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2023年10月31日
・ハマスについて、日本のテレビ報道の中で語られていない重要な問題があります。それは、イスラエルのネタニヤフ首相ら同国の右派政治家達が、ハマスを利用し支援してきたこと。
・ある意味、ネタニヤフ首相は、ハマスにとって最大の「支援者」の一人だとも言えるのかもしれません。ハマスにとって最も重要なスポンサーは、中東の石油・ガス産出国の一角、カタールです。このカタールからのハマスへの送金を見逃してきた、いや、むしろ庇ってきたのは、あろうことか、イスラエルの首相であるネタニヤフ氏であることが、現地紙「エルサレルム・ポスト」「タイムズ・オブ・イスラエル」等、複数のメディアで暴露されている。
・2019年にネタニヤフは与党の会議の中で、「パレスチナ国家に反対する人々はガザへの資金移送を支持すべきだ」と語ったとさる。
・現地紙「ハアレツ」は「ネタニヤフ氏は過去14年、ハマスの権力を強化させ続けてきた」と批判。(2023年10月20日付のコラム)
・地元紙ハアレツは8日付の社説で「この惨事は、ある人物に明確な責任がある。ネタニヤフだ」と批判。
「ハマスは怪物になりましたが、それはネタニヤフ首相の“助け”があったからです。その意味で、ネタニヤフ首相に責任があります。そのことは、イスラエルの誰もが理解しています」イスラエル情報組織「シンベト」元長官アミ・アヤロン18日〈イスラエル情報機関元トップが語る「ハマスを怪物にしたのは?」〉
「ガザの問題は戦争をするかどうかではなく、いつするかだ。もはや時間の問題だ」2019年9月13日インタビュー
「国民の信任を得た場合、次期政権の発足とともにヨルダン渓谷と死海の北部にイスラエルの主権を適用(併合)する意向だ」2019年9月10日選挙演説  〈ガザ問題「戦争、いつするかだ」ネタニヤフ氏、支持固め躍起 17日イスラエル総選挙〉
・ネタニヤフは2019年春、選挙公約として、C地区の入植地をイスラエルに併合すると掲げ、西岸の30%、つまりC地区の半分を併合することを公言した。
「いかなる状況下でも、いかなる段階でも、ハマスが戦争をする意図があることを、私は警告されたことはなかった」ネタニヤフ28日夜Xに投稿
 イラクやパレスチナなどで取材を続けるジャーナリスト志葉玲氏の記事から。
 イスラエル現地紙の報道は確認できないが、ネタニヤフがガザの封鎖とヨルダン川西岸への違法入植拡大で多くのパレスチナ人を排除・殺傷してその憎悪を増大させただけではなく、パレスチナの国家建設阻止のためにファタハとハマスの対立を煽りカタールからハマスへの資金移送を見逃してハマスを資金的にも支援してきたという指摘。元シンベト長官が述べた「ネタニヤフ首相の“助け”」の意味がこれか。
 何年も前から自らはガザへの戦争とパレスチナ併合を唱えながら、10月7日のハマスの大規模なイスラエルへの越境攻撃については「知らされなかった」と情報機関に責任を転嫁し、ハマスによる幼児や高齢者、若者たち1400人を超える自国民に対する残虐な殺害は「新たなナチス」と糾弾するが、自国が行う爆撃と封鎖ですでにその数倍の犠牲者をパレスチナにもたらしている集団殺害には蓋をするイスラエルの首相。水・食糧・燃料・医薬品・電気などの途絶によるガザのひとびとの甚大な被害を生む、自作自演の「戦争」は今すぐ停止すべし。
《パレスチナ自治区ガザの状況は、イスラエル軍による猛空爆の死傷者が凄まじい勢いで増え、本当に痛ましい状況です。今回のイスラエル軍のガザ攻撃は、御存知の通り、ガザに拠点を置くハマス等の武装勢力による、イスラエル側への襲撃、特に民間人殺害と拉致が発端となっていますが、そのハマスについて、日本のテレビ報道の中で語られていない重要な問題があります。それは、イスラエルのネタニヤフ首相ら同国の右派政治家達が、ハマスを利用し支援してきたことです。この問題は、現在のガザ攻撃にも大きく関係しているのです。
〇ハマスへの資金移送を容認してきたネタニヤフ首相
 ある意味、ネタニヤフ首相は、ハマスにとって最大の「支援者」の一人だとも言えるのかもしれません。ハマスにとって最も重要なスポンサーは、中東の石油・ガス産出国の一角、カタールです。このカタールからのハマスへの送金を見逃してきた、いや、むしろ庇ってきたのは、あろうことか、イスラエルの首相であるネタニヤフ氏であることが、現地紙「エルサレルム・ポスト」「タイムズ・オブ・イスラエル」等、複数のメディアで暴露されているのです。これらの報道によれば、2019年にネタニヤフ首相は与党の会議の中で、「パレスチナ国家に反対する人々はガザへの資金移送を支持すべきだ」と語ったとされています。また現地紙「ハアレツ」は「ネタニヤフ氏は過去14年、ハマスの権力を強化させ続けてきた」と批判しています(2023年10月20日付のコラム)。
 なぜ、ネタニヤフ氏はハマスを支援するようなことをしてきたのでしょうか?それは、現地報道で暴露された発言などからもうかがい知れる、ネタニヤフ氏含むイスラエルの右派政治家の中東和平に対するスタンスがあります。
 1993年、米国の仲介でまとまったオスロ合意による中東和平で核となるのが、パレスチナが将来、国家として独立しイスラエルと平和的に共存する、いわゆる「二国家共存」です。しかし、ネタニヤフ氏ら、イスラエルの右派政治家達は、当時から「二国家共存」に反対してきました。それは彼らが、オスロ合意に沿ってパレスチナ国家となるはずのヨルダン川西岸までイスラエルの領土だとする「大イスラエル主義」に固執しているからです。オスロ合意後、パレスチナ自治政府が発足しましたが、その主流派のファタハのライバル関係にあるのが、ハマスなのです。つまり、ネタニヤフ氏らイスラエル右派政治家達にとって、イスラエルとの衝突を続けるハマスが勢力を強め、対イスラエル穏健派のファタハと対立していた方が、中東和平による「二国家共存」の実現阻止という点で都合が良いのです。
 実は、ハマスが穏健化する機会がオスロ合意後の流れの中で幾度かあったのですが、それをことごとく拒んできたのが、イスラエルの右派政権でした。中でも、衝撃的だったのは、2004年3月、ハマスの創設者で精神的指導者であったヤシン師が、イスラエル軍の攻撃ヘリによるミサイル攻撃で殺害されたことです。ハマス側は当然、激怒。イスラエルに全面戦争を宣言することになりますが、生前、ヤシン師はその態度を軟化させ、イスラエルとの停戦を主張していたのでした。つまり、中東和平を支持していたヤシン師を殺害することでハマスを過激化させることにより、当時のイスラエルのシャロン政権は「二国家共存」への道を頓挫させたのです。
〇中東和平を阻止してきたネタニヤフ首相
 1996年から現在に至るまで、実に6度もイスラエルの首相となっているネタニヤフ氏も、中東和平の枠組みを揺るがし続けてきました。ネタニヤフ政権が続く中で、激増したのがヨルダン川西岸のユダヤ人入植地です。入植地の人口は、2000年代には20万人程度であったのが、現在は約50万人にも倍増しています。こうした入植地はパレスチナ人の家々を破壊し、土地を奪って建設される上、入植者の中には武装して近隣のパレスチナ人の村々を襲うテロリストの様な過激派も少なからずいます。例えば、意図的にパレスチナ人を車で轢いたり、民家に放火したり、オリーブ畑を荒らしたり等、テロ行為とも言えるような蛮行を、入植者達は繰り返しています。その入植者達を護るためイスラエル軍も来るので、入植地建設は、イスラエルによるパレスチナ占領を固定化し、拡大させていくものです。入植地の拡大から、ヨルダン川西岸やエルサレム周辺でも、パレスチナ側とイスラエル側の衝突は続いてきましたが、こうした衝突を利用し、「強いリーダー」をアピールしてきたことが、ネタニヤフ氏が権力を維持し続けてきた要因でもあるのです。しかし、入植地の建設は、ヨルダン川西岸の住民達だけでなく、ハマスも強く憤ってきました。今回の大規模襲撃についてのハマスの声明の中でも入植地について言及しているのです。
〇ガザでの「草刈り戦略」
 紛争を「適度なもの」にコントロールしながら、政権運営や外交安全保障政策に利用する―そうした戦略はガザにも適用されていきました。イスラエルは、ガザに対し、2008年末から2009年1月、2012年、2014年、2021年、2022年と大規模な攻撃を行いました。これはハマス等のガザの武装勢力を生かさず殺さずにする、つまり、現地武装勢力が或る程度力を蓄えてきたら打撃を与えるということを数年おきに繰り返すもので、伸びてきた草を刈るというイメージから「草刈り戦略」とも呼ばれています。米国の軍事シンクタンク「ランド研究所」が2017年にまとめた報告書は、イスラエルはハマスを殲滅することはできるが、権力の空白でのガザの混乱に対する責任を取ることを嫌い、またより過激な組織が台頭する可能性から、ハマスを殲滅することはしなかったと分析しています。つまり、ネタニヤフ氏らイスラエルにとってハマスは、いわば、利用するのにちょうど良い程度の脅威だったのです。
 しかし、イスラエル側の「草刈り」は、ガザ側にとっては、ハマス等のみならず、一般市民も甚大な被害を被ってきました。2008年末から2009年1月の攻撃では、ガザ北部の住宅地が瓦礫の山にされましたし、農場を経営していたサムニ家は、イスラエル軍兵士によって農場を占拠され、一族120人の内、29人が殺されまるなど、民間人が多数死傷しました。
 2014年の攻撃は特に規模が大きく、約2250人が殺され、その6割以上が一般市民で全体の4割近くが女性や子どもでした。これらのガザ攻撃では、救急車が攻撃されたり、一般市民の避難所となっている国連管理の学校まで攻撃されたり、発電所などのインフラや農地も破壊されました。
 また「ハマスの脅威」を口実に、ガザは封鎖され、人や物資の出入りが厳しく制限されたことで、経済は破綻、住民の3分の2が貧困あるいは極度の貧困に喘ぐ状況に陥り、それが16年も続いているのです。他方、これまでのガザ攻撃でのイスラエル側の被害はガザのそれにくらべれば、10〜30分の1程度と少なく、ネタニヤフ首相らイスラエルの右派政治家達は、「紛争をコントロールできている」と考えていたようです。それが過信であったことを示したのが、今回のハマス等によるイスラエル側への襲撃だったのでした。
〇ネタニヤフ首相の責任を追及しない日 本のメディア
 ハマスを利用することで、中東和平に背を向けてきたネタニヤフ首相の戦略が、今回のハマス等による大規模襲撃を招いたとの指摘は、イスラエルの各メディアで指摘されていることです。しかし、日本のメディア、特にテレビでは、「いつ地上軍が侵攻するのか」と表面的な解説ばかりで、この間のイスラエルの右派政権の対パレスチナ政策の問題を批判的に分析するというような解説はほとんどありません。日本の報道、特にテレビ報道によくある問題なのですが、ごく短期的なスパンでの分析はしても、中長期的なスパンで構造的な問題を取り上げることは、あまりやらないという傾向があります。わかりやすく「答え」を視聴者に示すことを優先しているのかもしれませんが、それによって、かえって物事を理解する上の妨げになっている面もあります。また、今回はハマス等の襲撃で、イスラエルの民間人も多数死傷していることや人質とされている人々がいること、イスラエル政府関係者らも非常に神経質になっていることなどを配慮して、あまりにストレートにイスラエルを批判することは避けているのかも知れません。確かに、ハマスの蛮行は許されるものではないし、裁かれるべきものではありますが、今回の大規模襲撃の動機として、ハマスがその声明で「イスラエルによる入植地建設やガザ封鎖への怒り」をあげていることも事実です(関連情報)。
 本稿執筆時点で、イスラエルによる空爆でのガザでの被害が5000人を超え、その内、子どもの犠牲者は2300人以上という恐ろしい状況の中、最優先されるべきは停戦なのでしょう。しかし、それと同時に、なぜこのような事態にまで発展してしまったのか、イスラエル右派政権の問題、特に長年にわたりハマスを支援し利用してきたネタニヤフ首相の自作自演的な戦略を追及する報道も、やはり、必要なのではないかと思われます。》


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2023年10月30日
日記がわりに。
 イスラエルによる連日の空爆でガザでは避難者のテントが立ち並び、資材は底をつき、医院の手術はスマホの明かりでやっと行われ、街は破壊されて遺体がひたすら増える。
 火曜久しぶりにpiza trackでプリンチペッサを買い、先週貰った奈良地ビールで食べる。この日ガザで子どもの死者は2300人を超える。ドイツの大統領はイスラエル支援の集会に参加し、支持を表明。イスラエルによる重大な戦争犯罪を黙認するとは、戦後40年の「過去に目を閉ざすものは、現在に対しても盲目となる」というワイツゼッカーの言葉はいまのドイツで何処に消えたのか。
 26日一月ぶりに岡本green fieldsで野菜のグラタンをいただき、住吉うはらの湯。スペインTVEが報じる、わずかに検問所が開きガザに届けられた支援物資の箱に国連WFPと「日の丸」。イスラエルのパレスチナへの不法入植者は腰に銃、手にナタをかざして楽しげ、ガザでは日ごとになんの罪もない子どもらの犠牲者が増え続ける。国連安保理でグテーレス事務総長は長い占領下というハマスの残虐行為の背景に触れ、それにイスラエル大使は辞任を要求。ハマスの何倍もの仕返しをしながら、自分は正義だと言うこの人物はなんとも醜い。現地では過酷な爆撃と救助の連続に国連やNPO職員も多くが犠牲になり、のこされたひとも疲労が極まる。ネタニヤフはイスラエル軍の越境攻撃を誇示し、市民や子どもたちが犠牲となるなか、召集されたイスラエル兵は首相と笑みを交わす。ガザ北部は廃墟と化し、ヨルダン川西岸でも避難していた遊牧の民ベドウィンの人びとがイスラエル入植者と警察に追い立てられていると仏2は伝える。ベルギー首相は人道法に即した即時停戦を唱えるが、ドイツ首相はイスラエルの肩を持つだけ。
 昨日はil ventoでボロネーズをいただく。30年前に自転車ツーリング中にボローニャ手前の店で食べた味と同じ。三宮に出て大丸で久しぶりにカワハギ見つけ、帰路ジャズライブにも遭遇。夕方東の空にほぼ丸い月が出る。英BBCはイスラエルによる攻撃で幼児を亡くした親など子どもから高齢者まで、ガザ市民の悲痛な状況を伝える。他方極右のイスラエル閣僚は、自警団に米国製機関銃を配布して悦にいる様子。80年前のナチスドイツとどこが違うのか。
 今日も晴れ、イカリで廉価な松茸入り飯を買いハーバーランドでお昼。ドック沿いを歩き、コーナンで一鉢80円のビオラなど買い、ミニ列車で賑わうメリケンパークを経て三ノ宮から帰宅。しばらく好天続きの予報。

 



2023年10月29日
「現地時間10月28日15時時点で確認されているだけでも、7,703名以上のガザの人たちが犠牲になっています。そのうち3,595人以上が子どもです。また、1,000名の子どもを含む1,800名が行方不明と」
 これは、ハマスによる殺戮を上回るイスラエルによるジェノサイド。



2023年10月27日
「情報機関はハマスの攻撃を防ぐことはできたはずですが、それを怠りました。問題はなぜできなかったかではなく、なぜしようとしなかったのか、ということです」
「ハマスは十分に賢く、インターネットや携帯電話を使いませんでした。今回の攻撃の全体像を正確に把握していたのは、ハマスの中でも10人いるかいないかだと思います。どの部隊も自分たちが何をしなければならないかを正確に知っていました。しかし、彼らはそれがいつなのか、そして、全体像については知りませんでした。少人数の指揮官だけが、直接会って話をしていたのです。インターネットや携帯電話、そんなものは何も使う必要がありませんでした。そして、我々は何も知ることができなかったのです。これは諜報活動の大失態でした」
「私は20年以上前にシンベトを去りましたが、多くの軍司令官、特にシンベトの長官はみな「ガザに対する政策は間違っている」と言い続けました。間違った前提に基づいた政策であり、そもそもハマスの理論と戦略を理解していない人たちによる政策だったのです。選挙で選ばれたのだから何をやってもいい、という考えに基づくもので、そうした政策は15年続きました。「中東和平交渉の基本方針となってきた2国家共存の実現の阻止、イスラエルの隣にパレスチナ国家が誕生するのを阻止するためなら何でもする」という考え。そのためには、パレスチナの人々を分断しなければなりませんでした」
「この15年間、ネタニヤフ首相率いるイスラエル政府にとって、ハマスが支配するガザとパレスチナ自治政府のヨルダン川西岸を分断することは、非常に都合のいいことでした。「パレスチナ人には統一した政府、指導部がない。だから、私たちは交渉することができない」国際社会に対しても、国内向けにも「交渉したいのはやまやまだが、どうすればいいのか。話し合う相手がいない。話すことは何もない」と簡単に言うことができたのです。しかし、これは完全に間違っています」
「パレスチナの人々は自分たちを1つの民族とみなしています。よりよい経済やよりよい教育だけを求めているのではありません。自由を勝ち取り、占領が終わることを求めているのです。ハマスとファタハをどんなに分断させようとも、少なくとも占領を終わらせるということに関して、彼らが分断されることはないのです」
「ハマスは怪物になりましたが、それはネタニヤフ首相の“助け”があったからです。その意味で、ネタニヤフ首相に責任があります。そのことは、イスラエルの誰もが理解しています」
「率直に言って、今回のハマスによる攻撃がイスラエルの人々に、そしてイスラエルの社会にどんな影響を与えるのか、想像もつきません。今のところは恐怖です。社会全体が恐怖に覆われ、ショック状態にあります。多くのイスラエル人が恐怖を感じ、そして、復讐を求めています。何が起こったのか、本当に理解するには長い時間がかかると思います」
「ハマスとは、イスラム教の、非常に過激な原理主義者の集団です。しかし、ハマスとは軍事部門だけではなく、イデオロギーそのものでもあります。イデオロギーを破壊することはできません。軍事力を使いすぎると、逆にイデオロギーに力を与えてしまうこともあります。人々の意思を抑圧することはできないのです」
「ハマスの軍事部門を壊滅することはできるでしょう。私が理解するところでは、これが今回の戦争のイスラエル政府の目的です。イスラエル、パレスチナ双方に非常に大きな痛みを伴いますが、達成することは可能です。しかし、政治的、イデオロギー的な組織であるハマス、そして多くのパレスチナ人が支持しているハマスを打ち負かすには、人々によりよい選択肢を提示するしかありません」
「ハマスと戦う唯一の方法は、2つの国家という政治的地平をパレスチナ人に提示することだと思います。国際決議に従って、イスラエルの隣に国家を持ち、2つの民族のための2つの国家を実現するのです。1990年代、パレスチナ人の80%がオスロ合意を受け入れていました。それは「シオニズム運動に賛同した」ということではなく、パレスチナ人はパレスチナ人の国家を望んでいた、占領が終わる日を待ち望んでいたということなのです」
「今回の戦争の政治的な目標は、イスラエル人とパレスチナ人、双方にとってよりよい現実をつくることであるべきです。私たちは今こそ、イスラエルとパレスチナという、2国家共存を実現させなければならないのです。私はできると信じています」
「戦争と平和には、直接的な相関関係があります。イスラエル、パレスチナ、近隣諸国、そしてアメリカにとって、いまこそ、和平を実現するチャンスなのです。トラウマや恐怖、大きな危機を乗り越えた先に、パレスチナ人とイスラエル人にとってより良い地平、政治的地平をつくるチャンスがあります。それができるかどうかは、私たち次第です」
「交渉のテーブルにつくことが決定的に重要です。交渉なしには何も達成できません。より多くの暴力、より多くの戦闘、そしてより多くの人が死んでいくことになるでしょう。ただ、和平への機運はイスラエルからもパレスチナからも出てこないでしょう。私たちは痛みを感じ、不幸なことに、イスラエルもパレスチナも憎しみ、復讐を求めているからです。和平こそが、私たちが求めていかなければならない唯一の未来であると理解していても、誰も口にしないのです。ですから、和平への機運は国際社会から生まれるべきであり、バイデン大統領にはリーダーシップを発揮する能力があります」
「過去にも同じことがありました。エジプトとの和平協定はアメリカで調印されたのです。アメリカのカーター大統領が主導し、サダト大統領、そしてベギン首相が成し遂げた和平は、国際社会の仲介なしには達成できませんでした。今回もその責任はアメリカ大統領にあります。それは、イスラエルを気にかけているというだけではなく、世界的な紛争を避けるため、そして、軍隊を派遣することなく、この地域でのアメリカのリーダーシップを発揮するために、バイデン大統領はその責任を負わなければならないのです」
 長いが引用。かつて4年間イスラエルの情報組織「シンベト」の長官を務めたアミ・アヤロンのインタビューから。
 イスラエル人でありさらにイスラエル元情報機関長官でありながら、パレスチナとハマスに対する一定の理解と今回のイスラエル・パレスチナ紛争に至るイスラエル側の責任も含めて、客観的かつ人道的な見地を捨てることなく冷静に分析している。
 「ガザに対する政策は間違っている」「ハマスは怪物になったが、それはネタニヤフ首相の“助け”があったからで、その意味で、ネタニヤフ首相に責任がある」「パレスチナの人々は自分たちを1つの民族とみなしている。よりよい経済やよりよい教育だけを求めているのではなく、自由を勝ち取り、占領が終わることを求めている」「ハマスとは軍事部門だけではなく、イデオロギーそのものでもあり、イデオロギーを破壊することはできない」「軍事力を使いすぎると、逆にイデオロギーに力を与えてしまうこともあり、人々の意思を抑圧することはできない」「多くのパレスチナ人が支持しているハマスを打ち負かすには、人々によりよい選択肢を提示するしかない」「ハマスと戦う唯一の方法は、2つの国家という政治的地平をパレスチナ人に提示すること」「パレスチナ人はパレスチナ人の国家を望んでいた、占領が終わる日を待ち望んでいたということ」「今回の戦争の政治的な目標は、イスラエル人とパレスチナ人、双方にとってよりよい現実をつくることであるべき」「トラウマや恐怖、大きな危機を乗り越えた先に、パレスチナ人とイスラエル人にとってより良い地平、政治的地平をつくるチャンスがある。それができるかどうかは、私たち次第」「和平への機運は国際社会から生まれるべき」「交渉のテーブルにつくことが決定的に重要。交渉なしには何も達成できず、より多くの暴力、より多くの戦闘、そしてより多くの人が死んでいくことになる」「和平こそが、私たちが求めていかなければならない唯一の未来であると理解していても、誰も口にしない」「世界的な紛争を避けるため、そして、軍隊を派遣することなく、この地域でのアメリカのリーダーシップを発揮するために、バイデン大統領はその責任を負わなければならない」
 旧約聖書の「約束の地」をイスラエルの領土=大イスラエル主義=と主張する民族主義政党リクードのネタニヤフは、イスラエルとパレスチナの二国家共存を合意した1993年「オスロ合意」に反対し、2018年第五次政権で「ユダヤ人にのみ民族自決権がある」「ユダヤ人入植の拡大」を規定する「ユダヤ国家法」を成立させ、ヨルダン川西岸への違法入植とパレスチナの抗議運動への弾圧を強めてきた。このネタ二ヤフの政策こそが7日のハマスの残忍な越境攻撃を生む要因であることは、国連総長だけではなく良心的なイスラエル国民そして情報機関の元高官も認識しているということ。
 7日以降のイスラエルのガザ地区への空爆ですでに6500人以上が亡くなり、子どもだけでガザ保健当局の発表で2700人以上、ユニセフの発表でも2300人が亡くなっている。国連事務総長グテーレスの「おぞましい襲撃を受けたからといて、パレスチナの人々に対する集団的懲罰が正当化されるわけではない」との発言に、イスラエル首相ネタニヤフや外相エリ・コーヘン、国連大使ギラド・エルダンらは自らが行うガザ市民の虐殺には蓋をして「ハマスは新たなナチス」「罪のない人々の殺害がどんな『背景』によっても理解されないことを分かっていない事務総長は、事務総長にはなれない。私は改めて彼に辞任を求める」とヒステリックに繰り返す。
 このインタビューの最後に語られる米国と大統領に対する期待には、残念ながら頷けない。26日の国連安保理でも、イスラエルによる執拗な爆撃を非難せず「戦闘の一時停止」は求めるが、「即時停戦」は求めないという米国の姿勢では、二国家共存の実現のために和平のテーブルにつくという道ではなく、数多くの子ども、市民を巻き添えにする泥沼の戦闘と、食料、水、医薬品、燃料等の欠乏によるジェノサイドがパレスチナでイスラエルによって引き起こされるだけ。 
《「ハマスとは軍事部門だけではなく、イデオロギーそのものでもある。イデオロギーは軍事力では破壊できない」
そう語るのは、イスラエルの情報機関で長官を務めたアミ・アヤロン氏です。
ハマスせん滅を掲げ、地上作戦に向けて突き進むイスラエル。双方の犠牲者が増え続け、憎しみの連鎖が続く今回の事態をどう見るのか。
アヤロン氏から聞いたのは「現在の状況を招いたのは他ならぬイスラエル自身だ」という、意外な言葉でした。
(国際部記者 飯島大輔)
話を聞いたのは
モサドと並ぶイスラエルの情報機関の1つで、国内情報を担当する「シンベト」の長官を務めたアミ・アヤロン氏です。
イスラエル情報機関「シンベト」元長官 アミ・アヤロン氏
アヤロン氏はイスラエル海軍で指揮官などを歴任。その後、占領下においてきたパレスチナの抵抗運動に関する情報を一手に握るシンベトの長官を1996年から4年間、務めました。
2000年に退任した後は一転して、イスラエルとパレスチナの2国家共存による中東和平の必要性を強く訴えてきました。
パレスチナと対峙する最前線から和平推進派に転身したアヤロン氏は、ハマスによる大規模な奇襲攻撃、その後のイスラエルによる報復をどう見ているのか。事態収束の道筋をどう考えているのか。話を聞きました。
(以下、アヤロン氏の話。インタビューは10月18日に行いました)
なぜハマスの攻撃を防げなかったのか?
情報機関はハマスの攻撃を防ぐことはできたはずですが、それを怠りました。問題はなぜできなかったかではなく、なぜしようとしなかったのか、ということです。
今まさに、治安機関、軍、そしてシンベトの多くの関係者が検証しているでしょう。私はその情報を持ち合わせていませんが、私の理解では「我々の想定が完全に間違っていた」ということだと思います。
そして、その間違った想定とは「ハマスは攻撃してこないだろう」というものです。
なぜハマスが攻撃しないのか。
「ハマスは2年前の5月21日※に軍事的に大きな失敗を犯した。ハマスはガザでの権力を維持するためならどんなことでもする。もしイスラエルを攻撃すれば、ガザでの指導的な立場を失うことを理解している。だからイスラエルを攻撃することはない」
これがイスラエル側の想定、思い込み、でした。
このため、情報機関は、たとえ何かを見たとしても、ガザの支配者であるハマスが自らを犠牲にすることはないだろうと考えました。そして、それは完全に間違っていたのです。
(※ハマスとイスラエル軍は2021年5月10日から21日にかけて攻撃の応酬を繰り返したが、エジプトが仲介を主導し11日間で停戦となった)
攻撃を察知できなかった背景は?
イスラエルの諜報活動は「SIGINT(通信傍受など)」や「HUMINT(人的情報収集)」などを基本としています。
ですが、ガザでは人的な情報収集という面では弱い、と言わざるを得ません。
そして、ハマスは十分に賢く、インターネットや携帯電話を使いませんでした。今回の攻撃の全体像を正確に把握していたのは、ハマスの中でも10人いるかいないかだと思います。
どの部隊も自分たちが何をしなければならないかを正確に知っていました。しかし、彼らはそれがいつなのか、そして、全体像については知りませんでした。少人数の指揮官だけが、直接会って話をしていたのです。
インターネットや携帯電話、そんなものは何も使う必要がありませんでした。そして、我々は何も知ることができなかったのです。これは諜報活動の大失態でした。
これまでのガザ政策は間違いだった?
私は20年以上前にシンベトを去りましたが、多くの軍司令官、特にシンベトの長官はみな「ガザに対する政策は間違っている」と言い続けました。
間違った前提に基づいた政策であり、そもそもハマスの理論と戦略を理解していない人たちによる政策だったのです。
選挙で選ばれたのだから何をやってもいい、という考えに基づくもので、そうした政策は15年続きました。
「中東和平交渉の基本方針となってきた2国家共存の実現の阻止、イスラエルの隣にパレスチナ国家が誕生するのを阻止するためなら何でもする」という考え。
そのためには、パレスチナの人々を分断しなければなりませんでした。
この15年間、ネタニヤフ首相率いるイスラエル政府にとって、ハマスが支配するガザとパレスチナ自治政府のヨルダン川西岸を分断することは、非常に都合のいいことでした。
「パレスチナ人には統一した政府、指導部がない。だから、私たちは交渉することができない」
国際社会に対しても、国内向けにも「交渉したいのはやまやまだが、どうすればいいのか。話し合う相手がいない。話すことは何もない」と簡単に言うことができたのです。
しかし、これは完全に間違っています。
パレスチナの人々は自分たちを1つの民族とみなしています。よりよい経済やよりよい教育だけを求めているのではありません。自由を勝ち取り、占領が終わることを求めているのです。
ハマスとファタハをどんなに分断させようとも、少なくとも占領を終わらせるということに関して、彼らが分断されることはないのです。
首相はハマスを“怪物”と言ったが?
ハマスは怪物になりましたが、それはネタニヤフ首相の“助け”があったからです。
その意味で、ネタニヤフ首相に責任があります。そのことは、イスラエルの誰もが理解しています。
率直に言って、今回のハマスによる攻撃がイスラエルの人々に、そしてイスラエルの社会にどんな影響を与えるのか、想像もつきません。
今のところは恐怖です。社会全体が恐怖に覆われ、ショック状態にあります。多くのイスラエル人が恐怖を感じ、そして、復讐を求めています。
何が起こったのか、本当に理解するには長い時間がかかると思います。
「ガザからハマスを一掃」できるのか?
その質問に答えるには、まず「ハマスとは何か」を理解する必要があります。
ハマスとは、イスラム教の、非常に過激な原理主義者の集団です。
しかし、ハマスとは軍事部門だけではなく、イデオロギーそのものでもあります。イデオロギーを破壊することはできません。軍事力を使いすぎると、逆にイデオロギーに力を与えてしまうこともあります。人々の意思を抑圧することはできないのです。
ハマスの軍事部門を壊滅することはできるでしょう。私が理解するところでは、これが今回の戦争のイスラエル政府の目的です。
イスラエル、パレスチナ双方に非常に大きな痛みを伴いますが、達成することは可能です。
しかし、政治的、イデオロギー的な組織であるハマス、そして多くのパレスチナ人が支持しているハマスを打ち負かすには、人々によりよい選択肢を提示するしかありません。
よりよい選択肢とは?
ハマスと戦う唯一の方法は、2つの国家という政治的地平をパレスチナ人に提示することだと思います。
国際決議に従って、イスラエルの隣に国家を持ち、2つの民族のための2つの国家を実現するのです。
1990年代、パレスチナ人の80%がオスロ合意を受け入れていました。
それは「シオニズム運動に賛同した」ということではなく、パレスチナ人はパレスチナ人の国家を望んでいた、占領が終わる日を待ち望んでいたということなのです。
今回の戦争の政治的な目標は、イスラエル人とパレスチナ人、双方にとってよりよい現実をつくることであるべきです。
私たちは今こそ、イスラエルとパレスチナという、2国家共存を実現させなければならないのです。
悲劇を和平のチャンスに変えられるか?
私はできると信じています。
今月でヨム・キプール戦争(第4次中東戦争)から50年になります。ヨム・キプール戦争では3週間足らずの間に2700人近くを失いました。
私たちの世代にとっては、地域に対する理解の仕方が変わった瞬間でした。
そして、この血みどろの戦争から4年後にはエジプトのサダト大統領がエルサレムにやってきて私たちと話をすることになり、その2年後にはエジプトとの和平協定が調印されました。
戦争と平和には、直接的な相関関係があります。
イスラエル、パレスチナ、近隣諸国、そしてアメリカにとって、いまこそ、和平を実現するチャンスなのです。
トラウマや恐怖、大きな危機を乗り越えた先に、パレスチナ人とイスラエル人にとってより良い地平、政治的地平をつくるチャンスがあります。
それができるかどうかは、私たち次第です。
和平実現のために必要なことは?
交渉のテーブルにつくことが決定的に重要です。
交渉なしには何も達成できません。より多くの暴力、より多くの戦闘、そしてより多くの人が死んでいくことになるでしょう。
ただ、和平への機運はイスラエルからもパレスチナからも出てこないでしょう。私たちは痛みを感じ、不幸なことに、イスラエルもパレスチナも憎しみ、復讐を求めているからです。
和平こそが、私たちが求めていかなければならない唯一の未来であると理解していても、誰も口にしないのです。
ですから、和平への機運は国際社会から生まれるべきであり、バイデン大統領にはリーダーシップを発揮する能力があります。
過去にも同じことがありました。エジプトとの和平協定はアメリカで調印されたのです。
アメリカのカーター大統領が主導し、サダト大統領、そしてベギン首相が成し遂げた和平は、国際社会の仲介なしには達成できませんでした。
今回もその責任はアメリカ大統領にあります。
それは、イスラエルを気にかけているというだけではなく、世界的な紛争を避けるため、そして、軍隊を派遣することなく、この地域でのアメリカのリーダーシップを発揮するために、バイデン大統領はその責任を負わなければならないのです。》





2023年10月26日

即時停戦を!


2023年10月25日
「私は20年以上前にシンベトを去りましたが、多くの軍司令官、特にシンベトの長官はみな「ガザに対する政策は間違っている」と言い続けました。間違った前提に基づいた政策であり、そもそもハマスの理論と戦略を理解していない人たちによる政策だったのです。選挙で選ばれたのだから何をやってもいい、という考えに基づくもので、そうした政策は15年続きました。ーーそのためには、パレスチナの人々を分断しなければなりませんでした。ーーハマスは怪物になりましたが、それはネタニヤフ首相の“助け”があったからです。その意味で、ネタニヤフ首相に責任があります。そのことは、イスラエルの誰もが理解しています」18日イスラエル「シンベト」元長官アミ・アヤロン
「この虐殺は歴史に刻まれる。ハマスは新たなナチスだ。文明世界がナチスを打ち負かすために団結したように、ハマスを打ち負かすために、世界は団結しなければならない。イスラエルにとってハマスを破壊することは権利ではなく義務だ」24日国連安保理 イスラエルのコーヘン外相(ハマスにとらわれた人質の家族を議場に同席させて)
「(7日のハマスによる攻撃は)何もない状況で急に起こったわけではない。パレスチナの人々は56年間、息のつまる占領下に置かれてきた。自分たちの土地を入植によって少しずつ失い、暴力に苦しんできた。経済は抑圧されてきた。人々は家を追われ、破壊されてきた。そうした苦境を政治的に解決することへの希望は消えつつある」
「パレスチナの人々が怒っているからといって、ハマスによるおぞましい襲撃が正当化されるわけではない。また、おぞましい襲撃を受けたからといて、パレスチナの人々に対する集団的懲罰が正当化されるわけではない」同 アントニオ・グテーレス事務総長
「指定されたテロ組織によってイスラエル国民に対して実行された、この上なく恐ろしい行為に理解を示す人々と話をすることに、何の正当性も意味もない」「事務総長はテロリズムを正当化している」ギラド・エルダン イスラエル国連大使
「子ども、女性、高齢者の大量殺害キャンペーンに理解を示す事務総長は、国連の指導者にふさわしくない」(X(ツイッター)への投稿)エルダン イスラエル国連大使
「事務総長、あなたのもとで国連は最も暗い時期にある」「恥を知れ」(記者団に)イスラエル コーヘン外相
・25日イスラエルのエルダン国連大使は同国が国連職員への査証(ビザ)発行を停止すると発表。「かれらに教訓を与える時が来た」
・ガザ地区の保健当局は今月7日に衝突が始まってからのガザ地区の死者は6546人に上り、このうち子どもが2704人を占めているとする。国連児童基金(ユニセフ)のアデル・ホドル中東・北アフリカ地域事務所代表は、過去18日間の軍事衝突によるガザ地区での子どもの被害について、死者2360人、負傷者5364人に上っているとした。また、毎日、子ども約400人が死傷しているとした。
 ハマスの越境攻撃によるイスラエル側の死者1400人に対して、それ以降のイスラエルによる空爆で亡くなったパレスチナの人びとはすでに6000人を超え、なんの罪もない子どもも2300人以上が殺されている。
 イスララエル首相や外相らが唱える「新たなナチス」は、プーチンがウクライナ侵略で用いた「ウクライナのナチス化」と同じ詭弁に過ぎない。「新たなナチス」はハマスだけではなく、ヨルダン川西岸に不法入植を続けガザを封鎖して人道危機を招き、無差別空爆による夥しい民間人、子どもの殺戮を続けるイスラエルのネタニヤフ政権そのものだ。国際人道法を幾重にも蹂躙している。
 「ハマスを怪物にしたのは、ネタニヤフ」と話すのは、占領下においたパレスチナの抵抗運動に関する情報を担当するイスラエル情報機関シンベト長官を1996年から4年間務めたアミ・アヤロン。ネタニヤフ政権は「中東和平交渉の基本方針となってきた2国家共存の実現の阻止、イスラエルの隣にパレスチナ国家が誕生するのを阻止するためなら何でもする」という考えであるとも指摘する。
 グテーレス事務総長の安保理発言はむしろ控えめに事実を述べた、当を得たもの。「テロリズムを正当化」「恥を知れ」「かれらに教訓を与える時が来た」は、そっくりこの人間性も外交力も欠落したイスラエル国連大使や外相に与えるべき言葉。
《パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突をめぐり、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は24日、イスラエルによる空爆と封鎖が続くガザ地区で「国際人道法違反」が見られるとの認識を示した。イスラエルは強く反発している。こうした中、ガザ地区の人道危機はいっそう深刻化している。
グテーレス氏はこの日開かれた安全保障理事会で、「どんな武力紛争でも民間人の保護が最重要だ」と強調。
イスラエルやハマスを名指しせずに、民間人を人間の盾として使うことや、「100万人以上の人々に対して避難所も食料も水も医薬品も燃料もない(ガザ)南部に避難するよう命じ、その上で南部を爆撃し続ける」ことは、民間人の保護に反すると非難した。
そして、「ガザで見られる明白な国際人道法違反を深く憂慮している」と発言。「武力紛争のいかなる当事者も、国際人道法を超越するものではない」と述べた。
グテーレス氏はまた、今回の軍事衝突のきっかけとなった今月7日のハマスによるイスラエルへの攻撃について、「何もない状況で急に起こったわけではない」と主張。
「パレスチナの人々は56年間、息のつまる占領下に置かれてきた。自分たちの土地を入植によって少しずつ失い、暴力に苦しんできた。経済は抑圧されてきた。人々は家を追われ、破壊されてきた。そうした苦境を政治的に解決することへの希望は消えつつある」と述べた。
同時に、「パレスチナの人々が怒っているからといって、ハマスによるおぞましい襲撃が正当化されるわけではない。また、おぞましい襲撃を受けたからといて、パレスチナの人々に対する集団的懲罰が正当化されるわけではない」とした。
イスラエルは辞任を要求
イスラエルはこれに猛反発している。
ギラド・エルダン国連大使は、「指定されたテロ組織によってイスラエル国民に対して実行された、この上なく恐ろしい行為に理解を示す人々と話をすることに、何の正当性も意味もない」と、グテーレス氏の発言を非難。
「(グテーレス氏に)即時の辞任を求める」とX(旧ツイッター)に投稿した。
安保理会合に出席したアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は、「火に油を注いではいけない」と発言。イスラエルとハマスが衝突する中、新たな戦線が他国や別組織によって開かれるのを阻止するため、安保理が結束したメッセージを発するべきだと訴えた。
ブリンケン氏はまた、イランに対して、いかなる攻撃にも「断固として」対処すると警告。「私たちは間違いなく自国民を守る。迅速かつ断固として安全保障を守る」と述べた。
さらに、ガザ地区に支援が届くよう、人道的な戦闘停止を検討する必要があるとした。
子ども2360人死亡とユニセフ
ガザ地区の人道危機は深刻度を増している。
ガザ地区の国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は、燃料の必要性を改めて強調。タマラ・アル・リファイ広報官は、「燃料がなければ私たちは仕事ができず、人々は死ぬかもしれない」とBBCに話した。
「私たちのトラックが支援物資を受け取って運ぶための燃料が必要だ」
「きれいな水を手に入れるためにも、淡水化プラントを動かす燃料が必要だ。病院も燃料が必要だ。救命装置が動かなければ人々は死んでしまう」
UNRWAでは学校を中心にガザ地区の150カ所で避難所を設置しているという。ジュリエット・トゥーマ広報部長は、「それらの場所に避難者60万人が身を寄せている。みんな食料、水、衛生設備を必要としている。マットレスも、保護も必要だ」とBBCのラジオ番組で話した。
トゥーマ氏はまた、「緊急に燃料を調達しなければ、明日(25日)夜をもって私たちはガザ地区での活動を停止せざるを得ない」とした。
ハマスが運営するガザ地区の保健当局は、地区内の病院が「完全に崩壊した」との声明をテレグラムに投稿。
「病院12カ所と保健センター32カ所がサービスを停止している。攻撃の標的にされ、燃料も不足していることから、今後数時間でさらに多くがサービスを停止するだろう」とした。
その上で国際社会に対し、病院への燃料の供給と、専門医師団の派遣を要請した。
こうした中、パレスチナ赤新月社(PRCS)は、水、食料、医薬品を積んだトラック8台がエジプトからラファ検問所を通ってガザ地区に入ったと、X(旧ツイッター)で明らかにした。
PRCSによると、トラック5台は水、2台は食料、1台は医薬品を載せていたという。
ガザ地区の保健当局は24日、地区内の死者は今月7日以降、少なくとも5791人に上ったと発表した。前日より700人以上増えた。
国連児童基金(ユニセフ)のアデル・ホドル中東・北アフリカ地域事務所代表は、過去18日間の軍事衝突によるガザ地区での子どもの被害について、死者2360人、負傷者5364人に上っているとした。また、毎日、子ども約400人が死傷しているとした。ーーー



2023年10月24日
「(ハマスの攻撃は)明らかな戦争犯罪です。ハマスはイスラエルに侵入し、民間人に対して凶悪犯罪を行いました。音楽フェスでは260人の殺害が確認されていますが、それ以外でも、数十の村や町に侵入し、民間人を襲いました。私も3人の友人を失いました」
「国連憲章第51条では、国連加盟国が武力攻撃を受けた場合のみ、自衛権を行使することを認めています。イスラエルは「ガザに入ることは自衛権の行使だ」と主張するかもしれません。ただ、問題は、ガザは200万人超が暮らす場所であり、戦場でも軍事基地でもないということです。イスラエル軍がガザに入れば、多くの民間人が殺害されるでしょう」
「客観的に見れば、その行為(ガザの封鎖)は戦争犯罪であり、国際法違反です。欧米諸国について言えば、現実的な政治的アプローチに従って動いており、ある者の戦争犯罪を非難し、別の者の戦争犯罪は非難しない、という意味で二枚舌だと言えます」
「ジュネーブ諸条約では、被占領地域の住民の強制移動は禁止されており、(イスラエルの退避勧告は)これに該当する可能性があります。ケージの(ようなガザ地区の)中で、一方から他方へ行けと言われ、しかも、水も電気もないわけです」
「今回の件は48年の「ナクバ」(イスラエルの建国に伴って、約70万人ものパレスチナ人が周辺国などに難民として追いやられた「大破局」)を思い起こさせます。民族浄化行為です。ガザ地区北部に暮らすパレスチナ人の多くは、難民の子どもや孫でしょう。彼らは南に行けば、北に戻ることが許されないと恐れています。また一方で、とどまれば「ハマスの人間の盾」とみなされ、殺されることになります」
「(イスラエルによる国際法の操作の)一例をあげると、イスラエル軍があるビルを爆破しようとするとき、屋上に爆弾を設置した上で「10分以内にビルから出るように」と警告します。「警告したのだから合法だ」という論法です。ジュネーブ諸条約では「予防措置」として、巻き添えによる民間人の死亡を最小限にとどめることが求められていますが、それを自分たちの都合の良いように解釈したものです」
「もう一つ、「人間の盾」を例に説明します。「人間の盾」を使って自分たちを守ることは国際法上、禁じられています。ただ、「人間の盾」を取られた相手方の交戦規定は緩和されることになります。言い換えると、イスラエルとしては、「我々は全ての民間人に南に移動するよう勧告した」という主張をすることで、「残った人間はすべて人間の盾だ」として殺害可能な存在にしてしまうのです。それはイスラエルの問題ではなく、ハマスの問題だ、と。そこで起きていることは、パレスチナ人の「非人間化」であり、それが致死的な暴力の正統化・正当化につながっています」
「(国際社会に求められることは)とにかく、緊張緩和に向けてイスラエル政府に働きかけることです。また、ハマスに対して拉致したイスラエル人の解放を求めることです」ロンドン大クイーンメアリー校ニーブ・ゴードン教授
1949年ジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書
第五十七条 攻撃の際の予防措置
1 軍事行動を行うに際しては、文民たる住民、個々の文民及び民用物に対する攻撃を差し控えるよう不断の注意を払う。
ii)攻撃の手段及び方法の選択に当たっては、巻き添えによる文民の死亡、文民の傷害及び民用物の損傷を防止し並びに少なくともこれらを最小限にとどめるため、すべての実行可能な予防措置をとること。
5 この条のいかなる規定も、文民たる住民、個々の文民又は民用物に対する攻撃を認めるものと解してはならない。
 ハマスの攻撃とイスラエルの報復という状況に対する、イスラエル出身国際法学者の冷静な分析を紹介する記事。
 ハマスの攻撃は明らかに国際人道法に対する重大な違反、戦争犯罪だが、イスラエルが行なっている爆撃による多数の市民の殺傷もガザ地区の封鎖も民間人への攻撃や懲罰を禁じたジュネーブ諸条約に反する戦争犯罪であり、「民族浄化」「バレスチナ人の非人間化」と言い切り、イスラエル支持に偏る欧米の「二枚舌」も指摘する。
 これを、ハマスの攻撃で友人達を失ったイスラエル出身の国際法学者が述べることの意義は重い。兵士、戦闘員だけではなく多数の市民の巻き添えによる死を引き起こすイスラエル軍の地上侵攻ではなく、国連、国際社会の仲介による交渉と対話による以外、問題解決の道はない。
《パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスへの報復として、イスラエルがガザ地区に地上侵攻するとの臆測が強まっています。こうした動きは、国際法としてはどのように解釈されるのでしょうか。イスラエル出身の国際法学者で、英国中東学会の副会長でもあるロンドン大クイーンメアリー校のニーブ・ゴードン教授に尋ねました。
 ――まず、10月7日に始まったハマスによる攻撃について聞きます。法的にどのように判断されますか。
 明らかな戦争犯罪です。ハマスはイスラエルに侵入し、民間人に対して凶悪犯罪を行いました。音楽フェスでは260人の殺害が確認されていますが、それ以外でも、数十の村や町に侵入し、民間人を襲いました。私も3人の友人を失いました。
ガザ地区への地上侵攻、国際法的には?
 ――では、そうした行為の報復として、イスラエルがガザ地区に地上侵攻するというのは、国際法的に許されるのでしょうか。
 国連憲章第51条では、国連加盟国が武力攻撃を受けた場合のみ、自衛権を行使することを認めています。イスラエルは「ガザに入ることは自衛権の行使だ」と主張するかもしれません。
 ただ、問題は、ガザは200万人超が暮らす場所であり、戦場でも軍事基地でもないということです。イスラエル軍がガザに入れば、多くの民間人が殺害されるでしょう。(レバノンのイスラム教シーア派組織)ヒズボラが大規模なロケット攻撃を仕掛けたり、あるいは北から地上攻撃をしたりするかもしれません。イランを巻き込んだ大規模な戦争に発展するおそれさえあります。
 ――イスラエルはガザ地区への水や食料、燃料の供給を止めました。ただ、欧米諸国の指導者の多くは、このことを声高には批判していません。
 客観的に見れば、その行為は戦争犯罪であり、国際法違反です。欧米諸国について言えば、現実的な政治的アプローチに従って動いており、ある者の戦争犯罪を非難し、別の者の戦争犯罪は非難しない、という意味で二枚舌だと言えます。
 (今回のハマスの大規模攻撃は)「イスラエルにとっての911(米同時多発テロ)だ」と言われていますが、多くの意味で確かに、「911の誤り」のくり返しになるかもしれません。つまり、米国の911後の行動は中東のあり方を変えました。
 アフガニスタンとイラクを大混乱に陥れ、そこに米軍を駐留させ、20年間ほどで何千人もの米兵が亡くなりました。だが、「では何のために」という疑問が残ります。
物議醸した「避難勧告」と「人間の盾」
 ――イスラエルは、ガザ地区北部に暮らす110万人に対して、避難勧告を出しました。この点については、法的にどう評価されますか。
 (1949年の)ジュネーブ諸条約では、被占領地域の住民の強制移動は禁止されており、これに該当する可能性があります。ケージの(ようなガザ地区の)中で、一方から他方へ行けと言われ、しかも、水も電気もないわけです。
 今回の件は48年の「ナクバ」(イスラエルの建国に伴って、約70万人ものパレスチナ人が周辺国などに難民として追いやられた「大破局」)を思い起こさせます。民族浄化行為です。ガザ地区北部に暮らすパレスチナ人の多くは、難民の子どもや孫でしょう。彼らは南に行けば、北に戻ることが許されないと恐れています。また一方で、とどまれば「ハマスの人間の盾」とみなされ、殺されることになります。
 病気で移動できない患者も、70〜90代の高齢者もいます。イスラエルはいったい、何を求めているというのでしょうか。
 ――ゴードン教授のある論考の中で、「イスラエルによる国際法の操作」という言葉がありました。具体的に何を意味しているのでしょう。 
 一例をあげると、イスラエル軍があるビルを爆破しようとするとき、屋上に爆弾を設置した上で「10分以内にビルから出るように」と警告します。「警告したのだから合法だ」という論法です。ジュネーブ諸条約では「予防措置」として、巻き添えによる民間人の死亡を最小限にとどめることが求められていますが、それを自分たちの都合の良いように解釈したものです。
 もう一つ、「人間の盾」を例に説明します。「人間の盾」を使って自分たちを守ることは国際法上、禁じられています。ただ、「人間の盾」を取られた相手方の交戦規定は緩和されることになります。
 言い換えると、イスラエルとしては、「我々は全ての民間人に南に移動するよう勧告した」という主張をすることで、「残った人間はすべて人間の盾だ」として殺害可能な存在にしてしまうのです。それはイスラエルの問題ではなく、ハマスの問題だ、と。
 そこで起きていることは、パレスチナ人の「非人間化」であり、それが致死的な暴力の正統化・正当化につながっています。
国際法は「正義の道具」なのか
 ――この局面において、国際社会に求められることはなんでしょうか。
 とにかく、緊張緩和に向けてイスラエル政府に働きかけることです。また、ハマスに対して拉致したイスラエル人の解放を求めることです。
 ――あえて最後に聞いておきたいのですが、国際法がないがしろにされている現状で、国際法はまだ、役割を果たせるのでしょうか。
 国際法を放棄するわけにはいかないでしょう。ただ、国際法が正義をもたらしてくれるという考えは甘いです。国際法は必要だとは思います。ただ、私は必ずしも「正義の道具」だとは思わないし、しばしば、おそろしい犯罪を正当化する道具にもなってしまうのです。
     ◇
 Neve Gordon 1965年生まれ。米ノートルダム大で博士号取得。国際法や人権の専門家で、特にイスラエルとパレスチナの問題に詳しい。イスラエルのネゲブ・ベングリオン大で17年間指導した後、英国へ。英国中東学会の副会長も務める。(聞き手・藤原学思)




2023年10月23日
「決議案にはイスラエルの自衛権についての言及がない。この表現も入るべきだった。だから我々は決議を支持できなかった。われわれはイスラエル、近隣諸国、国連、その他パートナーと共にガザの人道危機に対処している。食料、医薬品、水、燃料を一刻も早くガザに流入させることが重要だ。ハマス自体の行動がこの深刻な人道危機を招いた」18日国連安保理で紛争の人道的な一時停止を求めるブラジルの決議案に拒否権行使の米国トーマス・グリーンフィールド国連大使
「(イスラム組織)ハマスと(ロシア大統領の)プーチンは異なる脅威だが、共通しているのは両者が隣国の民主主義を滅ぼしたい点だ」
「第2次大戦と同じように国家を愛する米労働者が民主主義の兵器庫(Arsenal of Democracy)をつくり、自由という理念に貢献する」
「(この「重要な」緊急支援は)この先何世代にもわたってアメリカの安全保障に配当を支払う」バイデン米大統領19日演説
・1945年の国連創設以来、安保理では米英仏中ロの常任理事国5カ国(P5)だけが拒否権を持つ。非公開の投票や決議の一部反対などを除くと、旧ソ連・ロシアは拒否権行使が119回(うちロシアは29回)と最も多く、米国の82回が続く。英国が29回、中国、フランスはそれぞれ16回行使している。英仏は1989年以来行使していない。1990年以降、最も拒否権を行使した国はロシアで29回、次いで米国が19回、中国が15回。(2022年まで)
・ バイデン米大統領とカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、英国の各首脳は22日、中東情勢に関するオンライン会議を開き、イスラエルとその自衛権に対する支持を強調するとともに、国際人道法を順守し民間人を保護するよう求めた。(ロイター)
・今月7日以降のイスラエルとイスラム組織ハマスとの一連の衝突では、イスラエル側で少なくとも1400人が死亡し、外国人を含む200人以上が人質にとられている一方、ガザ地区では4651人が死亡し、23日現在双方の死者は6000人を超えている。
 ウクライナ侵攻の停止を求める安保理決議に自ら拒否権を発動するロシアと、ハマスを非難しイスラエルにも攻撃の停止を求める決議に拒否権を行使する米国。
 世界最大の核保有国が核の恫喝と共に隣国を蹂躙することには反対するが、パレスチナの土地に違法に入植し続け、市民らの抗議デモや投石には射撃で応じ、空爆などで子どもたち無辜の住民を殺傷し続けるイスラエルは支持し支援し続ける米国など。
 すでにイスラエルはハマスの越境攻撃による犠牲者を3倍も超える子どもや民間人を多数含む死者を空爆でパレスチナに生じさせており、それは水、食料、電気などライフラインや医療資材など全ての搬入を封じるガザの封鎖とともに「自衛権」をまったく逸脱したもの。あくまでも国内で侵略者に抵抗し続けるウクライナとは違って、すでにイスラエルは「自衛」の範囲を大きく逸脱している。イスラエルをウクライナに模するのはウクライナに失礼だ。
 六カ国は即時停戦を求めて地上侵攻に反対するのではなく、「イスラエルとその自衛権に対する支持を強調するとともに、国際人道法を順守し民間人を保護するよう求め」るというのは、すでに起きている国際人道法に対するイスラエルによる重大な違反を見過ごす茶番でしかない。
 国連安保理で拒否権を有する五カ国はいずれも第二次大戦の戦勝国であり核保有国。敗戦国ドイツ、日本などは戦争を始めて様々な残虐行為を行い、広島・長崎への原爆投下と多くの都市空襲と沖縄の地上戦などと同じく、ベルリンなどドイツと東欧そしてソ連の各都市は廃墟と化し多くの市民の犠牲者を出したが、ロンドン、重慶などへの爆撃とソ連、中国、フランスでの地上戦のほか、都市を壊滅させ市民に多大な犠牲を生む大規模かつ永続する空襲や市街戦を米国は南北戦争以来経験していない。
 都市空爆等による多くの民間人被害には蓋をして海外で幾多の戦争を続け、唯一米国内で多くの市民が犠牲となった9.11に反応して過剰な報復を始め、何倍もの犠牲者をイラクやアフガニスタンなどにもたらした米国などが、爆撃による市民の犠牲にどこか鈍感なのは宿痾ともいうべきか。ネタニヤフに示唆した9.11の教訓を、バイデン政権が真に学んでいるとは思えない。
 残念ながら「民主主義の兵器庫」「安全保障に配当」が露呈するのは、ロシアと同じく安保理の拒否権と核保有に固執し続け、自身は安全圏にいて市民の生命を弄ぶ、死の商人の本質ではないか。
《バイデン米大統領が19日、ホワイトハウスで米国民向けに演説した。イスラエルが報復攻撃を続けるイスラム組織ハマスと、ウクライナを侵略するロシアとを同種の脅威と位置づけ、それを阻むための軍事支援が、米国の安全保障に資する「賢明な投資」だとして理解を求めた。ただ、イスラエルはパレスチナ自治区ガザ地区で民間人の人道危機も引き起こしており、米国の矛盾も浮かび上がらせている。
 バイデン氏は20日、イスラエルとウクライナに追加の支援予算を充てるよう、米議会に促した。支援予算はイスラエルへの143億ドル(約2・1兆円)、ウクライナへの614億ドル(約9・2兆円)を含む計約1160億ドルの計上を目指す。
 バイデン氏は、ハマスとロシアのプーチン大統領について「いずれも隣の民主主義国家を絶滅したいと考えている」と指摘。テロ集団や独裁者を放置すれば混乱や破壊を誘発するとして、イスラエルとウクライナでの成功が米国の安全保障に不可欠だと主張した。危機の波及地域として中東のほか「インド太平洋」にも言及した。また「イランはウクライナでロシアを、中東でハマスやテロ集団を支援している」と非難。「イランの責任を追及し続ける」とも述べた。
 イスラエルへの軍事支援は「前例のない」ものになり、「イスラエルの質的な軍事的優位をより鮮明にする」と述べる一方で、ガザ地区住民への人道支援も重要だと主張した。ハマスはパレスチナ人を代表していないという区別も強調し、イスラエルとパレスチナが共存する2国家解決を諦めない姿勢を改めて打ち出した。「イスラエルもパレスチナも等しく、安全に、尊厳をもって、平和に生きるに値する」と述べた。
 ガザの人道状況に懸念を強める国際世論にも一定の配慮をみせるとともに、米国内の分断にも触れた。米国ではハマスの攻撃後、パレスチナ系米国人の6歳の男児が男に刺殺されるヘイトクライム(憎悪犯罪)が起きた。2001年9月11日の米同時多発テロ後、米国は対テロ戦争に突き進み、国内ではイスラム教徒への偏見も広がった。バイデン氏は18日にイスラエルで演説した際にも触れた「9・11の地獄を経験したとき、我々は怒り、正義を求め、手に入れたが、過ちも犯した」という言葉を繰り返し、この日の演説でも「私は、イスラエル政府が激しい怒りのあまり分別を失うことのないよう警告する」と述べた。
 ウクライナへの軍事支援に対する米世論の支持は弱まっており、米議会共和党の一部で縮小論が勢いを増している。バイデン氏は、ウクライナに米国製兵器が届いていることに触れ、「第2次世界大戦の時と同じように、米国の愛国的労働者が民主主義の武器庫を築いている」と訴えた。
 その上で、「米国はまだ、世界を照らす光だ」とも述べ、「世界中の罪のない人々が私たちのおかげで希望を持ち、私たちに忘れ去られまいと必死になり、私たちを待っている。団結すれば、米国にできないことは何もない」と訴えた。(ワシントン=下司佳代子)》



2023年10月22日
日記がわりに。
 京都から帰宅して翌日、頂いた奈良のハーブ入り地ビールを昼にパスタと共に飲むと、味が濃く美味。
 17日の人々が避難するガザで唯一のキリスト教系病院へのミサイル攻撃の様子を各国が伝える。折り重なる遺体、救助された幼児たち、BBC司会者はテルアビブで沈鬱な表情。仏2はハマスに拉致されたフランス系イスラエル人の娘さんの母親の会見。
 イスラエル軍報道官は攻撃は自分たちのミサイルではないとするが、幾多の爆撃と封鎖でガザへの支援物資の搬入すら拒み、何の罪もない多くの子どもたちや国連職員まで殺傷しているのはイスラエルに他ならない。
 昨日久しぶりに三宮に出て、Day's Kitchenに行くと開店前から列があったが、どうにか一階で席あり。シンプルなチポッラピザをいただき、春日道から歩いてひと月ぶりになぎさの湯に浸かる。いっとき雨が降り、館から出ると虹が見えた。商店街では子どもたちのダンス演舞も。
 国際ニュースは、幼児らの遺体が並ぶガザで、薪で炊事をする崩壊瀬戸際の切迫した支援状況を伝える。ネタニヤフは米バイデンにつづき英スナクを懐柔、プーチンと同じく自分たちは正義の側にいると強弁。国連UNRWA局長は、イスラエルの行為はパレスチナの人びとに対する国際法に違反した集団懲罰だと批判。子どもたちが犠牲になるなか、ネタニヤフは自分は安全な場所にいて笑いながらイスラエル兵士を戦場に送る激励。
 今日も秋晴れ、西宮北口でゆいたばの島そばをいただき阪急ガーデンズで食材買って帰宅。
     



2023年10月18日
秋日和。
 阪急で嵐山に出て、穏やかな桂川岸で小ビビンバ弁のお昼。川中の漁をする人や舟遊びを見ながら界隈を歩く。海外客は少なくないがそれほど混んではいない。
 有栖川の天山の湯に浸かり、やはり海外客がのんびりしている四条烏丸の大丸裏手で一休み。錦小路出口で奈良に帰省中の友人と4年ぶりのプチ飲み会で待ち合わせ、秋刀魚や鰯のつくりが美味しい柳馬場通の海鮮処一に行くと水曜定休。しばらく歩いて秋刀魚のつくりがある店を見つける。ここも美味。烏丸通の旧北國銀行京都支店の建物のカフェでコーヒーを飲み、阪急で帰宅。厚手のシャツで夜も寒くない。



2023年10月16日


2023年10月16日





2023年10月15日
日記がわりに。
 イスラエルとパレスチナの死傷者はまったく非対称。英BBC、仏2もガザの爆撃による住居の壊滅と夥しい死者を伝える。召集されたイスラエル兵は笑いながら侵攻の準備、ガザでは子どもたちと家族が学校に身を寄せ、かろうじて食べ物を支給されるががそれも封鎖で間も無く底をつく。国連のグテーレスはイスラエルによるガザ封鎖は国際法違反と訴える。イスラエルでは市民がこれも笑いながら銃を購入。独ZDFは駐独イスラエル大使が国会に招かれ議員らが起立して支持を表明する様子を伝える。これまでも今回も、イスラエルの爆撃と侵攻によるパレスチナの死者が圧倒的に多いのだが。
 13日快晴、午後数年ぶりに六甲台から御影山手の山沿いの道をお使い兼ねて歩く。空気が澄んで見晴らしもよく、静かな深田池で少し休憩し阪神御影まで。食材買ってバスで帰宅。
 14日は先週満席だったil ventoでバンビーノピザ。小さな子たちがピザ窯に興味津々、食べて「ちょー美味しい」と。わたしも会計のとき「ちょー美味しかった」と言って出る。その後にわか雨、駅前で食材買って帰宅。国際ニュース録画を見ると、イスラエルでパレスチナとの共存を唱えていた夫人が今回ハマスに連れ去られて行方不明となり、息子さんが「この事態はイスラエルが作り出した」と。ガザでは爆撃で父母ら家族5人を失った子。ネタニヤフやイスラエルの国防相こそ、テロリストではないか。米のブリンケンも冷静さをなくしている。
 今日は秋日和。三週ぶりにハーバーランドに出ると、やはりアンパンマン館行きの家族らで賑わう。地ビールのテラスでアヒージョ。ようやくテラス席が快適になった。ドック沿いを歩き食材買って帰宅。
   


2023年10月13日
「私はずっとうつ状態。なんで安倍さんが死ななければならないのか」「統一教会の問題があったんじゃないかとおっしゃる方がおられるけれども、そんな問題はございません。(安倍氏と教団の)皆さんとの関係が、歴史が長いということを承知していたから、リップサービスで申し上げた。安倍さんに報告もしていなければ、実際は何にもない。(教団との関係を聞かれ)関係はあるが、パーティーに呼ばれたとかその程度のことだ」
「任期途中だが、衆議院議長の職を退任したい。(脳梗塞の初期で)公務に支障を来す可能性がある。迷惑をかけてはいけない。(国会議員については)原子力発電やエネルギー問題には非常に強く関与してきた。そういうことは私以外の人が簡単にできるような仕事じゃない。多少ヨタヨタしているが、まだ議員としての活動はできると思っている」
「今、解散命令請求についての判断はですね、急に今回出たことでありますから、それは検討しておりません。ただ政府がやったことですから、政府がやったことが正しいというのが私は基本的な立場でおります」細田博之衆院議長13日会見
・「2018年10月の国際勝共連合の創立50周年記念大会に出席、挨拶」
・「2019年3月、2018年3月に会合に出席した記録があったほか、2019年6月に関係団体の出版物に掲載するためとして、憲法改正問題に関するインタビュー記事の取材を受けた」 
・「2019年10月の国際会議については招待があったので、出席して挨拶した」→2019年10月5日天宙平和連合(UPFジャパン=会長梶栗正義)が名古屋市内のホテルで開いた国際会議「ジャパンサミット&リーダーシップカンファレンス2019」で基調講演
「韓鶴子総裁の提唱によって実現したこの国際会議の場は、たいへん意義深い。会議の内容を安倍総理にさっそく報告したい」 
・「日本・世界平和議員連合懇談会については、2021年6月に名誉会長に就任」
→2021年6月衆議院会館で開かれた「日本・世界平和議員連合懇談会 第一回総会」で国際勝共連合梶栗正義会長と並んで壇上でガッツポーズ
(いずれも2022年9月29日細田が公表した「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」との関係についてのコメント)
「宗教だからね。家庭連合の会員、というか、信者さんは昔から細田博之さんを応援している。で、今度も応援して『皆さん細田さんを頼みますよ』くらいの話はするでしょ。当たり前の話でしょ、小選挙区だから」細田の衆院選挙対策責任者を務めてきた細田重雄島根県議「細田博之議長の選対本部長は「統一教会」有力団体の議長だった」文春 https://bunshun.jp/articles/-/56347
 先祖の不幸を因縁にした霊感商法と高額献金などで日本国民を収奪するカルト教団やその関連団体と癒着し、それらの大会で挨拶や基調講演まで行い、その総裁を礼賛して信徒拡大と資金巻き上げに協力しながら、「リップサービス」「パーティーに呼ばれたとかその程度」と言い逃れ、旧統一教会への解散命令請求も「政府がやったことが正しいというのが私は基本的な立場」と他人事で、体調を理由に議長は辞めるが議員は続ける衆議院議長。
 議長はおろか議員としての資質もまったく欠いた無責任、無定見の見本のようなこの人物が自民党総務会長・幹事長、内閣官房長官そして衆議院議長だったということが、愚か極まる本人と自民党の本質を露呈させている。まとめて辞めるべし。
《13日に開かれた細田博之衆院議長の記者会見に出席した朝日新聞の記者が、これまでの細田氏の言動を踏まえ、この日の会見をどう見たか。思いを率直に記した。
【会見】細田衆院議長が辞職表明 議員は続ける考え「私以外出来ない仕事も」
【舞台裏】疑惑と問題、細田議長をかばい続けた自民 「論功行賞」の末の辞任劇
 国会のトップである衆院議長は「全国民の代表」である国会議員に範を示す立場にある。それだけに中立性や公正性、さらには高い見識や品性が求められるはずだ。疑惑まみれの時点で、議長の適格性に疑義が生じていたが、説明責任をないがしろにしてきた振る舞いは多くの国民の目にとまり、衆院議長の権威や政治への信頼を著しく失墜させてきた。
旧統一教会との関係、セクハラ疑惑報道…細田議長会見、どう説明
 ようやく会見に応じはしたが、誠実に説明責任を果たそうとする気概は見えず、「三権の長」への信頼は回復するどころか、さらに地に落ちた。細田博之氏の罪は深い。
 そもそも会見時間を30分間に区切り、出席者を制限する会見のあり方に疑問を感じた。だからこそ、会見に出た私は質問を細田氏への抗議で始め、会見のおかしさをただした上で、政治の信頼を失墜させた認識があるか尋ねた。正面から答えなかった細田氏に、重ねて問うと「そういう風に考えておりません」と明言。その上でセクハラ疑惑について「もっと説明したいが、訴訟で争っている」と語ったが、言論の府のトップならば、訴訟とは別に自らの口で語るべきだ。
【会見】細田氏、セクハラ否定 疑われるのは「男性へのハラスメントだ」
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自身の関係性を問われても「私はずっとうつ状態。なんで安倍さんが死ななければならないのか」などと、はぐらかす場面が目立った。
 予定時間の30分間を過ぎても会見を続けはしたが、「議長を辞めれば、またざっくばらんなお話もできる」と非公開での記者との懇談の場に持ち込もうとし、肝心の会見を再び開く考えがないことを示唆した。
 今回の会見は議長の権威を回復させる好機だったはずだ。最終的に1時間近く続いたが、質問を求める挙手はやまず、最後は振り切るように立ち去った。その姿からは、権威をおとしめた自覚など、そもそも持っていないことがにじんでいた。(与党担当キャップ・石井潤一郎)
コメントプラス
星野典久(朝日新聞政治部次長)
【視点】 細田議長の言動が、国民の代表たる国会の権威をおとしめたとの鋭い指摘です。先ほど細田議長の会見メモを読み返していて、もう1点、気になるやりとりがありました。
記者)細田議長自体が旧統一教会をどう思われてるんですか。組織的であり継続的で悪質性があると言って解散命令請求をされている。
細田議長)それはわかりません。今、解散命令請求についての判断はですね、急に今回出たことでありますから、それは検討しておりません。ただ政府がやったことですから、政府がやったことが正しいというのが私は基本的な立場でおります。
行政(政府)の監視が大きな役割の一つである立法府(国会)の長が、「政府がやったことが正しいというのは基本的な立場だ」といってしまう。今回の解散命令請求に限らず、政府のやることを「基本的に賛成する」というのは、根本的に公平な立場であるべき議長として、危うい「立場」をはからずも表明されたと思います。石井記者が指摘しているとおり、国会は国民の代表であり、議長はその国会の代表的存在です。この発言を持ってしても議長としての資格があるのか、厳しく問われるものだと思いました。》




2023年10月13日
「生まれてから幾度の戦争と数え切れない衝突を目の当たりにしてきた。毎日、目が覚めて家族や友達がいなかったらどうしようという恐怖を感じている。その日は彼女の誕生日だった。もう祝うことができない」2021年の紛争で親友が父を失ったジェナーン・アブー=ユニスさん6日武田高校(広島県東広島市)で
「がれきになった家の前で母さんが泣き崩れて、大けがを負ったいとこの名前を叫んでいた」14年の軍事衝突で家を失ったファディ・アリさん
「才能があっても発揮する機会がない。私たちは閉じ込められている」ガザ中部に住むラマ・オウダさん
・(原爆資料館を)涙を流しながら見学していたジェナーンさんとラマさんは、原爆投下直後の被爆者の写真や遺品などがあるコーナーで、目を覆って後ずさりした。2人は呼吸を整えながら、一度は入り口まで引き返した。しかし、「ガザにいるみんなのためにしっかり見ないといけない」と入り直した。ジェナーンさんは「ガザの苦しみを伝え、世界とのつながりをつくるジャーナリストになりたい」と話す。
・UNWRAは3人が通う学校を含めてガザで約300校を運営。今回の戦闘で11日現在、生徒30人と職員9人が亡くなり、17万5500人が学校のシェルターに避難しているという。
・国連のグテーレス事務総長は11日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区の空爆で、国連職員少なくとも11人が死亡したと発表。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、死亡した職員の内訳は、教員5人と婦人科医、技術者、心理カウンセラー各1人、支援スタッフ3人。中には自宅で家族と共に死亡した職員もいるという。国連学校の児童や生徒も30人が死亡した。
・パレスチナ保健省は12日、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃でこれまでに少なくとも1537人が死亡したと発表した。死者には子ども500人、女性267人が含まれ、このほか6612人が負傷している。
 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の研修の一環として今月広島を訪れたガザの中学生3人を取材した貴重な記事。
 2007年以来イスラエルにより違法に封鎖され、町の外に出ることもできず、ひたすらイスラエルからの空爆と軍の侵入によって恐怖と不安の中で家族や友人の犠牲を体験し続けた子どもたちだからこそ、広島の原爆資料館の原爆投下直後の被爆者の写真や遺品が、自らの経験と深く重なるのだろう。
 3人の子たちの「ガザにいるみんなのためにしっかり見ないといけない」「ガザの苦しみを伝え、世界とのつながりをつくるジャーナリストになりたい」そして「すばらしい冒険だった。私たちの世代のために、世界中の人々が明るい未来へともに歩むことを願いたい」という希望の言葉の翌日、ハマスの大規模攻撃とイスラエルの報復爆撃で双方に甚大な犠牲者が出続けるという現実。
 封鎖されたガザ地区で、イスラエルを認めないハマス(イスラム抵抗運動)が実効支配しながらイスラエルへの敵対を強めてきたのは、旧約聖書の「約束の地」をイスラエルの領土と主張するユダヤ民族主義政党リクードのネタニヤフ政権が、ガザの封鎖とヨルダン川西岸への違法入植そして空爆や侵入による多くの市民・子どもたちの殺傷を続けてきたことが大きな要因。
 ネタニヤフはガザへの食料・水・医薬品の搬入さえ完全に止め、「ハマスの壊滅」「市民のガザ南部への避難」を唱えるが、これはイスラエルによる占領と封鎖によって人口の約45%が14歳以下の子どもで、7割は難民であるガザの人びとを集団虐殺するに等しい。
 国連をはじめとする国際社会の呼びかけと仲介によって、双方が剣を置き和解のための話し合いをする以外、解決の道はない。
《パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルへの大規模攻撃を仕掛け、軍事衝突が始まっている。直前には、紛争の絶えないこの地区から14歳の中学生3人が広島を訪れ、平和記念資料館などに足を運んでいた。いま、故郷に帰れず足止めを食らい、家族や友人の身の上を案じている。
 「生まれてから幾度の戦争と数え切れない衝突を目の当たりにしてきた。毎日、目が覚めて家族や友達がいなかったらどうしようという恐怖を感じている」
 3人のうちの1人、ジェナーン・アブー=ユニスさんは、6日に訪れた武田高校(広島県東広島市)で生徒らにガザの現状を伝えた。3人の訪問は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の研修の一環だ。
 ガザ地区では、イスラエル軍の空爆とハマスなどによるイスラエル領へのロケット弾発射の応酬が繰り返されてきた。
 エジプトに近いガザ南部ラファの学校に通うジェナーンさんの親友は、2021年の紛争で父を失った。「その日は彼女の誕生日だった。もう祝うことができない」
 イスラエルとの国境があるガザ北部ベイトハヌーンで暮らすファディ・アリさんは、14年の軍事衝突で家を失った。「がれきになった家の前で母さんが泣き崩れて、大けがを負ったいとこの名前を叫んでいた」。5歳だったファディさんもその光景を覚えている。
生まれて初めてガザの外へ
 ガザ地区は07年からイスラエルによる封鎖が続く。UNRWAによると、失業率は5割に近い。ガザ中部に住むラマ・オウダさんは「才能があっても発揮する機会がない。私たちは閉じ込められている」と訴える。
 ラマさんとファディさんはガザを出るのが初めてだ。検問などがあり、ヨルダンを経由しアラブ首長国連邦で飛行機に乗るまで3日かかった。9月30日に東京に着き、10月5日に広島へ。平和記念公園の原爆死没者慰霊碑に花を供えた。
 今回の3人の研修はUNRWAが日本政府の70年にわたる支援を記念したもの。「平和のために、分断を憎み、結びつきを深める場所」として被爆地の広島への訪問を決めたという。
 5日には平和記念資料館も訪れた。
広島の資料館で後ずさり
 涙を流しながら見学していたジェナーンさんとラマさんは、原爆投下直後の被爆者の写真や遺品などがあるコーナーで、目を覆って後ずさりした。2人は呼吸を整えながら、一度は入り口まで引き返した。しかし、「ガザにいるみんなのためにしっかり見ないといけない」と入り直した。ジェナーンさんは「ガザの苦しみを伝え、世界とのつながりをつくるジャーナリストになりたい」と話す。
 ファディさんは武田高校で、小学生の時に日本から受け取った文房具やおもちゃが入った袋を見せた。「僕たちに心を寄せてくれている人がいると知った希望の袋だった。戦争から復興した日本はロールモデルだと思う」と感謝を伝えた。
 3人は6日、武田高校と舟入高校(広島市中区)で、柔道やアニメなど日本文化も交えながら生徒と交流を重ねた。封鎖された街を飛び出して様々な学びを得た3人は教育を「唯一の希望」、「私たちにとっての酸素」と表現した。
 ラマさんは広島を後にする際に語った。「すばらしい冒険だった。私たちの世代のために、世界中の人々が明るい未来へともに歩むことを願いたい」
友人も犠牲に 家族は「帰ってくるな」
 ハマスがイスラエルに大量のロケット弾を発射したのは、その翌日だった。
 3人は東京行きの新幹線に乗っていた際、UNRWA職員のスマホからアラートが鳴り響き、事態に気づいた。同時に、現地の家族や友人から状況を伝える大量のメッセージが届いた。
 その後はヨルダンに到着したが、ガザへ戻れる見通しは立たない。UNRWAによると、一時はエジプト側からガザに入ることも考えたが、イスラエルの爆撃のため断念。ファディさんには、今回の空爆で10日に友達が亡くなり、家族はイスラエル国境に近い家から南部へ移ったという知らせが届いた。3人はそれぞれの家族から「今は(ガザに)帰ってくるな」と涙ながらに伝えられたという。
 UNWRAは3人が通う学校を含めてガザで約300校を運営。今回の戦闘で11日現在、生徒30人と職員9人が亡くなり、17万5500人が学校のシェルターに避難しているという。
 ヨルダンで勤務し、3人の来日に同行したUNRWAの清田明宏保健局長は「イスラエル側の被害が大きく、どういう反発があるか読めない。これほど悪い予感がするのは初めてだ」と話している。(黒田陸離)》




2023年10月11日
「必死で走り続けたが、銃声に追いつかれて、トゲがたくさん生えている茂みの中に伏せて隠れなければならなかった。まるでホラー映画の中にいるようで、茂みの下で、もっと母の面倒をみてあげたらよかったとか、子どもが欲しかったなとか、いろいろなことを考えた。(逃げのびた別の参加者が)テロリストたちはユダヤ人なら誰でも殺すべきだと笑いながら言うのを聞いた。私にはアラブ人の友人も、同僚もいる。今回の襲撃で傷ついた私を治療してくれた医師もアラブ人だった。私たちがユダヤ人というだけで殺し、誘拐するようなテロリストを人間と思えない」友人と音楽祭に参加したアリク・ナニさん(26)
「私はガザ地区の完全包囲を命じた。電気も食料も燃料もなくなり、すべてが閉鎖される。私たちはhuman animalsと戦っており、それに応じて行動している」9日イスラエル ギャラント国防大臣
・イスラエル軍はソーシャルメディアで、イスラエル人の死者が1000人を超えているとみられるとした。50人が人質になった、あるいは行方不明だという。同国の公共放送KANは、イスラエル人の死者が1200人に達しており、多くは民間人だと伝えた。
・イスラエル軍は9日、ガザ地区の500カ所以上を航空機やヘリコプターなどで攻撃。国連人道問題調整事務所(OCHA)は11日、イスラエル軍がイスラム組織ハマスへの報復として爆撃を続けるパレスチナ自治区ガザ地区で、家を追われた避難民が26万3000人を超えたと発表。
・8日バイデン米大統領は、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスによるイスラエルへの大規模な攻撃を受け、空母打撃群を同国に近い東地中海に派遣するよう指示し、追加の軍事支援を行う考えを表明。
・9日バイデン米大統領、マクロン仏大統領、ショルツ独首相、メローニ伊首相、スナク英首相は声明で「イスラエルが自国を防衛し、最終的に平和で統合された中東地域の条件を整えられるよう、われわれは同盟国として、イスラエルの共通の友人として、結束と連携を続けていく」と表明。
・ガザ保健省の10日夜の発表によると、パレスチナ側の死者は900人に上る。このうち260人が子ども、230人が女性だとしている。負傷者数は4500人を数える。
・ガザ地区の面積は福岡市よりやや広い程度の365平方キロで、約220万人が住んでいる。国連によると、約26万人が空爆などによって家を追われた。大半は学校に避難しているが、一部の学校は空爆で損壊している。
・22年12月11日イスラエル国防軍はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸で16歳のパレスチナ人少女を射殺したことを12日に確認した。11日夜に同地を急襲した際に、武装集団を狙った射撃で「意図せず」少女が死亡したと説明。ヨルダン川西岸で殺害されたパレスチナ人は、今年(2022)に入ってこれで166人になった。
・2022年12月31日イスラエルによるパレスチナ占領をめぐり、国連総会で国際司法裁判所に対して国際法の原則に照らした意見を出すよう求める決議が、賛成多数で採択。アラブ諸国をはじめロシアや中国など87か国が賛成し、イスラエルやアメリカ、イギリスなど26か国が反対、日本やフランスなど53か国が棄権。
・5月9日イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザを空爆し、少なくともパレスチナ人15人が死亡。死者にはパレスチナの武装組織「イスラム聖戦(PIJ)」の幹部3人が含まれているというが、パレスチナの保健当局は、死者には女性と子供が計8人含まれていると述べた。さらに22人が負傷しているという。
・6月19日にはパレスチナ人武装グループの拠点であるジェニンで、武装ヘリコプターの援護を受けたイスラエル軍とパレスチナ人戦闘員の間で数時間にわたる銃撃戦となり、パレスチナ人6人が死亡、90人以上が負傷。翌20日ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地付近でパレスチナ人による銃撃があり、イスラエル人4人が死亡、4人が負傷。イスラム組織ハマスは、パレスチナ自治区ジェニンでイスラエル軍が実施した急襲作戦への対応だと述べた。
・7月3日未明イスラエル軍はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸ジェニンの難民キャンプに何百人ものイスラエル兵が入り、空からはドローン(無人機)によるミサイル攻撃を行った。パレスチナ保健当局は、これまでにパレスチナ人9人が死亡し、100人がけがを負ったとしている。5日の葬送で多くの人々が、3日以降に殺されたパレスチナ人12人の遺体を乗せた担架を担ぎながら、声を張り上げている。死者のうち4人は18歳未満だった。イスラエル側は、作戦では武装勢力を狙ったと説明した。今年はこれまでに、ヨルダン川西岸と東エルサレムで、パレスチナ人140人以上(武装勢力と民間人の両方)がイスラエル軍や入植者によって殺されている。ガザ地区の死者は36人に上っている。
・国連は8月、入植者によるパレスチナ人や集落への襲撃が23年1月から半年間で591件あったと報告。イスラエル軍は7月、2000年代の第2次インティファーダ(対イスラエル民衆蜂起)以降、最大規模の地上部隊を西岸に展開し10人以上が死亡。
〈その七度目に祭司たちが角笛を吹いたとき、ヨシュアは民に言った。「ときの声をあげなさい。主がこの町をあなたがたに与えてくださったからだ。この町と町の中のすべてのものを、主のために聖絶しなさい。」
 そこで、民はときの声をあげ、祭司たちは角笛を吹き鳴らした。民が角笛の音を聞いて、大声でときの声をあげるや、城壁がくずれ落ちた。そこで民はひとり残らず、まっすぐ町へ上って行き、その町(イェリコ)を攻め取った。彼らは町にあるものは、男も女も、若い者も年寄りも、また牛、羊、ろばも、すべて剣の刃で聖絶した〉
〈イスラエルが、彼らを追って来たアイの住民をことごとく荒野の戦場で殺し、剣の刃で彼らをひとりも残さず倒して後、イスラエルの全員はアイに引き返し、その町を剣の刃で打った。その日、打ち倒された男や女は合わせて一万二千人で、アイのすべての人々であった。 ヨシュアは、アイの住民をことごとく聖絶するまで、投げ槍を差し伸べた手を引っ込めなかった。こうして、ヨシュアはアイを焼いて、永久に荒れ果てた丘とした〉旧約聖書ヨシュア記第六章(イェリコの聖絶)第八章(アイの聖絶)
 旧約聖書の記述によって、唯一神ヤハウェから賜わったとするカナンの地からそこに住むペリシテ人(パレスチナ人)を「聖絶」させて自らの領土とした古代イスラエルの民。アイ、イェリコはまさにヨルダン川西岸の都市。イスラエル国防相の言葉は、ヨシュア記の「聖絶」を彷彿させる。
 そんな聖書の記述や教条から解き放たれているはずの現代のイスラエルの若者、市民たちが、イスラエル史で最も右翼的で汚職に塗れたネタ二エフ政権のもとで進むヨルダン川西岸への不法入植とパレスチナへの攻撃と衝突の応酬なかで、市民や子供の殺害などの重大な戦争犯罪を相互に繰り返しながら憎悪と復讐の怨念に染まっていくという、ホラーではないリアルな現実。
 ドイツをはじめとする欧米諸国は、ヒトラーとナチスによるユダヤ人大量殺害のトラウマからか、イスラエル軍と入植者によるパレスチナの人びとへの侵略と殺傷という国際人道法違反には無関心、寛容であり続け、バイデンに至ってはウクライナでは決して行わない空母打撃軍の地中海派遣まで指示している。
 今回のハマスによるイスラエル市民の殺戮と誘拐は極めて残忍で国際法を幾重にも蹂躙する行為だが、背景にあるイスラエルによるパレスチナへの侵略と破壊、市民の殺害も同様に違法なものでしかなく、それを黙認してきた米国など各国にも相応の責任がある。 なんの罪もない子どもたちや市民の殺傷をこれ以上続けないために双方に戦闘行為の停止を要請し、戦争犯罪は厳正に処罰しながら対話による和平の道を模索し続けることでしか、本当の解決は訪れない。
《約3千人の若者たちが夜通しで音楽や踊りを楽しんでいた会場は一転、けたたましい銃声と悲鳴に包まれた。
 7日早朝、イスラエル南部キブツ・レイム近郊の野外音楽イベントを、イスラム組織ハマスの凶弾が襲った。
 会場からは260人以上の遺体が収容されたと報じられた。ハマス戦闘員によって多数が誘拐されたと見られている。
 そのとき、何が起きたのか。
 7日午前6時20分。
 にぎやかな音楽に体を揺らしながら、友人たちと乾杯する。夜明けの澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込みたくて、バル・ベンアハロンさん(23)は空を仰いだ。
 飛び交う数機のパラグライダーが見えた。「素敵な空を楽しんでいる人もいるんだな」
 楽園のようだった空間が、悪夢へと一変する10分ほど前の話だ。
アップテンポな音楽が流れる会場を襲った悲劇。ハマス戦闘員の銃声が鳴り響く中、イベント参加者たちは必死に逃げました。記事の後半に動画があります。
 まもなく大きな爆発音がして、幾筋もの光が弧を描くように空を走った。会場にほど近いパレスチナ自治区ガザ地区から、イスラエル領内に向けて発射されたロケット弾だ。
 テルアビブ近郊に住むベンアハロンさんは「こんなに近くで発射音を聞いたことがなくて、怖かった」。
 ただ、他の男性は、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の取材に、「イスラエルのアイアンドーム(対空防衛システム)が撃ち落とすから大丈夫だと思った」と振り返っている。
 イスラエルの住民でなければ、男性の落ち着いた反応は信じがたく映るかもしれない。
 だが、ガザからのロケット弾発射自体は、今回の大規模攻撃以前にも定期的に繰り返されている。とりわけ、ガザとの境界に近いイスラエル南部で暮らす住民にとって、その「光」を直接見ることはめずらしくない。
 イスラエルは、ハマスがガザの実効支配を始めて以来、周囲を壁などで封鎖し、人やモノの移動を厳しく制限している。
 また、ロケット弾攻撃があるたびに多くを迎撃し、領内への被害を最小限にとどめてきた。脅威は身近にあったが、イスラエル軍が封じ込めているのが日常だった。
 だが、この日は様相が異なっていた。
戦闘員はパラグライダーで越境してきた
 まもなく、イベント参加者たちの携帯電話にニュースを見た家族からの連絡が入り始めた。
 「武装したテロリストが、イスラエル領内に侵入した」
 「とにかくそこから離れて」
 ベンアハロンさんも、恋人からメッセージを受け取った。パラグライダーに乗っていたのは、越境するハマスの戦闘員だった。
 それを理解した瞬間、「日常」は壊れた。
 NYTによると、会場にはイベントの安全性を確保するための警備員や救急スタッフが配備されていた。警備員はロケット弾発射を確認した直後、参加者にすぐに避難するよう誘導したという。
 ただベンアハロンさんは、戦闘員については知らされなかった。
 数千人の参加者が一斉に車で逃げようとしたため、渋滞で身動きが取れなくなった。「何も考えずにとにかく逃げろ、と彼から言われて、車も捨てて走った」とベンアハロンさん。周囲の人々の多くも走り出したが、車内にうずくまって隠れたり、途中でけが人を助けようとしたりしている人も目に入ったという。
 「私は前しか見られなかった。背後から銃声が近づいてくるのが聞こえたから。走り続けていなかったら殺されるか、誘拐されていたと思う」
 息が切れたところで運よく通りかかった車に乗せてもらい、近くの街まで逃げ延びることができたという。
「まるでホラー映画の中にいるようで」
 会場付近は平野が広がっていて、建物はほとんどない。襲撃から身を隠す場所も乏しかったとみられる。朝日新聞が入手した動画には、銃が乱射される中を人々が必死に逃げまどう様子が映っている。SNS上には、戦闘員に捕らえられ悲鳴を上げながら連れ去られる女性の映像もある。
 友人と音楽祭に参加したアリク・ナニさん(26)は、「必死で走り続けたが、銃声に追いつかれて、トゲがたくさん生えている茂みの中に伏せて隠れなければならなかった」と話す。
 「まるでホラー映画の中にいるようで、茂みの下で、もっと母の面倒をみてあげたらよかったとか、子どもが欲しかったなとか、いろいろなことを考えた」。騒ぎを耳にした近くの村の住民に助けられるまで、何度も物陰に身を隠しながら、6時間走り続けたという。 地元メディアによると、確認された死者は260人以上に上り、イスラエル当局はこの攻撃を「虐殺」という言葉を使って強く非難した。惨劇から数日経っても多数の参加者が行方不明のままで、ガザに連れ去られた人も多いとみられる。
 ナニさんは、逃げのびた別の参加者が「テロリストたちはユダヤ人なら誰でも殺すべきだと笑いながら言うのを聞いた」という。
 「私にはアラブ人の友人も、同僚もいる。今回の襲撃で傷ついた私を治療してくれた医師もアラブ人だった。私たちがユダヤ人というだけで殺し、誘拐するようなテロリストを人間と思えない」と訴えた。
 イベントには、ガザ地区の近くの豊かな自然と音楽を楽しもうと、世界各国から観光客が集まっていた。
ぐったりした女性を踏みつける映像も
 被害者の中には外国人も含まれている。SNSでは、この音楽祭の襲撃直後から、複数の戦闘員がぐったりした姿の女性をトラックの荷台に乗せ、踏みつけながら気勢を上げる映像が広く拡散された。この女性はまもなく、ドイツから観光で訪れていたシャニー・ロークさん(22)と確認された。
 母親は、捜索への協力を求める映像を公開した。(エルサレム=高久潤)



2023年10月11日
日記がわりに。
 4日先月満席で入れなかった北野mont doleに行くと、5日まで休み。北野坂Bistrot Cafe de Parisはテラスに座れたが、中は高齢者の団体、テラスは韓国からのツアー客で結構な混み具合。ビールとワインでのんびり待ってピザをいただき、帰り際にマスターがフレンチビールをくれた。
 クアハウスを訪ねると、なんとここも老朽化で来年4月から改築で休業とか。ホウ酸泉と重曹泉に浸かって帰宅。
 国際ニュースで仏2は、ウクライナで戦死した兵士の妻と5人の子どもたちが父親の墓を訪ねる様子と、街中に戦死者の写真が並べられて、幼い子が亡き父の遺影に走り寄ってすがる姿を伝える。戦争は理不尽、非道そのもの。
 秋らしくなった7日神大を抜けてil ventoに行くと、そんな予感がしたがすでに満席、駅前のCALMOで久しぶりに美味しいマルゲリータをいただく。昼間の予約を無くし更に物価高騰でランチセットも無くしたとのことだがしばらくでほぼ満席。春日野道経由渚の湯に向かうが、渚公園で「犬も歩けば」像を発見して、温泉はまたにして食材買うだけで帰宅。
 5日ウクライナ東部ハルキウ州フロザ村という人口330人の村で亡くなった兵士の追悼中にロシアの空爆があり、8歳の男の子も含む52人が犠牲になったことを伝える。
 7日のハマスによるイスラエルへの侵入と野外音楽会場での260人の殺害など市民への無差別殺戮と拉致を、9日BBCなど国際ニュースも伝える。イスラエル国防相は「相手は人間ではない動物」、首相ネタ二エフはパレスチナ側は「経験したこともない代償を払う」と。そういう憎悪は事態を泥沼化するだけ。
 昨日再開した鶴甲コープに行く。今日一月ぶりに鈴蘭の湯に向かい谷上へ出てバスを待つと、三宮~有馬間バスは阪急、神姫が運転手不足で相次いで11月と来年4月から廃止とか。有馬へは神鉄があるが、この路線の途中で乗り降りする人たちには大変なことだろう。
 すずらんの湯についた頃にはヨタヨタだったが、庭園の各露天と内湯に浸かった後はシャッキリして帰宅。ようやく、しばらく秋晴れの予報。


2023年10月 7日
「そもそも学童保育が十分に整備されていないがために、子どもたちに留守番をさせざるを得ないような状況が生まれるのです。子どもたちを「置き去り」にすることを禁止する前に、まずは学童保育を十分に整備し、置き去りにしないで良い環境を作るのが行政の仕事ではないでしょうか?」
「また、今回の埼玉県の条例案では、条例違反を発見した県民には通報義務があります。これはどこに通報するのでしょう?通報ではなく、子どもがのびのび過ごせるよう県民が「支援する義務」の方が求められるのではないでしょうか?条例よりも支援できるような仕組みを先に作るべきではないでしょうか?」
賛同。




2023年10月 5日
「(2017年自分の性被害について)会見をしたのは、『#MeToo』運動が世界的なうねりになる直前のことでした。知り合いの記者に話を聞くと、編集局の男性デスクの理解が得られず記事を出せなかった、と。性暴力は重大な犯罪であり、人の心や体を傷つけるものであるにもかかわらず、軽く見られていたのではないかと考えています」
「ジャニー氏による性加害問題についても、これまで様々なチャンスがあったにもかかわらず沈黙を保ち、英BBCが今年3月に問題を報じた後も、すぐ後追いをしようとしなかった。日本の大手メディアの大きな組織的問題だと思います」
「背景にあるのは、記者クラブ制度や、報道のニュースソースが捜査当局に過度に依存するといった、日本特有のメディアの問題でしょう」
「私の事件でも、不起訴になったから記事化をちゅうちょしたのか、新聞社やテレビ局が『右見て、左見て』と同業他社の様子をうかがう雰囲気が常にあったと知人の記者に聞きました。本来は、なぜ逮捕状が執行されなかったのか、なぜ不起訴になったのかを取材するのが、ジャーナリズムの仕事ではないでしょうか」
「しかし、日本のメディアはリスクを回避することを優先しているように見えます。もちろん、権力のウォッチドッグとして、証拠を集め、裏をとり、リスクを回避をするのは当然のことです。ところが、自分たちで勝手に忖度(そんたく)し、面倒なことを避けるためにリスクを回避をしているのではないか、という疑念を持っています」
「何のためにリスクを回避しているのか。だれのためのメディアなのか。そういうことをいま一度立ち止まって考えなくてはいけないと思います。それは私たちの命、生活に関わってくることだと思うからです」
「(ジャニー氏の性加害問題をめぐって2000年4月に、衆議院「青少年問題に関する特別委員会」で阪上善秀衆院議員(当時)が法務省や警察庁に対して質問をしていた)その事実を知って驚きました。性暴力をめぐる議論や法制度は、海外ではこの20〜30年の間で大きく変わってきています。なのに日本では、00年に国会で追及する機会がありながら、そこで止まってしまった。大きな問題です」
「性被害を受けた人にとっては、『ただ一度の被害』ではない。その後の人生にも大きく影響を与えます。人を傷つけるという言葉では収まらない、深刻な人権侵害です」
「性犯罪があったことの証明を被害者に負わせる法制度ではなく、もっと切り込んだ報道や行政の調査、そして捜査があれば……。私は今このようにお話ししていないと思います」
「(被害者が声を上げやすくするには、何が必要でしょうか)逆説的ではありますが、当事者の声に頼らないことだと思います。被害を受けた人が声を上げるというのは、大変な負担を強いるものです。ーーーそれができるのはメディアですが、当事者として感じているのは、声を上げないとメディアは動けないのか、ということです」
「ジャニー氏による性加害は、元少年たちの訴えにより問題がすでに可視化されました。ならば、メディアも国会議員も、自分たちの問題として受け止めて、社会や法制度のシステムを変えていく努力をしていってほしいと思います。当事者の声に負わせるのではなく、社会に投げられた課題だと思います」
「そうですね。そしてやはり自分の経験として語りたいのは、誹謗中傷による二次被害についてです。私の場合、本当に語りたくない悪夢のようなことを話した直後に、ネット上での誹謗中傷を受けました。そのダメージは大きかったです」
「プラットフォーム事業者には、言葉による暴力を目にしたとき、速やかに対処する責任があります。そして、社会の多くの人たちにも、できることはあります。気づいたときに肯定的な言葉を投稿することです。それによって攻撃的な言葉を埋もれさせることができる」
「私たち一人ひとりにも、すぐにできることがあるのです。周囲に被害を受けた人がいたら、まずは傍観者にならないようにしてほしい。身の回りで起きていることに敏感になってほしいと思います」
 ジャニー・喜多川による多くの少年たちに対する性犯罪を、この国のメディアと司法そして社会が見過ごし続けてきたことに対する、伊藤詩織さんの貴重な提言。
 カルトと癒着した安倍元首相の伝記を書くなど懇意なTBS元記者山口敬之は、伊藤さんへの性暴力で告訴状を受理した警視庁高輪署が準強姦罪で逮捕状をとったにも関わらず、逮捕直前に安倍政権発足時に官房長官菅の秘書官だった警視庁の中村格刑事部長によって逮捕は止められた。
 伊藤さんの2017年検察審査会への不服申し立てに同年9月21日東京第6検察審査会が「不起訴相当」としたが、伊藤さんが山口敬之に性被害の損害賠償を求めた訴訟の上告審は、22年7月最高裁が山口の上告を棄却して約332万円の賠償を命じた二審・東京高裁判決が確定した。
 米国で多数の女性たちが性的暴行の被害を名乗り出て「#MeToo」運動のきっかけとなったハリウッドの元大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(70)は、2022年6月ニューヨーク州控訴裁判所は23年の懲役を、23年2月ロサンゼルス地裁は禁錮16年の判決を出し、事実上終身刑となった。
 この国で長年にわたり多数の少年たちに性的暴行を行い続けたジャニー・喜多川は、2017年性犯罪を親告罪でなくし「不同意猥褻罪」「強制性交等罪」とした刑法改正により、警察と検察は被害者による告訴がなくても喜多川を捜査し検挙することも出来たのに、何もしなかった。NHKなど大手メディアはジャニーズ事務所との関係からそのタレントたちを使い続け、この問題に「沈黙」し続けた。
 伊藤さんの勇気ある告発に対する警察・検察の不逮捕と不起訴、そして検察審査会が「不起訴相当」としたのも、同じくジャニー・喜多川による少年たちへの重大犯罪を不問とし続けたこの国の官公庁、メディアそしてタレントを起用し続けた大手企業など、「日本の社会システムの中に、はっきりとした形のない、気味の悪い何か、表現できない何か」、社会を覆う権力者やそれに連なる者たちに対する忖度、遠慮、様子見そして被害を受けた人たちへの無理解と無視を決め込む歪んだ構造によるもの。
 今まで沈黙していた多くのメディアの記者、そしてジャニーズタレントを起用し続けた企業経営者らが、事務所が喜多川の性犯罪を認めると、一転して一斉に質問攻めにし、事務所の責任にする異様な光景。
 統一教会と自民党の癒着問題を追い続けた鈴木エイト氏のようなジャーナリストこそ、日本の報道機関は手本とすべきだろう。自らの報道姿勢を外部委員も入れてしっかりと検証し、なぜ警察や検察そして大企業がこれらの問題を放置し続けたのかも取材し報道すること。それがせめてもの報道機関の償いであり、最も有効な同種犯罪の抑止策だ。
《ジャニーズ事務所の創業者・故ジャニー喜多川氏による元少年たちへの性加害問題が浮き彫りにしたのは、被害者が声を上げることの困難さでもあった。
 自身も性被害を受けたジャーナリストの伊藤詩織さんは、誹謗(ひぼう)や脅迫にさらされながら、性暴力の問題を追及してきた。被害者の声を封じないためにはどうすればいいのか。被害者の救済とは。伊藤さんに話を聞いた。
 ――今回のジャニーズ事務所における性加害問題や事務所の対応について、どう見られましたか。
 「芸能界だけでなく、教育機関、会社でも、ハラスメントや暴力は、組織におけるパワーのバランスの崩れから起きると思います。では、ゆがんだ権力構造に、どうやってメスを入れていくか。その意味では、ジャニーズ事務所の新社長に東山紀之さんが就任されましたが、かつてハラスメントをした疑いについて質問され、『自分は覚えていない』というような人物を組織のトップに置くことは、真摯(しんし)な対応とは思えませんでした」
 ――今回の性加害問題では、多くの被害者が長く声を上げられず、声を上げた後も報じたメディアは多くありませんでした。これは、伊藤さん自身も経験されたことです。
 「私が自分の性被害について記者会見をした2017年と、23年の今では、性暴力に対する目線やメディアの対応は変わったところもあると思います。私が最初に会見をしたときは、なぜ被害を受けた人間が顔と名前を出して話をするのかと、好奇の目を向ける記者もいました。私の服装について書いた新聞もあったのです」
 「会見をしたのは、『#MeToo』運動が世界的なうねりになる直前のことでした。知り合いの記者に話を聞くと、編集局の男性デスクの理解が得られず記事を出せなかった、と。性暴力は重大な犯罪であり、人の心や体を傷つけるものであるにもかかわらず、軽く見られていたのではないかと考えています」
 「ジャニー氏による性加害問題についても、これまで様々なチャンスがあったにもかかわらず沈黙を保ち、英BBCが今年3月に問題を報じた後も、すぐ後追いをしようとしなかった。日本の大手メディアの大きな組織的問題だと思います」
リスク回避優先で沈黙した日本のメディア
 ――構造的な問題がある、と。
 「背景にあるのは、記者クラブ制度や、報道のニュースソースが捜査当局に過度に依存するといった、日本特有のメディアの問題でしょう」
 「私の事件でも、不起訴になったから記事化をちゅうちょしたのか、新聞社やテレビ局が『右見て、左見て』と同業他社の様子をうかがう雰囲気が常にあったと知人の記者に聞きました。本来は、なぜ逮捕状が執行されなかったのか、なぜ不起訴になったのかを取材するのが、ジャーナリズムの仕事ではないでしょうか」
 「しかし、日本のメディアはリスクを回避することを優先しているように見えます。もちろん、権力のウォッチドッグとして、証拠を集め、裏をとり、リスクを回避をするのは当然のことです。ところが、自分たちで勝手に忖度(そんたく)し、面倒なことを避けるためにリスクを回避をしているのではないか、という疑念を持っています」
 「何のためにリスクを回避しているのか。だれのためのメディアなのか。そういうことをいま一度立ち止まって考えなくてはいけないと思います。それは私たちの命、生活に関わってくることだと思うからです」
何かがはびこる日本の社会システム
 ――BBCの番組はどうご覧になりましたか。
 「ジャニー喜多川氏の性加害問題を報じたBBCの番組ディレクターは私の知人でもあり、制作にあたって協力もしました」
 「当初は、取材を始めても証言をしてくれる人がなかなか出てきませんでした。番組を見てもらえば、日本の社会システムの中に、はっきりとした形のない、気味の悪い何か、表現できない何かがはびこっていて、それを伝えようとしていることがわかると思います。番組は性加害の問題だけでなく、メディアの問題、その周りの社会や空気の問題を描いていると思います」
 ――メディアはなぜ性加害問題に沈黙したのか検証すべきだ、という声が強まっています。その表現できない何か、を見つめる作業が必要ですね。
 「その通りだと思います」
 ――ジャニー氏の性加害問題をめぐっては、実は00年4月に、衆議院「青少年問題に関する特別委員会」で阪上善秀衆院議員(当時)が法務省や警察庁に対して質問をしています。メディアや国会、関係官庁、捜査機関は、そのときも問題解決に向けて動くことできる機会を逃していました。
 「その事実を知って驚きました。性暴力をめぐる議論や法制度は、海外ではこの20〜30年の間で大きく変わってきています。なのに日本では、00年に国会で追及する機会がありながら、そこで止まってしまった。大きな問題です」
 「性被害を受けた人にとっては、『ただ一度の被害』ではない。その後の人生にも大きく影響を与えます。人を傷つけるという言葉では収まらない、深刻な人権侵害です」
 「性犯罪があったことの証明を被害者に負わせる法制度ではなく、もっと切り込んだ報道や行政の調査、そして捜査があれば……。私は今このようにお話ししていないと思います」
 ――伊藤さんが声を上げたことなどがきっかけとなり、ようやく今年、性暴力については刑法が改正されて、不同意性交罪ができました。
 「しかし、不同意性交がすべて罪だとはなっておらず、被害者が被害を証明しなくてはならないというハードルはまだ残っています。正直、被害を受けた側が証明していくことは、本当に難しい。さらに、被害者にとっては、つらい思いをしながらも話したことがもし罪として認められなかったら、その後の回復に非常に大きな妨げになってしまいます」
二次被害を防ぐために
 ――声を上げることの困難さを、伊藤さんは著書で「巨大な組織が立ちはだかっている」と書かれています。性被害を受けた元少年たちにとっても、ジャニー氏やジャニーズ事務所は「巨大な組織」だったと思います。被害者が声を上げやすくするには、何が必要でしょうか。
 「逆説的ではありますが、当事者の声に頼らないことだと思います。被害を受けた人が声を上げるというのは、大変な負担を強いるものです」
 「『見えない問題は解決できない』。ニューヨーク・タイムズで、映画プロデューサーの性加害を暴いた調査報道にかかわったジョディ・カンター氏は、そう言っています。それができるのはメディアですが、当事者として感じているのは、声を上げないとメディアは動けないのか、ということです」
 ――伊藤さんは著書で繰り返し、「性暴力に関する社会的、法的システムを同時に変えなければならない」と述べられています。被害を受けた元少年たちもいま、児童虐待防止法改正の署名運動をはじめました。
 「ジャニー氏による性加害は、元少年たちの訴えにより問題がすでに可視化されました。ならば、メディアも国会議員も、自分たちの問題として受け止めて、社会や法制度のシステムを変えていく努力をしていってほしいと思います。当事者の声に負わせるのではなく、社会に投げられた課題だと思います」
 ――被害を受けた人たちの救済のためには、まず社会や法制度を変えるということですね。
 「そうですね。そしてやはり自分の経験として語りたいのは、誹謗中傷による二次被害についてです。私の場合、本当に語りたくない悪夢のようなことを話した直後に、ネット上での誹謗中傷を受けました。そのダメージは大きかったです」
 「プラットフォーム事業者には、言葉による暴力を目にしたとき、速やかに対処する責任があります。そして、社会の多くの人たちにも、できることはあります。気づいたときに肯定的な言葉を投稿することです。それによって攻撃的な言葉を埋もれさせることができる」
 「私たち一人ひとりにも、すぐにできることがあるのです。周囲に被害を受けた人がいたら、まずは傍観者にならないようにしてほしい。身の回りで起きていることに敏感になってほしいと思います」(聞き手 編集委員・豊秀一)》



2023年10月 1日
日記がわりに。
 28日酷暑の間は自転車での往復をためらった水道筋灘温泉にアシスト車で降ると因果応報?総点検とかで休業。六甲道の方に浸かり、食材買って帰宅。
 9月最後の昨日花隈に向かうとこれでもかの蒸し暑さ。美味しいのに何故かいつも空いているALBARでチポッラとサラミのピザを頂き、阪急地下を覗くと久しぶりに小ぶりのカワハギあり。
 今日からもう10月、明け方の雨で気温は下がるがやはり湿度は高い。西宮北口に出てゆいたばで島そばとオリオンを頂き、阪急ガーデンズ屋上でコーヒー。地場の野菜と秋刀魚など買って帰宅。これから秋らしくなるのか。






                                                                                                                                                                 
  
     





























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