、生きづらさを抱えてきたことや、戦争に強く反対する思いを語った。
 21日は、県平和祈念資料館友の会主催の平和学習フィールドワークがあり、その一環で約100人が参加した。4月に97歳で亡くなったひめゆり平和祈念資料館の元館長の本村ツルさんをしのび、34年ぶりに行われた卒業式を追ったNHKドキュメンタリー(1979年放送)を鑑賞し、集まった同窓生7人がそれぞれ戦争体験を語った。
 卒業式に出席し卒業証書をもらった知念淑子さん(94)は「名簿作りに奔走した」と当時を振り返った。式の後、来られなかった遺族を恐る恐る訪ね、卒業証書を届けて線香を上げたという。
 知念さんは、1944年の夏休みに石垣島に帰郷し、戦争が激しくなって一高女に戻れず、同級生は沖縄戦に動員され、大勢が犠牲になった。「あの頃は生きづらくてね」。戦後すぐは遺族を道で見つけると、隠れるようにして歩いた。「学校に戻らなかったから、『ひきょう者』と思われていたと思う。とてもつらかった」と、静かな口調で思い出していた。
 島袋俊子さん(94)は10・10空襲で家を焼かれ、家族と着の身着のままで具志川まで歩き、さらに国頭へ避難した。父親に「学問は二番、命どぅ宝だ」と諭され、そのまま終戦を迎えた。「父親の言葉一つで命をもらったと今でも思っている」。親戚の同年代の子は男子学徒として動員され、遺書を書いて戦死したといい、「国のために命をないがしろにするなんて、今考えれば悔やみますよ」と親の心情をおもんぱかった。
 喜屋武延子さん(94)は島根県に疎開し、広島県の呉の軍需工場に動員されている時に原爆落下を知った。焼け出された大勢の人を見て「戦争だけは絶対にやってはいけない」という思いを貫いてきたと語った。
 玉城なぎ子さん(93)は静岡県に疎開し、弁当箱におつゆの身をすくって入れるほど食べ物がなかった体験を語った。今、沖縄への攻撃を想定した県外疎開の計画に触れ、「県民を疎開させれば良い、ということではない。子どもに絶対こういう体験をさせたくない。戦争は絶対反対。基地を造らせないことです」と力を込めた。
 翁長安子さん(93)も「有事」が取り沙汰されていることについて、「沖縄がまた犠牲にされたらたまらない。全国の人に私たちの声を聞いてほしい。たくさんの無残な死体を見た。もうお骨拾いはしたくない。子や孫に惨めな思いをさせるものか」と訴えた。仲吉節子さん(92)と金城美恵さん(92)も参加し、それぞれ戦争体験を語った。(中村万里子)》




2023年 5月22日
「(平和記念資料館を見学するG7首脳に)政治家としてではなく、衣を脱いで、裸でもいい。人間と人間のふれあいとして見てほしい」
「(G7首脳声明は)広島まで来てこれだけしか書けないかと思うと、胸がつぶれそうな思い。死者に対して侮辱。死者に対して大きな罪だった。体温とか脈拍だとかが全然感じられなかった。いったい誰が書いたんだろう。78年前に起きたことを考えてみる機会もあったはずの人が、ああいう文章を書けるとは思えない。いったい私たちをなんだと思っているんでしょう。今の核をめぐる現状を正直に私たちと分かち合う意図があるなら、核兵器禁止条約について言うべきだった。そうしたら、もっと前向きで有益な声明になったと思う。戦争を続ける準備の話ばかり私たちは聞かされている。それはうれしくありません。(サミットは)大変な失敗だった」
「(「若者へのメッセージ」を求められ)被爆を体験した方たちの思いを、あなたたちの思いにしてください。そして、政治家たちにあなたたちの思いを伝えてください」20日サーロー節子さん(91)
「岸田(文雄)首相が、ヒロシマの願いを踏みにじった。そんなサミットだったと考えます。サミットでは、米英仏という核保有国と日本をはじめとする米国の「核の傘」の下にある国々が、広島という地に集まり、核軍縮や不拡散といった軍事面が主に議論されました。しかし、本来は核が人間に与えた悲惨さを考えるべきです。核を全否定し、平和構築に向けた議論をすべきでした」
「加えて、19日に合意された「広島ビジョン」では、核抑止力維持の重要性が強調されました。戦後一貫して核と戦争を否定してきた広島が、その舞台として利用された形です」
「核兵器禁止条約に署名・批准した国と地域に「広島が核を許容した」と思われてしまう。こうした国々は広島を見ているのです。今後、広島が信用されなくなり、ものを言えなくなります。だからこそ、議長国である日本の岸田首相は、とても罪深いと言わざるを得ません」
「ウクライナのゼレンスキー大統領が招かれました。これは、いかにも政治的なパフォーマンスです。中国とロシアに対して、西側諸国の結束をアピールしたいという狙いが透けて見えます。さらに、G7首脳との間では、軍事的な支援の強化が約束されました。「広島選出」を強調する岸田首相は、戦争を是認し、激化させることを広島の地で許したことになります。核を否定し、平和を訴えてきたヒロシマを、これ以上利用するなと言いたいです」
「広島を舞台にしてウクライナ戦争を議論するならば、一日も早い停戦と戦後復興について話し合われるべきでした。中国とロシアを非難するだけでは、緊張が高まるだけです。いかに対話をするか、和解のシグナルを発信する必要があります」
「戦争の種をなくし、平和を構築する。それが、岸田首相をはじめとするG7首脳たちに求められていることです」元広島市長平岡敬さん(95)
 広島G7サミット首脳声明「広島ビジョン」に対する被爆者サーロー節子さんと元広島市長平岡啓さんの失望と憤りの言葉。
 声明が言う「核兵器は、それが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止すべき」はロシアの侵略と核による威嚇に全く無力だったし、人道的、理性的判断ができない独裁者だけではなく、先制不使用すら否定する米国などでは全面核戦争へのエスカレーションを誰も止められないということ。
 核抑止力論とは、相互確証破壊という核兵器の威嚇・威圧に基づく恐怖の均衡に過ぎず、核保有国による侵略戦争を防止しない。核保有大国である安保理常任理事国が国連憲章などを蹂躙して他国を侵略し一般市民がどれほど犠牲になっても、常任理事国五カ国の拒否権によって国連安保理はほとんど機能しない。ロシアのウクライナ侵攻が顕在化させたこれらの根源的な問題に、このG7声明はほとんど答えない。課題は広島の人びとだけではなく日本の市民そして世界に残された。
《カナダに住む被爆者のサーロー節子さん(91)は今月、生まれ育った広島市に帰郷した。コロナ禍で3年半ぶり。久しぶりに目にする地元に、G7首脳が集まった。
 「広島まで来てこれだけしか書けないかと思うと、胸がつぶれそうな思い。死者に対して侮辱。死者に対して大きな罪だった」
 20日に発表されたG7首脳声明を読み、失望した。
 サーローさんは13歳の時、広島市で被爆。広島女学院高等女学部2年だった。多くの同年代が命を奪われた。おいは4歳で被爆死した。「焼けただれて、溶けた肉のような感じだったんです」。広島で過ごす日々で、そんなおいたちのことも思い起こした。
 平和記念資料館を見学するG7首脳に、期待していたことがあった。
 「政治家としてではなく、衣を脱いで、裸でもいい。人間と人間のふれあいとして見てほしい」
 でも、首脳が何を見て何を感じ、対面した被爆者にどんな質問をどんな表現でしたのか。具体的に公表されないまま。首脳の思いが反映されるはずの声明に望みをかけた。でも……。
 「体温とか脈拍だとかが全然感じられなかった。いったい誰が書いたんだろう。78年前に起きたことを考えてみる機会もあったはずの人が、ああいう文章を書けるとは思えない」
 人生を懸け、国内外の人々に核の恐ろしさを訴えてきた。国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」とともに世界に働きかけ、核兵器禁止条約の発効を実現した。みんなで長年かけて作り上げたその条約について、G7首脳声明は触れなかった。
 「いったい私たちをなんだと思っているんでしょう。今の核をめぐる現状を正直に私たちと分かち合う意図があるなら、核兵器禁止条約について言うべきだった。そうしたら、もっと前向きで有益な声明になったと思う」
 さらに、ウクライナのゼレンスキー大統領が突然広島を訪れ、首脳たちと会った。「戦争を続ける準備の話ばかり私たちは聞かされている。それはうれしくありません」
 これまで被爆地・広島の市民たちは首脳を迎えるため、勉強し、議論し、準備してきた。海の向こうからその熱を感じた。しかし、サミットは「大変な失敗だった」。
 それでも、「ヒロシマ」の意味を理解してほしいと行動した人びとに、その勢いを失ってほしくない。
 地元・崇徳高校新聞部の生徒に「若者へのメッセージ」を求められ、答えた。
 「被爆を体験した方たちの思いを、あなたたちの思いにしてください。そして、政治家たちにあなたたちの思いを伝えてください」(花房吾早子、岡田将平)
コメントプラス
三牧聖子
(同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
【視点】日本で開催したサミットの成功に泥を塗るのか、とサーローさんや被爆者の批判や失望に耳を傾けないどころか、批判する向きすらあるようだ。大変残念だ。被爆者には、平和への格別の想いや考えがある。平和を誓った国家として、被爆者の声や批判には常に真摯に耳を傾ける国家でありたい。
確かにサーローさんが言うように、核廃絶を理想として掲げながら、核抑止力が不可欠だという認識を改めないことは矛盾だ。G7首脳の共同声明は、「核兵器のない世界」を究極の目標と位置付けたが、「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」には、核抑止力を肯定する表現が盛り込まれた。
しかし、核なき世界への道は、こうした矛盾に耐えながら、それでも理想を見失わず、粘り強く進んでいくしかないのかもしれない。バイデン政権は発足当初、米国の核兵器の役割低減に積極的に取り組む姿勢を見せていた。しかし、米中対立の深化やウクライナ戦争の勃発が、方針転換を余儀なくさせた。ロシアがウクライナで現在進行形で核による脅しをしている今、米国のみならず同盟国も米国の核抑止力の維持を求めている現状がある。
今回、原爆資料館を訪問したバイデン大統領は、「核兵器を永久になくせる日に向け共に進もう」とメッセージを残した。このバイデン大統領の態度も偽善的だといえるかもしれない。しかしそれでも、もう政治には期待できないと絶望するよりは、同じ理想を共有していると信じ、未来に望みをつないでいけないだろうか。》





2023年 5月22
「ご列席の皆さん、親愛なる日本の国民の皆さん、平和を大切にする全ての世界の皆さん、私は、「人影の石」にならんばかりの危機に陥っていたことのある国から来ました。ただし、わが国の人たちは、戦争そのものを、ただの影にするために歴史をひっくり返しました。世界には戦争があるべきではないと思います。人類は長い歴史にわたり多くの人生を戦争で失ってしまいました。死は、空から落ちたり、海から、また、放射能からやってきたり、人が人を死なせてきました。人類の歴史は戦争なしでは創造できないといわれていますけれども、私たちは人類の歴史から戦争をなくさなければならないということを強調しています」
「今、ウクライナは、破滅戦争の中心地にあります。侵略者たちは、わが国の領土に入ってて、彼らは、目指しているのは、ウクライナ人を支配下に置くことだけではなくて、ウクライナ人そのものが存在しないことを、世界にうそをついています。ウクライナ人はこれだけ勇敢に出なければ、ロシアによる私たちに対するジェノサイドは成功したかもしれない、そして、ウクライナがいたところに「人影の石」だけが残っていたかもしれません」
「ウクライナの国民は勇敢で自由が好きな国民です。敵がウクライナに対して使っている武器は核兵器ではありませんけれども、ロシアの爆弾と砲撃のあとで全焼しているウクライナの街が、広島の街、特にこの間、平和資料館に訪れたときに見た写真の風景に、とても似ていたと思います。数万人の家族が普通に生きていたところに残っているのは灰とがれきです。街があったところに荒廃した野原、家があったところにがれきのみが残っています」
「今の広島が復元、再建されています。私たちは、ウクライナ、ロシアが砲撃で、がれきだらけとしてる私たちの街が再建されることを夢として見ています。また、家が残っていない村が再建されることが夢です。私たちは領土を帰還するのが夢です。ウクライナの北方領土を帰還した、同様に、東と南の領土も帰還したいです。また、ロシアで捕虜とされている私たちの人を、軍人、民間人、強制移住させられた大人と拉致された子供を帰還したいです。勝利するのが夢です。そのあとの平和が夢です」
「ただし、そのために、今の侵略国家だけではなくて、戦争そのものに対する意欲が負けなければなりません。ここ広島では、このウクライナの結束への呼び掛けのメッセージがとても重要です」
「ウクライナは「平和の公式」、フォーミュラを提案しました。その第1部が、【原子力および核、安全保障】であります。ロシアが今、占拠している原子力発電所を、ウクライナとIAEAの管理に渡さなければならないです。この「平和の公式」には10項目がありまして、全て国連の決議に認められたものです。また、ウクライナに対するロシアの戦争を止めるために、全て必要な条件が整ってます。ただし、ロシアが違反した国際法律を復帰して平和にすることによって、もう1つ重要な効果が達成できるようになります。それは将来の攻撃国家を止める手段となります。つまり、将来は戦争を始めようとしている者が、それはもう絶対いけないということが分かるようになります」
「ウクライナはこのように世界にとって戦争からの救いを提案しています。ロシアが世界の最後の攻撃国になりますように。この戦争が終わると世界では平和がずっと続くために。私どもは文化が違うし、価値観も違うし、国旗も違います。ただし、同じように自分たちのために、子供たちのために、孫たちのために平和と安全が欲しい、があります。万が一、戦争がやってくると、この全ての期待と命が燃えてしまいます」
「戦争から「人影の石」だけが残るように、また、この影が資料館でしか見れないように、国境がちゃんと認められるように、ほかの国民を尊敬するように、また公正な権利が守られるようにしないといけないです。広島、今、街角にウクライナの国旗のカラーが見えますけれども、これは本当にウクライナの国民に対する信頼、ウクライナに対する支持の表しであります。日本の国民、ありがとうございます。岸田文雄総理大臣、ありがとうございます。皆さん、ありがとうございます。戦争の犠牲者となった全ての方が安らかに眠りますように。平和になりますように」
[質疑抜粋]
――平和記念資料館で印象に残った展示はなにか。広島の被爆者のなかには、サミットへの参加で武器支援の要請だけでなく、和平に向けた話をした方がよいのではという声もある。
広島で起きた惨事をウクライナで起きている破壊と歴史的に比較するのは不適切だが、正直言うと、破壊された広島の写真がバフムト、またバフムトのような写真にそっくりで似ている。何も生きているものがない、全ての建物が破壊されている、どこに道路があってどこに建物があったのか全く想像がつかない完全な破壊、人もだれもいない。象徴的な比較にはなる。広島は素晴らしい。この近代的な街、生きている街、平和な街、人の命及び価値観に対する尊敬を表した街になっている。原爆の時の写真と、現在の街を比較できた。バフムトでも必ずこのような復興が将来、再建が必ずあるということだ。
武器の要請よりは、日本のリーダーシップに感謝している。この対話にわたしたちが誘われているからだ。共同の価値観を守るための共同の働きだ。ウクライナでは数千平方キロメートルが完全に破壊されてしまった。広島の写真に似ている風景になっているのが今のドンバス地方だ。
――資料館をみて印象に残ったことは。
大変恐ろしい写真がたくさんあった。小さい子どもたちをみると涙がでる。実はウクライナでも毎日のようにこのような写真をみる。どうして人間にこれができるのか、特に子供に対してどうやって人間がこういった恐ろしいことができるのか。私は医者ではないのでこの病気がどういう病気か判断できないが、これほど大変な病気を持っているロシア人を理解することができない。
――電撃訪問だったが、広島では核軍縮の話が出ている。
私の訪問は電撃訪問よりは、招待されての訪問だった。そもそもオンラインの可能性が高かったが、セキュリティー上の制約で事前に発表することができなかった。ほかの世界の問題も話題となったが、ウクライナをテーマにした話し合いだったため、ウクライナがこれだけ注目されるのであれば出席しなければいけないと思った。
――外交圧力について話があったが、日本と韓国のような国にも武器支援を期待しているか。
理解してほしいのは今日の重要なテーマにもなったが、ロシアへの外交圧力、戦争終結のための外交解決方法は、国連憲章、国際法に対する順守というのが重要。ウクライナの領土に対して侵略しているロシアに撤退してもらわないといけない。武器を提供できる国からは武器をもらいたいのが本音だが、法律的、憲法的な制約を十分に理解している。
――日本に求めたいことは。
(岸田)首相と日本政府関係者と2つの会合があった。多くの話ができた。期待しているのは技術力だ。戦後復興はウクライナ人にとって命が続いているメッセージになる。長期的なインフラ発展のプロジェクトも必要。この分野における日本の経験が重要だ。
 21日夜広島原爆資料館を見学後の記者会見でのゼレンスキー大統領の言葉。
  世界最多の核保有国ロシアが、核使用の恫喝とともに国際法を幾重にも蹂躙して隣国ウクライナを侵略し続けるなか、その大統領が世界で最初の原爆投下地広島でのG7サミットに参加し、他国首脳らと共に核兵器による惨害の実態に触れて、他人事ではない自分ごととしてそれを世界に発信する意義は限りなく大きい。
 ウクライナはかつてソ連邦の一部として多くの戦略核とミサイルなどを保有し、ソ連解体と共にそれらを放棄した国でもある。ロシアと同じく核兵器禁止条約に背を向けて今も多くの核を保持し続けるG7首脳らの中途半端な核抑止論や核保有の正当化と異なり、彼の言葉には国連憲章・国際法の遵守、ウクライナの自由と独立そして平和の達成、広島原爆の「人影の石」に準えた究極的な戦争の揚棄が心からの訴えとして語られている。
 日本そして韓国などに「法律的、憲法的な制約を十分に理解して」武器供与を求めない、戦争の恐ろしさと愚かさを記憶しながら美しく穏やかな街に再建された広島のように、戦後の復興に対する貢献を求める、この人の見識と人間性は、岸田政権が言いはじめた「防衛装備移転三原則」見直しが如何に愚かな振る舞いであるかを際立たせるものだ。日本が行うべきは武器輸出や防衛費倍増などではなく、憲法が掲げる平和主義を堅持し、核兵器がいかに非人道的で残虐な兵器であるか、そのことを被爆地そして被爆国がロシアを含めた世界に語り続ける以外に、世界の何処かで3個目の核爆弾が使われないようにする方法はない。
《G7サミット出席のため広島を訪れたウクライナのゼレンスキー大統領は21日夜、市内で会見を行った。
    ◇     ◇
一刻も早く戦争が終結することを願う
松井:それではごあいさつさせていただきます。ゼレンスキー大統領閣下、本日はようこそ広島にお越しくださいました。心から歓迎申し上げます。閣下は、被爆の惨禍から市民の不断の努力と国内外からの支援によって復興し、これほどまでに美しい都市に発展した広島の地に立ち、戦火の中、恐怖にさらされながら生活しているウクライナ国民の皆さまに、大変心を痛めておられるのではないかと思います。そして、戦争を一刻も早く終結させ、市民が再び平穏に暮らせる日を取り戻すことを、誰よりも強く望んでおられるものと推察いたします。
 私は今日ここに120万、広島市民を代表して、戦争で命を落とされた国民の皆さまに心からお悔やみを申し上げますとともに、一刻も早く戦争が終結することを願い、簡単ではございますが、私からのごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。
ゼレンスキー:どうもありがとうございます。とても素晴らしいサポートのお言葉でした。大変評価してます。
 ご列席の皆さん、親愛なる日本の国民の皆さん、平和を大切にする全ての世界の皆さん、私は、「人影の石」にならんばかりの危機に陥っていたことのある国から来ました。ただし、わが国の人たちは、戦争そのものを、ただの影にするために歴史をひっくり返しました。世界には戦争があるべきではないと思います。人類は長い歴史にわたり多くの人生を戦争で失ってしまいました。死は、空から落ちたり、海から、また、放射能からやってきたり、人が人を死なせてきました。人類の歴史は戦争なしでは創造できないといわれていますけれども、私たちは人類の歴史から戦争をなくさなければならないということを強調しています。ーーー



2023年 5月20日
「この資料館で語られる物語が、平和な未来を築くことへの私たち全員の義務を思い出させてくれますように。世界から核兵器を最終的に、そして、永久になくせる日に向けて、共に進んでいきましょう。信念を貫きましょう!」バイデン
「歴史に残るG7サミットの機会に議長として各国首脳と共に「核兵器のない世界」をめざすためにここに集う」岸田
「この場所は、想像を絶する苦しみを思い起こさせる。私たちは今日ここでパートナーたちとともに、この上なく強い決意で平和と自由を守っていくとの約束を新たにする。核の戦争は決して再び繰り返されてはならない」ショルツ
「広島で起きたことは、今なお人類を苦しめています。これは戦争がもたらす重い代償と、平和を守り堅持するというわれわれの終わりなき義務をはっきりと思い起こさせるものです」フォンデアライエン
「シェイクスピアは、『悲しみを言葉に出せ』と説いている。しかし、原爆の閃光に照らされ、言葉は通じない。広島と長崎の人々の恐怖と苦しみは、どんな言葉を用いても言い表すことができない。しかし、私たちが、心と魂を込めて言えることは、繰り返さないということだ」スナク
「多数の犠牲になった命、被爆者の声にならない悲嘆、広島と長崎の人々の計り知れない苦悩に、カナダは厳粛なる弔慰と敬意を表します。貴方の体験は我々の心に永遠に刻まれることでしょう」トルドー
「感情と共感の念をもって広島で犠牲となった方々を追悼する責務に貢献し、平和のために行動することだけが、私たちに課せられた使命です」マクロン
「80年近く前、この地は大いなる悲劇に見舞われました。このことは、われわれG7が実際何を守ろうとしているのか、なぜそれを守りたいのか、改めて思い起こさせます。それは、平和と自由。なぜならば、それらは人類が最も渇望するものだからです」ミシェル
「本日、少し立ち止まり、祈りを捧げましょう。本日、闇が凌駕するものは何もないということを覚えておきましょう。本日、過去を思い起こして、希望に満ちた未来を共に描きましょう」メローニ
「【原文記載】G7首脳 原爆資料館で記帳したメッセージ」https://iraw.rcc.jp/topics/articles/13500
「歴史的な転換期の中、我々G7首脳は、1945年の原子爆弾投下の結果として広島及び長崎の人々が経験したかつてない壊滅と極めて甚大な非人間的な苦難を長崎と共に想起させる広島に集った。粛然として来し方を振り返るこの時において、我々は、核軍縮に特に焦点を当てたこの初のG7首脳文書において、全ての者にとっての安全が損なわれない形での核兵器のない世界の実現に向けた我々のコミットメントを再確認する」
「我々は、ロシアのウクライナ侵略の文脈における、ロシアによる核兵器の使用の威嚇、ましてやロシアによる核兵器のいかなる使用も許されないとの我々の立場を改めて表明する。我々は、2022年1月3日に発出された核戦争の防止及び軍拡競争の回避に関する五核兵器国首脳の共同声明を想起し、核戦争に勝者はなく、また、核戦争は決して戦われてはならないことを確認する」
「我々の安全保障政策は、核兵器は、それが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止すべきとの理解に基づいている」核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン(2023年5月19日 於:広島)
・原爆投下した米国の現職大統領であるバイデン氏や核保有国の英仏首脳への配慮から、具体的な視察の内容やどんな展示を見たかは非公表とされた。
・首相官邸幹部は「米国は直前まで『あれは見る、これは見ない』と注文をつけてきていた」と明かす。原爆の残虐性を伝える多くの展示を目の当たりにすれば、「核のボタン」を押す権限をもつ為政者の判断に影響する。そんな懸念を核保有国は抱いていたとの見方も日本政府内にはある。
 プーチンが核の恫喝と共に隣国ウクライナを残虐に侵略するなか、日本の首相や米国の大統領らG7首脳は、私的な旅行で広島に来て原爆資料館を訪れたのではない。それぞれの国を代表するものとして国費を使い公的な訪問として視察した。わずか40分間彼らが何を見たかは、それらの諸国民は当然知る権利がある。いやむしろこれら核保有国の市民にはそれを知るべき義務もある。記事の「対外的なコミュニケーション」「G7メンバーの国内事情への配慮」は筋違いも甚だしい。 
 日本政府内の「原爆の残虐性を伝える多くの展示を目の当たりにすれば、「核のボタン」を押す権限をもつ為政者の判断に影響する」との倒錯ぶりはどういうことか。プーチンに核のボタンを押しやすくしてやるということか。
 いずれも被爆地・被爆者に対する人間的な共感が吐露されてはいるが、各国首脳の記帳したメッセージの中で、定型句の「核兵器のない世界」の岸田の他にはっきりと核兵器廃絶を記したのはバイデンだけ。
 「核軍縮に関するG7広島ビジョン」も、「核戦争の防止及び軍拡競争の回避」「核戦争は決して戦われてはならない」とするが、核兵器禁止条約には何も触れず核軍縮と核不拡散、核抑止論が混在する半端なものでしかない。ロシア、中国も含め核保有国は核兵器の違法化と廃絶に取り組み、日本は率先してその交渉を導く。それが、唯一の被爆国の責務だろう。
《主要7カ国(G7)の首脳が19日、広島平和記念資料館(原爆資料館)を視察した。G7首脳がそろって資料館を訪れるのは初めて。岸田文雄首相の案内で視察し、被爆者とも対話した。原爆投下した米国の現職大統領であるバイデン氏や核保有国の英仏首脳への配慮から、具体的な視察の内容やどんな展示を見たかは非公表とされた。
 雨が降りしきる同日午前10時28分、最初の首脳である欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長が到着した。首相夫妻が出迎え、原爆ドームを背景に記念撮影した。
 最後に到着したのはバイデン夫妻だった。現職の米大統領が資料館を訪れるのは、2016年5月のオバマ氏以来2人目。バイデン氏の妻ジルさんは、折り鶴のブローチを着けていた。
 資料館は東館と本館の2棟からなる。原爆投下の惨禍をより伝えるのは、当時の写真や被爆者の遺品が展示されている本館だ。この日、首脳の視察は東館だけだったが、本館の展示物が東館に集められたという。
 約40分後の正午ちょうどに首脳らは資料館東館から出た。直前まで降っていた雨はやんでいた。
 今回の資料館訪問が、7年前にオバマ氏が訪問した際と違うのは視察の内容と時間だ。オバマ氏が資料館に滞在したのは、約10分。複数の展示品がオバマ氏が入館した東館に集められた。当時、安倍晋三首相と共に同行し、説明役を担ったのが外相だった岸田首相だった。
 G7首脳は資料館を出ると松井一実・広島市長の先導で原爆死没者慰霊碑に向かった。首相はバイデン氏と並び歩いた。バイデン氏は時折、右手で首相の肩に触れた。
 9人の首脳は慰霊碑に向き合った。広島の中高生から花輪を受け取り、そろって献花。数秒間黙祷(もくとう)した。フランスのマクロン大統領が隣の岸田首相に声をかけ、握手を交わした。9人は慰霊碑と原爆ドームを背に記念撮影をした。
 慰霊碑には、33万3907人の死没者の名簿が納められ、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と碑文が刻まれている。慰霊碑の意味について松井市長が通訳を介して説明。首脳は原爆ドームを望む場所に移り、再び説明を受けた。
 その後、首脳は公園内で記念植樹をした。「被爆桜」と呼ばれる、惨禍を生き延びたソメイヨシノから接ぎ木した、1本の細い苗木だ。スコップで1人ずつ土をかけた。午後0時17分、終了。G7首脳の平和記念公園での行事は約56分間だった。(鬼原民幸、小川裕介、寺島笑花)
 ■オバマ氏の折り鶴/「禎子さん」について説明 政府、詳細は公表せず
 G7首脳らの原爆資料館の滞在時間は40分間だった。日本政府は取材を認めず、館内のどこで、何を見たのか、詳細は公表しなかった。
 広島県の湯崎英彦知事や広島市の松井市長によると、バイデン米大統領が最後に到着するまでの間、他の首脳らは東館1階で、オバマ元米大統領が16年に来館した際に持参した、自作の折り鶴を見た。松井市長からは多くの子どもたちが原爆で親を失い、孤児になったことなどを説明。全員そろった後、上の階へ移動した。
 松野博一官房長官は19日の記者会見で、首相が何点かの展示品について説明したと明らかにした。首脳らは被爆者の小倉桂子さん(85)とも話をした。2歳で被爆し、12歳で亡くなった佐々木禎子(さだこ)さんについての説明も受けた。禎子さんは、鶴を千羽折ると願いがかなうと信じて、病床で薬の包み紙などを使って1300羽以上を折り続けた。
 松野氏は「被爆の実相に効果的に触れてもらいたいとの考えのもと、重要な展示品を見ていただけるよう準備した」と強調。一方で、首脳らが館内のどこで、何を見たのかは「詳細は控えたい」とした。
 外務省は理由について「対外的なコミュニケーションがあるため」とし、G7メンバーの国内事情への配慮をにじませる。
 米国では、原爆投下によって戦争終結が早まったと正当化する主張が根強く、「大統領選が来年に迫るなか、資料館訪問を政権攻撃の材料にしたい勢力もある」(日本外務省幹部)という。首相官邸幹部は「米国は直前まで『あれは見る、これは見ない』と注文をつけてきていた」と明かす。原爆の残虐性を伝える多くの展示を目の当たりにすれば、「核のボタン」を押す権限をもつ為政者の判断に影響する。そんな懸念を核保有国は抱いていたとの見方も日本政府内にはある。(高橋杏璃、能登智彦、大野晴香)
 ■発信控えるバイデン氏 欧州首脳は「平和の重み」反応
 米国は、今回の訪問をあくまで他の首脳と足並みをそろえた行動と位置づけ、バイデン氏が目立つ形で主張を示すことを避けた。ロシアのウクライナ侵攻が続くなか、米軍が原爆を投下した広島での発信に慎重にならざるをえない事情もある。
 バイデン氏はかねて「核なき世界」の理念を掲げ、人情味のある人柄でも知られる。11年8月には、東日本大震災の被災地を訪ねて人々に寄り添った。米政府高官によると、今回の資料館の訪問でも、心を動かされた様子だったという。
 ただ、米大統領が核をめぐり広島で発信すること自体が、米国の「原爆を使った国」としての側面に注目を集めることになりかねず、ロシアに利用される懸念もあった。
 ロシアは核兵器による脅しを強め、2月には米ロ間に唯一残る軍縮条約「新戦略兵器削減条約(新START)」の履行停止を一方的に宣言した。中国も不透明な形で核戦力の強化を続ける。バイデン氏が核兵器を減らす具体的な道筋を訴えることは、難しい情勢だった。
 一方、ロシアの切迫した脅威に直面する欧州の首脳は、平和の重みを再認識したようだ。フランスのマクロン大統領は芳名録に「犠牲者を語り継ぐ義務に貢献し、平和のため行動することが私たちの役目だ」と記し、英国のスナク首相はツイッターで「過去から学ぶことが重要だ」と訴えた。フォンデアライエン欧州委員長もツイッターに「広島で起きたことは人類を苦しめ続ける。戦争の恐ろしい代償を思い起こさせる」と投稿。「平和を守る義務を思い出す」と続けた。(清宮涼、新屋絵理)》



2023年 5月18日
4年前8月の新装なった広島原爆資料館東館。G7開催明日の予報と同じくこの日も雨だが海外からの訪問客も多かった。G7首脳らだけではなく随行員と報道関係者もよく見てほしい。しかし、これらの展示を誰よりもこころに留めるべきは、岸田首相本人だろう。

 


2023年 5月18日
「わたしは起きてしまったトラブル以上に、そもそもの政府の個人情報保護に対する姿勢に強い危機感を持っています。政府は、国民ひとりひとりの人生を左右するような個人情報を扱うことを軽くみているのではないか、ということです」
「カードの交付率は2020年8月の時点で2割にも届いていませんでした。ただ、その年の9月にポイントを還元する「マイナポイント」を始めたことで申請が急激に伸びて、いまに至るわけです。制度への賛否以前に、1人あたり最大2万円分のポイントを苦しい日々の生活の足しにしたいという人も多くいたでしょう」
「マイナ制度は多くの個人的な情報を一元的に政府に預ける仕組みでもあります。その信頼に足る政府なのか、これからも注視していかなければなりません」法政大大学院白鳥浩教授(現代政治分析)
「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持するG7の強い決意を示したい」岸田文雄首相(バイデン米大統領会談18日夕)
 コロナ禍で喘ぐ国民に2万円のポイント付加でマイナカード取得率を2割から75%超にしたこの国の政府はいま、健康保険証を廃止すると国民を脅しながらマイナ保険証を国民に強制する政府。
 LGBT差別禁止法は「理解増進法」とお茶を濁し、「不当な差別はあってはならない」と正当な差別があるかのように誤魔化し、難民受け入れの「出入国管理法案」は、入管施設での極めて被人道的な対応で相次ぐ死者を出しながら、難民申請回数をこれまでの4回から2回で打ち切り。明日開催の広島G7でどちらもこの国は最低レベル。
 かつての大戦で本土防衛の「捨て駒」として国内唯一の地上戦による甚大な被害をもたらした沖縄を、ロシアのウクライナ侵攻を口実にいま米軍基地だけでなく自衛隊ミサイル基地だらけにし、世界有数の少子高齢化が進む中で平和憲法をかなぐり捨てて防衛費倍増に狂奔する。「同じ未来を見ている」と侵略者プーチンに擦り寄った前の首相を、いま岸田首相はどう捉えているのか。
 「法の支配」が、国民を収奪するカルトや家父長制に拘泥する宗教右派と癒着した安倍・菅そして岸田自民政権では、憲法をはじめ「法を弄ぶ支配」に堕している。
《マイナンバーカードのトラブルが相次いでいます。コンビニの証明書取得サービスで他人の住民票の写しなどが交付されたり、「マイナ保険証」に他人の情報がひもづけられていたり。16日にはコンビニ交付で登録を抹消したはずの古い印鑑登録証明書が誤交付されるトラブルが、全国で11件発生したことが明らかになりました。一連のトラブルを、法政大大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)は「制度の信頼を揺るがす事態」と指摘します。政府が信頼を取り戻すにはどんな対応を取るべきなのか。詳しく聞きました。
マイナ証明書、システム停止要請に自治体困惑 識者「リスク理解を」
マイナンバーカードのトラブル
コンビニの証明書取得サービスの誤交付は計14件起きている。横浜市で3月に初めて確認され、その後、東京都足立区、川崎市、徳島市でも発覚。河野太郎デジタル相がシステムを提供する富士通Japanに対し、運用の一時停止と再点検を要請する事態となった。 マイナンバーカードと一体化された健康保険証「マイナ保険証」に別人の情報がひもづけられていた問題は、加藤勝信厚労相が12日の会見で認めた。厚労省によると、本人とは違う情報が登録されていた事例は2021年12月〜22年11月で、7279件起きていた。
 ――一連のトラブルをどうみましたか。
 ちょっとしたシステムエラーや人為的ミスで個人情報が簡単に漏洩(ろうえい)してしまう――。一連のトラブルで制度の危うさの一端が明らかになったと言えます。
 制度の根幹を揺るがすトラブルであることは間違いありません。でも、わたしは起きてしまったトラブル以上に、そもそもの政府の個人情報保護に対する姿勢に強い危機感を持っています。
漏れた情報のリスク、重大性は
 ――どういうことですか。
 政府は、国民ひとりひとりの人生を左右するような個人情報を扱うことを軽くみているのではないか、ということです。
 デジタル化の流れは否定されることではありませんが、耳に心地よい「便利になります」という広報を繰り返す一方、こうした「不測の事態」が起きたときのことは想定していなかったのではないでしょうか。
 誤登録のトラブルについては、把握してから発表までにタイムラグがあったように思います。
 デジタル時代にあって、漏れた情報がネット上に上がればコピーを重ねられて無限に漂い続けるわけです。そのリスク、重大性をきちんと理解しているのか、疑問に思いました。
 言葉は強いかもしれませんが、政府は勘違いをしているように思えるのです。
「加入しなければ損をする」
 ――勘違い、ですか。
 はい。政府はマイナカードの人口に対する申請件数が75%を超えているという点を強調しますが、カードを「取得」しているからといって、制度に「賛同」しているわけではないのです。
 「取得」と「賛同」はイコールではありません。
 そもそも、カードの交付率は2020年8月の時点で2割にも届いていませんでした。ただ、その年の9月にポイントを還元する「マイナポイント」を始めたことで申請が急激に伸びて、いまに至るわけです。
 この時期はコロナ禍のなかで経済活動が停滞し、異常な物価高も続いていました。
 制度への賛否以前に、1人あたり最大2万円分のポイントを苦しい日々の生活の足しにしたいという人も多くいたでしょう。
 たとえ制度に懐疑的であった人も列をなしたというのが現状のはずです。制度への共感ではなく、「加入しなければ損をする」とカードをつくった人も少なくなかったと思うのです。
 なのに、政府はこうした背景を考慮せずに「8割近い国民に賛同された制度だ」という姿勢で対応しているように映ります。政府の対応には危機感が欠如しているように感じるのです。
危機感を政府で共有すべきタイミング
 ――そもそも誤交付については「急激なカード普及によるシステムの負荷増大が原因」という指摘もあります。
 実際の地方自治体の処理能力を超えるような普及をしたわけです。こうした不自然な「ひずみ」がこのトラブルの遠因となった点を、政府は重く受け止めるべきだと思います。
 このままトラブルが頻出していけば、信頼性は揺らぎ、制度そのものが崩壊しかねない。そんな危機感をいま一度、政府全体で共有すべきタイミングではないでしょうか。
 ――では、政府には今後、どういった対応が求められているのでしょうか。
 トラブルが起きた際の迅速な情報開示は欠かせません。
 誤交付についていえば、徹底したシステムの検証がなされるべきです。システムを停止しても役所で交付できないというわけではありません。コンビニ交付ができないといった一時の不便さよりも個人情報保護のリスク回避が何よりも優先されるべきです。検証の終了時期も安易に設けるべきではないでしょう。
 誤登録については、国が再発防止に主体的に関わるべきではないでしょうか。
 現時点では入力の事務を担う医療保険側の人為的ミスということですが、誤って入力した場合に自動的にミスを検知するシステムの開発など対策が求められると思います。
問われる「政治を見る目」
 ――利便性や効率よりも重要なことがあると。
 確かに利便性は重要ですが、個人情報がきちんと保護される、安全・安心が確保されることが何よりも重要です。
 マイナ制度は多くの個人的な情報を一元的に政府に預ける仕組みでもあります。その信頼に足る政府なのか、これからも注視していかなければなりません。
 一つひとつのトラブルにどう向き合って解消し、国民への説明責任を果たすのか。
 メディアはもちろんのこと、わたしたち国民ひとりひとりの「政治を見る目」も問われている局面だと思います。(聞き手・長野佑介)》



2023年 5月17日
京都二日目快晴。
 最高気温32度の予報のなか御池通りの宿を出てひとつ北の押小路を歩き、記憶を頼りに京都正教会と図書館カフェ前を散策し、寺町通を北に向かい下御霊神社まで。外側の壁なども修復されて、大きな神輿が二台鎮座し、その両側に子供達が作ったこども神輿も。きた道を戻り、できればテラス席で紅茶でもと高瀬川沿いを南下。結局四条河原町の高瀬川沿いの店で冷えた緑茶が確かに美味しい。
 デパ地下で夕飯用のビビンバ丼とパンなど買ってふたたび寺町通で店を探し、改修されたイタリアンでボンゴレのパスタランチ(一千円)を食べると、すごく美味。これにグラスビールとワインをつけてほぼ、まだやっていた京都旅クーポン二千円分。
 5月とは思えない暑さのなか嵐電で有栖川に出て天山の湯に浸かり、やはり旅行客で賑わう嵐山から阪急で午後5時に帰宅。明日も晴れ予報。



2023年 5月16日
4年ぶりの葵祭が雨で一日遅れ、好天につられて阪急で四条烏丸に出る。
Danielsでピザ、八百一でコーヒーのあと地下鉄で北大路を経て鴨川沿いの順路まで。3時になんとも和やかで優雅な行列が通る。
運動を兼ねて西へ歩き、強い日差しのなか道を違えて50分ほどで船岡温泉。帰路はまっすぐ西へ向かい20分ほどで鞍馬口駅から烏丸御池に戻り、急遽予約した宿に着く。夕飯はトロ鰯の刺身など。町中もだが、コーヒーで立ち寄った宿一階のイタリアンは楽しげな外国語が響いていた。



2023年 5月14日
日記がわりに。
 GW終わりの先週末は曇天で篭り、霧の谷間で鶯の鳴き声。
 10日晴れて二月ぶりに北区谷上から神姫バスですずらんの湯。緑に囲まれた露天を堪能。三宮で食材買って帰宅。9日ロシアの戦勝記念日で指名手配中のプーチンが演説するが、あきらかに表情は苦しげ。
 再び週末雨予報、晴れの12日午後アシスト車で石屋川沿いを下り一月ぶりに乙女塚温泉。ここは石鹸持参必だが450円。御影クラッセで食材買って帰宅。海外ニュースはウクライナ東部バフムトムトの灰燼にきした街並み、これからの反転攻勢で多くの犠牲を出すことに苦慮するゼレンスキー大統領、戦死した多くのウクライナ兵士の写真、投降するロシア兵の姿を伝える。
 昨日曇りのなか三宮に出て栄町通りDay's kitchenで筍のピザ。行列はなかったが、やがて2階の席は満室。阪急地下に寄るとカワハギあり、食材買って帰宅する頃には雨。今日は1日巣篭もり、天気は回復模様。




2023年 5月14日
立法目的「すべての国民が、その性的指向または性自認にかかわらず、等しく基本的人権を享受するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、性的指向及び性自認を理由とする差別は許されないものであるとの認識の下に」→削除
定義「性自認とは」→「性同一性とは」
基本理念「性的指向及び性自認を理由とする差別は許されない」→「性的指向及び性同一性を理由とする不当な差別はあってはならない」
「見るのも嫌だ。隣に住んでいたら嫌だ。(ほかの首相)秘書官も皆、反対だ。人権や価値観は尊重するが、認めたら国を捨てる人が出てくる」荒井勝喜総理大臣秘書官2月3日
「まさに理解増進。差別を禁止するということではなく、みなで理解しあって社会を作っていくのが法案の目的だ」安倍派西田昌司参院議員
「もう十分に『骨抜き』になった」「自認の性で権利を認めれば、トイレや風呂で性を都合良く使い分けた犯罪につながるケースもある」「漢字から読み取れる意味合いは違うが、英語にしたらジェンダー・アイデンティティーで同じ。対外的には影響ない」「性教育だって十分にできていないのに、LGBTの教育をしてどうするんだ」「子どもが混乱する」「G7議長国として、法案の国会提出が最優先。多少の言葉尻はどうでもいい」自民議員ら
・安倍派の中堅議員は、自民の友好団体である宗教団体から2年前の衆院選で推薦する条件として「法案反対」を突きつけられたと明かす。反対することを明言し推薦してもらったが、「法案をつぶそうと団体から議員への働きかけは今も続いている」
「私たちの国で、母親と父親の代わりに「親1号、親2号、親3号」を持ちたいのか。学校に通い始めたばかりの子どもたちに…性別は女性と男性の二種類ではなく、別の性別が存在するという考えを頭に叩き込み、性転換手術を受けさせたいのか」(プーチン・2022年9月30日ウクライナ東・南部の4州をロシアに強制的に編入すると一方的に発表した際の演説)三牧聖子同志社大学大学院准教授の引用から
「ウクライナでのロシアの蛮行を強く批判しながら、性的マイノリティのことになると、プーチンと見まごうような主張を掲げて、矛盾を感じることすらない与党議員たち。日本はLGBTの権利や理解についてはG7諸国と価値を共有するどころか、ロシアに接近しているといわれてもしょうがない状況だ」三牧聖子同志社大学大学院准教授
「当事者の人権を守るためではなく、抑圧している側の居心地をよくするための法律なのでしょうか。G7サミットに向けて議論しているというパフォーマンスはいらない。政治家は多くの人の声を素直に聞いて、価値観をアップデートしてほしい」2月に支援団体の若者代表として岸田文雄首相と面会した交流施設「プライドハウス東京レガシー」(東京都新宿区)のスタッフで大学生の山島凜佳さん(20)
「法律を議論することが、逆に差別を広げている。非常に絶望的な状況だ。正当な差別があるのか。差別を温存したいという意思が表れている。(「性自認」を「性同一性」と言い換える修正は)本来は二つとも同じ意味のはずだが、性自認は自称で、性同一性は『障害』であり、医学的な用語であるかのように捉えられ、概念自体がおとしめられている。本来は、このような誤りを止めるための法律であるはずだ。世論と政治がかけ離れて、人権が守られない国のままでいいのか。当事者だけでなく、一人ひとりが考えなくてはいけない」一般社団法人「fair(フェア)」代表理事の松岡宗嗣さん
 日本を「エバ国」として国民から収奪するカルト集団と癒着した自民党は、同時に「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」と侵略者プーチンにすり寄る党首を持った、性的少数者や海外避難民に対する差別主義者の集団だということ。
 立法目的から「すべての国民が、その性的指向または性自認にかかわらず、等しく基本的人権を享受するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、性的指向及び性自認を理由とする差別は許されないものであるとの認識の下に」を削除し、定義と基本理念から、主権者である国民個人の主体性を否定して「性自認」を「性同一性」に変え、まるで「不当でない差別」があるかのように「差別は許されない」という文言を「不当な差別はあってはならない」に変えるのは、まさに法案を骨抜きにして差別を温存するためのもの。
 「家父長制的・伝統的家族観」なるものを尊重すると称する、ろくに歴史も知らない自民党右派・安倍派やそれに連なる宗教右派は、同性愛が古代ギリシア人にとって規範からの逸脱ではなく、レズビアンの語源が古代ギリシャのレスボス島にあり、歌舞伎の女型や宝塚歌劇も含めてこの国でも、例えば江戸時代の家では夫婦は別姓・別財産制であり、田中優子法政大学総長は「LGBT は、人類発生以来ずっとありました。江戸時代にもあります。江戸時代は特にゲイにとっては非常に自由な時代だったので、恋愛関係の男性どうしが一緒に暮らしても、白い目で見られることはありませんでしたし、物語にもよく登場します」と指摘する。
 G7開催前にアタフタと差別禁止法を理解増進法に変え、内実では自らの差別意識を温存させ「抑圧する側の居心地をよくするための」社会に差別を存続させるだけのこの政権では、この国の未来はない。
《性的少数者への理解を広めるための「LGBT理解増進法案」の修正案を12日、党内会合で了承した自民党。自民も含む超党派議員連盟を中心にまとめた2年前の合意案から後退した背景には何があったのか――。
【速報】LGBT法案、自民が修正案了承 保守派に配慮、性自認→性同一性に
【解説】LGBT法案の修正「抑圧側の居心地のためか」 差別拡大への懸念
「もう十分に『骨抜き』になった」
 12日、同法案に反発する議員が多い安倍派の幹部はそう語り、修正案を了承する考えを示した。
 主な修正は三つ。「差別」をめぐる記述を「不当な差別はあってはならない」に変えた。これは安倍晋三元首相が国会で答弁した言い回しで、反発する議員も理解すると見込んだ。法案に疑問を呈してきた安倍派の西田昌司参院議員は「まさに理解増進。差別を禁止するということではなく、みなで理解しあって社会を作っていくのが法案の目的だ」と評価した。
 「性自認」はすべて「性同一性」に変更。「自認の性で権利を認めれば、トイレや風呂で性を都合良く使い分けた犯罪につながるケースもある」などの主張に対応したとする。党幹部の一人は「漢字から読み取れる意味合いは違うが、英語にしたらジェンダー・アイデンティティーで同じ。対外的には影響ない」と、変更に問題はないとの認識を示す。
 さらに「学校の設置者の努力」の文言を削除したのは、「性教育だって十分にできていないのに、LGBTの教育をしてどうするんだ」「子どもが混乱する」と複数の反発意見が上がったことに対応したものだ。
 2年前に超党派議連で合意した案から後退しているが、議連会長で法整備に前向きな岩屋毅元防衛相は「いろいろ意見はあるが、小異を捨てて大同につく」と容認する考えを示した。「超党派案を変えるべきではない」と主張していた閣僚経験者も、「G7議長国として、法案の国会提出が最優先。多少の言葉尻はどうでもいい」と言い切った。急ごしらえの修正案でとにかく党内合意を優先し、議長国の体裁を保つことに腐心した。
 今回の修正案は、「保守支持層の離反」に対する自民の懸念の強さも反映されている。安倍派の中堅議員は、自民の友好団体である宗教団体から2年前の衆院選で推薦する条件として「法案反対」を突きつけられたと明かす。反対することを明言し推薦してもらったが、「法案をつぶそうと団体から議員への働きかけは今も続いている」。
 保守派の重鎮議員は「あくまで理解増進にとどめるべきだ。それ以上の話は同性婚議論につながりかねない」と警戒する。
 こうした動きに、野党内には「趣旨が大きく変化しなければ、何もないよりはあったほうがいい」(日本維新の会幹部)と賛同の動きはあるが、一方で「見せかけのやったふり法案だ」(立憲民主党幹部)と批判の声も出ている。(森岡航平)
コメントプラス
三牧聖子
(同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
2023年5月13日2時14分 投稿
【視点】この内容では、G7としての面子を保つどころか、G7の一国でありながら性的マイノリティの人権が何かを理解していないことを世界に対して露呈することになるのではないか。
LGBT教育について、「性教育だって十分にできていないのに、LGBTの教育をしてどうするんだ」「子どもが混乱する」と懸念する発言があったとのことだが、ウクライナで無謀な戦争を続けるプーチン大統領の下記の発言を彷彿とさせる。
「私たちの国で、母親と父親の代わりに「親1号、親2号、親3号」を持ちたいのか。学校に通い始めたばかりの子どもたちに…性別は女性と男性の二種類ではなく、別の性別が存在するという考えを頭に叩き込み、性転換手術を受けさせたいのか」(2022年9月30日ウクライナ東・南部の4州をロシアに強制的に編入すると一方的に発表した際の演説)
ウクライナでのロシアの蛮行を強く批判しながら、性的マイノリティのことになると、プーチンと見まごうような主張を掲げて、矛盾を感じることすらない与党議員たち。日本はLGBTの権利や理解についてはG7諸国と価値を共有するどころか、ロシアに接近しているといわれてもしょうがない状況だ。
本来マイノリティの人権は、「G7サミットがあるから」「G7諸国と足並みをそろえなければならない」といった外在的な理由ではなく、不当に権利を奪われ、差別されてきた人々の人権回復という内在的な理由で取り組まれるべきものだが、これだけの外在的な理由があっても、遅々として進まない人権の状況には、ただただ残念な思いだ。
岩尾真宏
(朝日新聞名古屋報道センター次長)
2023年5月13日0時15分 投稿
【視点】「十分に深まった」ではなく、「十分に『骨抜き』になった」との声が出る「LGBT理解増進法案」の修正案とは、一体なんのためのものなのかと、首をひねるばかりです。主要7カ国のうち、同性カップルを家族と認める国レベルの法的保障がないのは日本だけです。「なんのためか」を端的にいえば、今月に広島市で開かれるG7サミット議長国として、「やってる感」を出すためという印象を強く抱きます。
 記事中にある「子どもが混乱する」などとして、「学校の設置者の努力」の文言を削除したことも理解に苦しみます。自分の子どもたちの話を聞くなどしていると、いまの学校現場は私が子どものころよりもはるかに多様性を尊重したような教育をしていると思います。混乱することなく、社会は多様性に満ちていることを子どもたちはむしろよく理解しているのではないでしょうか。そして、学校の設置者がそうした社会のありようを教えるべく努力することは、むしろ当然のことではないかと思います。
 経団連の十倉雅和会長は3月、「LGBT理解増進法案」の議論について、欧米と比べての遅れを「恥ずかしい」と述べたほか、「法案を出すことで差別が増進されるとか、訳の分からない議論がなされている」と指摘しています。世界を舞台とするビジネス界としての認識だと思います。
 「LGBT理解増進法案」は、ほかならぬ元首相秘書官による性的少数者に対する差別発言を機に、岸田首相が自民党幹部に提出準備を指示した経緯があります。当事者から反発の声があがる今回の修正案を首相は「了」とするのでしょうか。当事者のためではなく、サミット議長国としての体裁のためであるならば、本末転倒もいいところです。》



2023年 5月11
・沿岸監視部隊配備(2016)
→電子戦部隊配備計画(2021)
→地対空誘導弾(ミサイル)部隊配備計画➕空港拡張計画(F35戦闘機等離着陸)(2022)
→祖納港に自衛隊PAC3展開、無届けで港湾使用➕南側の比川に港湾(軍港){大型巡視船・護衛艦接岸}整備要請(2023)
→「樽舞湿地」消滅・与那国島の軍事基地・「不沈空母」化
・島民になんの相談もなし。
https://www.y-mainichi.co.jp/news/39101
https://digital.asahi.com/articles/ASQDW6KK0QDWUTFK027.html
https://news.yahoo.co.jp/.../137dfeb3ec6c044353bc378381b2...
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20221213-OYT1T50048/
https://news.yahoo.co.jp/.../a762ab855a914677e8f2d275ebc6...




2023年 5月 8日
「データを分析する立場から言うと、人口全体の中で自然感染していない高齢者が半分以上いる今の日本のような状況では、いまだ大きな反動が予想されます。第9波が想定されますが、過去最大の流行をきっかけに「これまでの対策はなんだったんだ」と思うぐらい死者が出る可能性さえあるのです。そのようなリスクに国がもっと十分に対応するだろうと思っていましたが、そうはなっていません」
「政府が新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づくまん延防止等重点措置をとったのは第6波(2022年1〜3月)が最後でした。22年7月だったと思いますが、「従来なら緊急事態宣言相当の状況です」とか「措置をとるならこのタイミングです」と厚生労働省のアドバイザリーボードで発言しました。措置をとるのととらないのとでは、「死者数が相当違うだろう」ということが短期的な試算で分かっていたからです。でも、他の専門家の多くは黙認する状況になりました」
「リスク評価者として空気を読まずに言うと、社会全体として感染リスクが高い場での伝播(でんぱ)を止める行動制限のような「ボリューム対策」を縮小しつつも続けることが必要だと考えてきました」
「対策を緩めると、自粛していた高齢者や療養型の病院で寝たきりの人、高齢者施設に入所している人が、これまでと比較できないぐらい感染することにつながり、死亡すると考えられます。その人たちの命を守るには、ボリューム対策がまだ必要で、人口全体で起こる感染の広がりを止める対策を低いレベルでも続けながら緩和しないと流行に歯止めがかからなくなります」
「感染者数は現に増え始めており、その拡大スピードは速く、第9波に入ったといえます。(主流となっている)新たなオミクロン株の派生型XBB・1・5への置き換わりが予測していた通りに進んでいます」
「日本の入院者数は波を重ねるごとに、ホップ・ステップ・ジャンプ式に増えています。第8波は入院者数が最大でした。このまま英国のようなエンデミック化に向け、もっとたくさんの感染者数や入院者数を経験して(自然感染による免疫を獲得した上で)減衰振動に移るでしょう。接触の度合いや流行するウイルスが免疫から逃れるかどうかなどにもよりますが、第9波は第8波よりも大きくなり得ることを覚悟した上で緩和に臨まなければなりません」
「この3年間で、一番の反省点はこの緩和期です。対策を緩める時は、もっとゆっくりと栓を開けていくものです。遅いと言われるかもしれないが、リスクを説明しながら2年ぐらいかけて段階的にやっていくべきですが、他分野の専門家や多くの医学の専門家からは理解されませんでした」
「緩和の過程にリスク評価が伴っていません。政治主導でどのように緩和していくかが決まり、その緩和に対するエビデンスを行政が専門家に求めてきました。消毒や体温計の設置、パーティションの設置が不要であるというエビデンスがあるかと問われるのです。政治の意思をサポートするために厚生労働省の医系技官たちは走り回りますが、我々も「明確に不要だという根拠はないです」と言うしかありません」
「これまでの日本のように、政策が先に決まり、役所がすりあわせ、経験や勘で御用学者がコメントをするということは、コロナで終えんを迎えたはずです。それなのに、最後のほころびとして、世間に露呈してしまいました。この流行を機に本当に変われなければ、次の世代の人に怒られると思っています」
「多数の人の命を奪うのにとても最適に進化をしているウイルスで、こんなウイルスがパンデミックを起こすと困るな、という感想です。流行当初から「これは風邪だ」「風邪でこんな対策をするのか」という声がずっとありますが、人口レベルのインパクトをみると、ものすごい数の命を奪っています」
「もう大丈夫だと若い人がたくさん感染していますが、ロングコビットというコロナの後遺症がありますよね。知り合いの研究者も感染後に急に話せなくなりました。調べると脳梗塞(こうそく)を起こしていて、すぐに治療ができましたが、これまでのキャリアを大きく方針転換することになりそうです。エンデミック化することを「もうよかったね」と言えるウイルスではありません。心底「困ったな」と思わせるやつです」
「5類に緩和して(人々が)余暇をエンジョイしている権利の裏には、流行のリスクを社会全体で受け止める義務が発生していることを肝に銘じるべきです」西浦博・京都大教授
「流行時には、日本の医療の欠陥があらわになった。救急車を呼んでも受け入れ先の病院が見つからず、発熱しても検査を受けられない。介護施設の高齢者に必要な医療が速やかに届かない。その結果、死者が増えた面は否めない。ーーとても大きな健康の問題を、社会として背負い込んでしまった。流行は今後も続き、医療体制を立て直すまでにはしばらくかかるだろう。大規模な感染症の流行など、有事にも対応できる体制を構築していかねばならない」大曲貴夫・国立国際医療研究センター長
 5日WHOは世界でのコロナ緊急事態の終了を発表、この国では今日8日新型コロナが5類に移行された。この間の政府による科学的根拠・エビデンス・リスク評価を欠いた対策や緩和策の問題点の指摘と、今後の備えへの警鐘を鳴らす西浦博・京都大教授(理論疫学)に取材したインタビュー記事から。
 氏も指摘するように、政府による緊急事態宣言発出とまん延防止等重点措置は第6波(2022年1〜3月)まで。確認されたこの国の感染者数累計は第6波最後の22年3月31日は653万8890人、現在は 3379万3429人(5月7日)、確認された死者数は第6波最後の22年3月31日は2万8123人にたいし現在の累計7万4654人。さらに、平年と比べたコロナ下におけるこの国の超過死亡者数は、2020年の死者は予測より約3万5千人少なかったが感染が拡大した21年には約5万2千人上回り、22年は11万8千人多く、計13万5千人に上る。この原因は医療逼迫、救急外来の一時停止や救急搬送の困難、コロナ感染による合併症、高齢者の介護施設や自宅での療養など、いずれもコロナに対する国と自治体の対応の不十分さと遅れによるもの。
 21年10月4日(感染者170万1501人、死者17749人)首相となり、その後の在任中圧倒的に多くのコロナ感染者(3209万1928人)と死者(5万6905人)を出した岸田首相は、この犠牲にまったく他人事。きちんとした検証と医療や介護の体制構築がなされなければ、5類移行後もこの国は多くの犠牲者を出すことになる。
《新型コロナウイルスの感染症対策の礎となるデータ分析を3年にわたってリードしてきた理論疫学者の西浦博・京都大教授は、「5類移行」を前に危機感をあらわにする。西浦氏は今後、新型コロナは流行が繰り返される「エンデミック」という段階に入るとみており、来たるべき「第9波」以降について「(死者、入院者が最多だった)第8波よりも大きくなることも覚悟しなければなりません」と警鐘を鳴らす。西浦氏は「第9波」やその先の未来になぜ過去最悪の被害がもたらされると考えているのか。2回に分けて紹介する。【聞き手・金秀蓮】ーーー


2023年 5月 5日
日記がわりに。
 GW中盤は晴れ続き。昨日地元il ventoを訪ね久しぶりにローマ風マルゲリータ。バジルはないのだが、店の入り口横のローズマリーを入れていただく。絶妙に美味い。運動を兼ねて石屋川沿いを下り、祭りは少し先のようで静かな綱敷天満に寄り、遅ればせながら名前の由来を知った。さらに降って何故かテラスを閉鎖中の御影クラッセで食材買って帰宅。
 夜録画していた映画「カモンカモン」を鑑賞。叔父と9歳の甥の物語。子供達が素晴らしい答えをするインタビューを一部交えてジョーカー役で知られたフォアキン・フェニックスと子ども役がとても演技とは思えない怪演?で深いテーマを描く。
 今日坂道を下ると道沿いにやはり大きなローズマリーを確認。これ料理に使えるだろう。二週ぶりにハーバーランドに出て、幸いにもテラス席が空いていた店で神戸ビールとアヒージョ。写真は撮らなかったが、隣の席に連れられた犬が椅子にきちんと座っていた。
 煉瓦前でコーヒーを飲み信号塔を曲がると何やら巨大なクレーン。運転席に入れるようで家族連れが並ぶ。ボケが進んだのか、クレーンが何を持ち上げるのか見当がつかないまま、ドック沿いを回り遊覧船乗り場で振り返ると恒例の巨大鯉のぼりが上がっていた。阪急地下で明石カワハギ見つけて食材買って帰宅。裏手の桜はすでに葉桜だが、薄桃色の花びらが少し落ちている。明日から天気は下り坂。



2023年 5月 3日
「六 戰爭の放棄
 みなさんの中には、こんどの戰爭に、おとうさんやにいさんを送りだされた人も多いでしょう。ごぶじにおかえりになったでしょうか。それともとう/\おかえりにならなかったでしょうか。また、くうしゅうで、家やうちの人を、なくされた人も多いでしょう。いまやっと戰爭はおわりました。二度とこんなおそろしい、かなしい思いをしたくないと思いませんか。こんな戰爭をして、日本の國はどんな利益があったでしょうか。何もありません。たゞ、おそろしい、かなしいことが、たくさんおこっただけではありませんか。戰爭は人間をほろぼすことです。世の中のよいものをこわすことです。だから、こんどの戰爭をしかけた國には、大きな責任があるといわなければなりません。このまえの世界戰爭のあとでも、もう戰爭は二度とやるまいと、多くの國々ではいろ/\考えましたが、またこんな大戰爭をおこしてしまったのは、まことに残念なことではありませんか。
 そこでこんどの憲法では、日本の國が、けっして二度と戰爭をしないように、二つのことをきめました。その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戰爭をするためのものは、いっさいもたないということです。これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。これを戰力の放棄といいます。「放棄」とは「すててしまう」ということです。しかしみなさんは、けっして心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの國よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません。
 もう一つは、よその國と爭いごとがおこったとき、けっして戰爭によって、相手をまかして、じぶんのいいぶんをとおそうとしないということをきめたのです。おだやかにそうだんをして、きまりをつけようというのです。なぜならば、いくさをしかけることは、けっきょく、じぶんの國をほろぼすようなはめになるからです。また、戰爭とまでゆかずとも、國の力で、相手をおどすようなことは、いっさいしないことにきめたのです。これを戰爭の放棄というのです。そうしてよその國となかよくして、世界中の國が、よい友だちになってくれるようにすれば、日本の國は、さかえてゆけるのです。
 みなさん、あのおそろしい戰爭が、二度とおこらないように、また戰爭を二度とおこさないようにいたしましょう。」あたらしい憲法のはなし 文部省1947年
「常備軍は時とともに全廃されなければならない。というのは,常備軍はいつでも戦争を始めることがで きるという準備態勢によって他の国々を絶えず戦争の脅威で脅かすからである。また常備軍の存在は互いに軍事力で優位に立とうとする国家間の野心を刺激し,はてしのない軍備競争をうながす。その結果ついには増大する軍事費のため,平和のほうが短期の戦争よりもいっそう重荷となってくるのである。そしてこの重荷をときはなつために常備軍そのものが,先制攻撃,つまり侵略戦争の原因となる。ーー人を殺したり殺されたりするために雇われることは、国家によってたんなる道具として使用されることだが、 これは 「われわれ自身の人格の内なる人間性の権利」 と調和しない」エマヌエル・カント「永遠平和のために」第一章第三条項 1795年
「第一条
 締約国ハ国際紛争解決ノ為戦争ニ訴フルコトヲ非トシ且其ノ相互関係ニ於テ国家ノ政策ノ手段トシテノ戦争ヲ抛棄スルコトヲ其ノ各自ノ人民ノ名ニ於テ厳粛ニ宣言スル
第二条
 締約国ハ相互間ニ起コルコトアルベキ一切ノ紛争又ハ紛議ハ其ノ性質又ハ起因ノ如何ヲ問ハズ平和的手段ニ依ルノ外之ガ処理又ハ解決ヲ求メザルコトヲ約ス」戦争ノ抛棄ニ関スル条約(パリ不戦条約)1929年
「ウクライナへの軍事侵攻が始まってから、報道のインパクトによって世論が激変するのではないかと恐れていたが、意外に平静さが保たれている。憲法改正に関する世論はきっ抗した状況にあると言っていいと思う。日本は1930年代のテロリズムや戦争の時代を乗り越えて9条の思想を選択した。この選択が戦後の共存思想の最後の支えになっている。最近の風潮を見ていると、この支えが外され、共存の思想と戦争の思想のきっ抗した関係が逆転するのではないかという危惧を感じる。異質な他者と共存していくかどうかという選択が、戦争に関する態度決定につながる」石川健治東京大学教授
 フランス革命後のヨーロッパにおける戦争に臨んでカントが唱えた「永遠平和」「常備軍の廃止」「諸国家による平和のための連合」の理念は、ヨーロッパそして世界に甚大な被害をもたらす熾烈な総力戦となった第一次大戦を経て国際連盟結成とパリ不戦条約に結びついたが、莫大な敗戦国への賠償請求はファシズムを生み再び世界大戦を招いた。第二次大戦後ドイツは軍備を抑制、日本は「戦争の放棄・戦力の不保持」を憲法9条というかたちで国是とした。
 冷戦下のソビエトそして冷戦終結後のロシアによる軍備拡大といまのプーチン政権のウクライナ侵攻は、まさにカントが指摘した「常備軍そのものが,先制攻撃,つまり侵略戦争の原因となる」ことの証左。この国の「憲法改正」の「9条改正」と防衛費倍増、敵基地攻撃能力保持は、カントが示す「果てしない軍備競争」を世界に招く愚かな策でしかない。もう一度「あたらしい憲法のはなし」を読み返すべき。
《3日は、日本国憲法の施行から76年となる憲法記念日です。
NHKの世論調査で今の憲法を改正する必要があると思うかどうか聞いたところ「改正する必要があると思う」は35%、「改正する必要はないと思う」は19%でした。
また、戦争の放棄を定めた憲法9条を改正する必要があると思うかどうかについては「改正する必要があると思う」が32%、「改正する必要はないと思う」が30%でした。
NHKは、先月7日から3日間、全国の18歳以上を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかけるRDDという方法で世論調査を行いました。
調査の対象になったのは、3275人で、47.1%にあたる1544人から回答を得ました。
憲法改正の必要性
今の憲法を改正する必要があると思うかどうか聞いたところ、
▽「改正する必要があると思う」が35%
▽「改正する必要はないと思う」が19%
▽「どちらともいえない」が42%で、去年の同じ時期に行った調査といずれも同じ割合となりました。
“改正が必要”の理由
「改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ
▽「日本を取りまく安全保障環境の変化に対応するため必要だから」が54%と最も多く
▽「国の自衛権や自衛隊の存在を明確にすべきだから」が22%
▽「プライバシーの権利や環境権など、新たな権利を盛り込むべきだから」が11%
▽「アメリカに押しつけられた憲法だから」が6%でした。
“改正は必要ない”の理由
憲法を「改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ
▽「戦争の放棄を定めた憲法9条を守りたいから」が64%と最も多く
▽「基本的人権が守られているから」が14%
▽「すでに国民の中に定着しているから」が12%
▽「アジア各国などとの国際関係を損なうから」が6%でした。
9条改正の必要性
憲法9条について、改正する必要があると思うかどうか聞いたところ
▽「改正する必要があると思う」が32%
▽「改正する必要はないと思う」が30%
▽「どちらともいえない」が34%でした。
去年の同じ時期に行った調査と比べて、いずれも同程度となりました。ーーー
 



2023年 5月 3日
5月3日快晴、ロートルは地元で自転車漕いでプチ観光。
 篠原厳島、五毛天神から山沿いを漕ぎ、新神戸駅を経て北野まで。大道芸など賑わう異人館街のテラスの店でお昼を頂き広場のベンチでしばし休憩。北野坂に降ると、フラワーロードが数年ぶりに再開していた。迂闊にも知らなかったが、今年は『神⼾のジャズ、100周年』とのこと。子供達が元気で楽しげ。
 さらに下り阪急線路沿いを春日野道まで行き、アーケードを降って久しぶりにHAT渚の湯。スーパーLIFEで食材買い、阪急線路沿いに戻って王子公園を経て五毛天神入り口まで。今日は春祭りでやはり子供たち、地元の人たちで賑わう。坂道を上って行くと、なんと五毛と篠原厳島神社共通のだんじりに遭遇。あとはひたすら坂道を漕いで歩いて4時に帰宅。温泉で流した汗を再びかいて元の木阿弥。



2023年 5月 1日
《声明:原発GX法案の衆院可決に抗議
福島原発事故の教訓を踏みにじり、将来に禍根を残す》
・福島原発事故は終わっていない。事故原因の解明も道半ばーー福島原発事故は終わっていません。多くの人々がふるさとを失いました。生業、人とのつながり、四季折々の自然の幸を分かち合う喜びを失いました。断腸の思いで避難を強いられ、今もふるさとに帰れない人が多くいます。
・原発事故に対する国および東電の責任は、あいまいにされたままーー万が一次なる事故が生じたときに、原子力事業者だけは賠償金が払いきれず、再び、国による手厚い支援が行われ、そのツケは国民および将来世代にまわされるということがくりかえされる。
・事故当時、福島第一原発1号機は運転開始後40年の高経年化技術評価による審査に合格したばかりでした。高線量が続き立ち入れない場所も多く、高経年化が事故の進展にどのような影響を与えたのかは不明です。私たちは、まだ原発事故に人知が及ばない部分があることを謙虚に認識すべき。
・改定原子力基本法では、「国の責務」としつつ、実際は、国民の理解の促進、地域振興、人材育成、産業基盤の維持および事業環境整備などを含み、原子力産業を手厚く支援する内容を盛り込んでいます。しかし、本来、原子力事業者が自らの責任で実施すべき内容を、国が肩代わりすることになり、結果的に、国民負担で、原子力事業者を過度に保護するものとなっています。
・エネルギー安定供給、自律性の向上に資する原子力を活用としていますが、これは誤りです。たとえば、大規模集中型電源である原発の事故やトラブルは、電力供給に広範な影響を与えることは、現に福島第一原発事故が示している通りです。また、ウラン燃料は100%輸入に依存しています。つまり国産エネルギーではありません。国際情勢の不安定化と無縁ではない。
・2012年当時、運転期間上限に関する定めは、明らかに「規制」の一環として原子炉等規制法に盛り込まれました。このことは、今国会において岸田首相も答弁している通りです。ーーその後、運転期間の上限を撤廃する理由となる、新たな事象が生じたわけではありません。すなわち、これを削除する立法事実はない。
・政府は、運転期間の上限は「利用側の政策」として整理したと説明し、その根拠として、原子力規制委員会の令和2年7月29日の文書(「運転期間延長認可の審査と長期停止期間中の発電用原子炉施設の経年劣化の関係に関する見解」)をあげています。しかし、当該文書の主旨は、運転期間から長期停止期間を除外することに否定的な見解をまとめたもの。
・運転期間の上限に関する規定を原子炉等規制法から電気事業法に移すことに伴い、原発の運転期間の延長についての認可権限は、原子力規制委員会から経済産業大臣に移管されます。認可にあたっての基準も、劣化評価に基づく安全規制から、電力の安定供給を確保することに資するか、事業者の業務実施態勢を有しているか、など利用上の観点からの認可となります。
・今回の改定は、原子力規制委員会の権限を縮小し、規制を緩和するものとなります。劣化に対する審査は現状でも問題を抱えています。圧力容器の劣化について予測に基づく評価が現実に合わない事態が生じています。今年1月に発生した高浜4号機の制御棒落下事故は、関電は数か月前に特別点検を行ったのにも関わらず、劣化を見つけることができませんでした。限られた検査範囲から外れる箇所で生じた劣化による事故でした。ーー運転期間の制限撤廃は原発事故のリスクをたかめ、人々の生命と暮らしを危険にさらすものです。
・今回、電気事業法に運転期間の延長に関する認可が移管されることに伴い、延長申請の際、@関連法令の制定・変更に対応するため、A行政処分、B行政指導、C裁判所による仮処分命令、Dその他事業者が予見しがたい事由――によって運転停止を行っていた期間については運転期間に上積みできることとしています。
・利用側の観点にたったとしても、運転延長を認めるか否かの判断基準は、その時点および将来における電力の需給状況であり、過去においての運転停止の事情は、将来的な電力需給とは関係ありません。停止期間を運転期間に上積みできるという合理的な理由はありません。
・ここにあげられている運転停止事由に関しては、当時、運転停止を命令もしくは要請すべき社会的なあるいは法令上の要請があり、法律に基づく権限により、それぞれの行政機関あるいは司法により判断されたものです。「運転停止の必要がなかった」と経済産業省が認定することは適切ではありません。
・GX脱炭素電源法案を国会で承認することは、福島原発事故の教訓を蔑ろにし、国民の安全を脅かし、未来世代に大きな負担を負わせることになります。将来にわたって禍根を残します。
 福島第一原発事故による「東日本壊滅」危機から何も学ぶことなく、この国を再び原発依存と過酷事故の危機に導くまさに亡国法案たる「電気事業法等の一部を改正する法律案」=GX脱炭素電源法案が、2月27日閣議決定されて僅か二ヶ月の4月27日に衆院通過。
 朝日も毎日も「原発運転延長、論戦深まらず 法案衆院通過、自公維国が賛成」「「原発60年超」可能の関連法案、衆院通過 抑制政策から転換」と、まるで他人事の薄っぺらい記事だけの中、この声明はこの問題だらけの「束法案」の根本的な問題点をきちんと提起している。
 4月14日衆議院経済産業委員会で野党参考人として陳述した大島堅一参考人 龍谷大学政策学部教授は、この法案の問題性を鋭く三点で指摘する。
1,原子力基本法を改正し、国の責務として、「立地地域住民への理解促進」「地域振興」「人材育成」「産業基盤の維持」「研究開発の推進」「事業環境整備」を国が支援していくことを明記→原発は建設すると処理費を含めて国が支援する。廃炉費用を含めるとその費用は天文学的な金額になり、そのツケは将来世代にも及ぶ。
2,「原則40年、最長60年」と定めていた原子炉等規制法を改正し、運転期間を原則40年と定めた規定を削除する。その上で、運転期間の規定については、経産省が所管する「電気事業法」に移し、原発を推進する立場の経産大臣の認可で原発の運転期間の延長を決めることができるようになる。→規制する側(規制委)が規制される側(経産省・電力会社)に支配される状況を指す「規制の虜(とりこ)を生み出す」と指摘。「第二の福島事故が起きる可能性もある」
3,電気事業法の改正案では、原発の運転期間(原則40年)について、「関連法令の制定・変更への対応」「行政処分」「行政指導」「裁判所による仮処分命令」「その他事業者が予見しがたい事由」の5つ理由によって原発を停止した場合、運転期間から除外できるようにした。→原発は運転を停止しても劣化していく。さらに「裁判所による仮処分命令」で停止した期間を運転期間から除外することは、日本国憲法第76条で定めた『裁判官の独立』を侵害する行為。
 経産省はこの法案で運転期間を電気事業法に移した趣旨について、「原子力発電の運転期間は40年とした上で、安定供給確保、GXへの貢献などの観点から経済産業大臣の認可を受けた場合に限り、運転期間の延長を認めることとします」とするが、これは規制を事実上無くして「安全確保を大前提とした」と全く相反する出鱈目極まる説明。
 国民が持つ運転免許証は、仮に違反行為で免停になったなら、その期間を有効期間として延長するなどあり得ない。定年制も、仮に病気や育児休職があってもその期間だけ延長されることはない。経年列化する原発は、事故による被害の甚大性を考えれば停止期間を延長できるとするのは全く破綻した論理でしかない。
 敵基地攻撃を含む防衛費倍増も入管法もこのGX脱炭素電源法も、長きにわたるカルト集団との癒着で劣化し切った与党とポピュリストの一部野党による愚劣な野合による産物であり、この国を衰退、崩壊させるもの。




2023年 5月 1日
日記がわりに。
 29日曇天、元町ALBARでお昼をいただき早めに帰宅すると夕方から雨。
 昨日は巣篭もり、今日は晴れて西宮北口に行く。沖縄の店は月曜定休、線路沿いの店でまたピザを頂き、メーデーの行進ではないがそのまま阪急の線路に沿って武庫川まで歩くと、手前に県天然記念物の日野神社の杜。社は阪神淡路で倒壊し、その後再建された由。巨大な木々が鎮座する。
 小学生の頃時々来ていた武庫川河川敷に出て散策。川上の遠方に宝塚が見える。北口に向かうと60年近く前1年足らず通った瓦木中は昔の校舎のままのようだが、よく見るとようやく建て替えの臨時校舎らしかった。以前は周りが田畑で甲山も見えた道を行くと高木小学校。手前の公園でコンビニコーヒーを飲み、北口のコープで食材買って帰宅。夕刻一時雨。





                                                                                                                                                                 
  
     





























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