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2023年 9月28日
・大阪地裁(達野ゆき裁判長)は27日、原告128人全員について水俣病の原因物質メチル水銀による被害を認め、国などに1人当たり275万円の支払いを命じた。水俣病特別措置法の救済策に申請しながら「非該当」とされた37人を漏れなく救済。地域(居住歴)や出生年の線引きに根強い批判があった特措法救済策の「欠陥」を事実上、指弾する判決。
「水俣湾外の魚介類も相当程度メチル水銀に汚染され、長期間続いていたと推認される」
「不知火海で取れた魚介類を継続的に多食したと認められる場合には、水俣病を発症し得る程度の水銀摂取を推認するのが合理的」
「少なくとも水俣湾に仕切り網が設置された74年1月までに水俣湾やその近くで取られた魚介類を多食した人は、水銀摂取が認められる」
「(メチル水銀摂取と手足の感覚障害などとの疫学的な因果関係について)法的因果関係を判断する上で重要な基礎資料となる」
「低濃度のメチル水銀を長期にわたり摂取することで発症する可能性は否定できず、摂取終了から長期間経過後に発症する『遅発性水俣病』の存在も認められる」
「多くの原告は不知火海の魚介類を継続的に多食し、発症し得る程度の水銀摂取と感覚障害が認められる。漁獲地に不明点が残る原告の症状も、ほかの原因で説明できない」
「(不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」の)起算点は検診で水俣病と診断された時。原告らの除斥期間は経過していない」大阪地裁判決
「私たちはこれで病気が治るわけではない。治らない病気、治らない。勝訴って分かった時点で、あ、やっと認められたんだと」原告 前田芳枝さん(74)
「全員が水俣病だという判決を聞いた時、10年間頑張ってきて報われたなと思った。この判決は、熊本の判決にも弾みのつく判決だと思う」熊本訴訟 森正直原告団長
「被害の広がりが地域的にも年代的にも広く認められていて、水俣病に長く関わっている研究者や患者団体からすると、言ってみれば当たり前のことだが、それが司法上も認められた大きな一歩」E熊本学園大学 花田昌宣シニア客員教授
 水俣病有機水銀中毒の未認定患者をひろく認定し補償対象とした大阪地裁の画期的な判決。
 この熊本日日新聞が、水俣での「猫狂い死」を報じたのが1954年。水俣保健所が「原因不明の奇病」を公表したのは1956年。熊本大学水俣病研究班の「水俣病の原因は有機水銀」との発表は1959年。1962年水俣病審査会が脳性小児マヒ患者16人を胎児性水俣病と認定するなどののち、厚生省が水俣病を新日本窒素肥料水俣工場のアセトアルデヒド製造工程で副生されたメチル水銀化合物が原因の公害病と認めたのは1968年。しかし水俣湾に仕切り網が設置されたのは1974年で公式発見から18年後。
 有機水銀を食物連鎖で濃縮した多くの魚介類が水俣湾から広く不知火海さらに外洋を回遊し、広範囲の人びとが魚介を食べて有機水銀を体内に蓄積したが、国が水俣病の「最終解決」とした2009年の水俣病被害者救済法は、熊本と鹿児島の6市3町の一部を対象地域にしたのみで、さらにチッソが排水をやめた1968年までに1年以上居住したことを要件とし、多くの被害者を共済の対象から外す極めて酷いものでしかなかった。
 この大阪訴訟をはじめ熊本、東京で水俣病を患いながら未認定とされた患者さんらが提訴したのは2014年。一審判決までに9年が経ち、原告の平均年齢は70歳を超えている。国と熊本県、原因企業チッソはこの判決の重みを噛み締め、控訴していたずらに時間を浪費させることなく、速やかに判決を受け入れて責任を果たすべきだ。
《水俣病特別措置法に基づく未認定患者救済策の対象から外れた水俣病不知火患者会の会員らが国と熊本県、原因企業チッソに1人当たり450万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁(達野ゆき裁判長)は27日、原告128人全員について水俣病の原因物質メチル水銀による被害を認め、国などに1人当たり275万円の支払いを命じた。
 同会員らが熊本、東京、大阪の3地裁に起こした集団訴訟で初めての判決。地域(居住歴)や出生年の線引きのため特措法(2009年施行)に基づく救済対象から外れたり、情報不足のため申請できなかったりした原告について、大阪地裁は幅広く救済した。
 達野裁判長は、不知火海沿岸の汚染の広がりについて「水俣湾外の魚介類も相当程度メチル水銀に汚染され、長期間続いていたと推認される」と指摘。県内で特措法の救済対象地域から外れた旧姫戸町、旧倉岳町、旧河浦町宮野河内地区などでも「不知火海で取れた魚介類を継続的に多食したと認められる場合には、水俣病を発症し得る程度の水銀摂取を推認するのが合理的」と判断した。
 出生年の線引きで対象外とされた1969年12月以降生まれの原告は4人。判決は「少なくとも水俣湾に仕切り網が設置された74年1月までに水俣湾やその近くで取られた魚介類を多食した人は、水銀摂取が認められる」とした。
 病像については、メチル水銀摂取と手足の感覚障害などとの疫学的な因果関係を認め、「法的因果関係を判断する上で重要な基礎資料となる」と判示。「低濃度のメチル水銀を長期にわたり摂取することで発症する可能性は否定できず、摂取終了から長期間経過後に発症する『遅発性水俣病』の存在も認められる」とした。
 その上で個別の状況を検討し、「多くの原告は不知火海の魚介類を継続的に多食し、発症し得る程度の水銀摂取と感覚障害が認められる。漁獲地に不明点が残る原告の症状も、ほかの原因で説明できない」と結論付けた。
 被告側は、不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」の適用を求め、起算点は「初めて症状が出た時期」と主張したが、判決は「起算点は検診で水俣病と診断された時。原告らの除斥期間は経過していない」と退けた。
 原告は、就職などで不知火海沿岸から関西や東海地方に移住した50〜80代の男女。2014年9月に第1陣が提訴し、19年2月の第12陣まで追加提訴を重ねた。熊本、東京を加えた3地裁の原告は約1600人で、熊本訴訟(原告1405人)の判決は来年3月22日に言い渡される。(植木泰士)
制度の「欠陥」指弾
 水俣病不知火患者会の会員らの集団訴訟で原告128人全員の被害を認めた27日の大阪地裁判決は、水俣病特別措置法の救済策に申請しながら「非該当」とされた37人を漏れなく救済した。地域(居住歴)や出生年の線引きに根強い批判があった特措法救済策の「欠陥」を事実上、指弾する判決と言える。
 2009年施行の特措法の救済対象地域は、認定患者が発生した地域をベースとした1995年の政府解決策が参考にされた。被害者団体との交渉で一部広がったものの、地域外の申請者は汚染された魚介類の多食を証明する客観的な資料が必要とされ、最終的に約9600人が「非該当」となった。
 これに異を唱える原告側は、訴訟で「魚介類の汚染は不知火海全体に広がっていた」と主張。現地などの疫学調査を踏まえて「対象外の地域でもメチル水銀の摂取と手足の感覚障害などの症状には因果関係がある」として、原告一人一人について汚染された魚の多食や民間医師の診断による症状を丹念に立証し、判決でいずれも認められた。
 判決は、病像についても原告側の主張をほぼ全面的に採用し、広く被害を救済する姿勢を示した。被告側が否定した症状の変動を認めたほか、水銀の摂取終了から長期間が経過した後に発症する「遅発性水俣病」についても、発症時期を限定しなかった。
 原告の平均年齢は70歳を超えた。勝訴原告のうち89人は、特措法の申請期限に間に合わなかった。不知火海沿岸から遠方に移住したことによる「情報過疎」に加え、差別・偏見を恐れて水俣病をタブー視していた家族もいる。2年3カ月で申請受け付けを打ち切った国は、今回の司法判断を重く受け止めるべきだ。(東誉晃)
 水俣病の救済策 1970年代に公害健康被害補償法に基づく患者認定申請が急増。95年の政治決着で一時金260万円などの救済策に未認定患者1万人余りが応じた。国の基準よりも広く被害を認めた2004年の最高裁判決を機に、救済問題が再燃。09年施行の特別措置法による新たな救済策で対象者に一時金210万円などが支給された。期限の12年7月末までに約6万5千人が申請。約9600人が対象外となった。》


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2023年 9月27日
「目指すべきは、『人間の尊厳』が守られる世界」岸田文雄首相19日国連演説
『日本国の恥晒し』「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」「目の前に敵がいる!大量の左翼軍団」「同じ空気を吸っているだけでも気分が悪くなる」2016年2月17日杉田水脈ブログ、ツイッター(2016年2月15日から3月4日のスイス・ジュネーヴ国連女性差別撤廃委員会に関して)
2022年8月12日、岸田文雄首相が杉田を総務政務官に任命。 社説「杉田水脈氏を政務官に 差別を認める内閣なのか」「杉田水脈政務官、初答弁で「控えたい」繰り返す 過去の発言や判決に」
2022年12月27日、総務政務官辞任。「私の過去の発言、拙い表現に厳しいご指摘があり、それを重く受け止めて反省し、一部を取り消したが、その真意がなかなか伝わらないということもあった」
2023年8月4日国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会の声明。一部引用。
「先住民族
 アイヌ民族を先住民族として認めることは、アイヌ文化と遺産の保護と活性化を目的とした2019年の「アイヌ施策推進法」の可決と併せて、アイヌ民族の権利の承認に向けた前向きな動きを示すものである。しかし、アイヌ人口の国勢調査が存在しないことにより、アイヌ民族に対する差別が可視化されていない。アイヌ民族は依然として教育や職場での差別に直面しており、差別なく権利と機会均等を確保するための措置が必要である」
「メディアおよびエンターテイメント業界
 作業部会は、メディアおよびエンターテインメント業界内の深刻な問題に接した。この業界の搾取的な労働条件は、労働者に対する保護やハラスメントの明確な法的定義の欠如に加え、性暴力やハラスメントに対する不処罰の文化を助長している。
 数百名におよぶジャニーズ事務所のタレントを巻き込んだ性的搾取と虐待の極めて憂慮すべき疑惑が暴露され、報道によれば、日本のメディア各社は数十年にわたりこのスキャンダルの隠蔽に関与していると報じられている。
 政府と被害者に関係する企業が対策をこれまで講じてこなかったいま、政府が一義的な責任者として、加害者に対する透明性の高い捜査を確保し、被害者に対する効果的な救済を得られるようにする必要性を浮き彫りにしている」
2023年9月7日、杉田水脈衆院議員が自身のブログでアイヌ民族らに対して差別的投稿をした問題で、札幌法務局が「人権侵犯の事実があった」と認定し、人権を尊重するよう杉田に「啓発」をした。
「作業部会の見解は国連としての見解ではなく、我が国に対して法的拘束力を有するものではない」松野博一官房長官7日記者会見 (国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会のメンバーが被害者救済に向けた対応を政府に求めたことについて)
「杉田氏が確信犯的に中傷を先導している現状は、私たちの裁判の時も今回の人権侵犯と認定されたケースの際も変わっていないのではないか。裁判が終わった後も杉田氏からの謝罪は一度もなく、真摯な対応はなかった」牟田和恵大阪大学名誉教授(ジェンダー論)
「岸田首相は国連演説など外向けには人権意識が高いように喧伝するが、ヘイトにまみれた日本の現状がいかに深刻か。最も罪深いのは杉田氏のような女性を選挙では比例順位の上位に載せて利用していることだ。杉田氏に政治家の資格はない。そういった存在を自民党が認めていることそのものが大変な問題だ」遠藤乾東京大学教授(政治学)
 先住民族アイヌ問題を所管する総務省の大臣政務官に、国連の場などで様々な差別・ヘイト発言を繰り返す杉田のような人物を起用し、わずか4ヶ月余りで辞任する不適切極まる人事を行った岸田首相が、自らのに任命責任を問うこともなく国連で「人間の尊厳が守られる世界」を吹聴する愚かしさ。
 女性、LGBTQ、障がい者、先住民族、被差別部落そしてジャニー・喜多川の子供に対する性犯罪に関する国連人権理事会作業部会声明も「拘束力なし」と無責任極まる傍観を決め込む。
 「生産性がない」「日本国の恥晒し」「品格に問題」「女性はいくらでもウソをつける」は全て杉田本人のこと。いつまでこういう愚劣で無責任極まる輩を衆院選比例区で優遇し続けるのか。岸田政権も自民もまとめて退場させるのが、この国のまともな未来を作る道。
《自民党の杉田水脈衆院議員がブログでアイヌ民族への侮辱的な投稿をしていた問題で、札幌法務局が人権侵犯の事実があったと認定した。国会議員が人権侵害をしたと認定される異例の事態だが、杉田氏は記者会見などの対応はしないし、同党や政権内に厳しく責任を問う様子も見られない。岸田文雄首相は国連総会での演説で「人間の尊厳」の尊重を強調した。だとしたら、放置していい問題か。(岸本拓也、木原育子)
◆「認定」受け、法務省は氏に人権を「啓発」
 札幌法務局は今月7日付で、杉田氏による人権侵犯を認定した。
 認定されたのは計3件で、2016年にスイスで開かれた国連女性差別撤廃委員会の参加者について、「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」と書き込んだブログやツイッター(現X)への投稿など。委員会に参加したアイヌ民族の多原良子さんが今年3月に人権救済を申し立てていた。認定を受けて法務局が、杉田氏に人権について「啓発」したという。
◆同性カップルは「生産性ない」発言で政務官辞任
 改めて、杉田氏の経歴を振り返りたい。兵庫県出身で、西宮市役所勤務などを経て12年に政界入り。日本維新の会や次世代の党などを渡り歩き、17年の衆院選で自民党の比例中国ブロックから出馬し、現在3期目。故・安倍晋三首相と保守的な考えが近いとされ、安倍氏の地元の同党山口県連に属し、派閥も安倍派だ。
 その言動は度々問題視されてきた。18年には月刊誌で同性カップルを念頭に「生産性がない」と表現。今回の投稿は、杉田氏が総務政務官として出席した昨年11月の参院予算委員会で取り上げられた。同12月、これらの言動の謝罪と撤回に追い込まれ、政務官を辞任した。ただし、杉田氏は撤回しながらも「差別」とは認めなかった。
 今回の人権侵犯認定をどう受け止めているのか。杉田氏の事務所に尋ねると、今月14日に法務省側から杉田氏本人に事実認定の説明があったことを認めた上で、「受け止めは、マスコミには一切出さないようにしている」と話した。その理由について、「(申し立てした)相手方もあることだし、本来非公開であるべきもの」と述べ、記者会見の予定もないとした。
◆岸田首相は国連で「人間の尊厳」訴えていたが…
 説明に後ろ向きな姿勢を野党は批判する。立憲民主党の泉健太代表は22日の記者会見で「当の本人は国会議員としてどういう認識なのか、多くの国民が説明を聞きたいと思っている」として謝罪と説明を求めた上で「指導すべきは自民党。人権に関する研修や指導はどうなっているのか」と自民党の対応を疑問視した。
 自民党は今のところ、公式な見解を示していない。杉田氏の事務所も党本部からの指導などは「秘書が把握している限り、全くない」と話す。自民党幹事長室に聞くと、「今後、党役員の会見で質問があれば、党の見解を示すことになる」と述べるにとどめた。
 折しも、総裁でもある岸田文雄首相は19日の国連での演説で「目指すべきは、『人間の尊厳』が守られる世界」と自らの理想を国際社会に訴えたばかり。それと相反する杉田氏の言動に向き合っているとは言い難い。党内からも「杉田氏をかばっている印象を持たれるのは良くない」(若手議員)との声も漏れる。
 ジャーナリストの鈴木哲夫氏は自民党の対応について「ありえない」と批判する。甘い対応の背景に「自民の主要支持層である安倍派、保守派への配慮が常にある」とした上でこう続ける。「長期政権で緊張感が失われ、自民党全体が緩み、矜持きょうじを失っている。党として、杉田氏に公の場で説明責任を果たさせるなど、きちっと党として対処しないといけない」
◆杉田氏の事務所「何をもって啓発か、認識していない」
 人権侵犯の認定に至る流れについて触れたい。法務局は当事者や法定代理人から人権救済の申し立てを受け、調査すべきかどうか判断する。
 調査では加害者本人や周辺に事実確認をしていく。侵犯の事実が認定されると、今回のような「啓発」のほか「要請」「説示」といった措置を実施する。調査件数は2022年、7859件あった。
 さて、啓発とは何をするのか。法務省人権擁護局調査救済課の佐藤晶子課長補佐は「なるべく対面で(加害者に)人権への理解を深めてもらっている。面会できない際はパンフレットを送って注意喚起する場合もある」と話す。
 今回は具体的にどんな啓発をしたのか。法務省は「個別事案のため答えられない」と明確にしない。加害者側が抜本的に人権意識を改めるような働きかけをしたのか、疑わしさが残る。
 こちら特報部の取材に、杉田氏の事務所は「法務省側から今回の認定に関する説明はあったが、その中で何をもって啓発としているかは、こちらはよく認識していない」と答えた。
 「『アイヌのことを学ぶように説諭した』との報道もあったが、杉田本人に確認しても、そんな話は聞いていない」とも。「ただ、法務省とけんかするつもりもない」として、認定は受け入れる考えという。
 啓発に強制力があるわけでなく、加害者側の認識もどこか軽い。
◆差別禁じた「アイヌ新法」、政治家が踏みにじるとは
 一方、被害者側にかかる負担は重い。今回、救済申し立てをした多原さんは「申告をするため、SNSで中傷されたコメントを何度も見直し、精神的に大変負担だった」と振り返る。
 人権侵犯の認定について、法務省側は発表しなかったが、自ら発信した。「同じ立場の人の励みになり、抑止力になって、声を上げやすくなるなら」と、その理由を語る。
 19年施行のアイヌ施策推進法(アイヌ新法)ではアイヌ民族を先住民族と位置づけ、差別や権利侵害を禁じている。立法府の人間が法律の基本理念を踏みにじった点でも、今回のケースは重大だ。
 多原さんと活動をともにしてきたアイヌ文化伝承者の光野智子さんは「政府も政治家もアイヌ民族の歴史を知らなすぎる。人権侵犯の認定を契機に歴史を学んでほしい」と強調する。
◆専門家「重用する自民党の姿勢も問題」
 杉田氏の言動に、公の機関が加害性を認定したのはこれが初めてではない。
 杉田氏から慰安婦問題への研究費の使い方を非難され、名誉を毀損きそんされたとして研究者4人が損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が5月、大阪高裁であった。高裁は杉田氏に一部賠償を命じた。
 原告の1人、大阪大の牟田和恵名誉教授(ジェンダー論)は「杉田氏が確信犯的に中傷を先導している現状は、私たちの裁判の時も今回の人権侵犯と認定されたケースの際も変わっていないのではないか。裁判が終わった後も杉田氏からの謝罪は一度もなく、真摯しんしな対応はなかった」と厳しい目を向ける。
 同じく原告の1人、同志社大の岡野八代教授(政治思想史)は「杉田氏の特徴はマイノリティーが生きていく権利を嘲笑し、蔑さげすむこと。政治は弱い立場の人のためにあるはずだが、弱者が逆に追い詰められている」と憤る。
 今回ものど元過ぎれば…なのか。東京大の遠藤乾教授(政治学)は「岸田首相は国連演説など外向けには人権意識が高いように喧伝けんでんするが、ヘイトにまみれた日本の現状がいかに深刻か」と疑問視し、「最も罪深いのは杉田氏のような女性を選挙では比例順位の上位に載せて利用していることだ。杉田氏に政治家の資格はない。そういった存在を自民党が認めていることそのものが大変な問題だ」と訴える。
◆デスクメモ
 問題のある言動を繰り返し、人権侵犯との認定を受けても、差別と認識しているか分からない。これで国会議員の資質があるというほうが難しい。杉田氏を比例名簿に載せ、重用してきたのは自民党だ。このままフェードアウトを狙ったとしても、さらに人権意識を疑われるだけだ。(北)》



2023年 9月24日
日記がわりに。
 20日バスと神戸電鉄乗り継いで有馬。堂加亭でお昼を食べていると急に冷気で涼しくなった。久しぶりに康貴を訪ねると、日帰りは月・火曜定休だったがこの週は連休のため今日が休み、有馬御苑は開いていて金泉・銀泉に浸かり、三宮で秋刀魚など買って帰宅。
 昨日は朝から曇りでようやく秋らしい涼しさ。il ventoでパターテを頂きそのまま道を南へ下りおとめ塚の湯に向かうと、JRを過ぎた横手に「安産祈願」の徳井神社があり、初めて境内に入る。湯に浸かり阪神御影で食材買って帰宅。
 今日も曇りのち晴れ。坂を降り六甲カトリック教会の横を下ると、道端に大きなローズマリーが自生しているのに初めて気づいた。これを料理に入れると美味しくなるはず、、。
 イカリで鱧丼弁当買い、阪急でハーバーランドに出て突堤沿いでお昼。日差しが差すとまだ暑い。ドック沿いを歩き三宮に戻る。旧居留地を行くとモニュメント像で真ん中に何故かかぼちゃ。食材買って帰宅。ようやく猛暑は終わった模様。
     


 



2023年 9月22日
「20世紀は、大量破壊兵器の使用を抑制し、配備せず、拡散させず、脅さず、実験しない、完全な核軍縮を推進することを世界に教えた。これは良い戦略だが、率直に言って、世界を最終戦争から守る唯一の戦略であってはならない」
「ウクライナは、世界で3番目に多く保有していた核兵器を放棄した。(国際社会は)ロシアが核を保持すべきだと結論を出した。しかし、歴史を振り返ってみると、1990年代にロシアこそが核軍縮の対象となるべきだった。 テロリストに核兵器を持つ権利はない」
「脅威は核だけではない。ロシアは核兵器をそのまま保有しており、大量破壊に向かう勢いは増しているが、他にも多くのものを兵器と化した。それらは我が国に対してだけでなく、あなた方に対しても使用されている。親愛なる指導者たちよ、兵器を制限する条約は多く存在するが、「兵器化」に対する真の制限はない」
「例えば食料の兵器化だ。本格的な戦争が始まって以来、黒海とアゾフ海のウクライナの港はロシアによって封鎖されてきた。ドナウ川沿いの港はミサイルやドローン攻撃の対象となっている。それは、占領地の一部の領土化を認めさせるため、世界市場での食料不足を兵器化しようとするロシアの明らかな試みだ。ロシアは食料の価格を武器に変えているのだ」
「第2に、ロシアはエネルギーも兵器化している。ロシアがエネルギーを武器として使うのを、世界は何度も目撃してきた。クレムリンは、他国の指導者を弱体化させるために石油とガスを武器にした」
「ロシアは原子力エネルギーを兵器化している。自国の当てにならない原子力発電所の建築技術をあちこちにばらまいているだけではなく、他国の原子力発電所を汚らしい爆弾に仕立て上げている。ロシアが我々の(ザポロジエ)原発にやったことをみてほしい。爆弾で攻撃し、占領したうえで、放射能漏れを各国に脅しをかける材料に使っている」
「ロシアが原子力発電所を攻撃の道具としている今、核兵器を削減しようという理性的な試みはないのだろうか。そら恐ろしい質問だ。世界の安全保障を守る枠組みは、このような陰険な放射能を使った脅しに対し、なんの対応もなければ、保護も与えてくれない。これまでのところ、放射能による恐喝者に、どのような説明責任も問うていない」
「3番目の例は子どもたちだ。不幸なことに、これまでもテロリスト集団が社会や家族に圧力を加えるために、子供を利用する例はあった。だが、一国が政策として子供を集団で誘拐して連れ込むような取り組みはいままでなかった。ーーー国際刑事裁判所(ICC)はプーチンに対し、この戦争犯罪の容疑により逮捕状を出した。我々は連れ去られた子どもたちを取り戻そうと努力しているが、時間が過ぎていく。どのようなことが起こるか。連れ去れた子どもたちはロシアにウクライナを憎むように教えられ、家族の絆は引き裂かれる。これは明らかにジェノサイドだ」
「憎しみが他国に武器として使われるとき、その攻撃が一国にとどまることはない。モルドバやジョージアは国土の一部を占領されたままだ。ロシアはシリアを焦土と化した。もしロシアが関わることがなかったら、シリアで化学兵器が使われることはなかっただろう。ロシアはベラルーシをほぼ完全にのみ込んだ。カザフスタンやバルト3国も明らかに脅されている」
「ウクライナに対する戦争の目的は1つ。我々の国土や人々をあなた方や、ルールに基づく国際秩序を攻撃する武器に変えることだ。ロシアがこの陰険な攻撃に成功したあかつきには、国連総会に空席がいくつもできることになるだろう」
「この侵略者は核兵器を使わなくても、同じように死と破壊をまき散らしている。ロシアの兵器によって壊滅した村や町がその証拠だ。ドローンによる戦争がある。サイバー空間に戦地を広げ、人工知能(AI)が人類を助けるすべを学ぶ前に(人類を)うまく攻撃することを学べば、どのような結果が起きうるかについて知っている」
「ニューヨークやその他の都市の有志が気候変動への抗議行動を重ねている。またモロッコやリビア、その他の国々で自然災害によって人々が命を落としている。島や国が水面下で消滅している。竜巻や砂漠が新たな領域に広がっている。これらすべてが起こっているあいだ、モスクワは、人為的な災害を引き起こすことを決め、何万人もの人々を殺し始めた」
「我々はそれを阻止しなければならない。侵略者を打ち負かすために一致団結して行動することで、いち早く気候変動などグローバルな課題への対処に集中できるようにしなければならない。核兵器が抑制されるように、侵略者も抑制されなければならない。今、いかなる戦争も核の脅威をはらんでいる。しかし、我々が団結し、そうした攻撃が二度と起こらないようにしなくてはいけない」
「閉ざされたドアの中で行われる一握りの大国間の対話では平和は訪れない。平和を求めるすべての国が手を取り合う必要がある」
「重要なのは、これがウクライナだけに関わる話ではないということだ。140以上の国家や国際機関が、ウクライナの平和の公式を全面的あるいは部分的に支持している。この公式は世界的なものになりつつある。ロシアがウクライナや他の国々に対して使用し、他の侵略者にも使用される可能性があるような、あらゆる攻撃に対応策を提示するからだ」
「近代史上で初めて、攻撃を受けた国が定めたやり方で、侵略を終わらせる機会が目の前にある。そしてウクライナという前例を確立することは、すべての国にとって、万が一自国に対する侵略が起こったとしても、その侵略は必ず止められるということを確かにすることに他ならない。国土が分割され、軍事的、または政治的圧力に従わざるを得なくなることなく、自国の領土と主権を完全に回復して争いに幕を閉じるという前例になりうる」
「ロシアは世界を破滅に追い込んでいる。一方、ウクライナは、ロシアの侵略の後、世界でこのようなことが二度と起こらないよう、できる限りの力を尽くしている。食料やエネルギーの兵器化を止めなければならない。戦争犯罪は罰せられなければいけない。連れ去られた人々は母国に帰り、占領者は本国に戻るべきだ。実現するためには、全世界が団結しなければならない。ウクライナに栄光あれ!」ゼレンスキー大統領9月19日国連総会
 19日国連総会でのゼレンスキー大統領演説を唯一全文掲載する日経新聞からの引用。
 世界最多の核兵器保有国であり、国内では選挙や報道を私物化して反対派を排除・弾圧・粛清し、国民を洗脳して事実上の独裁を行うロシアの、歴史と文化の多くを共有し、ソ連崩壊と共に独立し賢明にも核を放棄した隣国ウクライナへの侵攻による戦争は、単に両国間の問題ではなく、核戦争・世界大戦への脅威とともに食糧、エネルギー供給の武器化と原発攻撃による核汚染、子供の連れ去りというジェノサイド、環境破壊、ドローン、サイバーによる攻撃など、本来は核軍縮をはじめとする平和構築と気候変動対策などにこそ集約すべき国際間の協力を、世界の分断と対立に導く、全世界に関わる問題であることを端的に提示する、まさに歴史的な演説。
 広島出身と称しながら米国の核の傘に依存し核禁条約にも冷淡で、防衛費は増額させて南西諸島などの軍事基地化を推し進めるこの国の首相は、憲法で「戦力の不保持」「交戦権の否認」を定めた国ならではの平和・環境への貢献が、ウクライナでも世界でもさまざまにできるだろうに、20日「気候変動野心サミット」にも招待されず国連でも影が薄いだけ。それは私たちの責任でもある。
《私はここで共通の目標に向かって取り組む皆さんを歓迎する。そして、我々が本当の意味で団結することで、すべての国に平和をもたらすことができると約束する。 団結は、戦争を防ぐことができるのだ。
紳士淑女のみなさん、事務総長、議長、親愛なる指導者の皆さん、この総会ホール(会場)は多くの戦争についての話し合いの場になってきた。だが、侵略者をとどめることに対し、それほど積極的な役割を果たしてこなかった。
多くの場合、私たちは再び国連総会に誰も集まれなくなるような最終戦争、国家間の対立がまっしぐらに核兵器使用の脅威につながるような「世界大戦」を恐れてきた。第3次世界大戦は、核戦争になると考えられてきた。
他の戦争は、大国と呼ばれる国々が核兵器を乱射する脅威に比べれば、それほど恐ろしくないと思われてきた。
20世紀は、大量破壊兵器の使用を抑制し、配備せず、拡散させず、脅さず、実験しない、完全な核軍縮を推進することを世界に教えた。これは良い戦略だが、率直に言って、世界を最終戦争から守る唯一の戦略であってはならない。
ウクライナは、世界で3番目に多く保有していた核兵器を放棄した。(国際社会は)ロシアが核を保持すべきだと結論を出した。しかし、歴史を振り返ってみると、1990年代にロシアこそが核軍縮の対象となるべきだった。 テロリストに核兵器を持つ権利はない。
脅威は核だけではない。ロシアは核兵器をそのまま保有しており、大量破壊に向かう勢いは増しているが、他にも多くのものを兵器と化した。それらは我が国に対してだけでなく、あなた方に対しても使用されている。親愛なる指導者たちよ、兵器を制限する条約は多く存在するが、「兵器化」に対する真の制限はない。
例えば食料の兵器化だ。本格的な戦争が始まって以来、黒海とアゾフ海のウクライナの港はロシアによって封鎖されてきた。ドナウ川沿いの港はミサイルやドローン攻撃の対象となっている。それは、占領地の一部の領土化を認めさせるため、世界市場での食料不足を兵器化しようとするロシアの明らかな試みだ。ロシアは食料の価格を武器に変えているのだ。アフリカの大西洋岸から東南アジアに至るまでの地域に影響を及ぼしている。
黒海における穀物協定を取り持ち、支援してくれた指導者たちに感謝したい。この支援により、武器となってしまったものを、再び食料へと戻すことができた。アルジェリアやスペイン、インドネシアから中国に至るまで、45カ国以上がウクライナ産の食べ物を市場に流通させることの大切さを知っていたのだ。
ロシアは穀物協定の合意から離脱した。私たちは食料の安定を確保するために努力しているし、これに皆が協力してくれることを期待している。
我々は、ウクライナの港から一時的な輸出回廊を立ち上げた。また、輸出のための陸路の確保に努めている。
欧州の一部で、政治的な舞台では我々との連帯を演じながら、実際にはモスクワの役者に舞台を用意する手助けをしている国がある。憂慮すべきことだ。
第2に、ロシアはエネルギーも兵器化している。ロシアがエネルギーを武器として使うのを、世界は何度も目撃してきた。クレムリンは、他国の指導者を弱体化させるために石油とガスを武器にした。
ロシアは原子力エネルギーを兵器化している。自国の当てにならない原子力発電所の建築技術をあちこちにばらまいているだけではなく、他国の原子力発電所を汚らしい爆弾に仕立て上げている。ロシアが我々の(ザポロジエ)原発にやったことをみてほしい。爆弾で攻撃し、占領したうえで、放射能漏れを各国に脅しをかける材料に使っている。
ロシアが原子力発電所を攻撃の道具としている今、核兵器を削減しようという理性的な試みはないのだろうか。そら恐ろしい質問だ。世界の安全保障を守る枠組みは、このような陰険な放射能を使った脅しに対し、なんの対応もなければ、保護も与えてくれない。これまでのところ、放射能による恐喝者に、どのような説明責任も問うていない。
3番目の例は子どもたちだ。不幸なことに、これまでもテロリスト集団が社会や家族に圧力を加えるために、子供を利用する例はあった。だが、一国が政策として子供を集団で誘拐して連れ込むような取り組みはいままでなかった。ロシア占領下にあるウクライナの地域から連れ去られた子供は、名前が分かっているだけで何万人もいる。連れ去られた証拠があるが、身元の確認がとれない子供は何十万人もいる。
国際刑事裁判所(ICC)はプーチンに対し、この戦争犯罪の容疑により逮捕状を出した。我々は連れ去られた子どもたちを取り戻そうと努力しているが、時間が過ぎていく。どのようなことが起こるか。連れ去れた子どもたちはロシアにウクライナを憎むように教えられ、家族の絆は引き裂かれる。これは明らかにジェノサイドだ。(*注 ジェノサイドの定義には子供を強制的に他の集団に移動させることも含む)
憎しみが他国に武器として使われるとき、その攻撃が一国にとどまることはない。モルドバやジョージアは国土の一部を占領されたままだ。ロシアはシリアを焦土と化した。もしロシアが関わることがなかったら、シリアで化学兵器が使われることはなかっただろう。ロシアはベラルーシをほぼ完全にのみ込んだ。カザフスタンやバルト3国も明らかに脅されている。
ウクライナに対する戦争の目的は1つ。我々の国土や人々をあなた方や、ルールに基づく国際秩序を攻撃する武器に変えることだ。ロシアがこの陰険な攻撃に成功したあかつきには、国連総会に空席がいくつもできることになるだろう。
この侵略者は核兵器を使わなくても、同じように死と破壊をまき散らしている。ロシアの兵器によって壊滅した村や町がその証拠だ。ドローンによる戦争がある。サイバー空間に戦地を広げ、人工知能(AI)が人類を助けるすべを学ぶ前に(人類を)うまく攻撃することを学べば、どのような結果が起きうるかについて知っている。
せめてもの救いは、まだ人類は気候を武器として使う方法を身につけていないことだ。人類は気候変動に関する目標を達成できておらず、異常気象が世界中の人々を苦しめている。悪意ある国がこの弱みにつけ込む可能性は大いにある。
ニューヨークやその他の都市の有志が気候変動への抗議行動を重ねている。またモロッコやリビア、その他の国々で自然災害によって人々が命を落としている。島や国が水面下で消滅している。竜巻や砂漠が新たな領域に広がっている。これらすべてが起こっているあいだ、モスクワは、人為的な災害を引き起こすことを決め、何万人もの人々を殺し始めた。
我々はそれを阻止しなければならない。侵略者を打ち負かすために一致団結して行動することで、いち早く気候変動などグローバルな課題への対処に集中できるようにしなければならない。核兵器が抑制されるように、侵略者も抑制されなければならない。今、いかなる戦争も核の脅威をはらんでいる。しかし、我々が団結し、そうした攻撃が二度と起こらないようにしなくてはいけない。
閉ざされたドアの中で行われる一握りの大国間の対話では平和は訪れない。平和を求めるすべての国が手を取り合う必要がある。
昨年、私は国連総会でウクライナの「平和の公式」を提議し、その後、インドネシアでその全体像を発表した。これは過去1年間で、既存の安全保障の枠組みをアップデートするうえでの基盤となった。国連憲章を復活させ、ルールに基づく世界秩序が尊重できる環境が整った。明日、国連安全保障理事会の特別会合で詳細を開示する。
重要なのは、これがウクライナだけに関わる話ではないということだ。140以上の国家や国際機関が、ウクライナの平和の公式を全面的あるいは部分的に支持している。この公式は世界的なものになりつつある。ロシアがウクライナや他の国々に対して使用し、他の侵略者にも使用される可能性があるような、あらゆる攻撃に対応策を提示するからだ。
近代史上で初めて、攻撃を受けた国が定めたやり方で、侵略を終わらせる機会が目の前にある。そしてウクライナという前例を確立することは、すべての国にとって、万が一自国に対する侵略が起こったとしても、その侵略は必ず止められるということを確かにすることに他ならない。国土が分割され、軍事的、または政治的圧力に従わざるを得なくなることなく、自国の領土と主権を完全に回復して争いに幕を閉じるという前例になりうる。
国家安全保障顧問と外交官との会談を開始した。広島とコペンハーゲン、そして(サウジアラビアの)ジッダでは、平和の公式の実用化に関する重要な協議が行われた。平和サミットの準備も進められている。このサミットは、平和を掲げ、侵略に反対する全ての国家と築きあげたい。
(ウクライナの敵国間で)水面下で不審な取引が試みられていることは承知している。悪への手出しをものともしない主導者は信頼してはいけない。プリゴジンの境遇を見れば、プーチンの約束に命を委ねるとどうなるかが分かる。
ロシアは世界を破滅に追い込んでいる。一方、ウクライナは、ロシアの侵略の後、世界でこのようなことが二度と起こらないよう、できる限りの力を尽くしている。
食料やエネルギーの兵器化を止めなければならない。戦争犯罪は罰せられなければいけない。連れ去られた人々は母国に帰り、占領者は本国に戻るべきだ。実現するためには、全世界が団結しなければならない。ウクライナに栄光あれ!
(ニューヨーク=弓真名、西邨紘子、野一色遥花)》




2023年 9月21日
・8月29日、自衛隊オスプレイV22の佐賀駐屯地建設工事を巡り、地権者のノリ漁師ら4人が工事差し止めの仮処分を佐賀地裁に申し立て。
「建設地は漁業者らの共有地で、処分(売買)に必要な全員の同意が得られておらず、所有権(持ち分権)は現在も漁業者らにある」
・8月31日、陸自の輸送機V22オスプレイ1機が(エンジンの動力をローターに伝える「プロップローター・ギアボックス」内でギアなどが高速回転し、摩耗。その結果、金属片ができたことを知らせるランプが点灯し)航空自衛隊静浜基地(静岡県焼津市)に「予防着陸」。
・9月13日、沖縄県はオスプレイ事故の続発を受け、防衛省に来月14日からのアメリカ海兵隊との共同訓練でのオスプレイの飛行自粛を要請。
・9月14日午前、普天間基地爆音訴訟団などは豪州の事故を受けて日本政府や米軍に、カリフォルニアの事故の調査で不具合が認められたオスプレイの飛行停止を申し入れ。
・その直後の14日午後2時過ぎ、鹿児島県奄美市の奄美空港に事前の連絡なく2機が着陸。
・同日午後3時過ぎ、沖縄県石垣市の新石垣空港に事前連絡はなく別の2機が着陸、滑走路が一時閉鎖。
・9月15日の記者会見で木原稔防衛相は「日米同盟の抑止力・対処力の強化を図る重要な訓練」と沖縄県の要請を拒否。陸上幕僚監部広報室も取材に対し「安全性に配慮しながら運用していく」と。
・9月16日午後4時半ごろ、大分県国東市の大分空港に1機が着陸。滑走路が一時閉鎖され、民間機の発着に遅れが。
・9月18日、海兵隊は在日米軍のオスプレイも含む全機体の週内2日間の飛行停止を指示。
・9月19日、木原稔防衛相は記者会見で緊急着陸について問われ、「米側に対して、事案の原因に関する情報提供を求めるとともに、改めて安全管理を徹底するようにも申し入れをしている」と述べる。
「ほぼ同じタイミングで5機も続けて緊急着陸するなんて異常。聞いたことがなく、怖いのと同時に大変遺憾で、あり得ない。危惧していたことが実際に起きた。欠陥機をしっかり点検もせず、沖縄の上空を飛ばすなと言いたい。(2日間の飛行停止について)わずか2日で安全の確認が取れるのか。不十分で、徹底解明を求めたい」普天間基地爆音訴訟団の玉元一恵事務局長
「異常事態にほかならない。市民の命と安全を脅かしている。佐賀空港は1998年に開港したが、その際、県は覚書に『自衛隊との共用はしない』と明記した。軍用空港になれば必ず攻撃目標になるからだ。平和な有明の海を守りたい先人らの思いの結実だった」佐賀県の市民団体「みんなでSTOPオスプレイ佐賀」共同代表の山下明子さん
「民間空港に当たり前のようにオスプレイが止まっていて平和な石垣の景色ではなかった。緊急着陸が頻発すれば、緊急ならばやむを得ないかと無意識に譲歩する。知らず知らず生活が脅かされている」緊急着陸の翌々日に新石垣空港を訪れた沖縄大の高良沙哉教授(憲法学)
「沖縄でなぜ訓練が増えているのか理由が全く見えない。『台湾有事』と言って米軍に乗せられ、こちら側から仕掛けている。不時着(緊急着陸)が繰り返され、『またか』と感覚を慣らされ、声を上げられなくしている。日本政府は不時着がこれだけ頻発しても飛行停止はおろか不時着原因の調査や再発防止策も米軍に求めない。国民の命を軽視していないか」沖縄国際大の前泊博盛教授(日米安保論)
・先月、豪州で23人が搭乗した訓練中の1機が墜落し、搭乗員3人が死亡、5人が重傷を負い、うち1人が重体。
・昨年は3月にノルウェーで4人、6月に米カリフォルニア州で5人が死亡する墜落事故。カリフォルニアの事故について、米軍は今年7月の調査報告書で、クラッチが一時的に離れて再び結合する際に衝撃が発生する「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」という現象が原因と断定。人為的ミスの可能性を否定し、機体に問題があったと結論付け。
・米海兵隊では今月17日にも、米南部上空で訓練中のステルス戦闘機F35が行方不明になる事故が発生。
・2016年12月13日沖縄県名護市安部沿岸の浅瀬に、夜間空中給油訓練中の米軍普天間飛行場のMV22オスプレイ1機が墜落、大破。乗組員5人全員が救出されたが2人は負傷。
〈オートローテーション機能の欠如
 オスプレイは開発段階で30人が死亡した。
 「未亡人製造機」と呼ばれ、その危険性が広く知られている。最もよく知られているのはオートローテーション機能の欠如である。ヘリコプターには、エンジンが止まっても、機体が降下する際に下からの気流を利用して回転翼(ローター)を回し、揚力を得て比較的ソフトな着陸ができる機能がある。これがオートローテーションである。
 ところが、ヘリと飛行機のいいとこ取りをしたといわれるオスプレイは、ヘリに比べてローターが小さく、かつ機体が重いため、オートローテーション機能が欠如している。航空法第10条が定める耐空証明が取れず、民間機であれば同法第11条により飛行が許されない。海兵隊や自衛隊(17機の購入と佐賀空港への配備が計画されている)のオスプレイが飛行できるのは、航空特例法や自衛隊法で、航空法の多くの条項が適用除外となっているからである。軍用機に関しては軍事目的が優先し、空の安全が軽視されているのである。
ハワイ事故が明らかにした構造的欠陥
 オスプレイにはほかにも重要な構造的欠陥がある。
 それを明らかにしたのが、2015年5月17日のハワイのオアフ島のベローズ空軍基地での海兵隊オスプレイMV22の着陸失敗による2人の死亡と20人の負傷事故である。
 オスプレイはヘリに比べれば重い機体を、ヘリより小さいローターで飛ばさなければならない。そのため、ローターの回転数を上げる必要があり、離着陸の際、通常のヘリの4倍の風速の下降気流が地面を叩きつける。これがほこりや砂を舞い上げ、エンジンがそれを吸い込んでタービン翼に固着する。それが揚力を失わせ、着陸失敗となったのである。
 たとえ墜落事故を起こさなくとも、低空飛行訓練を繰り返すオスプレイの高熱下降気流は、世界自然遺産登録に値するといわれているやんばるの自然に致命的な悪影響をもたらすことは間違いない。〉 「名護市安部沖事故が示すオスプレイの新たな欠陥」
・V-22の事故
1992年7月20日、試作4号機がポトマック川に墜落し7名全員が死亡。
2000年4月8日、14号機が夜間侵攻での兵員輸送を想定した作戦試験時に墜落事故を起こし、乗員4名と米海兵隊員15名の計19名全員が死亡。
2000年12月11日、海兵隊訓練部隊VMMT-204部隊所属の18号機(MV-22B)が、夜間飛行訓練中に森林地帯に墜落し、搭乗していた海兵隊員4名全員が死亡。
2010年4月8日、空軍特殊作戦軍所属のCV-22が、アフガニスタン南部で夜間に着陸に失敗し横転。搭乗していた全20名のうち乗員2名と陸軍レンジャーの兵士1名、民間人1名の計4名が死亡し、他の搭乗者も負傷。
2012年4月11日、海兵隊のMV-22、1機がモロッコの南方沖海上で強襲揚陸艦「イオー・ジマ」での訓練中、離艦後に墜落した。全搭乗員4名中、2名死亡、2名重傷。
2012年6月13日、空軍のCV-22が、フロリダ州南部で訓練中に森林に墜落し、乗員5人が負傷。
2014年6月26日、宮崎県小林市の市街地上空で、山口県岩国基地を離陸して沖縄県普天間基地に向かっていたMV-22に落雷。機体は普天間に着陸し乗員3名も無事だったが、プロペラ二枚が破損。
2015年5月18日、米ハワイ州オアフ島のベローズ空軍基地で訓練中の海兵隊所属MV-22が着陸に失敗し炎上、隊員1人が死亡。事故機には22人が乗っており、残る21人も病院に搬送され、その後病院に収容されたうちの1人も死亡。
2016年12月13日、夜9時30分頃沖縄本島の東海上で空中給油訓練を行っていた海兵隊のMV-22Bが名護市安部近くの浅瀬に着水。機体は大破し、乗員5名のうち2名が負傷。
2017年1月29日、イエメン中部のバイダー県で海兵隊のMV22がハードランディングし、3名が負傷。
2017年8月5日、オーストラリアクイーンズランド州ロックハンプトン沖で、米豪軍事演習に参加していた普天間飛行場所属第31海兵遠征隊のMV-22が輸送揚陸艦USSグリーン・ベイ(LPD-20)に着陸する際船尾に機体が接触して墜落。乗員26人のうち23人は救助、3人が行方不明で後に国防総省は3人全員の死亡を宣告。
2017年9月29日、シリアでイスラム過激派組織「ISIL」掃討作戦の支援任務に就いていた海兵隊のMV-22がシリア国内の米軍軍事拠点で墜落し、乗組員2人が負傷。機体は大破・炎上。
2022年3月18日、ノルウェー北部ボドで北大西洋条約機構の演習「コールド・レスポンス」に参加していたMV-22Bが墜落し、乗員4人が死亡。
2022年6月8日、第3海兵航空団所属のMV-22がカリフォルニア州サンディエゴの東約200キロで訓練任務中に墜落し、乗員5人全員が死亡。
2023年8月27日、海兵隊のMV-22Bがオーストラリア北部準州で合同軍事演習中に墜落し、3人が死亡、5人が重傷。
 ヘリ特有のオートローテーション機能を欠落させた、「未亡人製造機」オスプレイの開発段階から運用後までの相次ぐ事故にも関わらず、沖縄や佐賀など地元住民らの反対の声を黙殺して国内米軍基地での使用とさらに2020年から自衛隊での運用を強行する政権の問題を浮かび上がらせる東京新聞の良記事。
 新たに就任した防衛大臣は、2015年の沖縄全戦没者追悼式で首相安倍を「帰れ」と批判したヤジについて「明らかに動員されていた」などと、沖縄県民の思いを頑迷に踏み躙るデマを吹聴し、カルト教団関連団体から10万円の政治献金を受け取っていた人物。15、19日の記者会見で、続発するオスプレイ事故や緊急着陸についても我関せずで、米側への申し入れだけ。
 去年と今年だけで既に米海兵隊乗員12名が死亡。すでに数多くの開発要員や隊員がオスプレイの墜落などで大切な命を失ってきたが、オスプレイが燃料や弾薬を満載して市街地に墜落すれば、その甚大な被害は計り知れない。直ちに運用を停止すべし。
《垂直離着陸輸送機オスプレイの民間空港などへの緊急着陸が、先月末から相次いでいる。海外では昨年来、墜落事故が3件発生しており、基地周辺の住民らに不安が広がる。10月の日米共同訓練で自衛隊のオスプレイが初めて沖縄に派遣される予定もあり、注目は高まる一方だ。短期間に続くトラブルは何を意味しているのか。(曽田晋太郎、木原育子)
 「ほぼ同じタイミングで5機も続けて緊急着陸するなんて異常。聞いたことがなく、怖いのと同時に大変遺憾で、あり得ない」
 普天間基地爆音訴訟団の玉元一恵事務局長(63)は声を荒らげる。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の米海兵隊輸送機MV22オスプレイで相次いだ緊急着陸のことだ。
◆奄美に2機、そして石垣に2機、さらに大分に1機
 まず14日午後2時過ぎ、鹿児島県奄美市の奄美空港に2機が着陸。事前の連絡はなく、直前になって国土交通省那覇空港事務所から県奄美空港管理事務所に連絡が入った。
 同日午後3時過ぎには、沖縄県石垣市の新石垣空港に別の2機が着陸。これも事前連絡はなく、直前にオスプレイの乗員から空港の管制官に着陸要請があったといい、滑走路が一時閉鎖された。
 さらに16日午後4時半ごろ、大分県国東市の大分空港に1機が着陸。滑走路が一時閉鎖され、民間機の発着に遅れが出た。
 米軍のオスプレイは先月、豪州で訓練中の1機が墜落し、搭乗員3人が死亡。昨年は3月にノルウェーで4人、6月に米カリフォルニア州で5人が死亡する墜落事故も起きている。このうちカリフォルニアの事故について、米軍は今年7月の調査報告書で、クラッチが一時的に離れて再び結合する際に衝撃が発生する「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」という現象が原因と断定。人為的ミスの可能性を否定し、機体に問題があったと結論付けたばかりだ。
 米海兵隊では今月17日にも、訓練中のステルス戦闘機F35が行方不明になる事故が発生。相次ぐ米軍機の事故を受け、海兵隊は18日、在日米軍のオスプレイも含む全機体の週内2日間の飛行停止を指示した。
 一連の緊急着陸の原因について、在日米海兵隊第1海兵航空団は取材に対し、「コックピット内で異常を知らせる警告が表示されたため。安全飛行するため、細心の注意を払って行動した結果だ。現時点でHCEに起因する故障は確認されていない」と回答した。
◆飛行停止申し入れの直後にも
 前出の玉元さんは普天間飛行場から約1キロの住宅街に暮らし、日常的に騒音に悩まされ、事故の恐怖と隣り合わせの生活を強いられている。立て続けの緊急着陸は「恐怖でしかなく、そんなことがまかり通っているのはおかしい」と訴える。
 玉元さんによると、普天間基地爆音訴訟団などは豪州の事故を受けて14日午前、日本政府や米軍に、カリフォルニアの事故の調査で不具合が認められたオスプレイの飛行停止を申し入れていた。しかし、その直後の同日午後、オスプレイ2機が新石垣空港に緊急着陸したという。
 玉元さんは「危惧していたことが実際に起きた。欠陥機をしっかり点検もせず、沖縄の上空を飛ばすなと言いたい」と語気を強める。2日間の飛行停止についても「わずか2日で安全の確認が取れるのか。不十分で、徹底解明を求めたい」と強調する。
◆陸自は「危険の未然防止」と言うが…
 オスプレイのトラブルは米軍に留とどまらない。8月31日には、陸自の輸送機V22オスプレイ1機が航空自衛隊静浜基地(静岡県焼津市)に予防着陸した。
 予防着陸とは耳慣れない言葉だが、防衛省南関東防衛局地方調整課の輪瀬正展課長は「不具合の発生や気象状況の悪化など今すぐの危険な状況ではないが、危険の未然防止のために行う着陸を指す。継続した脅威や突発的な異常で速やかに着陸する緊急着陸とは緊急度が違う」と説明する。
 ただ、自衛隊のオスプレイの予防着陸はこれが初めて。エンジンの動力をローターに伝える「プロップローター・ギアボックス」内でギアなどが高速回転し、摩耗。その結果、金属片ができたことを知らせるランプが点灯し、予防着陸に至ったという。
 けが人はなかったが、部品交換や点検に1カ月半かかるとみられている。輪瀬氏は「試験飛行などの情報はまだ聞いておらず、整備中の状況」という。
 19日には、木原稔防衛相も記者会見で緊急着陸について問われ、「米側に対して、事案の原因に関する情報提供を求めるとともに、改めて安全管理を徹底するようにも申し入れをしている」と述べた。
◆10月、陸自機初めての沖縄派遣
 このような中、10月14〜31日には、陸自と米海兵隊の計6400人が北海道、九州、沖縄で国内最大規模の共同訓練「レゾリュート・ドラゴン23」を行う予定。レゾリュート・ドラゴンは「不屈の龍」を意味し、前回の3500人規模から大幅に拡大する。
 この際、陸自はオスプレイを初めて沖縄に派遣。新石垣空港を使った負傷者輸送訓練など島しょ防衛を想定した内容になる。
 緊急着陸の続発を受け、沖縄県は13日付で防衛省にオスプレイの飛行自粛を要請した。木原氏は15日の記者会見で「日米同盟の抑止力・対処力の強化を図る重要な訓練」と拒否。陸上幕僚監部広報室も取材に対し「安全性に配慮しながら運用していく」としている。
 V22の佐賀空港配備計画に揺れる佐賀県の市民団体「みんなでSTOPオスプレイ佐賀」共同代表の山下明子さん(63)は「異常事態にほかならない。市民の命と安全を脅かしている」と訴える。
 8月29日にはV22の駐屯地建設工事を巡り、地権者のノリ漁師ら4人が工事差し止めの仮処分を佐賀地裁に申し立てたばかり。山下さんは「佐賀空港は1998年に開港したが、その際、県は覚書に『自衛隊との共用はしない』と明記した。軍用空港になれば必ず攻撃目標になるからだ。平和な有明の海を守りたい先人らの思いの結実だった」と話す。
◆「緊急」許せば、知らず生活が脅かされる
 ネットには緊急着陸(予防着陸)で危険を未然に防いだと評価する声もあるが、緊急着陸した翌々日に新石垣空港を訪れた沖縄大の高良沙哉教授(憲法学)は「民間空港に当たり前のようにオスプレイが止まっていて平和な石垣の景色ではなかった」と話す。「緊急着陸が頻発すれば、緊急ならばやむを得ないかと無意識に譲歩する。知らず知らず生活が脅かされている」と危機感を募らせる。
 沖縄国際大の前泊博盛教授(日米安保論)も「沖縄でなぜ訓練が増えているのか理由が全く見えない。『台湾有事』と言って米軍に乗せられ、こちら側から仕掛けている」と指摘。今回の緊急着陸を「不時着」と呼んだうえで、「不時着が繰り返され、『またか』と感覚を慣らされ、声を上げられなくしている。日本政府は不時着がこれだけ頻発しても飛行停止はおろか不時着原因の調査や再発防止策も米軍に求めない。国民の命を軽視していないか」と訴える。
◆デスクメモ
 玉城デニー知事が演説で沖縄の過重な基地負担を訴えたのは、国連人権理事会。「平和が脅かされている」状況は、平和のうちに生存する権利も侵害されているといえる。そんな島に、さらに基地負担を上乗せする動きに納得が得られるわけがない。日本の人権水準が問われる局面だ。(本)》




2023 年 9月18日
日記がわりに。
 9月中旬でも猛暑。12日2月ぶりくらいに岡本グリーンフィールズを訪ねると、テラス席は蚊対策で閉じて初めて室内でグラタンをいただく。住吉うはらの湯に浸かり阪神御影で食材買って帰宅。
 国際ニュースで韓国KBSは北の3代目独裁者とロシア殺人犯の会談をアナウンサー二人が不安気に伝える。仏に逃れた露ジャーナリストのドキュメンタリーで、ロシア国民の多くが洗脳されているが、小学生の子がウクライナとの連帯を示すという状況を伝える。
 土曜三宮に出て栄町通りDay's Kitchenでピザ。一階の壁に訪れたヴィッセル神戸選手らの書き残しがあるのを初めて知る。帰路なぎさの湯に寄ってバスで六甲道経由で帰宅。
 今日三連休最後でも酷暑、西宮北口に出て島そばのゆいたばを訪ねると月曜定休。ガーデンズの店はどこも待つ人の列、阪急食品売り場で廉価な天ぷら丼パックとビール買い、屋上の日陰のベンチでお昼。丁度いいか。
 夕方、20年前の古いタイプは使用中だがあとどのくらい持つか分からず、先日ヤフ オクで「カートリッジ破損・ジャンク」とかで定価の三分の一で落札したROKSANのプレーヤーが届く。素晴らしい美音。



2023年 9月16日
「文書の存否が明らかになることで、捜査事項や捜査機関の関心事項が推知され、将来起こる同種事件で罪証隠滅が容易になる可能性がある。不開示は妥当」14日大阪地裁 徳地淳裁判長
「捜査機関の手の内にある情報が推測されかねず、捜査手法や対象が推知され証拠隠滅が容易になるなど、将来の刑事事件の捜査に支障が及ぶ恐れがある」検察
・判決を聞いた原告の赤木さんは、法廷内で崩れ落ちるように床に倒れこんだ。
・財務省近畿財務局の元職員・赤木俊夫さん(当時54)は、森友学園をめぐる決裁文書の改ざんを強いられ、2018年に自殺。妻の雅子さんは、どのような指示系統で改ざんを強いられたかを知るため、2021年8月に財務省や近畿財務局が捜査の際に検察に任意で提出した文書などを開示するよう求めたが、財務省側は文書が存在するかどうかも明らかにせず「不開示」と。
「特定事件における捜査機関の活動内容を明らかにし、あるいは推知させることになるため、その存否を明らかにしないで開示請求を拒否する不開示決定とする」財務省・近畿財務局
・妻の雅子さんが佐川宣寿元理財局長に対し1650万円の損害賠償を求めた裁判は、大阪地裁が2022年11月25日妻の訴えを退け、控訴中の裁判で雅子さん側は佐川やその部下らを証人として出廷するよう求めていたが、13日大阪高裁は、佐川らへの尋問は行わないことを決め、裁判は13日に結審。 「【速報】佐川元理財局長への「尋問認めず」公文書改ざん訴訟 裁判結審し判決は12月」
「あまりにひどい判決。国の主張通りで、裁判官はグルなのでしょうか? 判決理由を聞いているとショックで耳に膜がかかったようでした」雅子さん
「公文書の変造や毀棄(きき)を二度と起こさないために、検証材料を出させないといけない。民主主義を守る司法の役割を放棄した判決だ。何のために司法があるのか。なぜ裁判官が独立しているのかとか。そういうことを本来は分かった上で法的判断を行うべき。権力側が触られたくない、中核に近づくほど行政は認諾で逃げて、司法は腰が引けてしまう。日本の民主主義はもう終わりましたね」原告代理人の生越照幸弁護士
・2019年8月9日、財務省関連文書の改ざんなどをめぐる問題で、大阪第一検察審査会が「不起訴不当」と議決した佐川宣寿(のぶひさ)・元同省理財局長(61)ら10人について、再捜査していた大阪地検特捜部は再び全員を不起訴処分とした。
・検察審査会は、国有地売却に関する決裁文書から安倍晋三首相の妻昭恵氏らの名前を削除した有印公文書変造・同行使容疑については「原本が証明していた内容が変わってしまった」、財務省が学園側との交渉記録を廃棄した公用文書毀棄(きき)容疑については「公用文書に該当」し、「破棄されていることは明らか」と指摘。両容疑とも「一般市民感覚からすると、いかなる理由があっても許されることではなく言語道断」と指摘。
 この大阪地裁判事たちは雅子さんが法廷で倒れた時、何も感知せず冷たい判決をさらに冷酷に読み続けたのか。
 検察が既に不起訴とした事件で、任意に捜査対象から提出された文書を開示することが、将来どのように同種事件の証拠隠滅につながるというのか、検察と地裁の論旨は全く愚かしくも破綻している。
 韓国発のカルトと癒着した安倍の同じく愚か極まる出鱈目の「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」との国会発言(2017年2月17日)を受けて、森友学園への近畿財務局の公有地売却に関する公文書の多数が破棄・偽造された問題で、その本質は政権と財務省による組織的な公文書破棄と偽造という犯罪であるにも関わらず、文書の改竄を指示したとされる理財局長佐川ら職員20人が停職三カ月以下の処分とされるが、それを公表した財務相麻生は、閣僚給与1年分(約170万円)を自主返納するのみで、「私自身の進退については考えていない」と辞任しない考えを重ねて表明するなど全く無責任・他人事。
 首相、官房長官、財務大臣以下官僚の誰も刑事責任を問われることなく、自殺した近畿財務局の元職員・赤木俊夫さんの遺族による訴訟だけが続いているが、大阪地裁・高裁は公文書破棄・改ざんという重大事件について佐川の証人尋問すら行わず、財務省が検察に提出した文書の開示も、「将来起こる同種事件で罪証隠滅が容易になる」と、この事件すら不起訴にしている大阪地検の杜撰極まる出鱈目な説明を司法として追認するだけ。
 「さあみんな、公文書を改竄したって尋問もされず刑事罰も受けず、文書も国民の目に晒されることはないよ、安心して」とこれからの公文書改竄を煽り行政に追従するだけの、こんな愚劣な裁判所はいらない。
《森友学園をめぐる公文書の改ざんをめぐり、財務省が検察に任意で提出した文書などが“不開示”とされたことを争う裁判で、大阪地裁は先ほど、原告の赤木雅子さんの請求を退け“不開示決定”は妥当だとする判決を言い渡しました。判決後に原告の赤木さんは次のようにコメントし、控訴する意向を示しました。
 (赤木雅子さんのコメント)
 「あまりに酷い判決でした。理由が国の主張通りでした。国と裁判官はグルなのでしょうか?理由を聞いているとショックで耳に膜がかかったようになりました。控訴はします」
 財務省近畿財務局の元職員・赤木俊夫さん(当時54)は、森友学園をめぐる決裁文書の改ざんを強いられ2018年に自殺。妻の雅子さんは改ざんの指示系統を知るため、検察の捜査の際に財務省が任意で提出した文書などを開示するよう求めましたが、財務省は文書が”存在するかどうか”も明らかにせず不開示としました。
 雅子さんは2021年、不開示決定を取り消すよう求めて大阪地裁に訴えを起こしました。
 裁判の中で国側は、「捜査機関の手の内にある情報が推測されかねず、将来の捜査に支障を及ぼすおそれがある」などと主張し、訴えを退けるよう求めていました。
 ▼大阪地裁「将来の事件に影響がある恐れがある」赤木さんの訴え退ける
 14日、大阪地裁は、「文書の存否が明らかになることで、捜査事項や捜査機関の関心事項が推知され、将来の事件に影響がある恐れがある」として、国の決定を適法だとし、雅子さん側の訴えを退けました。9月14日の判決を聞いた原告の赤木さんは、法廷内で崩れ落ちるように床に倒れこみました。
 ▼判決を聞いた赤木さん法廷内で倒れこむ
 9月14日の判決を聞いた原告の赤木さんは、法廷内で崩れ落ちるように床に倒れこみました。その後傍聴していた支援者らに水やスポーツドリンクを渡されていました。
 傍聴人が法廷から出た後は、弁護団によると、法廷横の控室で座って休んでいるということです。意識ははっきりしているものの、体の力が抜けてしまっている状態だといい、判決が相当ショックだったとみられるということです。》



2023年 9月13日
「政府筋からの問い合わせなのだが、なぜあの教科書(社会科教科書『ともに学ぶ人間の歴史』(学び舎))を採用したのか」盛山正仁・衆議院比例代表近畿ブロック選出衆院議員
「 検定教科書の中から選択しているのになぜ文句が出るのか分かりません。もし教科書に問題があるとすれば文科省にお話し下さい 」和田孫博・灘中学高等学校校長
「 確かにそうですな 」
・盛山議員らからの「問い合わせ」の翌月から、「何処の国の教科書か」「共産党の宣伝か」などと誹謗する匿名のハガキが灘中に次々と届きだした。
          「謂れのない圧力の中で̶ ̶ ある教科書の選定について ̶ ̶」
・同校が採択したのは、「学び舎(しゃ)」の歴史教科書「ともに学ぶ人間の歴史」。教科書は現役教員やOBらが執筆し、他社で記述がない慰安婦問題に言及。1993年に河野洋平官房長官(当時)が元慰安婦へのおわびと反省を表明した「河野談話」を載せ、併せて「軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような資料は発見されていない」と現在の政府見解も取り上げている。
・東京学芸大附属世田谷中、麻布学園(東京)、慶應中(同)なども同社の教科書を使用。
「母校灘校が従軍慰安婦の記載のある教科書を選定した所これに反対する団体から圧力がかけられた事を校長先生が公表しています(http://toi.oups.ac.jp/16-2wada.pdf)。灘校は自由な学校で良い教育を受けさせてもらいました。灘校の自由が失われる事のない社会を目指したいと思います」灘高校OBの米山隆一・新潟県知事
・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との接点を巡る自民党の調査で、兵庫県関連では4人の名前が公表された。このうち盛山正仁衆院議員(比例近畿)は、新たに接点が判明した。盛山氏の事務所によると3月、関連団体が神戸市内で開いた会合に出席してあいさつしたという。神戸新聞が7月下旬に実施したアンケートでは「接点なし」と回答していたが、その後、3月の会合が関連団体によるものと判明したといい、「教団側とは知らなかった」としている。 神戸新聞「旧統一教会、自民国会議員179人に接点 121人の氏名公表 兵庫は4人、新たに盛山氏」
・今回の内閣改造では、朝日新聞が昨年実施したアンケートや自民党の点検で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点を認めた議員が4人入閣する。いずれも初入閣の鈴木淳司氏(総務相)▽盛山正仁氏(文部科学相)▽伊藤信太郎氏(環境相)▽木原稔氏(防衛相)。教団関連団体の会合に出席し、あいさつをしていたことなどが確認されていた。盛山氏は文科相として解散命令請求などの教団への対応を所管する立場となる。 朝日「内閣改造、4閣僚が旧統一教会側と接点 自民点検や朝日アンケートで」
 盛山は2年前10月第49回衆議院議員総選挙の兵庫1区(灘・東灘・中央)で、立憲民主党候補の井坂信彦に敗れ比例復活で当選したもの。韓国発の日本を貶めるカルト教団と関わりながら自覚を欠き、慰安婦問題を記載した中学教科書を採択した出身校に、当時の安倍政権をカサに着て介入し、ネトウヨらの嫌がらせを誘発するお粗末ぶり。文科大臣の資質を決定的に欠いている。NHKも全くそれらの問題に触れない。
 防衛大臣に任命された木原は、2015年の沖縄全戦没者追悼式で首相安倍を「帰れ」などと批判したヤジについて、「明らかに動員されていた」などとインターネットの動画サイトで述べ、報道を威圧する発言で自民党が党青年局長を更迭の上、1年の役職停止とした人物。
 閣僚にさまざまな問題を露呈させた河野、高市を、自民役職に麻生、萩生田、茂木らを留任させて、文科相、防衛相には最も不適格なものらを任命。安倍派など党内多数派に尻尾を振り、次期総裁選でのただ自らの延命だけを狙った「内閣改造」。まとめて更迭させるべし。
《13日に行われる内閣改造で、岸田総理大臣は、文部科学大臣に、自民党岸田派の盛山正仁氏を起用する意向を固めました。盛山氏は初めての入閣です。
盛山氏は、衆議院比例代表近畿ブロック選出の当選5回で、69歳。自民党岸田派に所属しています。
国土交通省の職員などを経て、平成17年の衆議院選挙で初当選しました。
これまでに法務副大臣や内閣府副大臣などを歴任し、現在は、衆議院議院運営委員会の与党側の筆頭理事を務めています。
盛山氏は初めての入閣です。》



2023年 9月11日
・メモはA4判。上半分に「第3 7500万円」「第7 7500万円」と書かれ、それぞれ入金された時期が付記されている。その下に「+(プラス)現金6700」と手書きで記され、さらにその下に「総理2800 すがっち500 幹事長3300 甘利100」と手書きされていた。
・安倍ら4人と克行の主な政治団体や政党支部の政治資金収支報告書には、このメモに記された資金のやりとりは載っていない。公選法違反(買収)や政治資金規正法違反(不記載)に当たる可能性。
「そんなことあるわけがない。(「すがっち」と呼ばれていたかどうかについて)知らない」菅義偉(官房長官・当時)8日
「そんなことあるわけないじゃない。証拠だってあるのかい。(買収の原資になった疑いがあると検察当局がみている点を尋ねると)冗談じゃないよ。案里っていったい何者なのよ」二階俊博(自民党幹事長・同)7日
「選対委員長として陣中見舞いで届けた。党からのお金だった。(買収に使われる認識はあったかどうかは)おれに聞かれても分かんねえよ」甘利明(選対委員長・同)7日
「報道は承知している。個別事件の捜査に係る事柄で、公判継続中の事件に関わるため、答えは控える」松野博一官房長官
・2020年7月、東京地検は自民党からの河井陣営への1億5千万円との関係に踏み込まないまま、河井を県議ら100人に計約2871万円を配った加重買収などの罪で、案里も県議4人に計160万円を渡した買収罪で起訴。
・2021年2月9日、河井克行の公判が東京地裁で開かれ、起訴内容の一部となった陣営スタッフへの現金供与について、陣営の元会計担当者が「自民党本部からの入金が原資となった」と検察側に供述した調書が読み上げ。
・2022年3月14日、東京地検特捜部は2019年参院選での広島選挙区で、河井夫妻らから多額な現金を受け取ったとされる100人のうち、34人の地方議員らについて、公職選挙法違反罪(被買収)で起訴。3月11日までに金を受け取った広島県内の市議会議員ら計17人が辞職願を提出。
 当時の首相安倍に対して2007年参院選で惨敗した「首相の責任」、2012年「話し合い解散」では「もう過去の人」と批判した溝手顕正前自民党参院議員会長を落選させるべく、2019年7月参院選挙で定数2の広島選挙区に案里候補を擁立し相手候補の10倍1億5000万円の選挙資金を送り自身も選挙演説を行った首相安倍と官房長官菅そして選挙資金配布すら「知らない」という幹事長二階。
 安倍は選挙後9月に河井を法務大臣に任命。しかし10月末に選挙疑惑報道で法務大臣を辞任、20年6月17日夫妻は自民党を離党、翌日公職選挙法違反容疑で逮捕され、すでに河井案里は2021年2月懲役1年4か月・執行猶予5年の有罪判決が確定し、5年間の公民権停止が命じられて議員を失職、河井は2021年10月懲役3年・追徴金130万円の実刑判決を受け刑が確定している。受け取り側100人の県議会議員らのうち17人が議員辞職、34人が現在公職選挙法違反罪(被買収)で審理が続いている。
 一連の流れを見れば、この大規模選挙買収事件は明らかに首相、自民党総裁、官房長官、党幹事長らが送った1億5千万円とこれらの者の収支報告書に不記載の「現金6700万」(河井メモ)が原資だと推認される。政権と与党による組織的な選挙買収という重大犯罪。
 「知らない」「冗談じゃないよ」「俺に聞いてもわかんねえ」はこの人物らの不見識、器の小ささ、そして何より法を守る意識の欠如を物語る。贈賄の当事者二人と受け取った県議らだけの処罰では済まない。官房長官の「個別事件の捜査」もこの政権の他人事・無責任さを露呈するだけ。これらの資金の公選法違反の贈賄の原資としての疑惑と政治資金収支不記載に対する政権中枢たちの責任追及が、検察、野党、メディアそして国民の義務。
《2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、検察当局が20年1月に河井克行元法相(60)=服役中=の自宅を家宅捜索した際、当時の安倍晋三首相をはじめ安倍政権の幹部4人から現金計6700万円を受け取った疑いを示すメモを発見し、押収していたことが7日、関係者への取材で分かった。検察当局は、元法相が広島県内の地方議員や後援会員に現金を配り回った買収の原資だった可能性があるとみて捜査していたという。
【図解】大規模買収事件を巡る金の流れ
 関係者によるとメモはA4判。上半分に「第3 7500万円」「第7 7500万円」と書かれ、それぞれ入金された時期が付記されている。その下に「+(プラス)現金6700」と手書きで記され、さらにその下に「総理2800 すがっち500 幹事長3300 甘利100」と手書きされていた。
 「第3 7500万円」と「第7 7500万円」の記載について東京地検特捜部などの検察当局は、 自民党本部が参院選前の19年4〜6月に克行氏の自民党広島県第三選挙区支部と妻の案里氏(有罪確定)の党広島県参院選挙区第七支部に振り込んだ各7500万円(計1億5千万円)と分析。「+現金6700」は1億5千万円に加えて6700万円が現金で提供され、「総理2800」などの記述は内訳を記しているとみている。
 「総理」は安倍首相、「すがっち」は菅義偉官房長官、「幹事長」は二階俊博自民党幹事長、「甘利」は甘利明党選挙対策委員長=いずれも肩書は当時=で、数字は提供した金額を万円単位で示しているとみて克行氏を追及したが、捜査は進展しなかったとみられる。
 安倍氏ら4人と克行氏の主な政治団体や政党支部の政治資金収支報告書には、このメモに記された資金のやりとりは載っていない。公選法違反(買収)や政治資金規正法違反(不記載)に当たる可能性もある。
 安倍氏は昨年7月の参院選の街頭演説中に銃撃され亡くなった。7日の中国新聞の取材に対し、二階氏は現金提供を否定した。一方、甘利氏は克行氏に100万円を提供したことを認め、選対委員長として他の候補にも一律に配った陣中見舞いだったと説明した。菅氏の事務所には同日午前に取材を申し込んだが夕方までに回答はなかった。
 克行氏は、21年10月に懲役3年の実刑判決が確定し、栃木県内の刑務所で服役している。
 克行氏を巡っては、現金を配った地方議員や後援会員の名前や金額を記したリストを自宅に保管。検察当局が家宅捜索で押収したことから、100人に計2871万円を渡した前代未聞の買収事件の摘発に発展した。
 買収の資金に関し克行氏は自身の公判で、党本部からの1億5千万円ではなく「手持ち資金を使った」と供述していた。
 中国新聞は、政権中枢から提供された裏金が買収に使われた疑いがあるとの情報を得て、関係者への取材を続けてきた。》



2023年 9月10日
日記がわりに。
 9月も日中は酷暑。5日二カ月ぶりにすずらんの湯に入り三宮で食材買って帰宅。スペインTVEはウクライナでウクライナで反転攻勢で増えた使者と家族らを亡くした人びとの苦しみを、ドイツZDFは最前線で束の間の演奏を聴く兵士たちを伝える。
 7日、前日東部ドネツク州のコスティアンティニウカにある市場へのロシアの攻撃で、幼児を含む17人の市民が犠牲になったことを各局が伝え、とくにスペインTVEは記者が現地に駆けつけて報道。8日BBCは日本のジャニーズ事務所の会見で喜多川の性加害を事務所がようやく認めたと伝える。日本の大手メディアは今までこの問題を放置しながら会見には多く参加したが、ウクライナの戦闘地域などに記者は行かない。
 昨日これも二月ぶりにハーバーランドに出て、地ビールとアヒージョのあとドック沿いを歩きET像/を見つけた。9月とは思えない暑さのした三宮で食材買って帰宅。スペインTVEは米国が供与するする列化ウラン弾の問題さらにコスティアンティニウカから現地報道を続ける。
 今日も酷暑。神大を抜けてil ventoでナポリピザをいただき、2時から豪雨予報とかで駅前で食材買って帰宅。先ほど6時ころすごい雨だが、しばらくして治った。










2023年 9月 8日
「ジャニー氏は、古くは 1950 年代に性加害を行って以降、ジャニーズ事務所においては、1970 年代前半から 2010 年代半ばまでの間、多数のジャニーズ Jr.に対し、上記のような性加害を長期間にわたり繰り返していたことが認められる。」(21p)
「ジャニー氏は、少数のジャニーズ Jr.に特定して性加害を行っていたわけはなく、多数のジャニーズ Jr.に対して広範に性加害を行っていた。一晩で合宿所や同じホテルの部屋に宿泊している複数のジャニーズ Jr.に性加害を行うこともあった。被害者のヒアリングからは、少なく見積もっても数百人の被害者がいるという複数の証言が得られた。」同
「ジュリー氏は、1998 年 3 月の取締役就任前に既に出版されていた暴露本を認識していたほか、1999 年 10 月に週刊文春で連載が開始されたジャニー氏による性加害の特集も認識していた。したがって、ジュリー氏は、取締役就任時頃には、ジャニー氏によるジャニーズ Jr.に対する性加害の疑惑について認識していたと認められる。しかし、ジュリー氏は、ジャニー氏の性加害の事実について積極的な調査をするなどの対応はとらなかった。」(28p)
B週刊文春がジャニー氏の性的虐待の記事を掲載した当時、ジャニーズ事務所は、ジャーナリストに対して、これらのネガティブな記事を封じ込めるために報酬を支払った。
Cジャニーズ事務所と日本のメディアとの間には一定の共通認識がある。すなわち、ジャニーズ事務所の知名度のあるタレントの出演と新人で認知度の低いタレントの出演が交換される。ジャニーズ事務所のタレントのアクセスを増やすため、他のタレント事務所の男性バンドは、ジャニーズのタレントと同じ番組には出演できず、ジャニーズ事務所に関するネガティブな報道は抑制される。(BBC2022 年 11 月 21 日付け「Right to Reply BBC DocumentThe Johnny Kitagawa Story(w/t)」と題するジュリー氏宛て書面)(36~7p)
「2023 年 4 月 12 日、ジャニーズ Jr.として活動していたオカモト氏が東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、ジャニー氏の性加害の事実を訴えた。この件が朝日新聞デジタルで報じられると、同月 22 日に TBS、NHK、テレビ朝日、同月 23 日にフジテレビがそれぞれ自社の Web メディアで取り上げられ、さらに、テレビで放送中の一部ニュース番組でも報じられるに至った。」(39~40p)
「ジャニーズ事務所は、これまでジャニー氏の性加害について認めないという方針で対応してきており、それに対して、日本のメディアも基本的にジャニー氏の性加害については取り上げないことが多かった。しかし、今回、BBC の報道や、それに続くオカモト氏をはじめとする被害者による一連の性加害の申告を契機として日本の一般的なメディアもジャニー氏の性加害について大きく報道するようになったことから、ジャニーズ事務所は、もはやこれまでどおりの方針を維持することは困難であると考えた。」(40p)
「取材に応じた複数の少年らは、ジャニー氏からセクハラ行為を受けたと供述しているが、そのセクハラ行為の態様やその時の状況に関する供述はおおむね一致して具体的であり、その供述は信用できる。」「一審原告喜多川が、少年達が逆らえばステージの立ち位置が悪くなったりデビューできなくなるという抗拒不能な状態にあるのに乗じ、セクハラ行為をしているとの本件記事(中略)は、その重要な部分について真実であることの証明があった」文藝春秋に対する訴訟の東京高裁判決2003 年7月15日(33p、40p)
「マスメディアの沈黙」
「ジャニー氏の性加害の問題については、過去にいくつかの週刊誌が取り上げてきたものの、2023 年 3 月に BBC が特集番組を報道して、その後、元ジャニーズJr.が性加害の被害申告の記者会見を行うまで、多くのマスメディアが正面から取り上げてこなかった。
例えば、上記のとおり、2000 年初頭には、ジャニーズ事務所が文藝春秋に対して名誉毀損による損害賠償請求を提起し、最終的に敗訴して性加害の事実が認定されているにもかかわらず、このような訴訟結果すらまともに報道されていないようであり、報道機関としてのマスメディアとしては極めて不自然な対応をしてきたと考えられる。」(52~3p)
「また、文藝春秋に対する訴訟の東京地裁判決でも、週刊文春の記事において、「原告事務所〔注:ジャニーズ事務所を指す。〕は怖く、当局〔注:在京の民放テレビ局を指す。〕でも事務所にネガティブなことを扱うのはタブーである」「マスコミ対応を委ねられているメリー喜多川は、ドラマの共演者が気に入らないと、その放送局の社長に直接電話をかけ、外すよう要求することもあった」ーーなどと掲載された点について、その重要な部分が真実であるとの証明がされたか、又は少なくとも、被告の文藝春秋らが、これを真実と信ずるについて相当の理由があったというべきであり、「マスメディアは、原告事務所を恐れ、追従していること」それ自体又はその前提となる事実を真実と信ずるについては、相当の理由があったと判示している(この点は、東京高裁判決においても維持されている。)。」(53p)
「当該判決も踏まえると、テレビ局をはじめとするマスメディア側としても、ジャニーズ事務所が日本でトップのエンターテインメント企業であり、ジャニー氏の性加害を取り上げて報道すると、ジャニーズ事務所のアイドルタレントを自社のテレビ番組等に出演させたり、雑誌に掲載したりできなくなるのではないかといった危惧から、ジャニー氏の性加害を取り上げて報道するのを控えていた状況があったのではないかと考えられ、被害者ヒアリングの中でも、ジャニーズ事務所が日本でトップのエンターテインメント企業であり、ジャニー氏の性加害を取り上げて報道するのを控えざるを得なかっただろうという意見が多く聞かれたところである。」(同)
「このように、ジャニーズ事務所は、ジャニー氏の性加害についてマスメディアからの批判を受けることがないことから、当該性加害の実態を調査することをはじめとして自浄能力を発揮することもなく、その隠蔽体質を強化していったと断ぜざるを得ない。その結果、ジャニー氏による性加害も継続されることになり、その被害が拡大し、さらに多くの被害者を出すこととなったと考えられる。」(同)
「数々の暴露本においてジャニー氏の性加害が世に明かされるとともに、文藝春秋との訴訟では、裁判所によりジャニー氏の性加害の事実が認定されている。それにもかかわらず、ジャニーズ事務所は、組織として、この問題に対処することはせず、テレビ・新聞等の日本の主だったマスメディアが性加害の事実を報道せず、その批判にさらされないという状況の下、性加害の実態を徹底的に調査してジャニー氏を解職するなど再発防止を図ることや被害者を救済することを怠った。ジャニーズ事務所は、組織体として、ジャニー氏による性加害の事実を握り潰し、「なかったこと」にしたのである。そのようなジャニーズ事務所の怠慢と隠蔽体質が、ジャニー氏による性加害の継続と被害者の拡大に大きく寄与した。」(55~6p)
「ジャニーズ事務所は、テレビ局をはじめとするメディアに対して所属タレントを出演させることによりそのビジネスが成り立っているところ、メディアはその取引関係先において人権侵害が行われていないか十分な精査をする必要があるが、今回のジャニー氏による性加害は文藝春秋との訴訟等により当然にメディアが認識していた内容であり、人権デュー・ディリジェンスの対象となるべき事案であった。そのため、メディアは取引関係の中でその影響力を行使することにより人権侵害を即時にやめさせるべきであったし、また、そうすることができたはずであった。」(56p)「再発防止特別チーム」(座長・林真琴前検事総長)調査報告書 
「NHKは、当時、この問題について認識が薄く、その後も、取材を深めてニュースや番組で取り上げることはありませんでした。多くの未成年者が被害にあう中で、メディアとしての役割を十分に果たしていなかったと自省しています。より深く真実に迫ろうとする姿勢を改めて徹底し、取材や番組制作に取り組んでまいります。」NHK広報局
「朝日新聞社はメディア企業として、指摘を重く受け止めております。本社は性加害などの人権侵害を許されないものと考え、これまでも研修などを通して社内に浸透させるように努めてまいりました。今後とも報道の責任を果たし、人権尊重の観点を企業活動全体でも徹底してまいります。」福島範彰・朝日新聞社執行役員広報担当  「人権尊重、今後も徹底します 朝日新聞社」
「TBSテレビは、ひきつづきジャニーズ事務所に対して、被害者の救済と人権侵害の再発防止を要望していくとともに、事務所がどう着実に進めていくのかを今後も注視しながら、適切に対処してまいります。」TBS
「性加害問題については、メディアの姿勢も問われています。テレビ朝日としては、被害者の方々、再発防止特別チームの報告書、視聴者の皆様からのご意見、ご指摘を重く受け止め、今後の放送に生かすとともに、人権尊重を明確に掲げて事業活動を行ってまいります。」テレビ朝日
「性加害が決して許されないことは当然です。当社は、先日の「外部専門家による再発防止特別チーム」調査報告書に記されたマスメディアに対するご指摘を真摯に受け止め、全てのステークホルダーとともに人権尊重を徹底し、あらゆる人権侵害を防ぐべく対処していく所存です。」フジテレビ
 1970年代からのジャニー喜多川による少年たちへの性犯罪に対して、1965年の喜多川による男子生徒 15 名に対する性加害行為問題を含む新芸能学院訴訟から、1980 年代の元フォーリーブス北公次が喜多川の性加害を告発した『光 GENJI へ』等の「暴露本」出版そして1999年文春による喜多川の性加害についての14週間にわたる特集記事報道とそれを巡る2002~4年の裁判で最高裁も喜多川の性加害を認めたにもかかわらず、今年3月英BBCが報道するまでこの国の大手メディアが一貫してこの問題をまともに報道しなかったことが、半世紀に渡りこの犯罪を「鬼畜の所業」「人類史上最も愚かな事件」(東山紀之新社長)と言うべきものとしたことを、NHKも朝日なども「自省」「今後も徹底」「重く受け止め」「適切に対処」などの言葉を使って反省のそぶりだけはするが、なぜこの問題をこれまで深く調べて報道しなかったのかの組織としての検証はなく、まるで他人事。「今後とも」「今後も」はむしろ見苦しい正当化、居直りでしかない。
 元首相安倍や現衆院議長細田らが旧統一教会系の大会へ出席あるいは賛辞を送り、選挙支援を依頼するなどカルト集団統一教会とみずからとの癒着が、巨額献金や二世信者などへの被害の拡大を招いた問題を検証する事もなく、ただ「関係を断つ」とした岸田政権と同じことを、この国の主要メディアが行なっている。福島第一原発事故汚染水問題で、敷地内タンク千基に溜まり続ける水の7割は未だ環境に放出が許されない「汚染水」であるのに、「処理水」とのみ言い募るメディアの現状も同じ。
 大手芸能事務所との所属タレントの出演など利害関係を有し、その所有者の重大な人権侵害・犯罪行為にながく目を瞑り、調査や報道を自粛するメディアは、放送法で免許取り消しの権限を有する総務相など政権に忖度・配慮しないわけがない。この「鬼畜の所業」「人類史上最も愚かな事件」になぜ沈黙し続けて、テレビ局と系列の新聞社も一蓮托生となったのか、ジャニーズ事務所のように社内ではなく社外に独立した検証委員会を作り、自らの報道の問題を徹底して検証し、社長や報道局の責任を含め、明らかにすることなしに、メディアの再生はない。



2023年 9月 6日
「最高裁判所には、憲法が託した「法の番人」としての矜持(きょうじ)と責任の下、地方自治の本旨を踏まえた公平・中立な判決を最後まで期待していただけに、極めて残念だ」
「B―27地点の力学的試験の必要性や、工事の実施がジュゴンに及ぼす影響及び地盤改良に伴う海底面の改変範囲の拡張が環境に及ぼす影響について、専門技術的な知見に基づいた県の判断に何ら裁量の逸脱濫用(らんよう)はない」
「工期の長期化によって普天間飛行場の危険性の早期除去に繋がらないことを考慮した県の判断に、何ら事実の基礎を欠いたり社会通念に照らし明らかに妥当性を欠いたりする点はない」
「しかし、最高裁判所は、県が主張した公有水面埋立法の承認要件の不充足性について何らの判断も示さず、県の訴えを退けた」
「最高裁判所による国土交通大臣の裁決に係る先日の上告不受理決定は、国の機関の行政不服審査法による私人同様の権利救済を追認した不当なものだった」
「加えて、本日の判決は、本来、公有水面埋立法の承認要件充足性を判断すべきところ、裁決の効力を優先させることで判断を回避したもので、関与取消訴訟の意義を無にするものだ」
「さらには、主務大臣による裁決のみでは地方公共団体に特定の処分を命ずることができないという行政不服審査法の規定を超える義務を地方公共団体に課すものだ」
「このような判決は、地方公共団体の主体的な判断を無にするものであり、地方公共団体の自主性や自立性、ひいては憲法が定める地方自治の本旨をも蔑(ないがし)ろにしかねないものであって、深く憂慮せざるを得ない」4日 玉城デニー知事
 この間、辺野古の軟弱地盤に関わる沖縄県の埋め立て承認取り消しをめぐる、沖縄防衛局による行政不服審査請求での国交相の是正指示に関して、県が国土交通大臣による裁決が違法な国の関与に当たると訴えた訴訟では、沖縄防衛局の立場について、不服を申し立てられる一般人と同じと判断した最高裁第一小法廷判決(2020年3月26日)、県が国を相手に裁決取り消しを求めた「抗告訴訟」で県の原告適格さえ否定し上告を不受理とした同判決(2022年12月8日)、そして今回の判決はいずれも、まるで詐欺集団の文章のように行政不服審査法が定める請求主体としての「国民」、目的としての「国民の権利救済」を逸脱し国が国の機関に私人として審査請求することを容認するという、「行政不服審査法」「地方自治法」の解釈を根底から歪め、政治に追従して司法の独立をかなぐり捨てた極めて拙劣な駄文にすぎない。
 すでに2018年10月26日、紙野健二名古屋大名誉教授、亘理格中央大教授、岡田正則早稲田大教授、白藤博行専修大教授ら名だたるこの国の行政法研究者110人が連名で、防衛局の審査請求や執行停止の申し立ては「違法行為に他ならない」「国民のための権利救済制度を乱用し、法治国家にもとる」と批判し、国交相に却下を求める声明を発表している。
 「マヨネーズ並み」の深さ90メートルに達する軟弱地盤で、2019年防衛省は工事が完了するあてもなく軟弱地盤対策のため総工費を2.7倍9300億円に引き上げたが、4年余りで埋め立てた量は14%に対しすでに22年度までに総額で4312億円を使っている。
「(辺野古新基地は)何のために造っているのか。ドローンの時代には使えない不要な基地だ」と今年3月新基地建設の視察に訪れた米軍幹部が周囲に漏らしたと東京新聞は伝える。
 今後10年以上普天間基地を恒常化させ、出来もしない改良工事に数兆円の国家予算をドブに捨て、憲法以下の法の解釈を捻じ曲げ、地方自治の本旨をゆがめて地方を国の下部機関とし、無謀で不必要そして環境破壊と周辺国との対立しかもたらさない辺野古基地建設。これを止めさせるのは、沖縄県だけの問題ではない、我々の責務。
〈沖縄県名護市辺野古の新基地建設で、軟弱地盤改良工事に伴う沖縄防衛局の設計変更申請を県が不承認とした処分を巡る県と国の訴訟の最高裁判決で、県敗訴が確定したことを受け、玉城デニー知事は4日午後、県庁で記者会見を開いた。知事コメント全文は以下の通り。
沖縄防衛局の埋立変更承認申請に対し承認処分をするよう国土交通大臣から受けた是正の指示の取消しを求めた関与取消訴訟について、最高裁判所は、国土交通大臣の裁決に係る先日の上告不受理決定に続き、本日、県の上告を棄却するとの判決を言い渡した。
 最高裁判所には、憲法が託した「法の番人」としての矜持(きょうじ)と責任の下、地方自治の本旨を踏まえた公平・中立な判決を最後まで期待していただけに、極めて残念だ。
 県は、B―27地点の力学的試験の必要性や、工事の実施がジュゴンに及ぼす影響及び地盤改良に伴う海底面の改変範囲の拡張が環境に及ぼす影響について、専門技術的な知見に基づいた県の判断に何ら裁量の逸脱濫用(らんよう)はないこと、また、工期の長期化によって普天間飛行場の危険性の早期除去に繋がらないことを考慮した県の判断に、何ら事実の基礎を欠いたり社会通念に照らし明らかに妥当性を欠いたりする点はないことなど、県の判断が技術的にも法律的にも正しいことを強く主張してきた。
 しかし、最高裁判所は、県が主張した公有水面埋立法の承認要件の不充足性について何らの判断も示さず、県の訴えを退けた。
 最高裁判所による国土交通大臣の裁決に係る先日の上告不受理決定は、国の機関の行政不服審査法による私人同様の権利救済を追認した不当なものだった。
 加えて、本日の判決は、本来、公有水面埋立法の承認要件充足性を判断すべきところ、裁決の効力を優先させることで判断を回避したもので、関与取消訴訟の意義を無にするものだ。
 さらには、主務大臣による裁決のみでは地方公共団体に特定の処分を命ずることができないという行政不服審査法の規定を超える義務を地方公共団体に課すものだ。
 このような判決は、地方公共団体の主体的な判断を無にするものであり、地方公共団体の自主性や自立性、ひいては憲法が定める地方自治の本旨をも蔑(ないがし)ろにしかねないものであって、深く憂慮せざるを得ない。
 県としては、判決内容を踏まえ、今後の対応について検討していく。〉



2023年 9月 4日
「取り消しの裁決がされた場合、都道府県知事は裁決の趣旨に従った処分をする義務を負う。仮に都道府県知事が裁決後も同じ理由で申請を認めないことが許されると、相手方が不安定な状態に置かれ、紛争の解決が困難となる」最高裁第1小法廷(岡正晶裁判長)判決
「地方公共団体の主体的な判断を無にするものであり、地方公共団体の自主性や自立性、ひいては憲法が定める地方自治の本旨をもないがしろにしかねないものであり、深く憂慮せざるを得ない。判決が出ても、私が、沖縄における過重な基地負担の軽減、普天間基地の1日も早い危険性の除去、辺野古新基地の断念を求めるという意思に、全く変わりはない。引き続き、対話による解決を求め続けてまいりたい」玉城知事
「また門前払いかという思いだ。国は県民に丁寧に説明すると何度も言ってきたにも関わらず一度も説明していない。私たちは戦争につながる一切のことを受け入れない。沖縄戦の体験から戦争に反対している県民の声はどうやったら届くのだろう。新基地建設の疑問は誰が解決してくれるのだろうという思いが今日の判決で、ますます高まった」浦添市の瀬長和男さん
「地方分権の改革で国と地方は対等の関係にあると位置づけられているが、今回の判決は沖縄県やほかの自治体関係者にとって納得がいくのか疑問に思う。県民投票や選挙で示されてきた沖縄県民の意思には大きく反する結果となり、玉城知事は苦渋の決断を含めてさまざまなことを考えなければならないだろう。この問題に限らず、地方に関係する事業を進める場合には地方の意見を十分に聞いて進めていく必要がある」総務省元官僚で地方自治に詳しい片木淳弁護士
・行政不服審査法 第一条 この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度を定めることにより、国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。
・地方自治法(是正の要求)第二百四十五条の五 各大臣は、その担任する事務に関し、都道府県の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対し、当該自治事務の処理について違反の是正又は改善のため必要な措置を講ずべきことを求めることができる
「辺野古移設は不可能。辺野古に固執するほど普天間は固定化する。絹ごし豆腐より軟らかい地盤に構造物を設置するようなものであり得ない」軟弱地盤の問題を明らかにした北上田毅さん=那覇市
・北上田さんや専門家は「軟弱地盤は最深90メートル」と指摘するが、政府は水深70メートルまで砂で固めた「砂杭(ぐい)」などを約7万1千本打ち込めば足りると主張、当初5年としていた工期は9年3カ月に延び、工費も約2・7倍の約9300億円。
・土砂投入量は2021年11月末時点で、全体の2020万立方メートルのうち約8.6%の174万立方メートルにすぎない。まだ着手していない辺野古崎北側の約66ヘクタールの軟弱地盤では、土壌改良に大量の土砂が必要になり、工事の難航も見込まれる。完成時期も当初の「2022年度またはその後」から、30年代へと大幅にずれ込んだ。
 4日最高裁判所第1小法廷は辺野古での軟弱地盤の改良工事をめぐり、工事を承認しない県に対して国が行った「是正の指示」を、審理を経ることもせず適法と判断。
 この最高裁第1小法廷判決は、国の判断に地方は従えというだけのもの。これでは司法はいらない。そもそも、この軟弱地盤への工事がサンゴやジュゴンなどが生息する大浦湾の環境に与える破壊も懸念して沖縄県が不許可としたことに対する、防衛省沖縄局という国の機関が国土交通省に行った行政不服審査法による「不服審査請求」そのものが、行政不服審査法が定める主体としての「国民」、目的としての「国民の権利救済」を逸脱した違法なものであり、さらに地方自治法の「都道府県の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるとき、又は著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認めるとき」との基準を拡大解釈した極めて杜撰な判決でしかない。この小法廷の五人の判事は、一体何処を向いて裁判をしているのか。
《沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設先となっている名護市辺野古(へのこ)での軟弱地盤の改良工事をめぐり、工事を承認しない県に対して国が行った「是正の指示」が違法かどうかが争われた裁判で、最高裁判所は「国の指示は適法だ」として上告を退ける判決を言い渡し、沖縄県の敗訴が確定しました。辺野古への移設に反対してきた県は工事を承認する義務を負うことになり、今後の対応が焦点となります。
4日の動きを振り返ります。
裁判長 “国の指示は適法”
普天間基地の移設先となっている名護市辺野古沖では、区域全体の7割ほどを占める埋め立て予定地の北側で軟弱地盤が見つかり、国が地盤の改良工事を進めるため設計の変更を申請しましたが、県が「不承認」としたため工事が進んでいません。
このため国土交通省は去年、地方自治法に基づき県に承認を求める「是正の指示」を行い、県は取り消しを求める訴えを起こしました。
4日の判決で、最高裁判所第1小法廷の岡正晶裁判長は「国の指示は適法だ」として上告を退け、沖縄県の敗訴が確定しました。
判決は、国土交通省が「是正の指示」を出す前、工事を担当する沖縄防衛局の申請に基づき県の「不承認」を取り消す裁決をしていたことを挙げ、「取り消しの裁決がされた場合、都道府県知事は裁決の趣旨に従った処分をする義務を負う。仮に都道府県知事が裁決後も同じ理由で申請を認めないことが許されると、相手方が不安定な状態に置かれ、紛争の解決が困難となる」としました。
5人の裁判官全員一致の意見で、移設計画の大きな焦点である軟弱地盤の改良工事について最高裁が判断を示したのは初めてです。
確定により県は、国の指示に従い工事を承認する義務を負うことになり、判決を受けた県の対応が注目されます。
裁判までの経緯
アメリカ軍普天間基地の移設先となっている名護市辺野古。
長さ1800メートルの滑走路を2本建設することになっていて、南側では埋め立て工事が進んでいます。
移設計画をめぐって国と沖縄県の間ではこれまで13件の裁判が起こされ、3日までに県が埋め立て承認を取り消したことをめぐる裁判など6件で県の敗訴が確定。4件で和解が成立するか県が訴えを取り下げています。
今回、判決が言い渡されたのは、計画の大きな焦点となっている北側、大浦湾側での工事です。まだ土砂の投入は始まっていません。
軟弱地盤がみつかり、国は改良工事のため設計の変更を申請しましたが、沖縄県は「不承認」に。
このため、国土交通省は去年、地方自治法に基づき県に承認を求める「是正の指示」を行い、県は取り消しを求める訴えを起こしていました。
国側の今後の手続き 2週間後に「勧告」へ調整
4日の判決で、県は、国の「是正の指示」に従って工事を承認する義務を負うことになりました。
国土交通省によりますと、「是正の指示」は地方自治法に基づいていて、県が従わない場合、国が代わりに承認する「代執行」に向けた手続きができるようになるということです。
手続きは、国が県に承認を「勧告」し、従わない場合は承認を「指示」します。いずれの場合も承認の期限を設けます。
県が期限までに承認しない場合、国は高等裁判所に訴えを起こすことができ、裁判所は訴えを認めると、県に承認するよう命令する判決を出します。
そして、高等裁判所の命令を受けても承認しない場合には、国が県の代わりに承認する「代執行」を行うことができます。
複数の防衛省関係者によりますと、関係省庁間で今後の手続きについて検討を進めていて、判決からおよそ2週間後までに県が設計変更の申請を承認しない場合、国土交通省が県に「勧告」を行い、承認の期限をおよそ1週間後に設定する方向で調整しているということです。
さらに県が「勧告」に従わなければ、今度は承認を「指示」し、期限をおよそ10日後に設ける方向で検討を進めているということです。ーーー
最高裁判所の判決について玉城知事は、4日午後6時半から県庁で記者会見を行い、今後の対応については具体的に触れず、判決内容を踏まえて検討する考えを示しました。
玉城知事は、県が敗訴したことについて、「地方自治の本旨を踏まえた公平・中立な判決を最後まで期待していただけに極めて残念です」と述べました。
そして、判決について、「地方公共団体の主体的な判断を無にするものであり、地方公共団体の自主性や自立性、ひいては憲法が定める地方自治の本旨をもないがしろにしかねないものであり、深く憂慮せざるを得ない」と述べました。
その上で、今後の対応については、判決内容を踏まえ、検討していく考えを示しました。
また、玉城知事は「判決が出ても、私が、沖縄における過重な基地負担の軽減、普天間基地の1日も早い危険性の除去、辺野古新基地の断念を求めるという意思に、全く変わりはない。引き続き、対話による解決を求め続けてまいりたい」と述べ辺野古移設反対の姿勢を維持する考えを示しました。
さらに、玉城知事は、「政治姿勢と行政の判断の整合性をどうとっていくのか、知事という仕事にとっては最も重要だ。公約で訴えたことをこれからも、ぶれずに、頑張っていきたい」と述べました。
今回の判決を受けて、県は国の指示に従い工事を承認する義務を負うことになりますが、仮に玉城知事が承認した場合、これまで一貫して辺野古への移設反対を掲げてきただけに、支持基盤が大きく揺らぎかねず、県政運営に影響が出るおそれがあります。
一方で、承認しない場合でも、国が県の代わりに工事を承認する「代執行」に向けた手続きを始めるとみられ、玉城知事にとっては、難しい判断が迫られています。ーーー
今回の判決について、辺野古の商工会の理事を務め、条件付きで移設を容認している玉利朝輝さん(64)は、「移設工事が進んでいるなか、今回の判決は妥当だと思います。県はこれ以上、国と争うのはやめて、国と名護市と一体となって辺野古周辺の地域にメリットのある振興策を考え、推進していってほしいです」と話していました。
一方、辺野古沖から4キロほど離れた大浦湾に面した安部地区に住む比嘉敏光さん(72)は、移設に反対の立場で、「残念な判決となりましたが基地ありきで物事が進んでいるので沖縄県が国に勝つとは思っていませんでした。豊かな海を埋め立て、1度失われた自然は元に戻らないことを全国の人に知ってほしいです」と話していました。ーーー
沖縄県が敗訴したことを受けて、キャンプ・シュワブのゲート前で抗議活動を続ける人たちからは、落胆の声が聞かれました。
抗議活動の中心になっていた浦添市の瀬長和男さん(60)は、「また門前払いかという思いだ。国は県民に丁寧に説明すると何度も言ってきたにも関わらず一度も説明していない。私たちは戦争につながる一切のことを受け入れない。沖縄戦の体験から戦争に反対している県民の声はどうやったら届くのだろう。新基地建設の疑問は誰が解決してくれるのだろうという思いが今日の判決で、ますます高まった」と話しました。
また、宜野湾市の屋良朝敏さん(74)は、「沖縄県の意向や課題を無視してこういう判決となるのはどう考えてもおかしい。国土面積の0.6%しかない沖縄に全国の7割のアメリカ軍の専用施設があり、沖縄はアメリカ軍の金網だらけだ」と話していました。
集まった人たちは、キャンプ・シュワブに工事車両が出入りする場所で座り込みをし、命の大切さや未来の子供たちへの思いなどを込めた歌を歌っていました。
そして、機動隊に退去を促されて座り込みが解除されると、抗議の間、基地内に入れずにいた10台以上のトラックが次々と基地の中に入っていきました。
専門家 “国と地方は対等の関係 地方の意見 十分に聞く必要”
4日の最高裁判所の判決について、総務省の元官僚で地方自治に詳しい片木淳弁護士は、「地方分権の改革で国と地方は対等の関係にあると位置づけられているが、今回の判決は沖縄県やほかの自治体関係者にとって納得がいくのか疑問に思う。県民投票や選挙で示されてきた沖縄県民の意思には大きく反する結果となり、玉城知事は苦渋の決断を含めてさまざまなことを考えなければならないだろう」と話していました。
また、国に対しては、「この問題に限らず、地方に関係する事業を進める場合には地方の意見を十分に聞いて進めていく必要がある」と指摘していました。》




2023年 9月 3日
日記がわりに。
 城崎から帰った翌日曜、快晴で8月末とは思えない酷暑。なんとか神大を通りil ventoでマリナーラピザのあと、駅前で食材買って帰宅。
 30日久しぶりに神戸クアハウスを訪ね、硼酸泉と重曹泉に浸かり、これも久しぶりに北野mon't doleを訪ねると満席。少し歩いてこれは数年ぶりにquartのテラスでナスとアンチョビのピザを食べ、食材買って帰宅。
 夜に前日録画したNHKクロ現「集団の狂気はなぜ?関東大震災の教訓」を見る。内閣府中央防災会議報告書、東京市の小学校7校の児童が綴った作文、司法省刑事局作成文書などを丹念に報道。イギリスBBCはウクライナ東部でロシアが再び侵攻している地域から避難する家族と一人残る男性の姿を伝える。NHK「映像の世紀 プーチンとゼレンスキー ロシアと絵くらいな100年」は、ゼレンスキーの「チェルノブイリの悲劇は、私たちウクライナ人に、あることを教えてくれた 国家は常に国民と率直に話すべきだ たとえそれがどんなに辛辣なものであっても」は福島原発事故、関東大震災とデマによる外国人虐殺などこの日本の今に、まさに当てはまる言葉。
 昨日一月ぶりに花隈から怪獣のいるアーケードを経てalbarでマルゲリータ。花卉店でバジルなど買って帰宅。今日は快晴で予想最高気温36度の猛暑だが、阪急で西宮北口に出て久しぶりにShiosaiで前菜とパスタ。猛烈な暑さの下阪急ガーデンで地場野菜など買い、帰宅。明日からは台風の影響で曇天続き。


2023年 9月 3日
「汚染水のその後の評価等について、情報交換をしたということです」野村農水相8月31日岸田首相との打ち合わせ後
「(中国の全面禁輸措置は)大変驚いた。全く想定していなかった」同8月25日閣議後記者会見
「汚染水」
「東京電力福島第1原発で汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ水に、他の放射性物質が除去しきれないまま残留していることが19日、分かった。一部の測定結果は排水の法令基準値を上回っており、放射性物質の量が半分になる半減期が約1570万年の長寿命のものも含まれている。
 第1原発でたまり続けるトリチウム水を巡っては、人体への影響は小さいなどとして、処分に向けた議論が政府の小委員会で本格化し、今月末には国民の意見を聞く公聴会が開かれるが、トリチウム以外の放射性物質の存在についてはほとんど議論されていない」西日本新聞2018年08月19日「基準値超の放射性物質検出、福島 トリチウム以外、長寿命も」
「福島第一原発の敷地内のタンクにたまる汚染水について、東京電力は28日、一部のタンクから放出基準値の最大約2万倍にあたる放射性物質が検出されていたことを明らかにした。今回分析した浄化されたはずの汚染水約89万トンのうち、8割超にあたる約75万トンが基準を上回っていたという」朝日新聞2018年9月28日「汚染水、浄化後も基準2万倍の放射性物質 福島第一原発」
「東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の処分に関する基本方針の決定を機に、風評被害の防止を目的に、「ALPS処理水」の定義を変更します。今後は、「トリチウム以外の核種について、環境放出の際の規制基準を満たす水」のみを「ALPS処理水」と呼称することとします」2021年4月13日経済産業省
〈「ALPS処理水」とは
トリチウム以外の放射性物質が、安全に関する規制基準値を確実に下回るまで、多核種除去設備等で浄化処理した水(トリチウムを除く告示濃度比総和1未満)を「ALPS処理水」
多核種除去設備等で浄化処理した水のうち、安全に関する規制基準を満たしていない水(トリチウムを除く告示濃度比総和1以上)を「処理途上水」〉
「福島第一原子力発電所では、発生した汚染水に含まれる放射性物質を多核種除去設備(ALPS)等で浄化し、ALPS処理水等およびストロンチウム処理水として敷地内のタンクに貯蔵しています。
なお、ALPS処理水等の貯蔵タンク基数は1,046基(測定・確認用タンク:30基含む)です」
「ALPS処理水約3割 処理途上水約7割」 東京電力「処理水ポータルサイト」
「ALPS処理⽔等の告⽰濃度⽐(推定値)毎の貯蔵量」(2023年3月末)東京電力
告示濃度比1倍以下は418500m3(35%)、
1~5倍は369700m3(31%)、5~10倍は209400m3(17%)
10~100倍は157600m3(13%)、100~19909倍は56700m3(5%)
「タンクに貯めている水の約7割にはトリチウム以外にも、規制基準以上の放射性物質が含まれていますが、実際に処分を行う際には、これらの放射性物質が規制基準以下になるまで繰り返し浄化処理を実施する予定です」「除去対象核種62核種、主要核種ストロンチウム90、セシウム137、134、ヨウ素129、コバルト60、ルテニウム106、アンチモン125の7核種」復興省
「過去に発生した浄化装置の不具合や、汚染水が周辺地域に与える影響を急ぎ低減させるための処理量を優先した浄化処理等が原因で、2023年1月時点で、タンクに貯蔵されている水の約7割には、トリチウム以外にも規制基準値以上の放射性物質が残っています。この約7割の水に対しては、環境放出の際の規制基準を満たす「ALPS処理水」とするために、再度ALPS又は逆浸透膜装置を使った浄化処理、つまり二次処理が行われます」環境省
「現在日本が福島原発敷地内のタンクにアルプス(ALPS・多核種除去設備)を通過させて主要な放射能物質などを除去した水を保管しているが、排出基準に合うように処理された水が約30%、今も汚染されたままの水が残りの70%程度。ただし今後処理比率が高まれば汚染水を処理水に変えて呼ぶのが合理的なので用語修正を検討している」5月10日福島汚染水関連の協議に精通した韓国政府消息筋
「福島汚染水放流に対する国民の懸念はあまりにも当然のことだが、いま民主党と左派陣営はこのような国民の懸念を悪用してあらゆる怪談とフェイクニュースを垂れ流している」6月9日韓国与党「国民の力」尹在玉院内代表
「(福島原発汚染水の呼称を汚染処理水に変えることについて)検討する。汚染水が海洋放出されるわけではなく、『科学的に処理された汚染水』が海洋放出されるものだ」8月30日韓悳洙首相 国会予算決算特別委員会全体会議
・台湾政府は、より具体的な対応方針を明らかにした。15日の「自由時報」などによると、行政院農業委員会の陳吉仲主任(長官)は「日本の放出した『核廃水』の影響を実際に台湾の漁業が受けたら、日本政府を相手取って求償権を行使する」と述べた。陳主任は、汚染水が放出されれば、損害額は影響圏にある25の魚種で年間140億台湾ドル(約5500億ウォン、約533億円)に達すると説明した。(2021年4月)
「この問題の鍵は日本政府が情報をもっと透明に公表すること。放出に関して日本の国民、そして世界の人を安心させることが重要だ」8月26日台湾・頼清徳副総統
「想定外」
・7月5日中国外務省は「中国は海洋環境の監視や水産品への輸入検疫を強化し、国民の健康や食品の安全を確保する」と述べ、処理水が海洋放出された場合には、水産物の輸入規制を強化する考えを示した。
・7月7日中国税関総署は、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出について「事態の進展を見て、適時、一切の必要な措置を講じて中国消費者の食卓の安全を確保する。高度の警戒を保つ」とする談話を発表した。
「さらに、一部に見られる輸入規制等の動きに対しては、あくまでも科学的根拠に基づき早期撤廃をするよう、求めていくとともに、水産物等の国内消費の拡大、国内生産の維持、新たな輸出先のニーズに応じた加工体制の強化。新たな輸出先の開拓等の対策を講じます」8月22日岸田首相「廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議、ALPS処理水の処分に関する基本方針の着実な実行に向けた関係閣僚等会議」
「来るべきものが来たという感じだ。影響は大きいはずだ。時間があったのに、政府は何をしてきたのかという思いだ」8月24日ホタテ水揚げ量全国一を誇る北海道北部の猿払村漁業協同組合の森豊昭専務  〈「政府は何やっていた」憤る漁業者 処理水放出、中国が輸入停止〉
・中国が日本の水産物の輸入を全面停止したことを受け、政府は、漁業関係者への支援として現在用意している総額800億円の基金に加え、新たに数百億円程度を充てる方向で調整に入る。TBS8月30日
・22年の日本の水産物輸出量は前年比3.8%減の63.4万トン。輸出額は前年比28.5%増の3873億円。主な輸出先は中国(全体の22.5%)、香港(19.5%)、米国(13.9%)で、この3カ国・地域で輸出額全体の5割以上を占める。
  野村農水相の「汚染水」「想定していなかった」はただ真実をうっかり口にしただけの発言でしかない。22日の閣僚対策会議の名称も「廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議」である。
 東日本大地震と津波で全電源喪失した福島第一原発過酷事故で、炉心溶融後に格納容器の底に溜まる核燃料デブリに触れた汚染水を敷地内の1000基のタンクに貯めているが、その7割は海洋放出ができないままの汚染水だ。東電、経産省は2021年「処理水」を「ALPS処理水」と言い換え、8月24日岸田政権が放出を決めたのは「処理水」だが、それはタンクに溜まる水の3割でしかなく、汚染水は現在も一日100トン近くが増え続けている。産経など政権寄りのメディアはそのことにはほとんど触れず、「汚染水」という語を使う中国などそして国内への反感、敵視を読者に煽っている。
「福島第1原発で発生する汚染水は、多核種除去設備(ALPS)でトリチウム以外の放射性物質の大部分を取り除いた上で「処理水」としてタンクに保管している」産経2022/3/11
「処理水は放射性物質トリチウム(三重水素)などが含まれた水で、5月12日現在、約130万トンが敷地内のタンクに保管されている」読売2022/05/18
 国内の不満を外に向けるためでもある中国政府による日本からの水産物全面停止を「想定していなかった」も、ホタテ水揚げ全国一の漁業者が語るように国内の反対や不安を残したまま処理水放出を強行した政府の想定の甘さを示すものでしかない。
 30日になって首相は800億に加えて数百億対策費を積み上げというが、中国、香港への水産物年間輸出額は総額の40%を超えておよそ年1500億円。経産省の「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書」(2020年)で示す汚染水対策専門家会議が検討した処理水対策5つのうち、海洋放出は期間91月でコスト34億円、民間組織FoEが推奨する「モルタル固化処分案」と同じ地下埋設は期間98月でコストは2431億円。東電と政府は最も安上がりの方法を選んだつもりだろうが、結局輸入停止措置が続く限り「風評被害」対策も含めると海洋放出の費用は地下埋設を遥かに超える額となる。
 この間日本のメディアは、国民に莫大な被害をもたらした統一教会や多くの子ども、青年たちに性加害を続けたジャニーズ事務所問題もほとんど報じることなく被害を拡大させた責任があるが、この処理水放出をめぐる問題でも、事実を正確に報じて東電や政権の問題を問うのではなく、ちょっとした言葉を槍玉にあげて権力者には忖度しながら国内や海外との分断を煽るだけの報道に堕しているのではないか。その行き着く先はまた人々に甚大な被害をもたらす戦争。
《福島第1原発の処理水を「汚染水」と発言した野村哲郎農水相(79)。
その後、「言い間違えた」と謝罪し、撤回した。
しかし、連日会見の際に紙を読み上げる謝罪に批判も出ている。
辞任は否定も…連日“読み上げ”謝罪
1日午前11時半過ぎ、神妙な面持ちで会見場に現れた野村農水相。
定例の会見は、予定より25分遅れで始まった。
野村農水相:
はい、皆さんこんにちは。ご苦労さんです。
── 謝罪はし尽くされたと考えている?
昨日、記者の質問に対しまして、汚染...『処理水』という言葉を言い間違えたことについて、福島の皆さまをはじめ、関係者の皆さまに不快な思いをさせて申し訳なかったと、こういう気持ちでいっぱいでございます。
手元の紙に目を落とし、反省の弁を口にした野村農水相。記者からは、責任に関する質問が相次いだ。
── 進退について?
今申し上げましたように、改めて緊張感を持って水産事業者に寄り添って職務に当たりたいと、かように思っております。
── 辞任の考えはない?
ですから今申し上げたように、今回の反省を踏まえて、改めて緊張感を持って水産事業者に寄り添った職務にあたっていきたいということであります。
問題発言は8月31日首相との協議後
野村農水相が問題の発言をしたのは8月31日、水産業者への支援について、岸田首相らと協議した直後のこと。
野村農水相:
「汚染水」のその後の評価等について、情報交換をしたということです。
「汚染水」は、処理水放出に反発する中国などが使う言葉。
岸田首相から撤回と謝罪をするよう指示を受けた野村農水相は、なぜか一瞬笑みを浮かべたあと、記者団の前で謝罪した。
野村農水相:
処理水を汚染水と言い間違えたことについて、全面的に謝罪して撤回をいたしたいと思います。
準備した紙を読み上げる形での謝罪。その姿勢は、翌日の1日も変わらなかった。
野村農水相:
福島の皆様をはじめ関係者の皆様に不快な思いをさせて申し訳なかったと。
記者:
謝罪のコメントを下を向いて原稿を読みながらされているように見えて仕方がないのですが、紙を見ないで、大臣のお言葉で真っ直ぐ前を向いて、大臣の思い、コメントをもう一度お聞かせいただけますでしょうか?
昨日から申し上げているように、こういった間違いを起こしたことに対して、大変申し訳ないと、顔を上げて言えばよろしかったんでしょうけども、私は時々やっぱり口が滑ってしまうおそれがあるので...。ーーー



2023年 9月 1日
「お尋ねについては、政府として調査した限り、政府内において事実関係を把握することのできる記録が見当たらないところであります」8月30日松野博一官房長官会見
「ポーランド将校らを殺した(カティンの虐殺)のはナチスの首領ヒトラーの部隊で、ソ連ではない。ナチスが自らの犯行をソ連がやったように見せかけた」国営ロシア通信22年4月
「(ブチャの虐殺は)ウクライナや米欧がロシアの犯行に見せようとして住民を殺害した」同
「暴力行為による地元住民の被害は一件もない。(ブチャで撮影された動画や写真の遺体は、露軍の撤退後に置かれたもので)映像はデマ、演出された挑発行為」ロシア国防省22年4月3日
「(シリアのアサド政権に罪をなすりつける目的で西側諸国が演出したと自身が主張する化学兵器攻撃を引き合いに)ブチャでも同様の捏造が行われた」プーチン22年4月12日
「まず、関東大震災における朝鮮人・中国人への迫害について書かれた政府文書の存在、ということであれば、司法省、内務省、軍、朝鮮総督府などの文書が多数あります。研究者からは加害の矮小化や隠蔽が批判されていますが、司法省刑事局「震災後に於ける刑事事犯及之に関連する事項調査書」、内務省警保局「大正十二年九月一日震災後に於ける警戒警備一班」といったウェブでも読める文書も、虐殺が発生した事実は認めています。
 また、部分的には朝鮮人殺害の実行犯は検挙され裁判もされているので、裁判記録も存在しています。震災後の衆議院では、政府の責任が追及されました。中国人に対する危害については、日本の外務大臣が遺憾の意を表明している文書もあります。
 もはや正確に把握できない被害者総数や、デマ流布の責任、軍・警察の関与の程度には議論があるでしょう。ですが、松野長官への質問は、朝鮮人虐殺そのものの受け止めです。『政府内において事実関係を把握する記録は見当たらない』という回答は、虐殺それ自体の記録が見当たらない、と言っているように聞こえます。ーーー松野長官は、この回答につづいて、ヘイトスピーチや外国人の人権問題に長い回答をしていますが、一方で、この朝鮮人虐殺についての答えは、だいぶ大雑把です。端的にウソといわれてもしかたがない内容だと思います」尾原宏之甲南大学教授(政治思想史)
 100年前に首都を廃墟とした関東大震災に際して、「井戸に毒を撒いた」などのデマを理由に多数の朝鮮人らが官憲、軍隊そして市民によって虐殺されたことを記す様々な公文書や、内閣府中央防災会議の報告書(2009年)が示す紛れもない事実を前に、「記録が見当たらない」「執筆者の見解」と虚偽答弁・デマを繰り返す岸田内閣官房長官。
 1940年2万2000人ものポーランド人将校らを虐殺したカティンの森事件や現在のウクライナへの侵攻におけるブチャの虐殺などを「フェイク」とするプーチンらロシアの権力者が振り撒く嘘と、自国の負の歴史や現実に目を背ける点で本質は変わらない。「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」と、過去を直視せず自身に不都合な公文書を改竄・破棄させた輩の名を冠した与党最大派閥に属するものらが行き着く先は、誇大な自国礼賛と歴史の捏造・デマそして戦争・虐殺という膨大な生命の損耗。こういう政権はこの国を滅ぼす。
《記録が見当たらない?
 今年の9月1日で、「関東大震災」の発生から100年となる。
 この震災では、混乱のなか、多数の朝鮮人・中国人が暴行を加えられたり、虐殺されたりしたことがよく知られているが、この件をめぐって、政府内から驚くべき発言が出てきた。
 発言があったのは8月30日。松野博一官房長官の会見でのことだった。
 朝鮮人虐殺について、記者から、
 「政府として朝鮮人虐殺をどう受け止め、どのように反省しているのか(中略)、おうかがいします」
 という質問があった。これにたいする松野長官の答えが、
 「お尋ねについては、政府として調査した限り、政府内において事実関係を把握することのできる記録が見当たらないところであります」
 というものだったのである。
 この回答にたいして、記者席からはかさねて、「朝鮮人虐殺を否定するような、歴史修正主義的な見方もあるが、政府として事実関係を調査する意向はあるのか」という質問が出たが、それについても松野長官は、
 「先ほども申し上げましたとおり、政府として調査した限り、政府内において事実関係を確認することのできる記録が見当たらないところであります」
 と回答したのである。
 「政府内に記録がない」というのは、にわかに信じがたいが、専門家はどのように見るのだろうか。
記録は存在する
 『大正大震災 忘却された断層』(白水社)の著書があり、政治思想史が専門の甲南大学教授の尾原宏之氏は、
 「まず、関東大震災における朝鮮人・中国人への迫害について書かれた政府文書の存在、ということであれば、司法省、内務省、軍、朝鮮総督府などの文書が多数あります。研究者からは加害の矮小化や隠蔽が批判されていますが、司法省刑事局「震災後に於ける刑事事犯及之に関連する事項調査書」、内務省警保局「大正十二年九月一日震災後に於ける警戒警備一班」といったウェブでも読める文書も、虐殺が発生した事実は認めています。
 また、部分的には朝鮮人殺害の実行犯は検挙され裁判もされているので、裁判記録も存在しています。震災後の衆議院では、政府の責任が追及されました。中国人に対する危害については、日本の外務大臣が遺憾の意を表明している文書もあります。
 もはや正確に把握できない被害者総数や、デマ流布の責任、軍・警察の関与の程度には議論があるでしょう。ですが、松野長官への質問は、朝鮮人虐殺そのものの受け止めです。『政府内において事実関係を把握する記録は見当たらない』という回答は、虐殺それ自体の記録が見当たらない、と言っているように聞こえます。
 深刻な迫害があったことは公的な文書からもうかがえるので、批判されても仕方ありません。松野長官の発言はむしろ、今後とも事実関係を把握するつもりがない、ということだと思われます。
 松野長官は、この回答につづいて、ヘイトスピーチや外国人の人権問題に長い回答をしていますが、一方で、この朝鮮人虐殺についての答えは、だいぶ大雑把です。端的にウソといわれてもしかたがない内容だと思います」
知らぬ存ぜぬでやりすごす
 こうしたそっけない回答……というよりも、ウソを交えた回答には、政府が置かれた立場の難しさがあらわれていそうだ。尾原氏がつづける。
 「朝鮮人・中国人の虐殺事件については、いわゆる『歴史修正主義』的な見方が存在します。主要なのは、(1)当時の政府が発表した数字に基づいて被害者数を局限する、(2)公文書などにも多く記載されている「不逞鮮人」は実在したので自衛のためにやむを得なかった、といったものです。
 しかし、日本政府がこれらを公式見解として発表すると、今までの学術研究の成果に反してしまうし、韓国や中国はもちろん国際社会からの非難は避けられず、難しい状況になるでしょう。
 一方で、謝罪に直結しかねない調査をすることは、自民党の支持基盤である保守層の気持ちを逆撫でするような行為であるという点で厳しい。ということで、今回のように、とりあえず知らぬ存ぜぬで100周年が過ぎるのを待つ、ということだろうと思います」
 松野長官は、同じ会見で、「ヘイトスピーチやヘイトクライムは許されない」としている。しかし、歴史上の事実から目を背けようとするような回答のあとでは、「許されない」という言葉も軽いものに思えてしまう。》

 





                                                                                                                                                                 
  
     





























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