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2023年 1月31日
「米国では環境アセスはプロジェクトの承認前に行われる。環境への影響を検証してから承認するのは当然のプロセスですよね。ところが、外苑再開発は承認後に環境アセスが実施された。この事実を知り合いの米国人に伝えると皆、驚きます。「それじゃあ意味がないじゃないか」と」
「さらに驚いたのは、再開発を進める主体の事業者自体が環境影響評価書をまとめたこと。米国では第三者のコンサルティング会社に頼むのが普通です。環境影響評価書の内容にも驚きました。ほとんどデータが明記されず、「〇〇するように努力します」「××に気をつけます」と曖昧な表現ばかり。米国では第三者の企業がデータに基づいてハッキリと書くものです」
「小池知事は神宮外苑地区を「スポーツの拠点として発展させる」と言っていましたが、再開発で軟式野球場やフットサルコート、ゴルフ練習場などがなくなり、残るのは会員制テニスコートくらい。これが「スポーツの拠点」と言えるのでしょうか」
「石川先生も指摘していましたが、イチョウ並木からわずか6メートル程度しか離れていない場所に新球場の塀が建設されるため、地下に広がるイチョウの根を傷つける恐れがある。日光も届きづらくなる上、球場の照明が樹木に悪影響を与えかねません」
「イチョウ並木は外国人観光客に非常に人気のあるスポットです。韓国語や中国語、ポーランド語など、さまざまな言語が飛び交う場所になっている。小池知事は「インバウンド強化」を重視する発言もしていますが、真逆のことをやろうとしています」
「慶応大学准教授のホルヘ・アルマザン先生が今月8日に開催した外苑再開発に関するオンラインセミナーで、「東京に来る外国人は誰も六本木ヒルズに行きたいと思っていない」と話していました。高層ビルとか、同じような店舗が入ったショッピングモールなどは、世界中どこにでもありますよね。そんなものより、外国人は日本や東京の自然に魅力を感じている。実際に並木道を散歩していた外国人の方たちにヒアリングしたところ、「美しい黄色い木々を切らないで」「紅葉があるから人が集まってくるんだよ」といった声が上がりました」
「環境を破壊し、魅力的な景観もなくなる。多くの都民や外国人も反対するプロジェクトを、なぜここまで強引に進めようとするのでしょう。いくら考えてみても、論理的な理由が見当たりません。証拠がないので確定的なことは言えませんが、再開発を進めることで得をする人がいるのではないか。「汚職」のようなものが隠れているのではないか。そう疑われても仕方ないと思います」
「日本の街づくりはとにかく「スクラップ&ビルド」ばかり。旧築地市場や中銀カプセルタワービルも解体されてしまった。とてももったいないことだと思います。環境の専門家によると、SDGsに最も効果的な手段は、既存の建物の改修だそうです。逆に、最も環境に悪い手段は、既存の建物を壊して建て替えること。たくさんのビルを新たに建設する日本の再開発ラッシュはSDGsに反している。古くて味のあるものを改修して残すという発想こそが必要なのだと考えています」ロッシェル・カップ氏
「だが、じつはこうした五輪の施設建設に絡んだ森氏の疑惑にはもっと重大なものがあった。それは、東京五輪招致、新国立競技場建設にともなう「神宮外苑地区の再開発」への暗躍だ。ーーー13年に東京都は建物の高さ制限をそれまでの15メートルから最大80メートルにまで緩和。15年には、東京都とJSC、明治神宮、高度技術社会推進協会、伊藤忠商事、日本オラクル、三井不動産が「神宮外苑地区まちづくりに係る基本覚書」を締結。高層ビル建設を含む神宮外苑地区の本格的な再開発に踏み出した」LITERA 2016年10月4日〈東京五輪3兆円超えの戦犯・森喜朗のもうひとつの疑惑! 五輪の裏でゼネコン、電通と「神宮外苑再開発」利権〉
「JEM・PFI共同機構があった平田神社の6代目当主は、米田勝安氏という人でした。彼はすでに鬼籍に入っていますが、森氏とは早稲田大学時代から親交があり、雄弁会というサークルの仲間だったと報道されています。また、石原氏は1999年から東京都知事を務めており、明治神宮が神社本庁を離脱したころ、明治神宮の総代でした」
「東京都がこの問題に本格的に関わるようになったのは2005年からです。元都庁幹部で石原氏のスピーチライターでもあった澤章氏によれば、2005年夏に森氏が突然石原氏のところに訪ねてきます。いったい何のために来たのだろうと不思議に思っていたところ、石原知事が突如、東京に2回目のオリンピックを招致するとぶち上げたのだそうです。まさに電通の提案書に沿ったような動きです」ノンフィクション作家・山岡淳一郎氏 日刊SPA! 2022年6月21日「神宮外苑再開発の陰で蠢く政治家たち」
「森くんは10年以上前から、このプロジェクトに注目し、電通や大手ゼネコンなどとグループ勉強会を重ねていたようです。新国立競技場に加え、野球場、秩父宮ラグビー場、そして高層のオフィスビルやホテルなどを建設する計画を実現させるために五輪を招致し、組織委の会長になったのではないか。どのような利権があるか、金の流れがどうなっているか、捜査当局は強い関心を持ち、情報を集めているようです。すべてはここがスタート。AOKIとかKADOKAWAなどのレベルではなく、時間がかかるかもしれないが、この利権の構図を暴くことこそがターゲットなのだと思います」山口敏夫元労働大臣 FRIDAY2022年9月28日〈森元首相因縁議員が語る「五輪招致は神宮外苑再開発の利権」〉
 ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティングの設立者ロッシェル・カップ氏による明治神宮外苑の再開発計画への的確な批判。
 神戸でも観覧車などが子供たちに人気の王子公園の縮小と大学誘致を検討中。昨年12月長尾さん一周忌で東京に行った時、時間をかけて巡ったのは紅葉で覆われた井の頭公園、羽根木公園と代々木公園そして吉祥寺、下北や原宿の裏通り。巨大商業施設や渋谷再開発の駅前ビルに立ち入る気などまったく起こらない。
 カップ氏の「環境を破壊し、魅力的な景観もなくなる。多くの都民や外国人も反対するプロジェクトを、なぜここまで強引に進めようとするのか」の答えは、この明治神宮外苑再開発が、明治神宮、電通と大手ゼネコンそして東京都知事石原慎太郎や元首相森喜朗ら政治家の利権に深く関わる疑惑まみれの巨大開発ということ。
 30年以内の発生確率7割、倒壊建物約175000棟、死者約11000人と想定する首都直下地震を尻目に高層ビル再開発に突き進む首都東京。
https://www.bousai.go.jp/.../kouho.../h25/74/special_01.html
https://www.tokyo-np.co.jp/article/179520
 神宮外苑の施設と銀杏並木などの歴 史・文化遺産と景観は、補修しながら残すのが市民にも旅行者にもふさわしい。いい加減に巨大開発の幻想から覚めなけれ ば、この国にまともな未来はない。
《国連加盟国がSDGs(持続可能な開発目標)の達成を目指す中、日本の首都・東京では世界の潮流に逆行する計画が進められている。都内一等地の明治神宮外苑の再開発に伴い、敷地内にある743本もの樹木が伐採されようとしているのだ。問題にいち早く警鐘を鳴らしたのがこの人。米国人の視点からすると、再開発計画の中身も、決定プロセスも不合理だらけだという。
 ◇  ◇  ◇
 ――再開発計画によると、樹木が伐採される一方、球場やラグビー場が建て替えられ、オフィスや商業施設が入る高層ビルなどを新設。昨年2月に呼びかけた再開発に反対するオンライン署名は11万筆に達するなど、注目度の高さがうかがえます。問題に取り組むきっかけは何だったのでしょう。
 昨年2月の報道で、再開発計画が東京都の都市計画審議会に承認されたこと、石川幹子・中央大研究開発機構教授が「再開発で約1000本の樹木が伐採される」と指摘していることを知りました。一昨年の東京五輪開催前に代々木公園の樹木が過剰に剪定されるパブリックビューイング(PV)開設への反対署名を立ち上げたところ、多くの方が賛同してくれた。神宮外苑の大量の樹木が伐採される今回の計画は、PV開設の何千倍も大きな問題。ツイッターでフォロワーに「また署名を立ち上げましょうか」と聞くと「立ち上げてください」という意見が多かったので、声を上げなければ、と思ったのです。
 ――今月12日には、小池都知事に対し再開発計画の一時停止などを求める要望書を提出しました。事態は差し迫っていますね。
 東京都環境局は、神宮外苑地区の再開発について、昨年2月から周辺環境に与える影響を検証する環境影響評価(環境アセスメント)審議会で議論を開始。問題の多い計画案について、異例といえる回数と議論が交わされましたが、年末に急きょ総会が開かれ、事実上、環境アセスについての審議は終了してしまいました。今月20日に事業者が環境影響評価書を都に提出したと告示があり、同日に都知事が承認したことにより、計画は次の段階に移ります。都と事業者は、これ以上反対の声が上がらないうちに、大急ぎで着工に向かっているようですが、まだあきらめずに見直しを求めたいと思っています。
 ――もともと、再開発計画は2015年に浮上しましたが、詳細が都民に示されたのは21年12月のこと。しかも、計画の中身を確認できる縦覧期間はたった2週間でした。情報公開が不十分で、進め方にも問題がありました。
 私は米国に住んでいた時期に、再開発計画への反対運動に2回、参加したことがありますが、こんな強引な決定プロセスはあり得ません。まず、米国では環境アセスはプロジェクトの承認前に行われる。環境への影響を検証してから承認するのは当然のプロセスですよね。ところが、外苑再開発は承認後に環境アセスが実施された。この事実を知り合いの米国人に伝えると皆、驚きます。「それじゃあ意味がないじゃないか」と。さらに驚いたのは、再開発を進める主体の事業者自体が環境影響評価書をまとめたこと。米国では第三者のコンサルティング会社に頼むのが普通です。
 ――順序は逆だし、お手盛りということですね。
 環境影響評価書の内容にも驚きました。ほとんどデータが明記されず、「〇〇するように努力します」「××に気をつけます」と曖昧な表現ばかり。米国では第三者の企業がデータに基づいてハッキリと書くものです。その環境影響評価書を基にプロジェクトの社会的メリットと環境への影響を比較し、承認の可否を決めるのです。外苑再開発計画を巡る事後的な環境影響評価は“やってる感”の演出としか思えない。こんな非民主的なプロセスは、許されないことではないですか。
■小池知事の発言は矛盾だらけ
 ――中身も問題だらけです。
 小池知事は神宮外苑地区を「スポーツの拠点として発展させる」と言っていましたが、再開発で軟式野球場やフットサルコート、ゴルフ練習場などがなくなり、残るのは会員制テニスコートくらい。これが「スポーツの拠点」と言えるのでしょうか。矛盾しています。
――青山通りから聖徳記念絵画館へと続く有名なイチョウ並木も危機に瀕しています。小池知事は「残す」とは言っていましたが。
 その発言も事実と違うと思います。石川先生も指摘していましたが、イチョウ並木からわずか6メートル程度しか離れていない場所に新球場の塀が建設されるため、地下に広がるイチョウの根を傷つける恐れがある。日光も届きづらくなる上、球場の照明が樹木に悪影響を与えかねません。すぐではないかもしれないけれど、将来的に枯れてしまう危険性が高いと石川先生が警告しています。
 ――景観が台無しですね。
 イチョウ並木は外国人観光客に非常に人気のあるスポットです。韓国語や中国語、ポーランド語など、さまざまな言語が飛び交う場所になっている。小池知事は「インバウンド強化」を重視する発言もしていますが、真逆のことをやろうとしています。
 ――外国人観光客にソッポを向かれては、インバウンドどころではありません。
 慶応大学准教授のホルヘ・アルマザン先生が今月8日に開催した外苑再開発に関するオンラインセミナーで、「東京に来る外国人は誰も六本木ヒルズに行きたいと思っていない」と話していました。高層ビルとか、同じような店舗が入ったショッピングモールなどは、世界中どこにでもありますよね。そんなものより、外国人は日本や東京の自然に魅力を感じている。実際に並木道を散歩していた外国人の方たちにヒアリングしたところ、「美しい黄色い木々を切らないで」「紅葉があるから人が集まってくるんだよ」といった声が上がりました。
 ――都民も反対が多数です。東京新聞が昨年6月に実施した都民意識調査では、約7割が「反対」でした。
 環境を破壊し、魅力的な景観もなくなる。多くの都民や外国人も反対するプロジェクトを、なぜここまで強引に進めようとするのでしょう。いくら考えてみても、論理的な理由が見当たりません。証拠がないので確定的なことは言えませんが、再開発を進めることで得をする人がいるのではないか。「汚職」のようなものが隠れているのではないか。そう疑われても仕方ないと思います。

カネ儲け優先「スクラップ&ビルド」は時代に逆行
 ――こういった再開発は都内のみならず、日本全国で行われている印象です。
 神戸の王子公園では敷地内に大学を誘致することに伴い、スポーツ施設の解体、樹木の伐採が進められようとしている。茨城県つくば市の洞峰公園ではグランピングやバーベキュー施設を新設するため、多くの緑が失われる見込みです。行政や事業者の発想は「儲かる公園にしましょう」です。スペースがあれば「お金儲けのために何か建てたい」という考え方に染まっているように見えます。
 ――コンクリートの巨大な建物を建設し、街づくりするという考え方は前時代的ですね。
 都市計画の専門家の米国の友人が以前「どこかに行ったら、その場にいることを感じたい」と話していたことが印象に残っています。要するに、「その場にしかないものを味わいたい」ということ。友人はボストンやシカゴの都市計画を担当していたのですが、そういった哲学に基づいて仕事をしています。日本の街づくりはとにかく「スクラップ&ビルド」ばかり。旧築地市場や中銀カプセルタワービルも解体されてしまった。とてももったいないことだと思います。
 ――何でもかんでも新しくすればいいわけではありませんね。
 環境の専門家によると、SDGsに最も効果的な手段は、既存の建物の改修だそうです。逆に、最も環境に悪い手段は、既存の建物を壊して建て替えること。たくさんのビルを新たに建設する日本の再開発ラッシュはSDGsに反している。古くて味のあるものを改修して残すという発想こそが必要なのだと考えています。
(聞き手=小幡元太/日刊ゲンダイ)
▽1964年、米ニューヨーク州生まれ。米エール大卒業後、安田信託銀行(現みずほ信託銀行)勤務を経て、シカゴ大経営大学院でMBA取得。94年、日本の多国籍企業の海外進出への支援を行うジャパン・インターカルチュラル・コンサルティングを創業。「英語の品格」(集英社インターナショナル)など著書多数。》
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2023年 1月31日
日記がわりに。
 京都から帰宅した翌日、翌々日の朝はやはり小雪。土曜は開店と同時に賑わう地元calmoでピザ。贔屓目かもだが、やはり神戸が一番美味しい。六甲道で食材買って帰宅。ウクライナにようやく戦車供与を決めたドイツのZDFは、ロシアの攻撃で破壊された住宅と嘆き悲しむ市民の姿を伝える。
 日曜は快晴、西宮北口に出てShiosai窓際でお昼をいただき、震災前は商店街が賑わった駅前を通り花屋さんで小鉢、阪急ガーデン前の公園でコーヒーのあと食材買って帰宅。フランス2はウクライナ東部バフムトで地下壕に避難する市民、子どもたちの様子を伝える。
 例年にない寒さが続き昨日は巣篭もり、昼に昨夕半分食べた生牡蠣でパスタをつくる。午後Bill EvansのラストコンサートなどCDが届き、pc整理。今日は近くのco-op往復だけ。夕景は穏やか。

  


2023年 1月30日
「過去のことについて、今の議長の立場で自分が記者会見その他でお答えするのはふさわしくないと考えている」
「昨年の安倍元首相の事件以降、様々な報道があり、(教団の)内容を知ってびっくりした」
「(細田派=現安倍派会長時代の16年参院選で、比例代表で初当選した候補が派閥を通じて教団側から組織票の支援を受けたと証言、票の差配をしたという疑惑について)思い当たる事実はない」
「(「韓鶴子(ハンハクチャ)総裁の提唱によって実現した、この国際指導者会議の場は、大変意義が深い」「今日の会の中身の内容をさっそく安倍総理に報告したい」と2019年10月のスピーチについて)リップサービスでそういう風に言った。そのあと報告はしていない」
「(教団と安倍氏の関係について)大昔から関係が深い。こちら(自分)は最近だ」いずれも24日議長公邸で
「議長になっても毎月もらう歳費は100万円しかない」「上場会社の社長は1億円は必ずもらう」「地方いじめのように『10増10減』をすることはちょっと考えたらどうか」「小選挙区を東京で二つか三つ増やせばよく、他の県はとばっちりだ」自民党議員パーティーで
【特集】週刊文春が報じた細田衆院議長「セクハラ疑惑」これだけの証拠
 昨年週刊文春で女性記者に対する度重なるセクハラ疑惑を報じられたが訴訟を起こす以外その疑惑に答えなかった衆院議長が、今回はカルト集団の集会での霊感商法と高額違法献金の創始者を賛美する発言や、議員選での自らの派閥議員への票の差配という疑惑についても、まともに記者会見も国民への説明もせず、文書一枚と公邸での非公開の会合でのみ終わらせようとする。
 他方では、自民党議員のパーティーに出席して「議長になっても毎月もらう歳費は100万円しかない」「上場会社の社長は1億円は必ずもらう」「地方いじめのように『10増10減』をすることはちょっと考えたらどうか」「小選挙区を東京で二つか三つ増やせばよく、他の県はとばっちりだ」蔵前勝久論説委員が指摘する細田のこれら発言も、全く議長としてふさわしくない、不適任そのもの。
「ふさわしくない」のはそういう輩がこの国の衆院議長であり続けることそのものだ。衆参両院は憲法が定める「国権の最高機関」(日本国憲法第41条)だが、それは「国の唯一の立法機関」という意味においてであって、衆院議長に何かの特権を与えるものではない。
 「リップサービスで」「(教団の)内容を知ってびっくりした」との発言だけで、いかにこの人物が無責任、無定見なのかがわかる。セクハラ疑惑も含め、これらの疑惑に真摯に答えることをせず、いたずらに放言を重ねる輩に国会議長の資格はなく、国会の品位と質疑そのものを貶めるだけ。与党席に並ぶカルト癒着議員らと共に即時辞任あるのみ。
《世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係について細田博之衆院議長が24日、議長公邸で与野党の会派代表者との質疑に応じた。出席者によると、関係の深さが指摘されてきた自民党安倍派の元会長として、国政選挙での教団票の差配についての質問には「そういったことはない」と否定。教団創始者の妻で現在の教団トップ韓鶴子(ハンハクチャ)氏が出席した会合で安倍元首相に報告する旨の発言をしたことについては、「リップサービスでそういう風に言った。そのあと報告はしていない」と説明したという。
 この日の質疑は、冒頭の1分半のみ報道機関に公開され、あとは非公開で約1時間の質疑があった。衆院議院運営委員会の山口俊一委員長(自民)と自民、公明、立憲、維新、国民、共産の代表者6人が囲んで座った。
 これまで細田氏が自ら記者会見などを開いてこなかったことについては、細田氏は「過去のことについて、今の議長の立場で自分が記者会見その他でお答えするのはふさわしくないと考えている」と話したという。また「昨年の安倍元首相の事件以降、様々な報道があり、(教団の)内容を知ってびっくりした」などと説明した。
コメントプラス
プチ鹿島
(時事芸人)
2023年1月25日19時52分 投稿
【視点】公の場で説明しようとしない方が「公邸」を利用して質疑に応じるのは矛盾では。細田氏に関する問題の象徴みたいなニュースです。
蔵前勝久
(朝日新聞論説委員=国内政治全般)
2023年1月24日18時29分 投稿
【視点】細田氏の「過去のことについて、今の議長の立場で自分が記者会見その他でお答えするのはふさわしくないと考えている」という言葉には疑問を抱かずにはいられません。
 議長就任以降も、自民党議員のパーティーに出席していることの方がよっぽど中立的な立場の議長にはふさわしくないと思います。そこでの発言も、およそ議長にふわしくない発言ばかりです。「議長になっても毎月もらう歳費は100万円しかない」「上場会社の社長は1億円は必ずもらう」「地方いじめのように『10増10減』をすることはちょっと考えたらどうか」「小選挙区を東京で二つか三つ増やせばよく、他の県はとばっちりだ」・・・・・
 細田氏は今後も自民党議員のパーティーに出席するのでしょうか。中立的立場を大事にするのなら、同じように野党議員のパーティーにも出席するのでしょうか。呼ぶ議員がいれば、ですが。》


2023年 1月27日
追記。25日の宿泊は、定宿だったがコロナ禍で閉店したコープイン京都の代わりに四条烏丸周辺を当日朝じゃらんで調べ、閑散期で廉価且つ旅行支援適応のいくつかの中で三井ガーデン四条を初めて予約。夕方訪ねると、支援適用にはワクチン接種証明と国内在住の証明として写真付きの書類が必要、写真がないものは2枚必要で健康保険証だけでは不可と。
 じゃらん予約時にそうした説明なく、11月、12月の京都、北海道旅行でも健康保険証で済んでいたと反論するとフロントの人は「決まりですので」とやや申し訳なさそうにしていたが、責任者を呼ぶと20代の男性が来て、「じゃらんの予約でも証明書類の説明はあります」「ホテル側に説明責任はありません」「私どもも宿泊収入が減るのは残念ですが」と述べて埒が開かず、結局予約をキャンセル。他の宿に急遽電話して泊まった。支援適応を聞くと保険証で良いとのこと。
 昨日帰宅して観光庁、京都府などの旅行支援サイトを調べると、京都府以外の北海道、東京、大阪、兵庫、福岡、沖縄は全て本人確認は写真なしの保険証など一枚でOK。予約サイトでも予約時に本人確認の京都の規定について特段詳しい説明はない。宿と電話で話すと、府の方針に従っているが、すでに複数の支援不可の例が出ているとのこと。
 今日午前、観光庁、京都府に電話で納税者である国民と国内在住者をひろく対象にしながら、運転免許証やマイナンバーカードを持たない利用者にとって一方的に負担を強いるものであると苦情を伝える。観光庁は支援の方式は各自治体に委ねていて、証明書2枚必要と求めてはおらず、問題は受け止めますと。京都府の担当者もご迷惑をおかけして申し訳ない、ご意見は次の支援で検討しますと。いやいや、これから2ヶ月同じでは旅人にも京の宿にも迷惑なだけだよと伝える。
 昼過ぎに朝日新聞京都総局に電話して経験と問題点を伝え、取材し報道することでこの問題解決が促進されるよう依頼した。
観光庁 https://www.mlit.go.jp/kankocho/page06_000261.html
京都府 https://kyoto-tabipro.jp/discount/
北海道 https://hokkaidolove-wari.jp/
東京都 https://ryokoshientokyo.jp/.../ryokoshientokyo... 
兵庫県 https://www.hyogo-tourism.jp/hyogotabi/about/
沖縄県 https://okinawasaihakkennext.com/


2023年 1月27日
「被爆地広島出身で宏池会に所属する岸田首相は、その出自が与えるイメージを大きく裏切って、安倍がつき菅がこねし戦争餅を、何も考えずに食うがごとき態度で、安保三文書を「閣議決定」した。ロシアのウクライナ侵攻を奇貨として」
「この十年間は、日本がいつでも戦争できるように法整備を整えてくる期間だった。秘密保護法(2013年)、安保法制(2015年)、共謀罪(2017年)と、民主主義を脅かす法律を次から次へと、強行採決で決めてきた安倍政権時代は、そのためにあった時代だった。短かった菅政権も、安倍氏の申し送り事項だったらしい、学術会議の任命拒否をして、知や学問を時の政権に従わせる方針をあきらかにした。戦争の時代に、必ず政府が知や言論を統制するように」
「しかし、少しでも考えれば、「敵基地攻撃能力」を持ったり、トマホークを買ったりするのではなくて、「台湾有事」を回避するために必死で努力すべきだという考えしか浮かばないはずだ。米中が台湾を巡って対立し、戦争に発展するという段階になれば、米軍基地のある日本は攻撃対象になり、沿岸部にずらりと並んだ原子力発電所は、身の内に抱え込んだ地雷以上に危険な存在になる。戦争の影響で物流が滞れば、食糧の六割以上を輸入に頼る日本は、たちまち食糧危機に陥る。早晩、餓死者が出るだろう」
「そんな「有事」が起こってもらっては困る。だから、起こらないように、起こさないように、外交努力を重ねるしかない。戦争ではなく平和を希求する想像力が必要だ。ーー(アメリカに)都合のいい存在に甘んじているうちに、気がついたら国が焦土と化していた、なんてことになるわけにはいかない。米中に自制を促し、東アジアの国々と連携して平和を構築するための外交努力を今すぐ始める以外に、日本が生き残る道はない」
 いかにも作家らしい鋭い警句に満ちた、小説家中島京子氏の「岸田政権の歴史的転換にモノ申す」リレー寄稿。
 勉強嫌いで読書も嫌いな3代目政治家と、やはり不勉強な自称苦労人老獪狡猾官とやはり3代目のボンクラが憲法と法律そして主権者の国民を無視・蹂躙しこの国を戦争へと向かわせ衰退、崩壊させる。今がそれを避け得る唯一の分岐点。
《「安倍がつき菅がこねし「戦争餅」を何も考えずに食うがごとき態度」
 この十年間は、日本がいつでも戦争できるように法整備を整えてくる期間だった。秘密保護法(2013年)、安保法制(2015年)、共謀罪(2017年)と、民主主義を脅かす法律を次から次へと、強行採決で決めてきた安倍政権時代は、そのためにあった時代だった。短かった菅政権も、安倍氏の申し送り事項だったらしい、学術会議の任命拒否をして、知や学問を時の政権に従わせる方針をあきらかにした。戦争の時代に、必ず政府が知や言論を統制するように。
 被爆地広島出身で宏池会に所属する岸田首相は、その出自が与えるイメージを大きく裏切って、安倍がつき菅がこねし戦争餅を、何も考えずに食うがごとき態度で、安保三文書を「閣議決定」した。ロシアのウクライナ侵攻を奇貨として、「台湾有事」を煽ることのできるいまなら、「巨額の防衛費」も「敵基地攻撃能力」も、市民や野党は反対できないだろうと考える人たちの、「黙って進めるだけで、あなたの権力は安泰ですよ」と耳元で囁く声に、深く考えずに身を任せることにしたのだろう。人の意見に反対したり、リーダーは何をすべきなのか考えたりするのは、なかなかに、めんどくさいことなんだろうから。
 しかし、少しでも考えれば、「敵基地攻撃能力」を持ったり、トマホークを買ったりするのではなくて、「台湾有事」を回避するために必死で努力すべきだという考えしか浮かばないはずだ。米中が台湾を巡って対立し、戦争に発展するという段階になれば、米軍基地のある日本は攻撃対象になり、沿岸部にずらりと並んだ原子力発電所は、身の内に抱え込んだ地雷以上に危険な存在になる。戦争の影響で物流が滞れば、食糧の六割以上を輸入に頼る日本は、たちまち食糧危機に陥る。早晩、餓死者が出るだろう。
 そんな「有事」が起こってもらっては困る。だから、起こらないように、起こさないように、外交努力を重ねるしかない。戦争ではなく平和を希求する想像力が必要だ。
 アメリカが日本に軍事的貢献を要求してくるようになった背景には、アメリカの国力が落ち、かつてのような「世界の警察」役をやるのはもう嫌だ、というのがあるという。日本ももっと負担してくれよ、というわけだ。日本は、アメリカにヘソを曲げられたら国家存亡の危機とばかりに「なんでもします。金も人も出します。敵基地攻撃しろって言われたらやります。だから、見捨てないで」と、足に縋りついている。でも、恋愛でもなんでも、縋りついて「見捨てないで」と哀願すれば見捨てられないわけではない。運よく見捨てられなかったとしても、大体において、都合のいい存在にしかならない。
 都合のいい存在に甘んじているうちに、気がついたら国が焦土と化していた、なんてことになるわけにはいかない。米中に自制を促し、東アジアの国々と連携して平和を構築するための外交努力を今すぐ始める以外に、日本が生き残る道はない。》


2023年 1月27日
「女性は15歳から50歳までが出産をして下さる年齢。『産む機械、装置の数』が決まっちゃったと。その役目の人が、一人頭で頑張ってもらうしかない」2007年1月27日柳沢伯夫元厚労相
「結婚を機にママさんたちが『一緒に子どもを産みたい』という形で国家に貢献してくれればいいなと思う。たくさん産んでください」菅義偉前首相、元官房長官2015年09月29日
「子どもを4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰しては」山東昭子前参院議長2017年11月21日
「お子さんやお孫さんにぜひ、子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」桜田義孝元五輪相2019年5月29日
「一番、大きな理由は出産する時の女性の年齢が高齢化しているからです。今は30歳で普通。体力的な問題があるのかもしれない」麻生太郎2023年1月15日
・出産奨励一時金は、健康保険組合や国民健康保険などの保険料が主な原資。一時金増額に伴い、政府は一時金全体の7%ほどを後期高齢者医療制度の費用の一部から充てる方針
「根底には、家庭を美化し、女性は子どもを産んで育てるのが当然という保守系政治家の意識がある。戦前の『産めよ 増やせよ』の感覚が抜けきっていない」政治アナリスト 伊藤惇夫氏
「これまでの少子化対策は、正社員の共働き夫婦を想定してきたが、育児世代は多様化し、格差も開いている。低収入世帯とパワーカップル世帯で求める対策は違う。保育所の整備や育児休業の取得促進が全ての人に沿うわけではない。あらゆる立場の人が実情に応じて利用できる多種多様な支援策を整えるべきだ。非正規で働かざるを得ない人や貧困にあえいでいる人が周りにいないか、目に入っていないのだろう」中央大 山田昌弘教授(家族社会学)
「現金の支給額を増やすだけなら、これまでの延長線上で『次元』は同じ。現時点で思い切った案が出ていない。日本は家族主義が浸透し、家庭が全て担う意識が根付いている。教育費の家計負担が重いのもそのためだ。社会全体で次世代を育てる意識が欠かせない。高等教育の無償化など、長い目線を持った手を打たなければ。本気で取り組むなら、公共事業を削って子育て事業に振り向ける予算の組み替えも必要。そうでなければ、対策は絵に描いた餅に終わる」同
 「家庭」偏重のカルト集団と癒着した自民党老害政治家による、少子化を女性に責任転嫁する前近代・時代錯誤の妄言は、この10数年変わっていない。
 アマテラスをはじめとするこの国の女性の高い地位は、古代母系制社会をルーツとして奈良期の妻問婚=夫婦別姓以来の伝統なのだが、保守を自認する岸田首相はそうした理解もなく、同性婚はおろか選択的夫婦別姓にすら26日「国民の間にさまざまな意見があり、より幅広い理解を得る必要がある」と逃亡。異次元どころか、医療保険費を削った「出産育児一時金」の増額など低次元の少子化対策を自慢げに開陳するのみ。  https://www.tokyo-np.co.jp/article/227613
 真の少子化対策は、雇用の安定化・非正規雇用の正規化と保育所の整備や育児休業の取得促進そして何より保育園から高校・大学までの教育費・授業料無償化を直ちに実現すること。戦争準備の「防衛費倍増」よりこの国とそこに住む人びとを遥かに豊かにし、永続させる。
《「少子化の最大の原因は晩婚化」。先日、自民党の麻生太郎副総裁の発言が一部で報じられ、「理解不足」「女性への責任転嫁」といった批判の声が上がった。岸田文雄首相が「異次元の少子化対策」を掲げ、通常国会での論戦を間近に控えても響かない、旧態依然の政治家がいる表れか。岸田首相にしても、ここに来てキーワードを言い換え。足元が定まらない中、大胆な対策をやりきれるのか。(岸本拓也、中沢佳子)
◆実際は晩婚化・非婚化の影響とは別の「主因」が存在
 麻生氏の発言は今月15日、福岡県内で開かれた講演会で飛び出した。
 テレビ朝日の報道によると、麻生氏は少子化について「一番、大きな理由は出産する時の女性の年齢が高齢化しているからです」と断言。女性の初婚年齢が「今は30歳で普通」と述べた上で、子どもを複数出産するには「体力的な問題があるのかもしれない」と指摘したという。
 少子化は女性の問題ととらえられかねない発言を巡り、SNS上では、「なんでも責任は女性ですか」「政治家の責任を国民に転嫁している」などと、批判や反論が相次いだ。
 では、本当に晩婚化が少子化の最大の理由なのか。内閣府が2020年にまとめた資料によると、日本人女性の平均初婚年齢は29.4歳。しかし、日本より出生率が高い英国(31.5歳)やフランス(32.8歳)、スウェーデン(34.0歳)などは、軒並み日本より「晩婚」だった。
 人口問題に詳しい日本総研の藤波匠氏は「05年ごろまでは婚姻率の低下が出生数を押し下げる主因だった。しかし、結婚しても子どもを持たない人が増え、16年以降はむしろ出生数の低下を加速させている。晩婚化・非婚化が少子化に与える影響は小さくなっている」と指摘する。
 若い世代が出産をためらうのは経済的理由からだ。内閣府の22年版「少子化社会対策白書」では、夫婦が理想の子どもの数を持てない理由として「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が56.3%と最多だった。藤波氏は「現金給付だけでなく、若い世代の賃金引き上げや雇用の安定化、非正規雇用の正規化にしっかり取り組み、『日本で子どもを産み育てたい』と思える社会を目指すことが重要だ」と訴える。
◆「女性は産む機械」とまで…根底にある意識とは
 日本の出生数は第2次ベビーブームの1973年の約209万人からほぼ右肩下がりで減り、2021年は約81万人に。22年には80万人を割り込む見通しだ。少子化は社会全体の課題のはずだが、麻生氏以外にも、女性ばかりに「期待」する自民党政治家の問題発言が近年も目立つ。

 「お子さんやお孫さんにぜひ、子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」(桜田義孝元五輪相)、「子どもを4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰しては」(山東昭子前参院議長)、「結婚を機にママさんたちが『一緒に子どもを産みたい』という形で国家に貢献してくれればいいなと思う。たくさん産んでください」(菅義偉前首相)などだ。07年にも当時の柳沢伯夫厚労相の「女性は産む機械」発言が批判された。
 なぜこうした発言が繰り返されるのか。政治アナリストの伊藤惇夫氏は「根底には、家庭を美化し、女性は子どもを産んで育てるのが当然という保守系政治家の意識がある。戦前の『産めよ 増やせよ』の感覚が抜けきっていない」と指摘する。「その結果、非正規の低所得層の増加や高い住宅コストの問題といった少子化の構造的な課題に向き合った対策をきちんと取ってこなかったのでは。それが今の事態を招いている」
◆「出産育児一時金の増額」は十分か?
 岸田首相には、与党政治家の間に根付く保守性を打ち破るような気概が問われる。だが、今のところ少子化対策の全体像は曖昧。具体化している数少ない策としては、子どもを産んだ人に支給する「出産育児一時金」の増額が挙げられる。
 4月から、現行の42万円を50万円に引き上げる。1994年に30万円の支給で制度を創設して以来、最大の上げ幅だ。
 ただし、永続的な改善策とは言い難い。
 厚生労働省によると、公的病院での正常分娩ぶんべんの全国平均額は2021年度45万5000円。50万円に支給を上げればまかなえる計算だ。しかし、地域差があり、21年度時点で東京都の平均額は56万5000円。茨城県や神奈川県も50万円を超えている。
 また、全国平均額は12年度は40万6000円だった。概おおむね年1%の増加率で、同様のペースで上昇すれば、遠くないうちに支給額を超える。
 一時金は、健康保険組合や国民健康保険などの保険料が主な原資になっている。増額に伴い、政府は一時金全体の7%ほどを後期高齢者医療制度の費用の一部から充てる方針だ。
 正常分娩でも病気やけがと同じように、公的医療保険の適用対象にすべきだという意見もある。そうなれば大胆な転換だが、昨年6月の参院予算委員会で岸田首相は「慎重に考えなければ」と答弁している。
◆「全世代で子育てを支える意識を」
 結局、財源をかき集めた末のばらまきにも見える。岸田首相は最大で2兆〜3兆円が必要とされる児童手当の拡充も掲げる。こちらも現金給付だが、財源の議論は先送りしている。
 「子育て世代の可処分所得を増やすことが鍵。若い世代への投資をどう実現するかが問われている」。日本大学の末冨芳教授(教育行政学)も先の藤波氏と同様に「『子どもを産んだ方が得』と思わせる施策が必要だ」と強調する。
 そのため「介護や高齢者対応に偏った社会保障の見直しは欠かせない。企業も含めて全世代で子育てを支える意識を持たなくては」と抜本的な変革を求める。
 出産支援についても、一時金の増額だけでなく「妊娠時の健診から出産までの無償化や、安心して子育てできる住宅への入居支援も考えられる」と幅広い施策を提案する。
 中央大の山田昌弘教授(家族社会学)は「これまでの少子化対策は、正社員の共働き夫婦を想定してきたが、育児世代は多様化し、格差も開いている。低収入世帯とパワーカップル世帯で求める対策は違う。保育所の整備や育児休業の取得促進が全ての人に沿うわけではない」と指摘する。
 収入を理由に結婚や出産をあきらめる人の存在を念頭に「あらゆる立場の人が実情に応じて利用できる多種多様な支援策を整えるべきだ」と訴える山田氏。麻生氏の発言も引っかかる。「非正規で働かざるを得ない人や貧困にあえいでいる人が周りにいないか、目に入っていないのだろう」
◆首相の少子化対策 現状では「同次元」
 首相は23日に召集された通常国会の施政方針演説で、少子化対策の表現を「異次元」から「次元の異なる」と言い換えた。
 「現金の支給額を増やすだけなら、これまでの延長線上で『次元』は同じ。現時点で思い切った案が出ていない」。山田氏は多少表現を変えようと、「同次元」の範疇はんちゅうだと切り捨てる。
 「日本は家族主義が浸透し、家庭が全て担う意識が根付いている。教育費の家計負担が重いのもそのためだ」としたうえで、社会の担い手喪失の危機に警鐘を鳴らす。「社会全体で次世代を育てる意識が欠かせない。高等教育の無償化など、長い目線を持った手を打たなければ。本気で取り組むなら、公共事業を削って子育て事業に振り向ける予算の組み替えも必要。そうでなければ、対策は絵に描いた餅に終わる」
◆デスクメモ
 「まん延防止等重点措置」の略称「まん防」は魚のマンボウを想像し、緊張感に欠けるとして使われなくなり「重点措置」などになった。今回の「異次元」と「次元の異なる」は違いがよく分からない。キャッチフレーズなら簡単に変えられないはず。中身も名称も練ってなかった?(北)》




2023年 1月26日
京都二日目は晴れ。
 日陰の道は凍結し、一部雪も残る。宿を出て小道を歩き、鴨川三条大橋沿いのスタバで紅茶を飲みながら雪景色。昨日雪中行軍で履いていた使用10数年の革靴は、縫い紐が切れて崩壊寸前。アーケード街を探してようやく11時前に開いていた店で新品購入、くだんの靴は処分をお願いして置いてきた。
 四条烏丸のひさしぶりのDanielsの中のテラスでランチをいただき、紙より至極面倒な旅行支援の電子クーポン2千円分をどうにか初めて使うと、なんとエスプレッソも足した値段がピッタリその額で簡単に支払い完了。
 阪急と嵐電を乗り継いで有栖川の天山の湯につかり、嵐電嵐山から渡月橋を渡る。市内の道では凍結を除こうとする地元の人たち、スタバでも改修工事、桂川では膝上まで水に浸かって何やら工事中で、ご苦労様。阪急嵐山から乗り継いで4時過ぎに帰宅。




2023年 1月25日
昨夜から自宅裏手も前も雪で、朝は晴れて雪景色。
 例年にない寒波のもと、9年ぶりに雪の金閣寺を見に六甲川沿いの雪道を下り、阪急で四条大宮、バスと徒歩で雪のなか1時に着く。
 飲食店は何処も混み、鯛めしの店でお昼を頂き雪の金閣寺に入る。やはり凄い混みようだが、途中から陽も差した。青空と白銀の下で金色に光る光景に、「冥土の土産だ」と宣う高齢者(自分もか)たちもいた。
 そのまま東に歩き、途中小学生に道を尋ねて船岡温泉に至ると、丁度開店前。2~3年生くらいの小学生は「この先を右に曲がり、左手の階段を降りて右側に行くと船岡温泉です」と、まさに的確なアドバイス。檜の露天に浸かり、やはり雪の中を歩いて子供達が雪遊びする西陣児童公園を経て今出川通に出て、バスと地下鉄で四条烏丸まで。
 久しぶりに輝庭で夕飯、レトロな建物の店でコーヒーのあと御池通の宿に入る。さすがに疲れた。




2023年 1月23日
「近代日本にとって、大きな時代の転換点は明治維新とその77年後の大戦の終戦の2回あった。そして、くしくもそれから77年がたった今、再び歴史の分岐点に立っている」
「これまでの時代の常識を捨て去り、強い覚悟と時代を見通すビジョンをもって新たな時代にふさわしい社会、経済、国際秩序を創りあげていかねばならない。力をあわせて、ともに、新時代の国づくり、安定した国際秩序づくりを進めていこうではないか」
「(防衛力の抜本的な強化 )こうした取り組みは、将来にわたって維持・強化していかなければならない」「今を生きるわれわれが将来世代への責任として対応していく」
「急速に進展する少子化で去年の出生数は80万人を割り込むと見込まれ、わが国は社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況に置かれており、待ったなしの課題だ。『こどもファースト』の経済社会を作り上げ、出生率を反転させなければならない。従来とは次元の異なる少子化対策を実現したい」
「『歴史の分岐点』を迎える中、国益を守り抜くため、積極的かつ力強く『新時代リアリズム外交』を展開していく」
「(憲法改正は)先送りできない課題だ。この国会で、制定以来初めてとなる改正に向け、より一層議論を深めてもらえることを心より期待する」
「日本という国を次の世代に引き継いでいくために、これからも私に課せられた歴史的な使命を果たすため全身全霊を尽くす」
 『こどもファースト』『歴史の分岐点』『新時代リアリズム外交』「歴史的な使命」ーーー国会や国民に説明もせず元首相国葬や憲法を逸脱する防衛政策の転換などを独断で決めた自らを、「これまでの時代の常識を捨て去り」と150年の歴史の「転換」「分岐点」に立つ指導者と誇大妄想する、実際は質の悪いテレビCMのように質の悪いライターが書いた、無知・浅薄で愚かしい薄っぺらな言葉を並べるだけの、歴史も学ばず、国益、外交の理解も実に狭隘極まるこの国の首相の演説。
 朝日新聞社の21、22の世論調査で岸田首相の経済政策に「期待できる」は20%、「期待できない」73%。首相の少子化対策に「期待できる」20%で、「期待できない」は73%は当然の数字。   https://digital.asahi.com/articles/ASR1Q7WSHR1NUZPS00D.html
 『こどもファースト』「異次元の少子化対策」とどこかで聞いた言葉を弄ぶが、実際に示したのは「高等教育の負担軽減に向けた出世払い型の奨学金制度の導入にも取り組みます。まずは、私自身、全国各地で、こども・子育ての「当事者」である、お父さん、お母さん、子育てサービスの現場の方、若い世代の方々の意見を徹底的にお伺いするところから始めます」    https://www.ytv.co.jp/press/politics/182845.html
 実態は社会に出る若者の過大な借金でしかない現行奨学金制度を拡大するだけの、この手垢のついた「出世払い型の奨学金」や、国民の意見を聞かず独断に終始するものが唱える「意見を徹底的にお伺いする」のどこに信頼や期待ができるのか。
 憲法は特別職も含めて公務員に憲法擁護遵守義務を定めている。反撃能力・敵基地攻撃能力の違憲性は無論、国会の施政方針で首相が平然と憲法「改正」を提唱するのはその義務違反でしかない。こんな政権は交代あるのみ。
《岸田総理大臣は通常国会初日の23日、施政方針演説を行いました。
少子化対策は待ったなしの課題だとして、最重要政策に位置づけ、内容の具体化と安定的な財源の検討を進める考えを示しました。また防衛力強化の必要性を強調し、不足する財源は増税で賄う方針を重ねて示しました。
“新時代の国づくり 安定した国際秩序づくりを”
冒頭、岸田総理大臣は、「近代日本にとって、大きな時代の転換点は明治維新とその77年後の大戦の終戦の2回あった。そして、くしくもそれから77年がたった今、再び歴史の分岐点に立っている」と述べました。
そのうえで、「これまでの時代の常識を捨て去り、強い覚悟と時代を見通すビジョンをもって新たな時代にふさわしい社会、経済、国際秩序を創りあげていかねばならない。力をあわせて、ともに、新時代の国づくり、安定した国際秩序づくりを進めていこうではないか」と呼びかけました。
“防衛力の抜本的な強化 着実に進める”
そして、防衛力の抜本的な強化をめぐり、5年間で43兆円の防衛予算を確保し、「反撃能力」の保有を含めた取り組みを、着実に進めていくと説明し、「こうした取り組みは、将来にわたって維持・強化していかなければならない」と述べました。
防衛予算の財源のうち、およそ4分の1は行財政改革を行っても不足するとして、「今を生きるわれわれが将来世代への責任として対応していく」と述べ、増税で賄う方針を重ねて示しました。
“物価上昇を上回る賃上げの実現を図る”
また、物価高対応にちゅうちょなく取り組むとともにみずからが掲げる「新しい資本主義」のもとで、物価上昇を上回る賃上げの実現を図ると強調しました。
賃上げを持続的なものにするため、希望者の雇用の正規化や、リスキリング=学び直しによる能力向上支援、それに、年功賃金の見直しなどによる労働市場改革を、加速させる方針を示しました。
年功賃金の見直しについては、「ことし6月までに日本企業にあった『職務給』の導入方法を類型化し、モデルを示す」と述べました。
このほか、経済の好循環をつくるため、GX=グリーントランスフォーメーションやデジタル、それにスタートアップなど、各分野での投資や改革を進めていく考えを示しました。
そして、エネルギーの安定供給をめぐり、安全の確保と地域の理解を大前提に、原子力発電所の次世代革新炉への建て替えや、一定期間の運転の延長を進めていくと説明しました。
“最重要政策は子ども・子育て政策”
一方、「ことし、『新しい資本主義』の取り組みを次の段階に進めたい。経済社会の『持続性』と『包摂性』を考えるうえで最重要政策と位置づけているのが子ども・子育て政策だ」と述べました。
そのうえで「急速に進展する少子化で去年の出生数は80万人を割り込むと見込まれ、わが国は社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況に置かれており、待ったなしの課題だ。『こどもファースト』の経済社会を作り上げ、出生率を反転させなければならない。従来とは次元の異なる少子化対策を実現したい」と述べ、内容の具体化と安定的な財源の検討を進める方針を表明しました。また、地方創生も経済再生の源だとして、観光や農業を含めた産業活性化やデジタル化の支援に力を入れていくと説明しました。
さらに、ことし、関東大震災から100年となることも踏まえ、新たな国土強じん化基本計画を策定する方針を示したほか、引き続き福島の復興に全力をあげる考えを示しました。
新型コロナ対応
このほか新型コロナ対応をめぐり、日常を取り戻す取り組みを進めていくとして、原則、ことしの春に感染症法上の位置づけを季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方向で検討を進め、マスク着用の在り方についても考え方を整理すると説明しました。
外交・安全保障政策
外交・安全保障政策については「『歴史の分岐点』を迎える中、国益を守り抜くため、積極的かつ力強く『新時代リアリズム外交』を展開していく」と述べ、G7=主要7か国の議長国として世界の平和と繁栄に向けた取り組みを主導する決意を示しました。
そのうえで、5月の「広島サミット」に向けてロシアのウクライナ侵攻のほか、エネルギー・食料危機など、世界的な課題への対応で、G7各国で一致結束するとともに「核兵器のない世界」の実現に向け、現実的な取り組みを進めていく考えを示しました。
また2国間関係について、
▽外交の基軸は日米関係だとして日米同盟の抑止力・対処力を一層強化するほか、サプライチェーンの強じん化や半導体に関する協力など、経済安全保障分野の連携に取り組む考えを示しました。
▽中国に対しては、「東シナ海や南シナ海における力による一方的な現状変更の試みを含め、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めていく」と述べ、首脳間をはじめとする対話を重ね、建設的かつ安定的な関係構築を目指す考えを示しました。
▽韓国との関係については、さまざまな課題への対応に協力すべき重要な隣国だとしたうえで「健全な関係に戻し発展させていくため、緊密に意志疎通していく」と述べました。
▽日ロ関係については、「ウクライナ侵略により厳しい状況にあるが、引き続き領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針を堅持する」と述べ、
▽北朝鮮に対しては弾道ミサイル発射を容認しない姿勢を示す一方、拉致被害者の帰国の実現に向け全力で取り組む考えを示しました。
憲法改正
憲法改正については「先送りできない課題だ。この国会で、制定以来初めてとなる改正に向け、より一層議論を深めてもらえることを心より期待する」と述べました。
閣僚相次ぎ辞任“再発防止に取り組む”
一方、旧統一教会との関係や政治とカネの問題などで去年閣僚が相次いで辞任したことをめぐり「国民から厳しい声をいただいたことを重く受け止めている。信頼こそが政治のいちばん大切な基盤だと考えてきた1人の政治家として、ざんきに堪えない」と述べ、再発防止に取り組むと強調しました。
そして最後に「日本という国を次の世代に引き継いでいくために、これからも私に課せられた歴史的な使命を果たすため全身全霊を尽くす」と述べました。
《各党の反応》
自民 茂木幹事長
自民党の茂木幹事長は、記者会見で「歴史の転換点という話から始まり、気迫にあふれる演説で、歴史の分岐点に立つわが国が進むべき方向性を示し新たな時代をつくりあげていくという強い決意が感じられた。また、防衛力の抜本的強化を進めるなど、日本を前に進める強い意気込みも感じられた。岸田総理大臣を先頭に、わが国が直面する内外の課題の解決に自民党としても全力で取り組みたい」と述べました。
立民 泉代表
立憲民主党の泉代表は、記者団に対し「防衛予算だけは、増税をしても国債を使ってでもとにかく膨らませるということが際立った演説だった。われわれは防衛予算倍増よりも子育て予算倍増が先だと訴えており、違いが明らかになったのではないか」と述べました。
その上で「国家予算は有限にもかかわらず、防衛予算だけが突出するという異常さを明らかにしていきたい。少子化対策を一からスタートするかのように言っているが、この10年間、結果を出してこなかったのが自民党だ」と述べました。
維新 藤田幹事長
日本維新の会の藤田幹事長は、記者会見で「『安全保障政策の大転換だ』という発言があったが、裏づけとなる財源のあり方についても歳入や歳出を含めて考え方を大転換しなければならない。いまの政府からは都合のいいところから大増税していく方針が見え隠れするので、予算委員会などでしっかり論戦していきたい」と述べました。
公明 山口代表
公明党の山口代表は記者団に「子育て支援策を最重要政策として位置付ける力強い方向性が打ち出されたがこの意気込みが重要だ。従来になかった政策手段や財源の投入なども含めて、中長期的な視野で、しっかり議論していくという本格的な取り組みの姿勢が表れたことを評価したい。課題は多岐にわたるが、論戦を通じて具体的なあり方をほりさげた上で、国民のコンセンサスをつくることに寄与していきたい」と述べました。
共産 志位委員長
共産党の志位委員長は、記者団に対し「『敵基地攻撃能力』の保有と空前の大軍拡という戦後の安全保障政策の大転換をやろうとしながら全く説明がなく、到底、国民が納得できない内容だ。憲法や専守防衛、国際法との関係といったたくさんの論点があるので、徹底的に問題点を明らかにして論戦し、平和の対案も提示していきたい」と述べました。
国民 玉木代表
国民民主党の玉木代表は、記者団に対し「異次元の少子化対策は、まだ具体的な中身がないことがわかったので、論戦で深めていきたい。賃上げの必要性がうたわれたことは評価したいが、具体策が弱いので『対決より解決』の姿勢で提案していきたい。賃上げを実現するのであれば今は増税すべきではなく、増税しなくても防衛力の強化や子育て支援の強化ができる財源を確保するため、しっかり議論していきたい」と述べました。
れいわ 山本代表
れいわ新選組の山本代表は、記者会見で「新年度予算案は、ひとことで言うと『売国棄民予算』で、演説はごあいさつ程度の内容でしかなかった。前回の国会の演説では『日本経済を必ず再生させる』という言葉があったが、再生されていないし、聞いているだけでもしんどい、中身のない演説だった」と述べました。》


2023年 1月22日
日記がわりに。
 ロシアは年が明けても国際法違反のウクライナ市民への残虐な攻撃を続ける。13日この国の首相は米国のポチとして防衛費増額を報告し嬉しがるが、国民は反対。
 15日日曜、八幡神社を経て六甲道でピザをいただき歩いて阪神御影のスーパーで食材買い、バスで帰宅。
 17日阪神淡路大震災の日だが、特に何もせず午後アシスト車で食材買いに降ると六甲商店街手前で雅な笙の根が響く。この日を追悼する神職の方々の行脚だった。
 翌日、国際ニュースは17日のウクライナ東部の都市ドニプロの9階建てアパートへのロシアによるミサイル攻撃を伝える。「私の息子になんということを!」と叫ぶ女性、瓦礫の中から助け出された人など。
 19日谷上経由で前回休みだった北区すずらんの湯を訪ねる。晴れて露天を巡っても寒くはない。三宮で今年初めてカワハギ見つけて帰宅。翌日ニュースはアパート攻撃で子ども6人を含む46人の死者と葬儀の様子を伝える。
 20日コロナを5類にとの首相指示に報道1930は医師や研究者の明確な批判の声を報道。
 昨日今年初めて花隈からALBARを訪ねてピザをいただき、寒風のなかドック沿いを歩く。帆船日本丸と震災跡を経て帰宅。今日は晴れ、地元il ventoでカチョ・エ・ぺぺをいただき、六甲道界隈を歩きベランダで枯渇したハーブ鉢を探すが見つからず、廉価なベゴニアと食材買って帰宅。明日から最強寒波襲来とか。

       


2023年 1月22日
「原則としてこの春に『新型インフルエンザ等感染症』から外し、5類感染症とする方向で、専門家に議論していただきたいと考えている」20日岸田首相
「マスクの着用について見直しをしていくが、今と比べれば、人や場をしぼったつけ方をお願いする方向だ。着用のしかたを緩和する方向での見直しになると思うが、具体的な内容はこれから議論していく」同加藤厚労相
「7波に比べて8波は感染者数は若干少ないが死者数は一日500人超と過去最多となっている。死者に高齢者が多い。インフルと同じにという方向に向かっているが死者はこんなに多い。なぜなのか、どう捉えるか」松原耕二司会者
「実際の感染者数は少なくとも発表の2倍くらいはあるという印象。自主検査で陽性になったと私のところへ来る人のうち、登録したのか聞くと登録した人は半分以下」松本哲也 国際医療福祉大学主任教授
「(第8波の感染者数と死者数の開きは)なかなか検査と早期治療にたどり着けていない現状を反映しているし、亡くなった方が多いのもこういったところが明確に出ている。現場で見ていて、死者数が多いのも当たり前だろうとしか思えない状況」倉持仁 インターパーク倉持呼吸器内科院長
「もともとコロナを診る病院が少ない。酸素飽和度が大丈夫だと救急搬送しても病院が受け入れてくれない。感染者数が増えているだけではなくコロナは軽症だが他の症状がすごく悪い患者さんのケアができていない」大阪で自宅療養者を診察するKISA2隊小林正宣医師
「根幹に一波の当初から大きな過ちがある。酸素飽和度だけで入院の適否を決めているのはそもそも間違い。土台にちゃんとした医療があって、指定感染症(対応)はちゃんと機能する。今まで2類にして、土台である医療機関の増強をしないまま、残念ながら受診抑制・受診制限、初期のPCR検査の抑制、7度5分四日間の受診抑制そして最近は抗原検査セルフチェックで自宅療養推奨という、根本的に皆保険制度が今ぐらぐらの状況になっている」倉持医師
「そのように基準を設けてハードルを設けてコロナの実態に合わない政策を続けてきて今、こういう状況になった。それから8波で全数把握をやめて、残念ながらもう重症例以外補助を出さないように変わった。病院側としても受け入れようがない現状がある。ない人員は増やせない」同
「だから結果として高齢者を中心に、基礎疾患が悪くなるのではなくコロナに感染することで全身状態が悪くなって基礎疾患が悪化しているだけ。早めにケアをしてあげれば、助かる命がたくさんあると思う」同
「本来コロナを診る病院を増やすことを政府はやるべきなのにそれをせず、もともと絞られた数なので入るハードルをどんどん上げている、それによって結局医療に辿り着けずに悪化しなくなる方が増えている、これが根本にあるということですか」松原
「その通り。なんとか医療体制を増やそうとしてきた一方、重症例に特化して、検査も受診も投薬も制限するという戦略をとってきた。特に五輪で「コロナを見なくてもいい」とのメッセージが流れた。つまり、感染対策が十分にできないところは、対応しなくてもいいと。もともと医師が義務として持っている応症義務、よほどのことがなければ診療を断ることができなかったものがあの時からガラッと変わり、コロナを診る病院診ない病院が区分けされたのが実情」倉持医師
「そうですね、東京都の入院患者数のグラフを見ても、5,6,7波とピークはいつも一緒。ということは結局受け入れられるキャパシティーは増えていない。最初感染者が増えて受け入れれば、もう空かないので受け入れられない。後半で感染された方は受け入れられずお断りということになり、家で悪化して亡くなってしまう」松本教授
「X.B.B.1.5について。東大、理研の先生らと自身が関わった研究でも、ワクチンや既存の免疫もあまり効かないというデータが出てきている。大事なことは、早く正確なPCR検査ができて、そして早く、悪くなる中等症の段階で投薬できるような戦略に切り替えていかないと、この問題はいつまで経っても解決しない」倉持医師
「岸田総理は今日、新型コロナをこの春にも5類に引き下げるよう検討する指示を出した。2類から5類になると、指定医療機関だけでなく一般医療機関もコロナの患者も診ますと方向転換してこれまで見てきたような医療に辿り着けない人がわっと減るのか?」松原
「いや、5類になったらといって、私たちのところも見ますよというように普通の医療機関が方向転換してくれるか、倉持さんの意見も聞きたいが自分はそこまでにはならないだろうと思う」松本教授
「全く関係ない話だと思う。2類か5類かは病気の疾患に応じて医療が土台にあって、その上に指定感染症が成り立っている。ーー2類にしても5類にしても、国がしたことは受診抑制や検査制限や自宅待機を進める政策。この戦略の大きな過ちを修正した上で、大きくそういう方向に舵を切っていかなければ、いくら5類にしたからといって、例えばコロナの人が飛行機に乗っていいのかなどいろんな問題が起きる。そういうことへのきちんとした対策が何一つ決まっていないまま、指定感染症の話をしているのが現状」倉持医師
「コロナ前は病院の7割、公的病院は9割が赤字経営だった。すでにギリギリの状況でそういう(コロナ)患者を受け入れられるか、余裕は全くないと思う」同
「5類になったら私のクリニックも病床の継続ができないと思う。1日(一人)あたりの診療費はコロナまえ5千円、コロナでは8千円。今でも大変なのに、5類にすれば診る病院が増えるとは、安直で実態を知らない人たちが言っている」同
「医療制度の改善を進めないと、5類に進めるのは早いのでは。インフルはひどい時は年間数千人から1万人の死亡者。季節性インフルは深刻な病気だが、いま新型コロナは一日死者500人、20日間でその1年間のmaxを超える現在進行形のパンデミック。5類でいいとの判断はまだまだ甘い」パックン
「5類になって逆に診てくれるところが減る可能性、薬価が高く患者も躊躇すればこれから第9波が来たらより深刻にならないか」松原
「その理屈でそうなると思う。逆に深刻になっていく可能性が高いと思う。医療機関にすれば、補助金も出なくなり病床数を減らそうと、国公立は別として一般病院は減らそうとするのでは。くすりは1本3万円と言われると、要りませんという人も増え、入院もお金がかかると重症化して亡くなる人も増える可能性も、十分考えておかねばならない」松本教授
「PCR検査を早期にどこでも無料で受けれるという体制を作っておかないと、その上で必要な人に投薬できる環境を作っておかないと、5類にしてもタガが外れるだけで、実際には困るのは多くの国民の人たちになってしまう」倉持医師
「これまでコロナ患者を診てこなかった病院が多くあり、それを変えるのは政府、厚労省だが、ーー検査を抑制してきたことで無症状感染者を洗い出せず、クリニックなども院内感染や医師らの感染を恐れてコロナ患者を診ないということで、PCR検査で早期に分かればコロナに対する姿勢が変わってくる。そこが最初からボタンの掛け違い、検査抑制、受診抑制をしてきたツケが今ここに出ている」堤伸輔解説
 20日第8波でコロナ感染死者最多が続く中、岸田首相が打ち出した新型コロナ5類への見直し検討指示。夜の報道1930で倉持仁・インターパーク倉持呼吸器内科院長、松本哲也・国債医療福祉大学主任教授らが的確な批判と分析そして提言を論議していた。
 この3年間政府によるPCR検査・診療の抑制と重症患者の自宅放置が続いた結果としての、コロナ感染死者最多を更新している現況。検査と治療体制の不備を放置したまま、5類見直しは更なる感染拡大と治療に結びつかない夥しい犠牲を国民に強いるだけ。
「マスク見直し」より他に、厚労相には医療体制の整備と拡充という大きな課題があるはず。1ヶ月で1万人という国民の死や重大な健康被害は他人事の政権の責任は限りなく重い。
《1月20(金)#報道1930
松原(司会)
岸田総理がコロナを5類に引き下げの検討を指示。中国の感染状況。感染で認知症リスクは2倍というデータも。7波に比べて8波は感染者数は若干少ないが死者数は一日500人超と過去最多となっている。死者に高齢者が多い。インフルと同じにという方向に向かっているが死者はこんなに多い。なぜなのか、どう捉えるか。
松本哲也 国債医療福祉大学主任教授
症状が軽い人は自分で検査して陽性だったら届出をして自宅にいてくださいとなってから、感染した人で届け出る人は少なくなってきている印象。実際の感染者数は少なくとも発表の2倍くらいはあるという印象。自主検査で陽性になったと私のところへ来る人のうち、登録したのか聞くと登録した人は半分以下。
倉持仁 インターパーク倉持呼吸器内科院長
感度の悪い抗原検査の感度はPCRの50%くらい。診断の段階でウイルス量が少ない人半数が見逃されている。その人たちの診断が遅れ、登録し治療を受けるハードルも非常に高い。(第8波の感染者数と死者数の開きは)なかなか検査と早期治療にたどり着けていない現状を反映しているし、亡くなった方が多いのもこういったところが明確に出ている。現場で見ていて、死者数が多いのも当たり前だろうとしか思えない状況。
・大阪で自宅療養者を診察するKISA2隊小林正宣医師を取材。症状が重いが救急不搬送あるいは近隣の病院に診療を断られた自宅療養者を一日20人~30人往診。前日まて39度台の熱があった92歳の男性。
「お医者さんいっぱいあるのにどこも見てくれへんから」と妻
「コロナが特殊な状況になって、簡単に診察ができないようになっている」と小林医師
72歳の女性は錯乱状態になり救急車を要請するがこの日40件の病院に断られ、3時間後に見つかった受け入れ先でコロナ陽性が判明。血中酸素飽和度が基準値のため、その病院でも治療が受けられず自宅に送り返された。
「今まったくコミュニケーションが取れない。この状態で救急搬送されないのは、本当にかなり辛いと思う」小林医師
「昨日往診に行った人も本当にずっと食べられなくて、飲めてないけど酸素は大丈夫。救急車は来ても酸素が下がってないから、色々試行錯誤するんだけど帰っていく。この人はどうするんだと、KISA2隊に要請があって往診に行く。そういう特殊な遠回りした医療になっている」同
この女性は脱水症状でこの日夕方ようやく入院。一昨年の5波から往診に当たってきた小林医師はこう指摘する。
「2類のまま受け入れ体制を増やしていくのがいいと思っていたが、全然増えない、もうこれ以上。発熱患者さんを受け入れる医療機関は僕らがどんだけアクションを起こしてもこれ以上増えない。5類にして半分強制的に医療機関が発熱患者さんでも診なさいというような状況を社会が作り出さないと、診ないといっている医療機関はもう診ないので、それじゃダメだという状況に来ているのではないか」
「もともとコロナを診る病院が少ない。酸素飽和度が大丈夫だと救急搬送しても病院が受け入れてくれない。感染者数が増えているだけではなくコロナは軽症だが他の症状がすごく悪い患者さんのケアができていない」
倉持
根幹に一波の当初から大きな過ちがある。酸素飽和度だけで入院の適否を決めているのはそもそも間違い。土台にちゃんとした医療があって、指定感染症(対応)はちゃんと機能する。今まで2類にして、土台である医療機関の増強をしないまま、残念ながら受診抑制・受診制限、初期のPCR検査の抑制、7度5分四日間の受診抑制そして最近は抗原検査セルフチェックで自宅療養推奨という、根本的に皆保険制度が今ぐらぐらの状況になっている。そのように基準を設けてハードルを設けてコロナの実態に合わない政策を続けてきて今、こういう状況になった。それから8波で全数把握をやめて、残念ながらもう重症例以外補助を出さないように変わった。病院側としても受け入れようがない現状がある。ない人員は増やせない。
8波ではこういう症例が増えている。多くの高齢者が酸素飽和度が悪くないという理由で、私の経験ではスポーツクラブで二日間倒れていて発見され、救急病院に運ばれたが、酸素飽和度が保たれているから入院できないといって私の病院にやってきた。こういうふざけた体制を国が定めて、各自治体は従うしかないので医療機関もそれに従っている状態。だから結果として高齢者を中心に、基礎疾患が悪くなるのではなくコロナに感染することで全身状態が悪くなって基礎疾患が悪化しているだけ。早めにケアをしてあげれば、助かる命がたくさんあると思う。
松原
本来コロナを診る病院を増やすことを政府はやるべきなのにそれをせず、もともと絞られた数なので入るハードルをどんどん上げている、それによって結局医療に辿り着けずに悪化しなくなる方が増えている、これが根本にあるということですか。
倉持
その通り。なんとか医療体制を増やそうとしてきた一方、重症令に特化して、検査も受診も投薬も制限するという戦略をとってきた。特に五輪で「コロナを見なくてもいい」とのメッセージが流れた。つまり、感染対策が十分にできないところは、対応しなくてもいいと。もともと医師が義務として持っている応症義務、よほどのことがなければ診療を断ることができなかったものがあの時からガラッと変わり、コロナを診る病院診ない病院が区分けされたのが実情。
松原
コロナの最初からコロナを診る病院は一部でコロナを診る病院が増えず、7,8波で感染者が増えてくるともう診きれない、感染者数が増えると死亡者も増えるということか。根本の部分が三年間変わらず、なるべくしてなっている状況ということか。
松本
そうですね、東京都の入院患者数のグラフを見ても、5,6,7波とピークはいつも一緒。ということは結局受け入れられるキャパシティーは増えていない。最初感染者が増えて受け入れれば、もう空かないので受け入れられない。後半で感染された方は受け入れられずお断りということになり、家で悪化して亡くなってしまう。
松原
昨夏もラゲブリオやパキロビット=使用しているのはコロナ対応病院のうち6.2%=など5日以内に投薬すべきコロナ対応薬が使えないため、ウイルスを減らす、リスクを減らすことができない状況でそのために悪化している人が多いというのは、今も続いているのかどうか。
倉持
残念ながら制限する医療政策をとり続けているために、最近患者さんも治療薬があることを知らない人もたくさんいる。なので自分で解熱剤だけ飲んで高齢者で90近い方が、やっと10日後14日後に、酸素飽和度が下がったから入院できる。最近そんな状況の人ばかり。死亡者が多いのは当たり前だし、そういったことを問題にしてないのかと、私からは見えない。
松本
外来も予約がいっぱいで、すぐに診てくれない。そうするとこられた時にはもう5日は過ぎているという方が多い。逆に高齢者で自ら検査して陽性だったから薬が欲しいという方もいる。五日以内のためには、自分で検査して辿り着くのが早いかもしれない。
倉持
X.B.B.1.5について。東大、理研の先生らと自身が関わった研究でも、ワクチンや既存の免疫もあまり効かないというデータが出てきている。大事なことは、早く正確なPCR検査ができて、そして早く、悪くなる中等症の段階で投薬できるような戦略に切り替えていかないと、この問題はいつまで経っても解決しない。
松原

3年間コロナを診る病院が増えていない。中国の感染状況とこれから春節での訪日客の増加そして変異株という問題はどうか。
堤(解説)
端的にいうと、薬の効き目の問題ではなく医療機関の受け入れの問題や結局厚労省が薬を行き渡らせる努力を十分にしていないことの表れ。どのクリニックでも診てもらえて薬を出してもらえるという形にしないといつまで経っても事態は変わらないということだと思う。
松原
岸田総理は今日、新型コロナをこの春にも5類に引き下げるよう検討する指示を出した。2類から5類になると、指定医療機関だけでなく一般医療機関もコロナの患者も診ますと方向転換してこれまで見てきたような医療に辿り着けない人がわっと減るのか?
松本
いや、5類になったらといって、私たちのところも見ますよというように普通の医療機関が方向転換してくれるか、倉持さんの意見も聞きたいが自分はそこまでにはならないだろうと思う。
倉持
全く関係ない話だと思う。2類か5類かは病気の疾患に応じて医療が土台にあって、その上に指定感染症が成り立っている。コロナになって2類で想定していた以上に患者の数が多すぎるという点、重症から軽症の方まで症状が人それぞれ様々。2類にしても5類にしても、国がしたことは受診抑制や検査制限や自宅待機を進める政策。この戦略の大きな過ちを修正した上で、大きくそういう方向に舵を切っていかなければ、いくら5類にしたからといって、例えばコロナの人が飛行機に乗っていいのかなどいろんな問題が起きる。そういうことへのきちんとした対策が何一つ決まっていないまま、低感染症の話をしているのが現状。今も受信できない、私のところへ最近2週間かかって腎不全の80代の患者さんがひどい肺炎で命からがらやってきた。そういうことが今当たり前になっている。コロナ前は病院の7割、公的病院は9割が赤字経営だった。すでにギリギリの状況でそういう(コロナ)患者を受け入れられるか、余裕は全くないと思う。
松原
5類にしても見てくれるところが増えない、変わらないとすると、見てきたような感染者が増えると死者が増える状況は変わらないのか。 もっと診てくれる病院を増やすためにまず何をいますべきなのか。
倉持
基本的なきちんとした診療報酬の体系だと思う。きちんと診療したところには少なくとも2年間体制を継続できるような診療報酬をつけないと、場当たり的に変えていたらやろうという気にならない。5類になったら私のクリニックも病床の継続ができないと思う。1日(一人)あたりの診療費はコロナまえ5千円、コロナでは8千円。今でも大変なのに、5類にすれば診る病院が増えるとは、安直で実態を知らない人たちが言っている。
パックン(コメンテーター)
医療制度の改善を進めないと、5類に進めるのは早いのでは。インフルはひどい時は年間数千人から1万人の死亡者。季節性インフルは深刻な病気だが、いま新型コロナは一日死者500人、20日間でその1年間のmaxを超える現在進行形のパンデミック。5類でいいとの判断はまだまだ甘い。
松原
5類になって逆に診てくれるところが減る可能性、薬価が高く患者も躊躇すればこれからだい9波が来たらより深刻にならないか。
松本
その理屈でそうなると思う。逆に深刻になっていく可能性が高いと思う。医療機関にすれば、補助金も出なくなり病床数を減らそうと、国公立は別として一般病院は減らそうとするのでは。くすりは1本3万円と言われると、要りませんという人も増え、入院もお金がかかると重症巣して亡くなる人も増える可能性も、十分考えておかねばならない。
倉持
PCR検査を早期にどこでも無料で受けれるという体制を作っておかないと、その上で必要な人に投薬できる環境を作っておかないと、5類にしてもタガが外れるだけで、実際には困るのは多くの国民の人たちになってしまう。
これまでコロナ患者を診てこなかった病院が多くあり、それを変えるのは政府、厚労省だが、ーー検査を抑制してきたことで無症状感染者を洗い出せず、クリニックなども院内感染や医師らの感染を恐れてコロナ患者を診ないということで、PCR検査で早期に分かればコロナに対する姿勢が変わってくる。そこが最初からボタンの掛け違い、検査抑制、受信抑制をしてきたツケが今ここに出ている。〉



2023年 1月20日
「そもそも、米国製兵器の購入にその予算の多くが振り向けられるこの大軍拡を言い出したのは安倍晋三元首相だった。21年の自民党総裁選では安倍に後援された高市早苗がこれを受け継ぎ、防衛費の大増額を主張した。当時の世間は、高市の主張は極端に過ぎると見、穏健に見える岸田の総理総裁への選出を歓迎した。しかしいま、われわれが目にしているのは、岸田による高市の政策の全面採用である。まるで高市が岸田のお面をかぶって動いているようなものだ。しかも、言い出しっぺの安倍はすでにこの世にいない。だから3人の政治家がいるように見えて実は一人もいない。全員が金太郎飴、腹話術師の人形にすぎない」
「昨年5月に岸田は訪日したバイデン大統領と会談し、防衛費の大増額(=巨額の兵器購入)をすでに約束していた。ーーーこの決定は臨時国会が閉会するや否や持ち出された。開会中にこれを打ち出せば厳しい検証と追及にさらされることが予測できるがゆえに、訪米日程に鑑みれば昨年12月のタイミングしかなかったのだ。かくして、「防衛政策の大転換」が閣議決定によって行われた」
「大転換の根幹をなす敵基地攻撃能力の配備は、日本が中国に先制攻撃を加える可能性を開く。米中対立が「決戦」にまで進むとすれば、さまざまなパターンを想定しうるが、日本による先制攻撃の可能性によりアメリカの選択肢は増える。アメリカとしては自らの犠牲を最小限にしながら中国の台頭を抑えたい。ウクライナで続いている戦争はそのモデルを与える。自軍から犠牲者を出すことなく、従属国に血を流させて敵対的な大国を弱体化させる戦略である」
「この堕落の総決算が迫ってきた。まずは大軍拡=米軍産複合体への献納のための増税、そしてアメリカの覇権を持続させるための戦争への血による貢献。これらが日本国民が引き受ける義務なのだ。しかし、である。ーーー 戦後日本がごまかしてきたこの究極の問いに、正面から向き合わされる日が、ついにやってきたのである」
 気鋭の政治学者白井聡氏による、岸田政権の安保政策「大転換」の経過と本質を鋭く抉る論考。
 日本と中国の間にある領土問題は、無人の尖閣諸島の帰属にすぎない。米国のポチとして莫大な予算の当てもなく、東アジアにおける米軍備の一部を「敵基地攻撃能力」で肩代わりして、自衛隊員や住民の命を犠牲にする戦争の惨禍を日本にもたらそうとする宏池会所属・広島出身の現首相。その本質は米国追随と軍拡を言い募る二代前の首相や総裁選対立候補の操り人形であり、米国の傀儡に過ぎないということ。
 時事通信が13〜16日に実施した1月の世論調査で、岸田内閣の支持率は前月比2.7ポイント減の26.5%で、最低だった昨年10月(27.4%)を下回り最低を更新。不支持率は最高の43.6%。国民への説明は抜きに米国には追従する13日の岸田バイデン会談も、支持率下落を止めなかったのは当然だろう。
 岸田政権のこの無謀な「大転換」に代表らが及び腰の野党第一党立憲の支持率も5.5%⇒2.5%に半減。今まさにこの国の政治と外交の質が問われている。
《国体論−菊と星条旗」(2018年)に書いたように、戦後日本は崩壊に向かう。どのようにして崩壊するのか。要するにそれは、日本人が天皇と仰ぐアメリカと中国との覇権争いにおいて、米の覇権を守るために焼け野原になるということだ。
 その推進役が岸田文雄政権である。問題となっている防衛費の倍増、防衛3文書の改定だが、その本質は単純だ。アメリカの意思、それだけだ。だがそもそも、米国製兵器の購入にその予算の多くが振り向けられるこの大軍拡を言い出したのは安倍晋三元首相だった。21年の自民党総裁選では安倍に後援された高市早苗がこれを受け継ぎ、防衛費の大増額を主張した。当時の世間は、高市の主張は極端に過ぎると見、穏健に見える岸田の総理総裁への選出を歓迎した。しかしいま、われわれが目にしているのは、岸田による高市の政策の全面採用である。まるで高市が岸田のお面をかぶって動いているようなものだ。しかも、言い出しっぺの安倍はすでにこの世にいない。だから3人の政治家がいるように見えて実は一人もいない。全員が金太郎飴、腹話術師の人形にすぎない。
 昨年5月に岸田は訪日したバイデン大統領と会談し、防衛費の大増額(=巨額の兵器購入)をすでに約束していた。岸田が急いでこの件を取りまとめた理由は、岸田の訪米日程から明らかになった。つまり、バイデンとの会見料として必要だったのだ。
 かつ、この決定は臨時国会が閉会するや否や持ち出された。開会中にこれを打ち出せば厳しい検証と追及にさらされることが予測できるがゆえに、訪米日程に鑑みれば昨年12月のタイミングしかなかったのだ。かくして、「防衛政策の大転換」が閣議決定によって行われた。ここに岸田の「本気」を感じる。アメリカの機嫌を取るためならば、独裁的手法をもいとわないのだ。
 では、防衛費大増額、政策大転換の中身はどうなっているのか。大局を見ねばならない。その大局とは、無論米中対立だ。台湾問題はその一部にすぎない。この対立は、覇権を争うものであり落としどころが見えない。アメリカから見れば、問題はひとえに、この対決へと至る可能性のある対立のなかで日本をどう使うか、ということだ。
 こう見たとき、大転換の根幹をなす敵基地攻撃能力の配備は、日本が中国に先制攻撃を加える可能性を開く。米中対立が「決戦」にまで進むとすれば、さまざまなパターンを想定しうるが、日本による先制攻撃の可能性によりアメリカの選択肢は増える。アメリカとしては自らの犠牲を最小限にしながら中国の台頭を抑えたい。ウクライナで続いている戦争はそのモデルを与える。自軍から犠牲者を出すことなく、従属国に血を流させて敵対的な大国を弱体化させる戦略である。
「永続敗戦論」(13年)の執筆時点ですでに予感したことだが、この国の支配エリート層は自己保身のために平気でアメリカに奉仕し、その正当化のために「天皇陛下のように慈悲深いアメリカ」を演出する。バイデンに腕を肩に回されて歓喜する岸田の腑抜け面を見るがよい。しかしこの図が、アメリカへの盲従を当然視してきた日本国民にはウケるのだ。
 この堕落の総決算が迫ってきた。まずは大軍拡=米軍産複合体への献納のための増税、そしてアメリカの覇権を持続させるための戦争への血による貢献。これらが日本国民が引き受ける義務なのだ。しかし、である。戦後日本にとってアメリカの存在が戦前の天皇と同じであるのならば、これらの犠牲は当然ではないのか? 天皇陛下ならぬアメリカ陛下のために命を捨てるのは、義務であり喜びなのではないのか? 戦後日本がごまかしてきたこの究極の問いに、正面から向き合わされる日が、ついにやってきたのである。》




2023年 1月19日
17日夜、永井栄俊さんからその日に橋本栄一さんが亡くなったと連絡があった。
 コロナに罹患して4日目から症状が出てそのまま逝去され、骨だけがご遺族にわたされて通夜も葬儀もないと。
 橋本さんは職場こそ別だが都立定時制の様々な課題と場面そして飲み会などでご一緒し、そのおおらかな人柄と言葉、行動に多くの示唆を得た先輩だった。
 福島高湯温泉とゲレンデを何人かで訪ねたこと、ある年末札幌国際スキー場で偶然お会いしたことなど懐かしい限りだが、唯一94年11月に市ヶ谷商定など3校の統廃合反対で新宿中央公園で5日間の座り込み・ハンストをした際、橋本さんは四日目に泊まり込み、夜の寒さに寝不足で翌日昼寝をされている姿などがPC写真に残っていた。
http://fukupulio.org/doc/1994sinjuku/1994sinjuku1.html
 この一ヶ月で1万人というこの国最多のコロナ死者が出ても我関せずで「外遊」し、米国ミサイルを爆買いして嬉しそうな岸田首相の罪は重い。





2023年 1月18日
「巨大津波の襲来を予測することはできず、ーー電力供給義務を負う事業者は漠然とした理由で原発の運転を止めることはできない。長期評価の性質や、3人の当時の認識なども考慮すると、事故を回避するために原発の運転を停止するほどの義務があったとはいえない」「(防潮堤の建設や、建屋などへの浸水を防ぐ対策をとるべきだったという指定弁護士の主張に)事後的に得た情報や知見を前提にしていて、これらの対策で事故を回避できる可能性があったという証明が不十分だ」東京高等裁判所 細田啓介裁判長
「裁判を終えて怒りとむなしさだけが残りました。2審の判決には多少は期待していましたが、2度も地獄にたたき落とされた気持ちです。市民感覚からかけ離れた判決内容で、この判決をもって経営陣の責任がなくなったわけではないので、そのことを忘れないでほしい」福島県大熊町に住んでいた菅野正克さん
「何回やっても同じ結果ですが、3人には何かしらの責任があると思っています。何か物が欲しい訳ではなく、線香をあげにでも来てもらいたいです。この年になってどうすることもできないですが、今でも多くの人が私のようにふるさとを追い出され、家族との離れ離れの生活を送っています。このままあきらめるしかないと思っています。ーー(夫の)遺体を渡されただけでどのようにして亡くなってしまったのか聞きたいです。夫が目を閉じるときにそばにいてあげたかったです」被害者とされた44人の遺族の1人、保延ミツ子さん(92)
「事故に伴い、原告らが共通して受けた被害として、@衣食住の手当てが不十分なまま避難をせざるを得なかったA長期の避難を余儀なくされたB避難指示解除後の生活基盤が事故前と変わったC生活基盤をどう定めるかについて、極めて制限された選択肢の下で決断を迫られた――ことが挙げられる。
 住居からの強制退去と長期にわたる帰還禁止を迫られた点で、憲法22条が保障する「居住の自由」に対する明白な侵害だ。事故により放射性物質が飛来し、広範囲の多くの人に避難指示が発せられ、生活基盤からの隔絶が長期間続いた。過去に類を見ない規模の極めて甚大な被害が生じており、原告らは、住んでいた生活基盤から受けていた利益を大きく害された。
 生活基盤が一定以上の損傷を受け、受けていた利益が本質的に害され、人格への侵害が一定以上に達したとき、生活基盤で継続的かつ、安定的に生活する利益を侵害されたと解される。今回の場合、その利益が侵害されたことは明らかであり、憲法13条を根拠とする人格権自体が実質的に侵害されたと言える」福島県南相馬市の小高(おだか)区などに住んでいた321人が東京電力に1人約3300万円、総額約110億円の損害賠償を求めた訴訟の東京地裁判決要旨2018年2月8日
「原発では、周辺環境に大量の放射性物質を拡散させる過酷事故が起きると、原発の従業員や周辺住民らの生命や身体に重大な危害を及ぼす。また、国土の広範な地域や国民全体に対しても、生命や身体、財産上の甚大な被害を及ぼし、地域の社会的・経済的コミュニティーの喪失を生じさせ、我が国そのものの崩壊にもつながりかねない。このため、原発を運転する原子力事業者には、最新の科学的、専門技術的知見に基づいて、過酷事故を万が一にも防止すべき社会的、公益的な義務がある。
 武藤は08年6月時点で、東電の「原子力・立地本部」副本部長だった。武藤は@長期評価の見解について、信頼性や成熟性が不明であると判断したA長期評価の見解を踏まえた地震の取り扱いについて土木学会に検討を委託し、その見解が示されれば、速やかに津波対策を実施すると判断したB福島第一原発の全電源が喪失して過酷事故が起きることを防止するための津波対策を講じるよう指示をしなかった。ーーー武藤には過酷事故に至る事態が生じないための最低限の津波対策を速やかに実施するよう指示すべき取締役としての善管注意義務があったのに任務を怠った。
 武黒は08年8月時点で、原子力・立地本部の本部長で、東電内で原発に関する業務執行を担当する取締役だった。小森は10年6月に副本部長に就任していた。いずれも長期評価の見解を認識し、内容を容易に認識できたのに、最低限の津波対策を速やかに実施するよう指示すべき取締役としての善管注意義務があったのに、怠った。
 勝俣と清水は09年2月に開かれた東電内の会議で、津波対策が新たに実施されない限り、過酷事故が発生する可能性を認識しており、速やかな対策を講じない同本部の判断に著しく不合理な点がないかを確認すべき義務があった。最低限の津波対策を速やかに実施するよう指示すべき取締役としての任務を怠った。
 水密化の措置は、津波による電源設備の浸水を防ぐことができた可能性があった。仮に一部の電源設備が浸水するような事態が生じても、重大事態を避けられた可能性は十分あった。水密化は、工事の完了までに計2年程度を要する。武藤、武黒、勝俣、清水は津波の襲来時までに措置を講じることができたから、任務を怠ったことと、事故との因果関係が認められる」東京電力福島第一原発事故をめぐり、東電の株主が旧経営陣5人に損害賠償を求めた株主代表訴訟で、勝俣恒久元会長、清水正孝元社長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長に13兆3210億円の賠償を命じた東京地裁判決2022年7月13日
 東日本大震災の東電福島原発事故に伴い、福島県の入院患者など44人を原発事故からの避難の過程で死亡させた原発事故関連死の刑事責任について、検察審査会の議決によって業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴された東京電力元会長勝俣恒久被告(82)、副社長武黒一郎被告(76)、武藤栄被告(72)を無罪とした18日の東京高裁判決。
「巨大津波の襲来を予測することはできず、ーー電力供給義務を負う事業者は漠然とした理由で原発の運転を止めることはできない」
 検察官役の指定弁護士が求めた専門家の証人尋問や裁判官による原発視察の請求を退けて、僅か3回の審理で結審させた今回のこの無責任極まる判決の論理では、福島原発事故は「予測不可能な自然災害」であり刑事責任はおろか民事の損害賠償責任も認められないことになる。
 地震調査研究推進本部が02年7月に公表した地震予測「長期評価」は単なる素人の個人的な予測ではなく、国の機関が専門家を集めてその最大限の知見を集約したもの。東電の地震対策担当者による試算で福島第一原発の巨大津波の高さが15・7メートルとしたにもかかわらず、武藤、武黒ら東電幹部は何ら対策を講じず11年の巨大事故に至ったものであり、いくつかの先行民事訴訟判決が指摘するように、原発事故とそれによる甚大な被害に関する重大な責任がある。
 この東京高等裁判所 細田啓介判事には、覚醒剤取締法違反事件で違法収集証拠として証拠能力を否定した第1審の訴訟手続に法令違反があるとしたその二審判決を,一昨年最高裁判所第三小法廷によって法令の解釈適用を誤った違法があるとされ破棄・差戻しされた前歴もある。
「原発で死亡事故が起きた例がどれくらいあるか調べてみたが、ゼロです。(原子力は)最も安くて安全」の無責任極まる麻生元首相と同じ。見たくない事実に目を閉ざし科学的知見にも背を向けて政府や電力企業を免罪するだけの東京高裁判決。
《福島第一原発事故をめぐり、東京電力の旧経営陣3人が業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴された裁判で、東京高等裁判所は「巨大津波の襲来を予測することはできず、事故を回避するために原発の運転を停止するほどの義務があったとはいえない」と判断し、1審に続いて3人全員に無罪を言い渡しました。
東京電力の会長だった勝俣恒久被告(82)と副社長だった武黒一郎被告(76)、武藤栄被告(72)の3人は、福島県の入院患者など44人を原発事故からの避難の過程で死亡させたなどとして、検察審査会の議決によって業務上過失致死傷の罪で強制的に起訴され、1審では3人全員が無罪を言い渡されました。
18日の2審判決で東京高等裁判所の細田啓介裁判長は、争点となっていた震災の9年前に国の機関が公表した地震の予測「長期評価」の信頼性について、「10メートルを超える津波が襲来する現実的な可能性を認識させるものだったとはいえない」と否定しました。
その上で「電力供給義務を負う事業者は漠然とした理由で原発の運転を止めることはできない。長期評価の性質や、3人の当時の認識なども考慮すると、事故を回避するために原発の運転を停止するほどの義務があったとはいえない」と判断しました。
さらに「防潮堤の建設や、建屋などへの浸水を防ぐ対策をとるべきだった」という指定弁護士の主張について「事後的に得た情報や知見を前提にしていて、これらの対策で事故を回避できる可能性があったという証明が不十分だ」と一蹴し、1審に続いて3人全員に無罪を言い渡しました。
18日は3人の被告のうち武黒元副社長と武藤元副社長が法廷に姿を見せ、無罪が言い渡されたときは証言台の前に立ってまっすぐ裁判長の方を見ていました。
被害者側の支援者「全員無罪 不当判決」
東京高等裁判所の前では、判決言い渡し直後の午後2時すぎ、裁判所から出てきた被害者側の支援者らが「全員無罪 不当判決」と書かれた紙を掲げると、集まった人たちから「悔しい」とか「許せない判決だ」などと落胆や怒りの声があがりました。
傍聴遺族「2度も地獄にたたき落とされた気持ち」
高等裁判所の判断を直接聞きたいと、判決の言い渡しを傍聴した遺族もいます。福島県大熊町に住んでいた菅野正克さんは、原発事故のあと99歳の父親を亡くしました。父親は震災当時、大熊町にある双葉病院に入院していましたが、長時間の避難を強いられて事故の3か月後に亡くなり、災害関連死と認定されました。今回の裁判で被害者とされた44人には含まれていませんが、原発事故の真相を知りたいとこれまでもたびたび裁判を傍聴してきました。
きょうも法廷で判決の言い渡しを聞いた菅野さんは、「裁判を終えて怒りとむなしさだけが残りました。2審の判決には多少は期待していましたが、2度も地獄にたたき落とされた気持ちです。市民感覚からかけ離れた判決内容で、この判決をもって経営陣の責任がなくなったわけではないので、そのことを忘れないでほしい」と話していました。
遺族「3人には何かしらの責任がある」
今回の裁判で被害者とされた44人の遺族の1人、保延ミツ子さん(92)は、避難先の福島県いわき市の家で午後2時から始まった判決の言い渡しに関するニュースを待ちました。そして、1審に続いて2審でも全員に無罪が言い渡されたと速報されると、硬い表情のまま無言でテレビ画面を見つめていました。
保延さんは「何回やっても同じ結果ですが、3人には何かしらの責任があると思っています。何か物が欲しい訳ではなく、線香をあげにでも来てもらいたいです。この年になってどうすることもできないですが、今でも多くの人が私のようにふるさとを追い出され、家族との離れ離れの生活を送っています。このままあきらめるしかないと思っています」と話していました。
原発事故が起きた当時、保延さんは浪江町に暮らし、夫の欣司さん(当時82)は原発が立地する大熊町にあった双葉病院に入院していました。
欣司さんは、地震発生の3日後に入院先の病院から救出され、ほかの患者とともに避難所となっていたいわき市の高校の体育館に向かいましたが、乗っていたバスは、原発周辺の避難区域を避けるため、70キロから80キロほど離れた福島市や郡山市までう回せざるをえず、治療を受けられないまま10時間かけて移動する間に脱水症状を起こし、翌日、たどりついた体育館で亡くなりました。
保延さんは当時を振り返って「遺体を渡されただけでどのようにして亡くなってしまったのか聞きたいです。夫が目を閉じるときにそばにいてあげたかったです」と話していました。
大熊町長「割り切れない思いを持つ人もいるだろう」
今回の判決について、福島第一原発が立地し、この裁判での被害者が入院していた双葉病院があった福島県大熊町の吉田淳町長は「判決は判決として受け止めるが、町民の中には民事で東京電力を訴えている人もいて、割り切れない思いを持つ人もいるだろう。東京電力が事故を起こしたのは間違いのないことなので、あのような事故を2度と起こさないと肝に銘じ、廃炉や賠償を確実に進めて欲しい」と話していました。
川内村長「司法判断の評価は難しい」
今回の判決について、原発事故の発生当時から福島県川内村の村長を務め、全ての住民に避難指示を出した遠藤雄幸さんは、「司法の判断なのでなかなか評価は難しいが、事故は収束しておらず、賠償の問題も残っている。川内村の村民もいまだ2割が避難を余儀なくされているので、国と東京電力には今後もしっかりと被災地と被災者の立場に立って対応してもらいたい」と話していました。
その上で、「時間はあらゆるものを過去に追いやってしまうが、事故が起きたことは決して忘れてはならず、事故の記憶が薄らぐ中でも責任の所在を明らかにしていくべきだ。最高裁の判断はまだなので、最高裁の最終的な判断を待ちたい」と話していました。
東電「コメントは差し控えます」
東京高等裁判所の判決を受けて東京電力は「福島第一原子力発電所の事故によって福島県民の皆さまをはじめとする多くの皆さまに大変なご迷惑とご心配をおかけしていることについて、改めて心からお詫び申し上げます。事故に関わる当社の元役員、3人の刑事責任を問う訴訟が継続していることは承知していますが、当社としてのコメントは差し控えます」というコメントを発表しました。
指定弁護士は上告を検討
検察官役の指定弁護士5人は、判決を受けて記者会見を開きました。この中で石田省三郎弁護士は「きょうの判決は、国の原子力政策に呼応した政治的な判断だと思う。原発事故の過失責任が問われないというのは極めて不合理で、到底容認できない」と強調しました。
その上で「『長期評価』の信頼性を1審判決と同様に全面的に否定し、その意義を軽視するもので、厳しく批判されなければならない」と述べ、最高裁判所に上告するかどうか検討する考えを示しました。
また、久保内浩嗣弁護士は「科学的に解明できていない未知の地震・津波に対しては対策を講じる必要がないというのに等しい判決で、原発事故についてこういう判断でいいのかと問題意識を持っている」と述べました。
専門家「裁判所の判断に疑問が残る市民も多いのではないか」
判決について、法理学が専門で福島第一原発の事故をめぐる裁判に詳しい東北大学の樺島博志 教授は「従来の判例などから考えると、『3人に過失がなかった』として無罪判決が言い渡されたことは予想可能な内容と言える」と話しています。
一方で「刑事裁判で無罪となることは『過失はなかった』、つまり、福島第一原発の事故は人災ではなく自然災害によって起きたということになり、こうした裁判所の判断について疑問が残る市民も多いのではないか。法律家と市民の間で受け止め方のズレがある」と指摘しました。
その上で「道徳的な責任を問うだけでは、電力会社の経営幹部に、原発の安全対策に対するインセンティブが十分に働かない。安全に対する意識を経営幹部に持たせるためのシステムを考えていく必要がある」と述べました。
松野官房長官“2度とこうした事故が起きないようにする”
松野官房長官は記者会見で個別の判決についてのコメントは差し控えるとした上で「事故の教訓を踏まえ、2度とこうした事故が起きないようにすることが政府の役割と認識している。引き続き被災された方々に寄り添って、福島の復興や再生に向けた取り組みを、全力で進めるとともに福島第一原発の廃炉などを着実に進めていきたい」と述べました。》



2023年 1月18日
「原発で死亡事故が起きた例がどれくらいあるか調べてみたが、ゼロです。(原子力は)最も安くて安全。原子力と原子爆弾の区別がついていない人もおられ、原発は危ないと言う人もいる」
「(少子化の)一番大きな理由は出産するときの女性の年齢が高齢化しているからです。今は30歳で普通。(複数の子どもを出産するには)体力的な問題があるのかもしれない」麻生太郎自民党副総裁いずれも15日福岡県飯塚市で
 老害・老醜の見本のようなものが懲りもせず地元で悪質極まるホラを吹きまくる。
 チェルノブイリ原発事故では、爆発と火災により原発職員と消防士ら31名が死亡しソ連が公式に認める事故による死者はその数だが、その後の高濃度放射線被曝下での事故処理に当たったソ連兵士などリクビダートル60~80万人の多くも放射線被曝による癌や白血病などに苦しんでいると報告されている。彼らの事故による死を京都大の今中氏は「この数(「被曝によるこれまで=1991〜1998年=の死亡」は約600件)は、6万5905人を対象とするものだから、60万〜80万人のリクビダートル全体ではその10倍として約6000件となる。これが、放射線被曝によるこれまでのリクビダートルの死亡数である。将来的に60万〜80万のリクビダートルすべてが亡くなったとして、その4%を事故処理作業にともなう被曝が原因とすれば、全部で約3万人」と推定している。
 さらに、国連 8機関とベラルーシ,ロシア連邦,ウクライナ3ヵ国で構成する 「チェルノブイリ ・フォ ーラム」の2005年調査報告では事故での放射線被曝による死者は4000人と推定、WHOは2009年事故による癌死亡を9000人と予測、原子放射線の影響に関する国連科学委員会UNSCEARは2008年に小児の甲状腺癌の6000例超はチェルノブイリの事故に関連付けられると結論している。この放射線の影響は原発立地のウクライナや隣国ベラルーシ、ロシアに限らず、ヨーロッパをはじめとする広範囲に及び、例えばドイツではチェルノブイリ原発事故によって死亡した乳幼児は5000人に達し、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーでは乳幼児死亡率が事故前に比べて16%増加とする研究(「チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害 科学的データは何を示している」核戦争防止国際医師会議)などもある。
 日本でも1999年9月東海村発電所転換試験棟で臨界事故が発生し2人が死亡、2004年8月美浜3号機のタービン建屋で高温の蒸気が噴出し5人が死亡、2011年福島原発事故でも収束作業に従事し肺がんを発症して死亡した50代男性について、2014年労災認定されている。そのほか2021年2月に喉頭がんを労災認定された2人のほかに白血病3件、甲状腺がん2件、肺がん1件が認められている。東電と国は認めていないが、事故によって現在までに326人の小児甲状腺がん患者が発症しその補償を求める裁判が行われている。
 さらに、復興庁などがまとめた資料の東日本大震災による岩手県、宮城県、福島県の震災死亡数と震災関連死数の比較で、震災死数はそれぞれ5642 、10483、 1757人なのに対して、関連死数は467、928、2272人と、福島の関連死者が突出しているのは広範囲の避難地区を出した原発事故の影響に他ならない。「死亡事故ゼロ」「最も安くて安全」は、これらの事実に全て蓋をするまったくの虚偽、愚劣で無責任極まる暴言でしかない。
 現在のこの国の少子化の原因を「出産するときの女性の年齢が高齢化」とするのもまったくの出鱈目。女性自身の記事も触れているが、内閣府「少子化関連指標の国際比較」2020年の資料でも、フランス、 イギリス、 スウェーデン、 ドイツ 、アメリカと比べて日本女性の平均初婚年齢 は29.4歳で、OECD加盟国の中でも出生率の高いスウェーデンの34歳やフランスの32.8歳よりも早婚なのであり、他方「夫の家事労働時間」はスウェーデン2.51などに比し0.41時間で最低、家族関係政府支出の対GDP比も1.31% で、フランス2.93%イギリス 3.47%スウェーデン 3.53%ドイツ 2.22%の半分でしかない。日本の少子化は、非正規雇用などの不安定な雇用と低い賃金そして少ない家庭支援予算と家事労働などの女性への押し付けの放置という、まさに政治の責任であり結果でしかない。
 原発事故による被害の実態もこの国の少子高齢化の状況も正しく把握せず、内閣府資料すら理解できていない者が、安部・菅政権の元でながく財務相や副総理であり今も自民党副総裁としてこのような妄言を垂れ流す、この国の不幸。地元福岡にとっても恥でしかない。とっとと政治から去るべし。
《自民党の麻生太郎副総裁は15日、福岡県飯塚市であった国政報告会で「原発で死亡事故が起きた例がどれくらいあるか調べてみたが、ゼロです」と述べた。関西電力美浜原発(福井県)で計11人が死傷した蒸気噴出事故などが起きており、発言の真意を問う声が上がりそうだ。
 麻生氏は、国政課題の一つとしてエネルギー問題を挙げ、太陽光などの再生可能エネルギーは安定的な供給が難しいと指摘。その上で「(原子力は)最も安くて安全。原子力と原子爆弾の区別がついていない人もおられ、原発は危ないと言う人もいる」として、原発の活用を訴える中で「事故ゼロ」に言及した。
 2004年8月の美浜の事故では、蒸気を浴びた点検準備中の作業員5人が死亡、6人が重軽傷を負った。東京電力福島第1原発事故では、収束作業に従事していた男性が肺がんを発症し死亡。その後、労災認定されている。(坂井彰太、坂本公司)》




2023年 1月16日
「吉田茂元総理による日米安保条約の締結、岸信介元総理による安保条約の改定、安倍晋三元総理による平和安全法制の策定に続き、歴史上最も重要な決定の一つだと確信している」13日岸田首相ワシントンのジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院で
「米軍は今後も極東地域における抑止力の中核であり続けるだろうが、今後は自衛隊もその一部を担う構図がより強まる。抑止力の均衡は相手国との関係に左右され、より強力なパワーを持とうとする力学が働く。日本発の軍拡競争のエスカレートが懸念される。近隣諸国とどう向き合うかという外交や安全保障の大きな戦略のもとで、合理的で必要最小限度の防衛力を整備する計画を立てるべきだ」山田朗・明治大教授
「防衛費は実質的に赤字国債でまかなう状態が続いている。赤字国債は本来、財政法で禁止されているが、毎年のように特例法を制定して数十兆円の赤字国債を発行し、一部は防衛費にまわっている。日本の債務残高は国内総生産(GDP)の2倍を超えている。赤字国債をこれ以上増やさず、累積した赤字国債をどう減らすかという議論も欠かせない。すぐに財政破綻(はたん)するとは考えられていないが、今後、国債金利の上昇やインフレ発生の危険には常に注意する必要がある。大幅なインフレが起これば、預貯金の価値や国債の資産価値が下がるおそれがある。そうなったとき、損失をこうむるのは国民だ」関野満夫・中央大教授
「反戦とは何か。
理屈ではなく『戦争は嫌だ、やめろ』という叫びである。
年が明けた時、私は日本人は今からその『叫び』の準備が必要なのではないかと思った。ーーー日中戦争が『満州事変』という名で始まり、ウクライナ戦争が『特別軍事作戦』という名で始まったように戦争は突然始まり、原因は相手にある、つまり『防衛のため』と言い続ける。だから反戦の準備を始めよう。戦争の用意がどこでどうされているのか伝え、戦争が何をもたらすのか伝えることも必要だ」法政大学前総長田中優子氏(15日「東京新聞」)
 21年の首相就任時に自身は決して最前線に立つことはないにもかかわらず、軍服を着て嬉しそうに戦車に乗ったこの国の宏池会所属、広島出身の岸田首相は、この1ヶ月で1万人のコロナ感染死者を出しながらG7を「外遊」し、国民や国会に何も語らぬまま独断した戦後防衛政策の「大転換」とGDP2倍を超える国債の元での米国兵器の爆買いそして米軍と自衛隊の一体化を、バイデン大統領に肩を支えられながら嬉しそうに表明する。
 吉田・岸・安部と続く外国軍隊の駐留を認める安保条約やその改訂、さらに集団的安全保障による戦闘行為への参加を定めた「平和安全法制」はいずれも、「戦力の不保持」「交戦権の否認」を定める日本国憲法第9条に著しく抵触する。この国の最高裁はその違憲の訴えに対する判断を「統治行為論」で無責任に回避・逃亡しただけ。
 米国が台湾との国交を閉じて成立させた「台湾関係法」(1979)第2条B項は、
(5)、防御的な性格の兵器を台湾に供給する。
(6)、台湾人民の安全または社会、経済の制度に危害を与えるいかなる武力行使または他の強制的な方式にも対抗しうる合衆国の能力を維持する。
と規定するのみであり、独立国であるウクライナに対してすらそうであるように、「台湾有事」に米国が参戦する根拠とはなり得ない。そして万一参戦すれば中国・台湾・米軍はもとより自衛隊にも沖縄をはじめ横田、横須賀、横浜など基地周辺住民にも多大な犠牲者を出す。自らの政権下で4万人を超えるコロナ感染死者を出しても何も感じない岸田政権は、その際も同じだろう。こんな政権は退陣あるのみ。
《中国、ロシア、北朝鮮によって安全保障環境の厳しさが増すなか、日米はどう向き合うのか。岸田文雄首相は13日の首脳会談で、自ら進めた防衛力強化を説き、バイデン大統領も支持を打ち出した。ただ、共同記者会見で、自らの言葉で連携強化を広く訴えかけるような場は設けられず、蜜月ぶりを取り繕う様子がうかがえた。(ワシントン=小手川太朗、清宮涼、榊原謙、田嶋慶彦)▼1面参照
 ■会談、日本の強い希望
 冬晴れの日差しが注ぐ13日昼、バイデン大統領がホワイトハウスの正面玄関に姿を現した。日の丸と星条旗を掲げた車から降りる岸田首相に笑顔で言葉をかけると、背中に左手をやり、建物へと導いた。
 「大変手厚く親密な対応をして頂いた」。会談を終えた首相は記者団に成果を誇った。官邸幹部も「大統領自ら総理を出迎えるのは極めてまれ。厚遇して頂いたということを端的に表している」と強調した。
 首相にとって悲願がかなった瞬間だった。外交力をアピールしたいとの思惑もあり、2021年10月の首相就任直後から訪米を打診してきた。だが、歴代首相が就任して半年前後で訪問を果たしてきたのに比べ、今回のワシントンへの訪問までには1年3カ月を要し、調整は最後まで難航した。
 岸田政権は昨年12月、バイデン氏に「公約」した方針に沿い、安保関連3文書を閣議決定する。これをバイデン氏に直接伝える重要な機会として、今回のワシントン訪問を位置づけていた。最終調整にあたった外務省の担当者は「今回実現できなかったら僕は辞める」とまで語っていた。
 ただ、首相が言うように「厚遇」だったとは必ずしも言いがたい。昼食を含め約2時間の会談後、共同会見や夕食会はなかった。バイデン氏は地元デラウェア州に向けてホワイトハウスを発ち、その後の公務はなかった。
 朝日新聞の調べによると、06年の第1次安倍政権の発足以降、国際会議の機会を除いて日本の首相が訪米し、首脳会談をしたのは13回。このうち首脳の共同会見や共同記者インタビューが確認できないのは今回で3回目だ。19年の安倍晋三元首相とトランプ前大統領の会談では共同会見はなかったが、ゴルフや非公式夕食会の機会があった。
 今回の首脳会談は日本側の強い希望を受けて設定されたものだった。米専門家からは「バイデン氏には急いで岸田氏に会う理由がなかった」との声も上がる。バイデン氏は、自宅などから副大統領時代の機密文書が相次いで見つかった問題を抱え、会見が開かれれば、自身の問題に質問が集中する状況にもあった。
 ■安保転換、自賛と歓迎
 「吉田茂元総理による日米安保条約の締結、岸信介元総理による安保条約の改定、安倍晋三元総理による平和安全法制の策定に続き、歴史上最も重要な決定の一つだと確信している」
 岸田首相は日米首脳会談後にワシントンの大学院で行った講演で、安保関連3文書の改定や、防衛費増額方針の決定など防衛力強化を自賛した。昨年5月の東京でのバイデン氏との会談で打ち出した「公約」を守った形の首相に対し、バイデン氏もこの日の会談で「歴史的だ」とたたえた。
 バイデン氏が歓迎するのは、日本の防衛力強化が、地域の抑止力につながることへの期待があるからだ。
 軍事活動を活発化させる中国や北朝鮮の核・ミサイル開発、ロシアのウクライナ侵攻など、安全保障環境が厳しさを増す。自力での対応には限界もあるなか、バイデン政権は、同盟国に軍事力強化を促し自国の抑止に組み込む「統合抑止」を掲げている。共同声明では、日本の防衛力強化を「インド太平洋および国際社会全体の安全保障を強化」するものだと記した。
日米は今回、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)実現を目指すことにくわえて、豪州やインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)、太平洋の島嶼(とうしょ)国などとの協力を強調した。東・南シナ海から太平洋にかけて進出を強める中国に対抗する狙いがある。安全保障だけでなく、保健や気候、海洋状況把握など幅広い分野での協力を打ち出すことで、米中の二者択一を嫌う国々とも関係を深めたい考えだ。
 ■「核なき世界」、声明入らず
 広島で5月に開かれるG7サミットを前に、首相が首脳会談でこだわった一つが、「核なき世界」に向けた理解を得ることだった。米国は世界有数の核保有国であると同時に日本はその核の傘に守られている。G7で主要なテーマとして議論する以上、バイデン氏の理解は欠かせなかった。
 日本側の説明によると、首相は会談で「G7首脳と共に、核兵器の惨禍を人類が二度と起こさないとの誓いを広島から世界に向けて発信したい」と発言。両首脳は厳しい安全保障環境を踏まえつつ、核兵器のない世界に向けて日米ともに取り組んでいくことで一致したという。
 だが、首相とバイデン氏の共同声明では、「広島サミットにおける優先事項について議論」と盛り込まれただけで、「核なき世界」への言及はなかった。
 背景には、核廃絶を巡る議論の難しさがある。オバマ元大統領に副大統領として仕えたバイデン氏は、「核なき世界」の理念を継承する。昨年10月にバイデン政権が公表した「核戦略見直し」(NPR)では、「核なき世界」を「最終的な目標」とし、核兵器の役割縮小も掲げた。
 一方、ロシアはウクライナ侵略で核兵器の使用を示唆し、中国の核戦力増強にも懸念が高まっている。こうした中、バイデン氏が持論としてきた、核使用を核攻撃への抑止と報復のために限る「唯一目的化」や、核兵器を先制攻撃に使わない「先制不使用」の宣言はNPRに採用されず、見送られた経緯がある。
 「核なき世界」に向けてもう一つの焦点になっているのが、バイデン氏の長崎訪問だ。バイデン政権内で前向きな声もあるものの、今回の会談では特段のやりとりはなかったといい、実現するかどうか、依然不透明だ。ーーー
 ■<視点>日米、中国と共存できる秩序を
 岸田首相とバイデン大統領の会談後の共同声明では、日米同盟の盤石ぶりを強調する言葉が並んだ。同盟は「歴史的な局面」にあり「かつてなく強固」である。協力関係は「前例がない」――。ロシアのウクライナ侵攻、中国の軍事的台頭といった安全保障環境の劇的な変化を踏まえれば、その形容自体は、あながち間違いではないだろう。
 日本が安保3文書を改定し、日米の防衛協力にかつてない水準の関与を示したことを、米側は歓迎する。「国民一人一人が主体的に国を守る、と首相が言明したことに感銘を受けた」と話す元米政府高官もいた。
 一方で、岸田氏を迎えたバイデン政権の対応が淡々としていたのも事実だ。「防衛予算の大幅な増額は持続可能なのか」。米専門家からは疑問の声も出る。日米関係筋によると、米側には「防衛費の増額も敵基地攻撃能力も評価するが、日本が何をしたいのかが見えない」といった戸惑いもあるという。
 米国の要求に受け身をとっていればよかった時代は終わった。日本にとってそれが、前例のない難しい局面であることも確かだ。
 首脳会談前の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)で、日本は米国に寄り添い、中国を「自らの利益のため国際秩序を作り替えることを目指す」国家と認定した。それが正しいとすれば、非核と専守防衛を掲げる日本にとって、中国への抑止力を真に高める「日米関係の現代化」とはどのようなものなのか。中国が既に日米と経済的に深く結びついている現実とどう向き合うのか。軍事だけでなく経済外交なども組み合わせた主体的な戦略を練り、日米が中国と共存できる秩序を生み出していく必要がある。(アメリカ総局長・望月洋嗣)
コメントプラス
小熊英二(歴史社会学者)
2023年1月15日13時59分 投稿
 
【視点】米大統領と会うために安全保障政策の変更を急いだかに読めなくもない記事。そうだとすれば本末転倒で、恐ろしいことである。
同日配信の「<考論>米政府はお祝いムード 日米首脳会談 米外交問題評議会・上級研究員、シーラ・スミス氏」では、「米国側は、日本が自ら安保戦略を包括的に見直したことに非常に驚いている」と述べられている。そうだとすれば、昨年5月からの「対米公約」だったというのに、驚かれていることになる。
この記事下部の「視点」によれば、「米側には「防衛費の増額も敵基地攻撃能力も評価するが、日本が何をしたいのかが見えない」といった戸惑いもある」とされている。総じて、日米が緊密に連携しているというよりは、日本政府が前のめりになっている印象を受ける。
「米専門家からは「バイデン氏には急いで岸田氏に会う理由がなかった」との声も上がる」という状況下で、「歴代首相が就任して半年前後で訪問を果たしてきたのに比べ、今回のワシントンへの訪問までには1年3カ月を要し、調整は最後まで難航した」という。日本国内に「外交力をアピールしたいとの思惑」から訪米を急ぎ、「安保関連3文書の閣議決定を「バイデン氏に直接伝える重要な機会として、今回のワシントン訪問を位置づけていた」という記述は、何のために安全保障政策の変更を急いだのかという疑問をかきたてる。
もしも、「外交力をアピールしたいとの思惑」というような短期的な理由で、「歴史上最も重要な決定の一つ」を行ったのであれば、それは恐ろしいことである。》



2023年 1月14日
・新型コロナウイルスに感染し、国内で亡くなった人が13日午後7時現在、朝日新聞の集計で523人確認され、1日あたりの過去最多を更新。
・国内の死者数は2021年4月に1万人に達し、その後は1万人増えるのに3〜10カ月かかっていたが、5万人を超えた先月1日からはペースが加速。今月8日に6万人に達した。
・全国の感染者数、死者数累計は1月13日23時時点で感染者31,177,241人、死者62,353人。
・8日までの1週間に、救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送が困難な事例」は7558件と、前の週から400件増えて、3週連続で過去最多を更新。
・「第8波」の感染拡大が続き、高齢者施設でのクラスター(感染者集団)の発生が過去最多に迫る高水準となっている。〈入院終えてもまた陽性 「怒濤の日々」クラスターにあえぐ高齢者施設〉 
・11日厚生労働省の専門家会合は、亡くなる人の数が過去最多となる状況が続き、高齢者施設や医療機関での集団感染が増加傾向になっていると指摘。今後も感染者数の増加が続き、亡くなる人がさらに増えることが懸念されるとして、医療体制の強化や重点化、それに感染対策の継続が必要だとしている。〈新型コロナ専門家会合“死者数の過去最多続き今後も増加懸念”〉 https://www3.nhk.or.jp/.../20230111/k10013946971000.html
・英国の医療関連調査会社エアフィニティーは12月29日、中国のコロナ感染は1月13日に最初のピークを迎え、1日当たり370万人に達すると予想。1月23日には死者数がピークに達し1日当たり約2万5000人になると見込んだ。12月以降の累積死者数は58万4000人になるという。
・中国当局の発表によると、政策を転換した12月7日以降の死者数は10人。2020年のパンデミック(世界的大流行)発生以来の中国の公式な死者数は28日時点で5246人。
・中国で先月、京劇俳優の儲蘭蘭氏40歳、俳優の龔錦堂氏83歳や国内トップの科学技術アカデミーに所属していた科学者が計16人など有名人が相次ぎ死去。 
・中国で3番目に人口の多い河南省で、住民の90%近くが新型コロナウイルスに感染していると、地元の保健当局が9日、明らかにした。公式発表では、人口14億人の中国ではゼロコロナ政策からの移行後、新型ウイルスの感染者はわずか12万人、死者は30人。
・新型コロナの感染拡大が続く中国で、「死因を変更するように言われた。患者の家族のことを思うと、本当は、書き換えたくない」「死亡診断書はおろか、入院の際の診断書でも『新型コロナ』と書くことができない」と患者の診断書や死因をコロナ以外に書き換えるよう、病院から依頼されたと訴える医師のSNS投稿が波紋を広げる。
・中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大するなか、当局がこれまで毎日発表してきた感染者数や死者数の情報について1月8日を最後にデータが更新されない状態が続く。WHO=世界保健機関で危機対応を統括するライアン氏は、11日の定例会見で「中国での死者数は定義の問題で過少報告されている」と述べ、中国政府の発表が実態を反映していないと、改めて指摘。
・中国では11日までに約9億人がすでに感染したとする推計結果を北京大学のグループがまとめた。最も高い西部の甘粛省(人口約2500万人)が91%に達し雲南省(同4700万人)84%、青海省(同600万人)80%。
・11日CNNは新型コロナウイルスの感染が前例のない規模で拡大している中国で、各地の火葬場や葬儀場が混み合う様子をとらえた衛星画像を公開。
・昨年12月2日ロシアの侵攻以降に死亡したウクライナ兵士が1万3000人に上ると、ゼレンスキー大統領の顧問を務めるミハイロ・ポドリャク氏が明らかにした。
・ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めて10か月となった12月24日、国連人権高等弁務官事務所は、これまでにウクライナで少なくとも6800人を超える市民が死亡したと発表。このうち428人は子どもで、けがをした市民は1万769人に上る。東部マリウポリなどでの死傷者の数についてはまだ正確に確認がとれていないとして、実際は発表された人数を大きく上回る。
 コロナ感染が昨年7~8月の第7波で1日あたり20万人を超えて世界最多の感染者数を記録し、この第8波でやはり1日あたり20万人を超え、わずかひと月の死者が1万人を超えているこの国で、2021年10月4日(死者累計17749人)岸田政権発足以来1年3ヶ月で44604人という歴代最多のコロナ感染死者を出しながら、首相も厚労大臣もこの間まったく会見もせず、まるで他人事。

 一党独裁下で「中華民族の偉大な復 興」を唱える中国政府は、「ゼロコロナ」政策を転換させて感染爆発を招くと、政策とその変更の正当性に固執しコロナ感 染・死の定義を著しく狭めて葬儀場に長蛇の列をなす国民の夥しい死を無かったことにする。習近平ら指導部にとって国民の 命など鴻毛のように軽いのだろう。
 この国の岸田政権も、たったひと月の 国内のコロナ死者がロシア侵攻下10ヶ月のウクライナ兵士や市民の死者に匹敵するか上回る現状に向き合うことなく、「国 防」という名の敵基地攻撃能力や米国ミサイル爆買いと基地増設と、国会や国民への説明もなく米国に擦り寄ることだけにう つつを抜かす。
 1年3ヶ月の自身の政権下で4万人を 超える感染死者を出しても痛痒を感じないものは、憲法を踏みにじり台湾有事に介入して沖縄など南西諸島を中心に夥しい隊 員や市民の犠牲者が生じても、やはり痛痒を感じはしない。
 自然災害やパンデミックにおける自衛 隊の活用として、病院や高齢者施設を中心に感染者と死者数が過去最多のいま、自衛隊の医務官らをそれらの施設に派遣す る、臨時の診療施設を設置するなど、政権が中心となって行えることはいくつもあるはずだ。中国政府と同じく、コロナ感染 と死者に向き合うことをしない岸田政権は、さまざまな不祥事に何ら責任を取らなかった安部・菅政権の悪き継承でしかな い。
《新型コロナウイルスに感染し、国内で亡くなった人が13日午後7時現在、朝日新聞の集計で523人確認され、1日あたりの過去最多となった。これまでの最多は11日の520人。都道府県別でみると、新潟、山梨、滋賀、広島の4県が最多だった。
 国内の死者数は2021年4月に1万人に達し、その後は1万人増えるのに3〜10カ月かかっていたが、5万人を超えた先月1日からはペースが加速。今月8日に6万人に達していた。
 国内感染者は13日、新たに14万3384人(午後7時現在)が確認された。》


2023 年 1月13日
「集団自決みたいなことをするのがいいんじゃないか。特に集団切腹みたいなものがするのがいいんじゃないか」「(「葉隠」の一節「武士道といふは死ぬ事と見付けたり」について)『江戸中期にあって、もう華々しく戦場で死ぬこともできなくなった、サラリーマン化した武士たちに対して、死ぬに値する大義と目的をでっち上げてみたらどうか』という挑発だと捉えることもできるのではないか」「ここで僕たちが議論すべき大義は、いわば、この高齢化して延々と生き続けてしまうこの世の中をどう変えて、社会保障などという問題について議論しなくてもいいような世界を作り出すか、ということだと思う。そのためには、かつて三島由紀夫がした通り、ある年齢で自ら命を絶ち、自らが高齢化し老害化することを事前に予防するというのは、いい筋なのではないかと...」「ここにいらっしゃる皆さんのような傑出したエリート、リーダーの方が次々と切腹をするような日本社会になったら、ただの社会保障政策であるだけではなくて、最強のクールジャパン政策にもなるはずで、世界に再び日本のプレゼンスを発揮する良い方法なのではないか」19年2月開催「G1サミット2019」社会保障改革に関するパネルディスカッション
「僕はもう唯一の解決策ははっきりしていると思っていて、結局高齢者の集団自決、集団切腹みたいなものではないかとーーーやっぱり人間って引き際が重要だと思うんですよ。別に物理的な切腹だけでなくてもよくて、社会的な切腹でもよくて、過去の功績を使って居座り続ける人がいろいろなレイヤーで多すぎるというのが、この国の明らかな問題」「消えるべき人に『消えてほしい』と言い続けられるような状況を、もっと作らないといけないのではないか」21年12月ABEMA Prime
「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」(スタジオのスライド文字)「『ちょっとやばい老人達』に対して圧をかけていくことが必要ーーー誰しも『周りに必要とされてない感』をガンガン出されると辛いものだと思うので、少し世代交代につながるのではないか」「(軍事・防衛の次は)安楽死の解禁とか、将来的にあり得る話としては安楽死の強制みたいな話も議論に出てくると思う」「そういう問題、今の日本社会は見て見ぬふりをし続けていて、それに簡単に言及できるのは麻生太郎さんみたいな、ちょっと宇宙人系の人だけ...という感じになっていると思う。そういうものを、もっと直接的に議論できるような状況、雰囲気を作ろう、というのが言いたい」22年1月NewsPicks配信動画
「”切腹”や”自決”は議論のためのメタファーで、肉体的なものだけでなく、社会的・文化的なものも含めた色々な形がありえます。具体像にはグラデーションがあり、大きくわけて3つのレイヤーがあり得ると思っています」「一番過激でラディカルなものは、三島由紀夫がやったような文字通りの切腹です。三島由紀夫の最期の選び方はシンボルとして半世紀経った今でも生き続けています。そのこと自体が人の生き方の本質を問いかけていることを示しています。三島が自決したのが45歳だったことを思い出すと、これは高齢者だけでなくあらゆる世代に突きつけられた問いかけです」「もうちょっとラディカルさを抑えたレイヤーでは、例えば尊厳死の解禁や一定以上の延命措置への保険適用を見直すことなどが考えられます」「そして一番穏健なレイヤーは世代交代です。次の世代にちゃんと活躍の場所を譲っていく仕組みをつくる」22年02月「みんなの介護」  https://www.excite.co.jp/.../Minnanokaigo_news_special.../
 高齢化問題の解決に「高齢者の集団自決・切腹」を唱えるイェール大学助教授 、一橋大学特任准教授、東京大学招聘研究員の成田悠輔という人物の言葉。
 これらはいずれも、江戸期の切腹や三島由紀夫の自決を肯定的に評価して「議論のためのメタファーで、肉体的なものだけでなく」と「だけでなく」としている点で、単なる暗喩とは言えず、繰り返し語られる「高齢者は集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」や「安楽死の解禁や強制」を肯定する言葉として受け取られても仕方がない。
 これは刑法では自殺幇助、殺人教唆に該当し、高齢者や社会保障の対象となる人たちに対する明らかなヘイトスピーチに他ならず、メディアで繰り返し語る点で社会への影響も大きい。「世代交代」「老害化予防」を唱えながら、その悪しき象徴のような麻生太郎を持ち上げる点も、まったく筋が通らない。
 一体この人物は三島と同じ45歳になったら自決し、両親や祖父母にも自決を要請するのか?一連の発言は、カルト塗れの安倍内閣が2014年に行った「集団的自衛権行使容認」こそが「集団自決」だという眼力もなく、少子高齢化のツケを若者と老人の対立に誘導するだけの愚かしい物言いにすぎない。
 核拡散や核戦争の危機を解決する究極の手段は核廃絶、過酷な原発事故を起こさないためには全ての原発の停止、SDGsのためには化石燃料の全廃。これらは倫理や良心に反することなく今世紀前半にも人類が実現すべき課題の解法だが、「高齢化問題解決は高齢者の集団自決」は何の解決にもならないだけではなく、著しく人道に反する暴言。
 こうしたヘイトスピーチを垂れ流し続ける人物を教育・研究職に採用するイェール、一橋、東京の各大学とこのような人物を番組に出演させる各メディアは大きな責任を負う。
《2023年1月11日に、ツイッターで突然「集団自決」という物騒な単語が「トレンド」入りした。イェール大助教授で経済学者の成田悠輔氏(38)が過去に発言した内容が原因だ。成田氏は4年ほど前から高齢化社会への対応策として、高齢者の「集団自決」「集団切腹」に繰り返し言及してきた。あるインタビューでは、こういった表現は「議論のためのメタファー(隠喩)」だと説明しているが、そうとは理解されにくい文脈の発言もある。
22年には、75歳以上の人に対して安楽死の選択肢を与える制度が導入された社会を描いた映画「PLAN 75」(プラン 75)が、第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)の次点に当たる特別表彰を受け、話題になった。作品の世界観を体現するかのような発言が今になって「発掘」され、一気に批判が噴出している。
「物理的な切腹だけでなくてもよくて、社会的な切腹でもよくて...」
このタイミングで発言が拡散された理由ははっきりしないが、1月5日に配信されたABEMAのニュース番組「ABEMA Prime」(アベマ・プライム)で、成田氏と政治経済評論家の池戸万作氏による議論が話題になり、過去の成田氏の発言が注目された可能性もある。
主に拡散されているのは、21年12月のABEMA Primeでの発言だ。この日のテーマは、高齢化や少子化にともなう人口減少の問題で、リモート出演していた成田氏は
「僕はもう唯一の解決策ははっきりしていると思っていて、結局高齢者の集団自決、集団切腹みたいなものではないかと...」
と述べた。スタジオは笑いに包まれ、出演していた慶應義塾大学特任准教授でプロデューサーの若新雄純氏から
「今日は言わないかと思っていたけど、生放送で言いやがった」
と笑顔で指摘される中、成田氏は
「やっぱり人間って引き際が重要だと思うんですよ。別に物理的な切腹だけでなくてもよくて、社会的な切腹でもよくて、過去の功績を使って居座り続ける人がいろいろなレイヤーで多すぎるというのが、この国の明らかな問題」
などと話した。
  ろれつが回らなかったり、全く会話が成立しなかったりする高齢者が社会の重要なポジションを占めていることを若年層が当然だと受け止めているとして、「すごく危機的な状況」だとも主張。
「消えるべき人に『消えてほしい』と言い続けられるような状況を、もっと作らないといけないのではないか」
と話した。
「将来的にあり得る話としては安楽死の強制みたいな話も」
22年1月にNewsPicks(ニューズピックス)で配信された動画でも、スタジオのスライドには
「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」
の文字。成田氏は、ここでもコミュニケーションが取れない高齢者が重要なポジションを占めている問題を指摘し、「『ちょっとやばい老人達』に対して圧をかけていく」ことが必要だと主張。
「誰しも『周りに必要とされてない感』をガンガン出されると辛いものだと思うので、少し世代交代につながるのではないか」
などと話した。
今後、国論を二分する可能性がある政策課題についても言及。軍事・防衛の次は
「安楽死の解禁とか、将来的にあり得る話としては安楽死の強制みたいな話も議論に出てくると思う」
として、議論を進める必要があるとした。
「そういう問題、今の日本社会は見て見ぬふりをし続けていて、それに簡単に言及できるのは麻生太郎さんみたいな、ちょっと宇宙人系の人だけ...という感じになっていると思う。そういうものを、もっと直接的に議論できるような状況、雰囲気を作ろう、というのが言いたい」
比較的古い「集団自決」の主張としては。19年2月開催の「G1サミット2019」の社会保障改革に関するパネルディスカッションでの発言がある。公開されているアーカイブ動画によると、成田氏は高齢化をはじめとするさまざまな人生のリスクを軽減するための方法として、
「集団自決みたいなことをするのがいいんじゃないか。特に集団切腹みたいなものがするのがいいんじゃないか」
と述べている。その背景として、江戸時代の武士の心得を記した「葉隠」の一節「武士道といふは死ぬ事と見付けたり」について、次のような解釈を披露した。
「『江戸中期にあって、もう華々しく戦場で死ぬこともできなくなった、サラリーマン化した武士たちに対して、死ぬに値する大義と目的をでっち上げてみたらどうか』という挑発だと捉えることもできるのではないか」
「切腹」や「自決」は「議論のためのメタファー」で済むのか
その上で、三島由紀夫が行ったような切腹が「いい筋」だとする持論を展開した。
「ここで僕たちが議論すべき大義は、いわば、この高齢化して延々と生き続けてしまうこの世の中をどう変えて、社会保障などという問題について議論しなくてもいいような世界を作り出すか、ということだと思う。そのためには、かつて三島由紀夫がした通り、ある年齢で自ら命を絶ち、自らが高齢化し老害化することを事前に予防するというのは、いい筋なのではないかと...」
さらに、切腹が「クールジャパン」戦略になりうる、とも主張した。
「ここにいらっしゃる皆さんのような傑出したエリート、リーダーの方が次々と切腹をするような日本社会になったら、ただの社会保障政策であるだけではなくて、最強のクールジャパン政策にもなるはずで、世界に再び日本のプレゼンスを発揮する良い方法なのではないか」
成田氏は、老人ホーム検索サイト「みんなの介護」に22年2月末に掲載されたインタビューでは、「切腹」や「自決」という単語は「議論のためのメタファー」だとしている。その具体像にはグラデーションがあり、大きく3つのレイヤー(階層)があり得る、と説明。過激な順から「三島由紀夫がやったような文字通りの切腹」「例えば尊厳死の解禁や一定以上の延命措置への保険適用を見直すことなど」「世代交代」を挙げたが、その優先順位には言及しなかった。
成田氏の発言には、いわゆる「老害」批判に同調する向きがある一方で、(1)命に序列をつける優生思想につながる(2)太平洋戦争、とりわけ沖縄戦で多くの犠牲者を出した「集団自決」の歴史を軽んじている、といった批判が多く寄せられている。   (J-CASTニュース編集部 工藤博司)》



2023年 1月13日
「容疑者は絶対的加害者で、安倍さんは被害者なのになぜ安倍さんが統一教会と近かったと報道され、容疑者が気の毒だったみたいな風潮になるのか。そこに腹立たしさを感じています」
「容疑者が言ったことをうのみにするって、テロリストの思うつぼじゃないでしょうか。まだ容疑者の供述は報道ベースで一部分に過ぎません。そもそも、教団を憎んでいたのに安倍さんを狙う動機にも矛盾を感じています。捜査当局が意図的に都合の良い情報を流している可能性さえあると思っています。その上で、報道ベースの供述を信用していません。別の勢力によるテロの可能性だって十分にあり得るはずです。まずは裁判で本人の口から語られる動機を聞きたいと思います」
「教団票について、私から安倍さんにお願いしたことも、安倍さんから聞いたこともありません。安倍さんが教団票を巡って、どのような動きをしていたのか、教団との関係がどうだったのかはわかりません」
「私は大根1本で1週間暮らしてきた経験があります。40歳にもなって、親の財産のことで苦しむなんて、甘ったれるなと思います」
「2世問題や献金問題というのは教団だけの話ではなくて宗教全般に関わる話なので、私としてはコメントを差し控えたい。少なくとも、私は教団の教義についてどのように教えられ、どのように運用されてきたかは知らずに、家族の問題や反共産主義など共通のところで共闘していたので、教団そのものに着目している報道とは大きく認識が違っていると思います」井上義行参院議員
「旧統一教会の「賛同会員」だった井上氏は、安倍氏や自分がこの組織と深い関係をもってきたことの何が問題なのか、今なお分かっていないし、分かろうともしていないことがよく伝わってくる。彼の内心は、今も教団へのシンパシーで満ちており、「2世」問題を含め、この教団のあり方や政治家との関わりを追及するメディアへの恨みや被害者意識でいっぱいなのだろう。それもあって、陰謀論にも傾斜している」江川紹子神奈川大学特任教授
「この一方的な主張のみをウェブ記事にすることには、強い疑問を感じます。典型が、山上容疑者について、「別の勢力によるテロの可能性だって十分にあり得るはずです」とするものです。こうした陰謀の存在について「十分にあり得るはず」と根拠なく語られる発言を、そのままに記事にするのは、陰謀論への加担にすら見えます」牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授
「自分が大根一本で生き延びたことあるから、山上容疑者は甘ったれるな、ですか。宗教2世の苦しみは後ろめたくて直視できないのでしょうか。自分の武勇伝でマウント取り、長年置き去りにされてきた山上容疑者の苦しみを見ないことにする、そのような人が国会議員としてあと5年も参議院で禄を喰む実態に愕然とします」末冨芳日本大学文理学部教授
 旧統一教会・世界平和統一家庭連合の「賛同会員」として昨年の参院選でその組織的な応援を得て当選した井上議員の、何とも稚拙でみっともない言い訳と強弁をそのまま伝える記事と、それらを真摯に批判する研究者たちのコメント。
 本人の供述だけではなく叔父など親族の説明からも、その子供時代から教会信者の母親による高額献金による経済的困窮と家庭崩壊、そして兄の自殺などの被害を受けてきたとされる容疑者を、確定判決前の推定無罪を無視して「テロリスト」呼ばわりし、何の根拠も示さず「別の勢力によるテロの可能性」を唱えながら、自らや安部元首相の教団との関係と高額献金や二世問題など教団の実態には知らぬふりをする。責任感も道義心も欠落している。
 カルト集団による霊感商法や高額献金の被害者と、その子どもとして人生を大きく歪められた2世信徒の支援・救済をどう実現するのかという課題は放置して、教団の組織票で当選し自分に都合のいい弁明だけに終始するこの人物に議員の資格はない。「甘ったれるな」は自分にこそ向けるべき言葉。まずは辞職せよ。
《安倍晋三元首相銃撃事件から半年となるのにあたり、安倍氏の元側近で自民党の参院議員井上義行氏が朝日新聞の単独取材に応じた。事件2日後に投開票された参院選で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側の支援を受けて当選した井上氏。第一次安倍政権時に首相秘書官として安倍氏を支えた一方で、容疑者が安倍氏を襲った背景に自らを支援した教団への「恨み」があるとされていることについて、どんな思いを抱いているのか。
 ――事件の一報をどう知りましたか
 選挙の最終盤で地元の神奈川県小田原市にいました。車で移動中に、なじみの記者からの電話で「安倍さんが倒れた。パンパンと音がした」と聞きました。
 はじめは、暑くて疲れが出て、貧血か何かで疲れていたのかなと思いました。「パンパン」という音については、車のタイヤがパンクしたとか、いたずらの花火なんじゃないかとか。
 安倍さんの携帯に電話しましたが、出なかったのでメールで「大丈夫ですか」と送りました。でも、返事はありませんでした。
 ――銃撃されたと知ったのは
 昼食のために入ったお店で、テレビをつけさせてもらってニュースを見ました。そのときはわけがわからなかった。テレビの画面を、ぼーっと見ていた自分がいます。その時点でも、亡くなるとは想像もしていませんでした。
 心肺停止と報じられていましたが、安倍さんだったらもう1回心臓が動くと信じていました。妻の昭恵さんが新幹線で搬送先の病院に向かうというのは嫌な予感がするニュースでしたが、昭恵さんが手を握れば戻ってくると思っていました。
 亡くなったことは、事務所に帰って見ていたテレビで知りました。受け入れられないというか、心に穴が開いたというか。支援者の中には涙を流す人や、「元気出して」って言ってくれた人もいたようですが、記憶があまりありません。その日の夜は何を食べたのかも思い出せません。
教団からの選挙支援「特に何も思いませんでした」
 ――翌日は選挙活動を続けたそうですね
 安倍さんだったら、何と言うかなということを思い浮かべました。
 「なぜ休んでいるんだ、俺のことは気にしないで勝ち上がってこい」と言ったんじゃないかと。
 安倍さんは選挙の鬼、とにかく選挙に厳しかった。今回の参院選前に安倍さんから「井上君、必ず勝ち上がってこないと駄目だよ」と言われていました。私の票読みにも「甘いな。そんなに票積み上がらないよ」とよく怒られました。どんなことがあっても、政治家が選挙活動を止めることを許さないだろうなと思って、選挙活動を続けました。
 党本部からは喪章をつけるように要請がありましたが、私はすぐにはつけませんでした。安倍さんが亡くなったことを認めたくなかったからです。ただ、最後の街頭演説の時には腰につけました。何か背負って話したかった、というのもありました。
 後日、お通夜に行ったときに昭恵さんから「主人と(母の)洋子さんと私の3人は井上さんに投票したのよ」と教えてもらいました。その場で妻と涙が止まりませんでした。
――容疑者は犯行動機として、旧統一教会への恨みから「深い関わりがあった安倍氏を狙った」と供述したとされます
 最初は、政治信条が合わないアンチ安倍さんの人物の犯行なのかと思いました。宗教団体とか、ましてや旧統一教会の存在が犯行動機になっているとは、みじんも考えませんでした。ただ、どんな理由でも人を殺すことは許されません。私の認識ではテロ行為だと思っています。
 容疑者は絶対的加害者で、安倍さんは被害者なのになぜ安倍さんが統一教会と近かったと報道され、容疑者が気の毒だったみたいな風潮になるのか。そこに腹立たしさを感じています。
――母親による教団への高額献金で苦しんだと供述したとされることについてはどう思われますか
 容疑者が言ったことをうのみにするって、テロリストの思うつぼじゃないでしょうか。まだ容疑者の供述は報道ベースで一部分に過ぎません。そもそも、教団を憎んでいたのに安倍さんを狙う動機にも矛盾を感じています。捜査当局が意図的に都合の良い情報を流している可能性さえあると思っています。
 その上で、報道ベースの供述を信用していません。別の勢力によるテロの可能性だって十分にあり得るはずです。まずは裁判で本人の口から語られる動機を聞きたいと思います。
――事件が起きてから、教団から選挙支援を受けていたことはまずいと思いませんでしたか
 特に何も思いませんでした。選挙中に関わった教団側の人たちは皆優しかったです。必ず集合時間の30分前に集まり、まじめでもありました。容疑者が語る教団像と私が目の当たりにした教団像は違って見えました。
 ――安倍氏が教団票を差配し、参院選ではあなたへの支援を指示したという指摘もあります
 教団票について、私から安倍さんにお願いしたことも、安倍さんから聞いたこともありません。安倍さんが教団票を巡って、どのような動きをしていたのか、教団との関係がどうだったのかはわかりません。
2世問題や献金問題「コメント控えたい」
 ――安倍氏が亡くなった背景に、あなたが参院選で支援を受けた教団があった可能性を考えたことはありませんか
 その質問自体が容疑者の供述を元にしていると思います。たとえ、容疑者がそう言っていたとしても、私は全く同情しません。
 私は大根1本で1週間暮らしてきた経験があります。40歳にもなって、親の財産のことで苦しむなんて、甘ったれるなと思います。
 それで教団の関連団体のイベントでビデオメッセージを出したぐらいの安倍さんを殺すって、犯行動機としてあまりにも矛盾を感じています。
――事件後に明るみに出た教団が抱える献金問題や2世問題についてはどう感じていますか
 2世問題や献金問題というのは教団だけの話ではなくて宗教全般に関わる話なので、私としてはコメントを差し控えたい。少なくとも、私は教団の教義についてどのように教えられ、どのように運用されてきたかは知らずに、家族の問題や反共産主義など共通のところで共闘していたので、教団そのものに着目している報道とは大きく認識が違っていると思います。
コメントプラス
江川紹子
(ジャーナリスト・神奈川大学特任教授)
2023年1月12日12時13分 投稿
【視点】 自民党の国会議員と旧統一教会の関係についての問題は、まだまだ終わっていない。そのことを深く印象づけるインタビューである。
 旧統一教会の「賛同会員」だった井上氏は、安倍氏や自分がこの組織と深い関係をもってきたことの何が問題なのか、今なお分かっていないし、分かろうともしていないことがよく伝わってくる。彼の内心は、今も教団へのシンパシーで満ちており、「2世」問題を含め、この教団のあり方や政治家との関わりを追及するメディアへの恨みや被害者意識でいっぱいなのだろう。それもあって、陰謀論にも傾斜している。
 このままでは、ほとぼりが冷め、次回の選挙の頃には、教団との絆を結び直す(ただし、今度はメディアに気づかれにくい形で)こともあるのではないか。
 安倍氏殺害の事件の後、少なからぬ自民党政治家が、選挙で旧統一教会との関わりを持っていることが発覚した。関係が浅かった人の多くは、この団体と関わることの問題性を理解したと思う。だが、深い関わりを持っていた議員らの本心は、実は井上氏と大同小異で、それを今は伏せているだけではないのか。
 同党は、自己申告の「点検」と称する中途半端な調査と「一切関係を持たない」という方針発表で幕引きを図った。しかし、問題の根は残ったままだ。それは、最大のキーマンである安倍氏に関する調査を行っていないことも一因だろう。これについては、メディアがさらに深掘りしていってほしい。その必要を深く感じる記事だった。
牧原出
(東京大学先端科学技術研究センター教授)
2023年1月12日10時12分 投稿
【視点】この一方的な主張のみをウェブ記事にすることには、強い疑問を感じます。典型が、山上容疑者について、「別の勢力によるテロの可能性だって十分にあり得るはずです」とするものです。こうした陰謀の存在について「十分にあり得るはず」と根拠なく語られる発言を、そのままに記事にするのは、陰謀論への加担にすら見えます。こうした点は、さらに問いただしたやりとりとして報ずべきではないでしょうか。
さらには、教団について「コメントを差し控える」という発言をそのままにしているのもきわめて問題でしょう。そうした態度が許されないからこそ、この問題について、自民党への深刻な疑念が世論調査でも表明されています。「私は教団の教義についてどのように教えられ、どのように運用されてきたかは知らずに、家族の問題や反共産主義など共通のところで共闘していた」というのも、普通に考えれば本当かどうか疑問が湧くところです。少なくとも井上氏は、教団の「賛同会員」であり、党本部の方針に沿って脱会したと本人が語っていることが報じられています。教団の教義についてどのように教えられたか知らないというのは、にわかには信じがたい発言です。その真偽を本人に重ねて問いただした末に、どう応じたかを見ないことには、言いっぱなしをそのまま肯定しているとも読めてしまいます。いうまでもなく、教義について詳しくは知らなくとも、「共闘」したというならば、その「共闘」の内実はどうなのか、「共闘」した経験が重いから今山上容疑者を攻撃するという筋も十分成り立ちうるでしょう。
ざっと読んで最初に浮かぶ疑問は、井上氏は今なお教団の代弁者なのではないかということです。教団についてよくいわれるように、結局は関係を断ってはいないのではないかという疑念も浮かびます。むろんそれも陰謀論と言えますが、やはり陰謀論を陰謀のままにしないためにも、教団との関係で疑問の湧く発言については、井上氏にきちんと尋ね、どう答えるか(あるいはコメントを拒否するのか)を報じることで報道の客観性を保てるのではないでしょうか。教団の意向に沿った発言をそのまま報じているかのようにすら思える記事ですので、いかなるやりとりだったのかに関して、追加取材も含めた続報はやはり必要でしょう。
末冨芳
(日本大学文理学部教授)
2023年1月12日8時42分 投稿
【視点】自分が大根一本で生き延びたことあるから、山上容疑者は甘ったれるな、ですか。宗教2世の苦しみは後ろめたくて直視できないのでしょうか。
自分の武勇伝でマウント取り、長年置き去りにされてきた山上容疑者の苦しみを見ないことにする、そのような人が国会議員としてあと5年も参議院で禄を喰む実態に愕然とします。しかしインタビューの意図はなんだったのでしょう?
 旧統一教会との訣別は確認できなかったこと、いまも旧統一教会と歩調を同じく家父長主義の政治思想を維持していることくらいがニュースバリューなのではないでしょうか。政治家の言葉から判断してほしいという意図であるなら、前半部分のインタビューが何のために掲載されたのかも理解に苦しみます。》



2023年 1月12日
日記がわりに。
 4日アシスト車でpiza track往復し、新年の初ピザ。
 三が日が過ぎてテレビは1日のウクライナによるロシア軍への攻撃とロシア国内でも兵士の死を悼む市民の様子を伝える。戦争は自分は安全な所から指揮する独裁者以外の誰のためにもならない。
 6日久しぶりに地元のcalmoを訪ねると臨時休業で明日から営業と。三宮乙仲通りのDays kitchenでこれも初チボッラ。さらにkokosikaを訪ねると、なんと年末年始長いお休みだった。夜のニュースはこの日コロナによる死者は過去最多456人と伝える。この国はなぜ今もこんなにコロナによる死者が多いのか、自らの政権のもとで最多の死者が出ているのに、首相は何も語らずまったく他人事。
 8日昼やはり地元il ventoに行くとすでに並ぶ人あり、どうにか座れて新年の挨拶と初ローマ風マルゲリータ。その後春日道からなぎさの湯に浸かって帰宅。
 今日は夙川からさくらやまなみバスで有馬に行き堂加亭を訪ねるとお休み、スプリングテラスのお店でお昼を頂き、昨年末立ち寄り湯を復活した康貴の金泉、銀泉に久しぶりに浸かる。
 帰りは神戸電鉄で三宮に寄り、食材買って帰宅。来週予約していた小樽滞在とキロロは、申し訳ないが今の感染状況からやはりキャンセルした。今日のコロナ感染死者は489人過去最多。明日から天気は下り坂。



2023年 1月11日
「防衛・防御じゃなくて攻撃のほうもするよ、ということなんですよね。それが果たして今までずっと勝ち得てきた、ペルシャ湾まで行ってきた成果なのかなと。盾になるというイメージしかなかったので。攻撃しないから外国から認められて、『すごい』『日本の自衛隊はさすがセルフディフェンス』ということで結構称賛を浴びているのに」
「絶対戦争には行かないという頭がありましたから。親みたいな感じじゃないですか、OBなので。(後輩たちに)実際は行ってほしくない」元隊員
「70数年前に日本は決心したじゃないかと。尊い命を犠牲にして、我々今ここに繁栄を得ているのです。決して忘れません、決してあの過ちは繰り返しません。何十年も言い続けて、その結果がこの政策転換というのは、私はあり得ないと、そう思っているのです」
「安倍政治というものに非常に大きな問題があったと思います。全体の流れを先に作ってしまうというこの手法は、議会制民主主義の手法としては、ちょっとやっぱり違うのではないかと私は思います。安倍内閣、そして菅内閣、岸田内閣と内閣が3つ変わって、岸田さんがバトンを受け取ったときには、かなりもう勢いがついていて。この勢いを簡単に変えるとか止めるとかいうことは、なかなか難しい状況であったことは想像できます」
「しかし、そうであっても、変化をさせようとするなら、もっとやるべきことがたくさんあったのではないか。少なくとも国会で議論をする、あるいはもっと言えば、これをテーマに解散して総選挙で国民の意思を問うというぐらい重要な問題だと、私は思いますね。戦後最大と言ってもいいかもわからない、国の性格を変えるという意味で。それをやるだけの信念というか、それだけの深い考えがあったんでしょうかね」
「反撃能力というのは威嚇ですよね。明らかに武力による威嚇。武力を予算化しようとしている。どう説明をなさるのか、私にはわかりません。政治や外交の努力を抜きにして、ただ壁だけ立てていく。壁ならまだいいけれども、壁の隙間から向こうに鉄砲を向けて狙うというのは本当の安全だと思わないです」
「日本には、日本の歴史的な事情、反省に基づいて、あるいは日本の置かれている立場を考えて、やれる範囲、やるべきこと、やってはいけないことをもう少しはっきりさせるべきではないでしょうか。戦わないために何をするかということを、深刻に考えるべきだと思います」河野洋平 元衆院議長
 「戦力の不保持」「交戦権の否認」を国是とするこの国で、岸田政権が進める「敵基地攻撃力」「防衛費GDP2%化」などによる防衛政策の大転換に対する、退職した元自衛隊員と元宏池会所属自民党総裁、衆院議長河野洋平氏に取材した報道。
 国民を収奪する旧統一教会と癒着した安部政治の元でカルト化した自民党などには、最早こうした真っ当な保守政治家は絶滅危惧種になってしまった。
 「抑止力強化が平和につながる」とは、「核抑止」も含めて双方が常に冷静で理性的である限りの空論であり、頑迷固陋な為政者らが政治を行う現在の世界では成り立たない。待ったなしの気候変動・環境破壊による飢餓と衰退を前にして、人類には膨大な予算と人員を軍事に注ぎ込んでいる暇はない。日本は率先して核廃絶を含めた軍縮・軍備管理をみずから実践し世界に広めるべき。
《2022年12月、岸田政権がいわゆる敵基地攻撃能力を保有することを明記した安保関連3文書を閣議決定しました。
十分な議論がないまま決まった政策の大転換は、専守防衛を踏み外していないのか、自衛隊OBや自民党の重鎮を取材しました。
■「今まで以上の覚悟がいる」“敵基地攻撃能力”と“専守防衛”
2022年12月24日。横須賀基地に近いホテルに集ったのは、1991年、湾岸戦争直後にペルシャ湾の機雷掃海に派遣された海上自衛隊OBたちだ。
自衛隊初の海外派遣をめぐっては、当時大きな議論となった。あれから32年…さらに大きな転換点に、この国は立とうとしている。
「専守防衛」を誓った国が「敵基地攻撃能力」を持ち、他国への攻撃を可能にしたのだ。当時、掃海艇部隊の指揮官だった落合oさんは、これを高く評価した。
元ペルシャ湾掃海艇部隊 指揮官 落合oさん
「周りの国の脅威が上がってきて、それに対応するふさわしい防衛力を持たないなんて。それは何も、専守防衛の大転換でもない。それをやったからと言って、今度その国を侵略するって意味じゃないんだから。抑止力です」
ただ、元隊員からはこんな声も…
「そういうもの(攻撃)を持つことを語ることがタブーだった。今まで以上の覚悟がいると思います」
「防衛・防御じゃなくて攻撃のほうもするよ、ということなんですよね。それが果たして今までずっと勝ち得てきた、ペルシャ湾まで行ってきた成果なのかなと。盾になるというイメージしかなかったので。攻撃しないから外国から認められて、『すごい』『日本の自衛隊はさすがセルフディフェンス』ということで結構称賛を浴びているのに」
「絶対戦争には行かないという頭がありましたから。親みたいな感じじゃないですか、OBなので。(後輩たちに)実際は行ってほしくない」
1970年、初めて発行された防衛白書にはこう書かれている。
「わが国の防衛は、専守防衛を本旨とする」
「行動の態様等すべて自衛の範囲に限られている。すなわち、専守防衛は、憲法を守り、国土防衛に徹するという考え方である」
それから半世紀を超え、岸田政権は、2022年12月16日。安保関連3文書を閣議決定した。
その中で、敵のミサイル基地を直接たたく「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と言い換えて保有することを明記。岸田総理は、専守防衛の範囲内だと強調する。
岸田総理(2022年12月16日)
「憲法、国際法、国内法、そして専守防衛をはじめとする基本的な姿勢は、これからも堅持していきます」
相手の攻撃の着手を確認した段階で反撃能力を行使できるとしているが、どの時点を着手と判断するのか、ミサイル基地をどう特定するのか、あいまいな点は多い。
着手の判断を誤って攻撃すれば、国際法違反の先制攻撃になる危険性をはらむ。
防衛費はGDP=国内総生産の2%に倍増。5年間で43兆円に膨れ上がり、5年後にはアメリカ、中国などに次ぐ規模となる。
敵基地攻撃ができる、潜水艦やイージス艦に搭載する巡航ミサイル「トマホーク」をアメリカから500発購入するという。そして南西諸島には、敵の射程圏外から発射する“スタンド・オフ・ミサイル”を配備する計画だ。
自民党の重鎮が語る“安保政策の大転換”「あり得ない」 起点は「安倍内閣」
元自民党総裁で衆議院議長も務めた、河野洋平氏。岸田総理の出身派閥、宏池会に所属していた自民党の重鎮だ。
防衛費倍増と敵基地攻撃能力の保有という、安保政策の大転換について話を聞いた。
河野洋平 元衆院議長
「70数年前に日本は決心したじゃないかと。尊い命を犠牲にして、我々今ここに繁栄を得ているのです。決して忘れません、決してあの過ちは繰り返しません。何十年も言い続けて、その結果がこの政策転換というのは、私はあり得ないと、そう思っているのです」
政策転換の起点は、安倍内閣だという。
 
河野洋平 元衆院議長
「安倍政治というものに非常に大きな問題があったと思います。全体の流れを先に作ってしまうというこの手法は、議会制民主主義の手法としては、ちょっとやっぱり違うのではないかと私は思います。安倍内閣、そして菅内閣、岸田内閣と内閣が3つ変わって、岸田さんがバトンを受け取ったときには、かなりもう勢いがついていて。この勢いを簡単に変えるとか止めるとかいうことは、なかなか難しい状況であったことは想像できます」
「しかし、そうであっても、変化をさせようとするなら、もっとやるべきことがたくさんあったのではないか。少なくとも国会で議論をする、あるいはもっと言えば、これをテーマに解散して総選挙で国民の意思を問うというぐらい重要な問題だと、私は思いますね。戦後最大と言ってもいいかもわからない、国の性格を変えるという意味で。それをやるだけの信念というか、それだけの深い考えがあったんでしょうかね」
軍事増強を加速させる中国について、安保関連3文書では「深刻な懸念事項」と明記している。
河野洋平 元衆院議長
「中国が自分の言い分を正当化して押しかけてきている。それなら、やっぱり話し合う必要がありますね。その努力をどのくらいしたのか。外交関係でこの問題をテーブルにのせて、真剣に議論したことはあるか。私はそういう情報を聞いておりません。現状の倍の国防力負担を国民にさせようという状況なら、どれだけその前に外交的努力が行われたのかを問わなければいけないと思います」
アメリカ製のトマホークの購入には、2100億円あまりをあてるというが…
河野洋平 元衆院議長
「米中関係というものが今や最大の課題だと思っているアメリカにとってみれば、最も中国に近い最前線の日本を自分の味方に完全に取り込んで。その証拠を示すために、あれだけの金額を日本が使えますということを、これだけあからさまにしたというのは、やはりアメリカは大喜びでしょう」
ロシアのウクライナ侵攻で世界的に軍拡の動きが広がる中、日本のあるべき姿とは?
河野洋平 元衆院議長
「反撃能力というのは威嚇ですよね。明らかに武力による威嚇。武力を予算化しようとしている。どう説明をなさるのか、私にはわかりません。政治や外交の努力を抜きにして、ただ壁だけ立てていく。壁ならまだいいけれども、壁の隙間から向こうに鉄砲を向けて狙うというのは本当の安全だと思わないです」
「日本には、日本の歴史的な事情、反省に基づいて、あるいは日本の置かれている立場を考えて、やれる範囲、やるべきこと、やってはいけないことをもう少しはっきりさせるべきではないでしょうか。戦わないために何をするかということを、深刻に考えるべきだと思います」》




2023年 1月 3日
新年が開けて晴天続き。
元旦はアンパンマン詣を兼ねてお店とスーパーが営業しているumieに行き、テラス席でお昼とコーヒーの後食材買ってドック沿いを歩き閑散とした三宮神社を経て帰宅。
二日はバスで北野八幡を訪ね、参拝の列に並ぶのは辞めて大通りを降り、唯一開いていたフレンチのテラスでお昼。店長さんが多様なお客にユーモア交えて対応していた。帰路クアハウスで温泉に浸かり帰宅。
今日は西宮に行き、沖縄料理の店で初めて店内で昼食。ガーデ ンズのスーパーは流石に地元野菜は無かったが食材買って帰宅。夕景は穏やか。コロナ禍もロシアの蛮行もこの国の軍国化もなく なれ。


   

                                                                                                                                                                 
  
     





























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